2014年 10月 の投稿一覧

都内4%物件を外国人に売る意味あるの?

おはようございます。Manachanです。今回は、国内不動産ねたでいきますね。文章が口語調(ため口)になりますが、ご容赦ください…

いまの日本は、「インバウンド・ビジネス」が盛り上がってる時代だよね。インバウンドっていうのは、外国人、特に日本の近くで、経済的に豊かになったアジアの人々をお客様として、日本へ観光に来てもらったり、飲み食い買い物してもらっておカネを落としてもらおうぜ…っていうビジネスのことだ。

不動産ビジネスだって、例外じゃあない。いま、全世界のファンドとか、年金基金みたいな機関投資家が、東京の土地建物を買ってるし、アジア、特に中華圏の個人投資家のおカネも入ってきてる。

俺なんかもさ、日本人の不動産投資家で、かつ、中国語や英語で講演できるっていう、都合のいい能力があるから、いろんな不動産業者が、「鈴木さん、台湾香港シンガポールで一緒にセミナーやりませんか?」ってアプローチしてくるんだ。

そりゃあ、お申し出は有り難いし、俺も特技を活かして力を尽くしたいと思ってるよ。でも、そういう業者が持ってくる商材(物件)を見ると、ゲンナリするんだ。

・都内の新築ワンルームマンション、表面利回り4%台
・都内の土地付き新築一棟レジOR商業ビル、表面利回り3~4%台

そんな話ばっかり…これを、台湾や香港に持っていって、現地人に売ろうとするんだよな。

ぶっちゃけ、こういうの買った投資家って、儲かるの?おカネ増えるの?

例えば、4%台の新築ワンルーム買って金持ちになった日本人っているの?

ま、4%台ワンルームよりは、都内の土地のついた3%台の一棟物件を売る方が、まだしも話は分かるよ。土地の価値は毀損しないし、資産保全という意味が出てくるからね。でもねえ、

表面利回り3%台の都内物件が、アジア系の外国人にとって、投資対象として魅力的だと思うか?

別に彼ら、日本で投資しなくったって、いいんでしょ?例えばアメリカとか、もっと利回りの良い物件、たくさんあるでしょ?それに、ニュージーとかの銀行に預ければ、もっと高い利率で定期預金できるんでしょ?

不動産買うには、たいてい、資金調達コストってものがついてくる。アジア圏の外国人の場合、たぶん、LTV=50%くらいの融資を、日本国内にある中国銀行や台湾銀行の支店から、利率3.2%くらいで引いてくるケースが多いんだろうけど、

そういう融資ひくと、諸経費もろもろあわせて、正味2%くらいのコストにはなっちゃう。それプラス、不動産所得税、固定資産税、都市計画税は、外国人だって払う。毎年の確定申告のコストも払わなきゃならない。

それ考えると、グロス利回り3%台の物件持っても、おカネはほとんんど残らないはずだよ。ま、今の東京であれば、良い時期に転売できればキャピタルゲイン狙えるかもしれないけど…値上がったタイミングで上手に転売できる業者が、どれだけいるの?

都内物件の価値が上がって、たとえば1.5倍になったところで、転売して儲けましょう…みたいなプレゼンする業者は、男気あると思うけど、実際にそれができる自信あるの?オーナーが外国にいるんだから、難易度高いと思うぜ。

一投資家の視点から言うとさ、どう考えても、おカネが増えない物件を外国人に売っても、意味ないと思うんだ。

日本人に売れないから、外国人を出口にしようって魂胆の業者もいっぱいいるだろうけどさ、そんな商売、長続きしないよ。

人口が減ってて、長期的に不動産価値が上がるかどうか分からない国で、たかだか3~4%しか回らない物件売りまくったら、せっかくのインバウンド・ブームが台無しだよ。

投資不動産って、客に儲けさせてナンボの商売でしょ?それが全てじゃないの?

これからの日本って、どう考えても、値上がり益で勝負はできないじゃん?新興国はもちろん、先進国の多くに負けるでしょ?だったら、せめて、表面利回りがそれなりに高くて、家賃収入を稼げる物件をプロモーションすべきだと思うんだ。

そうねえ…どうしても都内売りたいんだったら、表面6~7%の中古区分マンションとかなら、ま、許容範囲かな。資金調達コストが約2%として、物件単体で6~7%回ってれば、一応、おカネは残るでしょ?

それよか、千葉か埼玉で、土地付き新築アパート建てて、表面7~8%とかの方が良心的だと思うよ。土地の価値あるうえに、新築か築浅で、企画さえ間違ってなかったら、ちゃんと賃貸ついて、キャッシュフローでるでしょ?一応、一都三県だから出口も取りやすい…

あるいは、大阪、名古屋、札幌、福岡といった都市でもいい。インバウンドやるなら、少なくとも表面6~7%以上出る、ちゃんとした収益物件を売ろうよ。日本のためにも、近隣諸国のためにもなるでしょ?

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思い出のカロライナ

こんばんは、Manachanです。今日はアメリカ不動産投資ネタでいきますね。

米国南部・サウスカロライナ州で、学生寮投資案件が出ました。ちょうど日本のワンルーム投資と似た感じで、賃貸に出して利回りを出す投資手法になります。

この案件は、約500万円から投資できて、2020年まで、8%の利回り保証(サブリース)がつきます。それ以降は一般賃貸になりますが、想定ベースで約10%回ると試算されています。いま都内でワンルーム投資するより割が良いかもしれません。

日本での不動産投資と組み合わせて、米ドルで家賃を得たい人には、手軽で良いかもですね。日本語の資料は、こちらからダウンロードできます。

http://xfs.jp/M83Xf8

ところで、私は、この投資物件からそう遠くない、ノースカロライナ州に住んでいたことがあります。2005年、中国のIT企業で働いている時に、長期出張で米国に派遣されたのです…このカロライナ地方は、気候が暖かく、とても住みやすい場所です。かつ人口も増えて産業移転も進んでおり、不動産投資に向いたエリアだと思いますので、紹介しますね。

まずは、以前書いた日記から…


2005年3月21日(月)、私はユナイテッド航空便で、シカゴから一路ノースカロライナ州ローリー(Raleigh)を目指しました。シカゴの上空から下界を眺めると、北国の厳しい自然がそこにありました。積雪、そして3月下旬でもなお冬枯れした落葉樹が、寒々とした景観をつくっていました。

私はいつしか眠りにつき、約1時間半後、目が覚めると、飛行機はすでにローリー国際空港に向けて、高度を下げていました。上空から見るノースカロライナの風景は、どこかしら懐かしい。緑の松林、こんもりした「おいしそう」な土の色・・・成田空港近くの里山に、どことなく似た風土のようでした。

ローリーの空港に下り立つと、シカゴの刺すような寒風とは違って、湿気をたっぷり含んだ、ちょっとだけ生暖かくて優しい空気に包まれました。日本の関東地方とそっくりな感覚です。あとで地図をみると、ここRaleighは北緯35~36度で東京とほぼ同じ、そして、年間気温の推移も降水量も東京のそれに非常に近いことが分かりました。

ローリーでは、植物も日本人にお馴染みのものが多い。どこへ行っても松林が続き、ハナミズキ(Dogwood)が咲いてていかにも日本の春っぽい。それだけでなく、野草まで日本とそっくりなのには驚きました。タンポポはもちろん、ヒメオドリコソウ、ムラサキケマンまである!いくら気候が似ているとはいえ、別の大陸で同じ種類の春野草が見られるとは・・・しかも、ほぼ同じ時期に。

樹木も、松をはじめ、ブナやカツラ、モクレンなど・・・アメリカは確かに異国ですが、植物層を見る限り、異国という感じがしません。どこをどう見ても、私の地元・千葉県にそっくりです。

そう、カロライナ地方は、日本の関東、中部、関西地方と、ほぼ同じ気候で、同じような季節感で暮らせるのです。夏は蒸し暑く、冬は寒く乾燥し、春と秋は長くて快適そのもの。年中、とても暮らしやすかったです。

米国には、厳しい気候の大都市が多い。寒いニューヨークやシカゴ、ボストンから、快適な気候を求めてカロライナに移住する人も結構多かったです。温暖といっても、フロリダほど暑くもなくハリケーン常襲地帯でもない。そして、ワシントンDCからわずか4~5時間のドライブで行ける近さと、産業も適度に発達して仕事が豊富にあるという、「手頃感」や「バランスの良さ」が、アメリカ人に支持されていました。

また、物価の安さも特筆すべきでしょう。米国で暖かさや仕事を求めるならば、カリフォルニアに行くのがベストでしょうが、悲しいかな、物価が高い、住宅価格も高い。その点、カロライナなら20万ドルも出せば十分な広さの家に住めますし、6ドル95セント(+約15%のチップ)も出せば、食べ放題のレストランで腹いっぱいにできました。

住宅事情も恵まれていましたね。一戸建てなら「ハーフ・エーカー」(約2000㎡)の土地付きが当たり前、リビングも寝室も、信じがたいほど広い。私は会社が手配してくれた1ベッドルームのモーテルに泊まっていましたが、70㎡はゆうにあったと思います。空間を持て余してしまう。

温暖で海も山もあるカロライナはアウトドア天国。ゴルフをはじめ、海水浴、サーフィン、ジェットスキー、海釣り、渓流釣り、ハイキング、キャンプ、グライダー…何でもできます。

【都会…シャーロット市のダウンタウン】

【山…スモーキー・マウンテンズ国立公園】

【海…マートルビーチ】

気候に恵まれたカロライナ地方では、ここ30~40年ほど、全米各地から産業の移転が進んでいます。大きな都市も、いくつか形成されています。

シャーロット市(ノースカロライナ州):全米屈指の金融都市。バンク・オブ・アメリカが本拠を置く。都市圏人口240万人。

ローリー市(ノースカロライナ州):IT、ライフサイエンスなどハイテクが発達した都市。大学教育も充実している。都市圏人口192万人。

グリーンビル市(サウスカロライナ州):タイヤメーカーのミシュランなどが本拠を置く。急速に企業進出中。都市圏人口136万人。

今回、学生寮投資案件が出た、サウスカロライナ州ガフニーは、ちょうどシャーロットとグリーンビルの中間にあって、どちらにも1時間以内のドライブで出られる…二大都市の雇用機会にアクセスできるという点で、不動産投資にはむちゃくちゃ良いところだと思います。

こちらも併せてお読みくださいね。

米国南部不動産投資―ノースカロライナ州(前編)
米国南部不動産投資―ノースカロライナ州(中編)
米国南部不動産投資―ノースカロライナ州(最終回)

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日本から、タイ不動産の未来がみえる?

こんばんは、Manachanです。今日は海外不動産ネタで…

一昨日、東京・品川で開催した、アジア太平洋大家の会主催「タイ土地投資セミナー」。とてもクオリティ高い内容だったと思います。タイ在住12年、地元の土地投資事情を知りつくした佐々木扶美さんの講演と、今回から新講師として起用した不動産のプロ・市川隆久さんの講演と…相性ばっちりでしたね。

私、2011年にアジア太平洋大家の会をはじめて、全国で140回以上もセミナーやってきましたが、「これだ!俺がやりたかったのは、こんなセミナーだったんだ!」と手を叩きたくなるほどの出来でした。

日本の海外不動産セミナーは、今のところ、東南アジアに人気が集中しています。この地域は、経済こそ伸びていますが、まだ不動産マーケットが未整備で、予測可能性に乏しい。

・この建物が建ったら、いつ、いくらで貸せるのか?数年後に転売する場合、いくらで誰に売れるのか?
・土地を買ったら、将来にかけて、どのように価値が上がり、何年後に、いくらで誰に売れる可能性があるのか?

そうした、不動産としての投資判断に必要な情報を得ることが、非常に難しいマーケットなのです。不動産取引のデータもない、システムもない、転売マーケットだって、存在があやふや、という状態ですから…

「東南アジアの人口と経済は伸びています。不動産価格も、年率何%で上がっています、必ず転売益でますよ!」みたいに、金融商品チックに売ることは可能ですが、「モノ」としての土地・建物や、生身の入居者に、何十年も向き合ってきた不動産投資家の私としては、そういう販売手法には正直、抵抗がある。

たとえ経済全体が伸びていても、不動産はマクロだけでは語れない、極めて個別性の強い資産です…たとえば、東京へ直通する鉄道沿線のA駅に快速が止まって商業施設ができれば、両隣のB駅とC駅が割を食う。A駅は徒歩15分まで資産価値あるけど、隣のB駅は徒歩10分離れると調整区域になって将来性ゼロ…不動産とは、そんな世界なのです。不動産投資は、ペーパーアセット投資とは根本が違うのです。

ただ、個別性だけ強調しても仕方がないので、数値データと分析を駆使して、不動産としての予測可能性を高めたい、投資判断に有益な情報を提供したい。

現状では東南アジアにそういうデータがありませんが、幸い、先行事例として「日本」があります。そこで、過去30年間、日本の不動産マーケットの歩んだ歴史を知り尽くした市川氏を新講師として起用し、

「日本の不動産市場から、東南アジア不動産の将来像を占う」新しいセミナー形態を考えました。これが大当たりだったので、11月8日のラオス不動産セミナーでも、市川氏を起用することに決めました。

海外不動産を扱うセミナーは全国的に増えていますが、私たちは「とことん、不動産にこだわる」姿勢を失わずに、今後もセミナーで情報提供を心掛けていきます。

ところで、市川氏の講演内容で、とても示唆に富むものがありました。私なりに解釈すると…

・東南アジア新興国のなかで、経済成熟と人口の少子高齢化が一番早く来るのは、タイ。
・タイの経済も地価もいま伸びているが、将来時点で潮目が変わり、おそらく日本のたどった道をたどるだろう。
・ただ、人口構成や平均所得から考えると、今のタイは日本の昭和40年代に相当するので、潮目が変わるまでにまだ時間的余裕があるだろう。

タイや東南アジアの不動産価格が、長期スパンでみて、今後どうなっていくかを占う上で、日本の経験は大変、示唆に富みます。

ところで、日本の公示地価をはじめ、不動産関連データが整備されたのは1983年(昭和58年)頃のことです。当時の日本はオイルショックを乗り切り安定成長、平均所得も1万ドルを超えつつあり、今のタイからみると、「ちょっとだけ近未来」といった趣きでした。

ご存じの通り、その数年後に不動産バブルが起こり、派手に弾けて、「失われた10年(20年?)」を経験したわけですが、

日本各地の土地価格の推移を詳しくみると、バブル崩壊10年を経過した2001年前後から、二極化が進んできています。東京など大都市圏では「底入れ」して、その後は地価水準が安定的に推移していますが、地方圏ではいつまでも底入れせず、だらだらと下落が続いています。大きくわけて、3つのパターンに分類できるように思います。

【パターン①:大都市型】 (例.東京都)
・バブル期に、大幅に価格上昇
・バブル崩壊後、大幅に価格下落
・2001年頃に底入れ、その後は地価が安定(横ばい~微増)
・バブル開始前より、今の方が地価水準が高い。

【パターン②中核都市型】(例.高崎市)
・バブル期に、比較的マイルドな価格上昇
・バブル崩壊後、比較的マイルドに価格下落
・2001年頃に底入れ、その後は地価がほぼ横ばいで推移。
・バブル開始前と、今とでは、地価水準がほぼ同等。

【パターン③地方型】(例.秋田県)
・バブル期に、小幅な価格上昇
・バブル崩壊後、小幅に価格下落
・その後、現在に至るまで底入れを経験せず、地価が下がり続けている。
・バブル開始前より、今の方が、地価水準がさらに低い。

面白いことに、同じ首都圏、同じ鉄道沿線でも、「東京都」に近い強い動きを見せているところと、「秋田県」のような弱い動きを見せているところと、二極化してい
ます。例として、私の郷里・JR常磐線沿線を見てみます。

この沿線は、バブル以前の好景気の時代、東京都内に家を買えない人たちが、マイホームを求めて、松戸、柏、我孫子、取手と…どんどん遠方に住宅地が広がっていったところです。東京駅からの距離と所要時間は下記の通り。

松戸駅  20.5㎞ 27分  
柏駅   31.6㎞ 36分
我孫子駅 36.0㎞ 41分
取手駅  42.1㎞ 47分  

しかし、バブル崩壊後の地価推移データを見ると、「東京から遠方」あるいは「駅から遠い場所」で家を買ってしまった人々が、軒並み大損したことが分かります。大まかにいうと、

松戸市と柏市…東京都と同じ「大都市型」の動き
我孫子市…高崎市と同じ「中核都市型」の動き
取手市…秋田県と同じ「地方型」の動き

「柏駅」と「取手駅」は、所要時間にして11分しか違いませんが、地価推移パターンからいうと「東京都」と「秋田県」くらいの差がついてしまっています。商業施設の充実の差などもありますが、「東京から、わずか11分遠い」だけで、資産価値の面で雲泥の差が付いてしまったのです。

【柏駅徒歩圏住宅地の地価推移】
1983年当時:21.5万円/㎡
1991年当時:68.0万円/㎡ (バブル最盛期)
2004年当時:21.7万円/㎡ (底入れ)
2014年当時:23.1万円/㎡ (緩やかに回復傾向)

【取手駅徒歩圏住宅地の地価推移】
1983年当時:12.3万円/㎡
1991年当時:23.3万円/㎡ (バブル最盛期)
2004年当時:9.8万円/㎡ (底入れなし)
2014年当時:6.5万円/㎡ (現在でも下落続く)

また、「アベノミクス」の昨今、東京都心部の土地価格はミニバブル的な様相を呈していますが、郊外に出ると濃淡がハッキリ分かれます。東京から近い順に見ていきますと、

【松戸市の地価マップ】
市内ほぼ全域で、前年比で地価が上昇。満遍なく強い動き。

【柏市の地価マップ】
駅から離れると弱いですが、柏駅と南柏駅の駅近エリアは軒並み前年比上昇。

【我孫子市の地価マップ】
我孫子駅の駅近を除き、ほぼ全域で前年比下落。

【取手市の地価マップ】
全域で前年比下落。

後知恵になりますが、「都内から離れても、せめて松戸か柏に買っておけば良かった」、「我孫子以遠で買ってしまうと将来キツイ」という結論になるでしょう。

ただ、バブル以前の、毎年、土地建物の価格が上がる時代に生きた人は、そんなこと考えずに、どんどん、遠い郊外に家を買いました。取手よりさらに遠方、竜ケ崎や牛久、土浦まで、東京通勤者の住宅地が広がったのです…

「日本(常磐線)の経験」は、いまタイで土地や建物を買う人にとって、大変示唆に富むものではないでしょうか?

いまバンコクでは、郊外に向けてどんどん鉄道が延伸され、住宅地が広がっています。今は、どこ買っても値上がりますが、今後(約10年後?)、潮目が変わった時、どうなるのか?都心から遠い延伸区間で家を買った人の、資産価値は果たしてどうなるのか?

むろん、日本の経験が、タイの将来にそのまま当てはまるわけではないでしょうが、人口、所得水準、銀行融資、インフラ、商業施設…土地価格に影響するファクターを整理・分析していけば、国は違えど、それなりに妥当な精度で、資産価値を予測できるようになるかもしれません。

アジア太平洋大家の会は、その方向性を目指していきます。あくまで不動産にこだわり、全世界で不動産の目利きができるようになっていきたいです。

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千葉を憂う~埼玉に人口をとられる本当の理由~

おはようございます。Manachanです。今回は首都圏ローカルネタで…

千葉県と埼玉県は、宿命のライバル…これは、全国に知られる有名な話。プロ野球でも、「埼玉ライオンズVS千葉マリーンズ」の「ライバル県シリーズ」があって、大変盛り上がる。「東京、神奈川に続く、関東第三位の座」は、お互いに、譲れないのです。

野球やサッカーはいいとして、両県とも東京のベッドタウン。郊外住宅地として競争しているはずです。その最大のファクター「人口」に関していえば、千葉県は埼玉県に100万人以上も差をつけられています。

埼玉県 724万人   千葉県  619万人 

しかも、平成23年3月の東日本大震災以降、その差は開く一方です。

埼玉県  震災後、 720万 → 724万人 (約4万人増)
千葉県  震災後、 621万 → 619万人 (約2万人減)

なぜここまで差が開くのか?確かに埼玉県の方が千葉県より、東京への接地面積が広いし、都内に出る鉄道路線網も豊富だから人口が多くて当然、という面はある。また埼玉県の方が、千葉県よりも、東京のベッドタウンとしての歴史が長い。

しかし、「人口増加数」や「増加率」まで、差がつけられてしまっているのはなぜか?広大な面積を持つ千葉県の方が、新規の住宅開発適地も広いはずだし、地価水準も埼玉より多少は安いはず。東京のベッドタウンとしての発展余地を多く残し、本来、人口が増えてしかるべき千葉県が、逆に減らして、「首都圏一人負け」しているのはなぜか?

しかも、震災後は埼玉県に人口を取られているのです。

東日本大震災で、千葉県の湾岸部には「軟弱地盤液状化」、内陸部には「放射能ホットスポット」という負のイメージがついた面もある。震災後2年目までは、明らかに千葉県への流入が減り、「震災に強い」イメージのある埼玉県が受け皿になった面が、統計数字からも読み取れます。

さすがに現在では、震災の影響は薄れて、以前のトレンドに戻ってきましたが、それでも、千葉県の人口の勢いは埼玉県に劣っています。

詳しくみてみると、千葉県内で、震災後も相変わらず人口流入・増加が目立つのは、船橋市、流山市、柏市の3市。「千葉の三強」と呼ぶべきこれらの都市は、いずれも、「東京25~30㎞圏内」に位置し、かつ「つくばエクスプレス、東葉高速線」という都心直結の新鉄道を持ち、沿線住宅開発が進んでいます。

一方で、さらに東京に近い「15~20㎞圏内」に位置し、千葉県の人口を引っ張るべき「市川市」や「松戸市」、「浦安市」の元気のなさが目立つ。これらの都市の人口は減少~横ばい傾向です。

今度は埼玉県に目を転じてみると、千葉県の市川、松戸にほぼ相当する、「都心15~20㎞圏内」の「川口市」、「草加市」、「八潮市」などの人口は増加基調。船橋や柏に相当する「都心25~30㎞圏内」の「さいたま市浦和区、南区、緑区(旧浦和市)」や「越谷市」の人口動態も元気です。

さらに都心から離れて、30~40㎞圏以遠になると両県とも人口横ばい~減少傾向になります。したがって、

現時点で、千葉が埼玉に差をつけられる理由は、「都心15~20㎞圏の各都市」の人口の勢いの差…つまり、(埼玉県の)川口、草加、八潮の人口が伸びているのに、(千葉県の)市川、松戸、浦安の人口が伸びないことだといえそうです。

都心アクセスや地域属性に大差ないのに、なぜ人口の勢いに差がつくのか?…両県とも、都心近接の15~20㎞圏はほぼ開発し尽され、新鉄道の建設もなく、人口増加の余地が余り残っていないなかで、この差は何なのか?

不動産業者として、千葉、埼玉の宅地を日々見ている私の仮説は次の通りです。

・千葉県の土地開発規制が埼玉県より厳しく、土地の低度利用(戸建)に誘導しすぎている。

・すでに人口増加のほぼ止まった15~20㎞圏内でも、規制の緩い埼玉側は「戸建からアパート・マンションへの住み替え」により、人口が伸びる余地が多少ある。

・しかし、千葉県側では戸建誘導策のために、アパート・マンションへの住み替えが埼玉ほど進まない。

そこで、不動産データベースREINSを使って、ここ一か月、千葉県と埼玉県で売りに出された、面積50~250㎡の土地の用途規制と建蔽率を調べてみました。その差は、一目瞭然!

・千葉県は、2階建てまでしか建たない低層地域の比率が高い。

・建蔽率(土地面積に対する建物面積の比率)も、埼玉県の方が規制が明らかに緩い

⇒埼玉県の方が、はるかに集合住宅を建てやすい!

首都圏ベッドタウンとしては後発だった千葉県が、広大な土地を活かして良質な戸建住宅地を開発してきた経緯は、よく分かります。

しかし、首都圏でさえ人口停滞期に入った今、千葉県の人口規模を維持するためには、住宅政策に柔軟性が必要だと思います。たとえば、

東京直結の駅徒歩圏は、規制緩和して、アパート、マンションなどを建てやすくする

駅から離れたエリアでは、戸建住宅地としての発展を誘導する。

一つの例をあげると、千葉県に「南柏」という駅があります。ここは、千葉県の人口成長センターといえる「柏市」と「流山市」の境に位置し、駅前再開発で人気も上がっています。しかも
、メトロ千代田線で大手町、霞が関、表参道へ直通。東京ベッドタウン競争で埼玉に対抗する上で、強力な戦闘力を持つ地域の一つです。

しかし、南柏の駅徒歩2分の至便な場所が「低層住宅地域」になっていたり、駅8分の住宅地が「地区計画でアパートを建てられない」エリアに指定されていたりします。

はっきり言って、時代遅れ。本来、人口を集積すべき場所なのに…未だにこんなことやってるから、いつまでも埼玉に勝てないんだよ!

(千葉県民の誇り)ミッキーマウスのTシャツが、草葉の陰で泣いてるぜ…

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外国人の土地所有を制限できるか?

こんばんは、Manachanです。今日は久しぶりに、グローバル不動産投資らしい話題でコラム書きますね。

クイズ:「日本の土地って、日本人じゃなくても買えるんですか?」
答え:「YES。日本での土地購入に、国籍や永住権などの制限事項はなく、何国人でも買えば登記できます。」

クイズ:「外国人に土地所有を認めている国って、世界的にみて多いんですか?」
答え:「欧米先進国なら、大抵認めています。もっとも、新興国や途上国では、認めていない国の方が多いでしょう。」

ところで最近、「外国人に日本の土地を買わせるべきか否か?」というテーマで議論を吹っ掛けられることが時々あります。私、彼らと議論が噛み合ったためしがありません。

これ問題にしたがる人って、ほぼ100%間違いなく「外国人に買わせたくない」って思ってる。ま、個々の考え方は別にいいんだけど、相手も同じ考えに違いないって思い込んでるところが、痛いんだよな。たとえば、

「鈴木さん、外国人の土地所有を制限すべきだと思いませんか?」と、一方的に言って、
私の口から「YES」の答えを期待する。
「NO」と言ったら最後、場が凍り付いてマイナス50℃位になり、即時決裂さぶ~

俺、こういう議論嫌い!
なぜかって、俺はグローバル投資家で、いろんな国に不動産を持ってるから…

そりゃもちろん、外国政府の領域下にある不動産だから、権利面でも自国民と同等というわけにはいかない。そんなの最初から分かっているよ。でも、

俺が大枚はたいて買った不動産が、外国人だからという理由で、ある日突然、所有権を剥奪されたり、自由に使用収益できなくなったりしたら、そりゃ激怒するよ。こんなふざけた国で二度と投資なんかしないと誓うはずだ。

外国人が日本で同じことされたら、俺と同じように思うはず…外国人バイヤーを警戒する前に、大人ならせめて、その程度の想像力は働かそうよ。

だいいち…俺が細かいところ突っ込むと、明快な答えが返ってこないんだな。

・そもそも、外国人の土地所有を制限することで、実現される利益は何なのか、具体的に分かってるの?

・何らかの制限が必要だったとしても、所有権制限がベストな方策なの?そう思う根拠は何?

・百歩譲って、それがベストだったとしても、日本国民に土地建物を自由に所有させてる国で、一体どんなメカニズムで外国人の所有権を制限するの?

・一つの方策として、たとえば「登記」段階での国籍チェックはできる。でも、日本には土地登記と建物登記が別個に存在するよね?外国人の土地登記は違法、建物登記は合法という仕切りにするの?そうなると、外国人は一戸建は買えないけど区分所有のマンションは買えることになっちゃうけど…まじでどうしたいの?

外国人を標的にした土地所有制限…結局どうやっても、日本の国益や対外イメージを損なう結果しか生まないだろうね。

そんな話がまかり通ったら、もちろん程度によるけど、最悪の場合、多国籍企業は日本を撤退、外国の機関投資家も撤退、そして株価暴落、雇用ショック…そもそも不動産所有権を蔑ろにするような国に、誰が好き好んで投資するでしょう?

仮に、守るべき利益が「水資源」や「国境の安全」であるならば、該当する地域や水系を指定して、規制地域内の土地取引は国土交通大臣の許可制にする、許可のない取引は無効にする、みたいな方策を取れば良いわけで、不動産所有権などの根幹をいじる必要はない。

もし仮に、中華圏諸国や東南アジアのいくつかの国みたいに、日本が海外投機マネーの流入で不動産価格が暴騰し、一般の日本人が買えない価格帯になってしまった場合は、最悪、マレーシアがやった「外国人の不動産最低価格を引き上げる」みたいな方策も必要かもしれない。でもそれにしたって、所有権の根幹部分はいじっていないわけで。

そもそも、外国人の不動産所有権を制限しようぜ、という話自体が、先進国レベルの発想じゃないよね

先進国とは何か?…法制度面でいえば、「所有権」のような基本的私権と運用は「民法」等で厳密に定義され、その原理原則は決していじらないのが先進国の証。

外国人の不動産所有に関する問題が起こったなら、「国土法」「農地法」「入管法」、(現在休眠中の)「外国人土地法」など既存法令や、財政・金融政策などを動員してコントロールする…そういう手段を豊富に持つのが、先進国ではないの?明治以来、近代法治国家を100年以上運用してきた日本も先進国のはずでしょう?

そういった蓄積を一気に飛び越えて、外国人の私権制限まで話を飛躍させる人は、たぶん、日本を新興国、途上国レベルに引きずりおろしたいんでしょう。

結局、不勉強で情弱で怠惰なだけなんじゃん?彼らに、日本のお国柄を卑しめられてはたまらない。

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アスペくんの生きる道ー2)社会人マナブ編

前回の続きです。

アスペルガー(高機能自閉症)特性ゆえ、子供時代、「この子に会社勤めは無理だろう」と言われていた私・・・しかし、蓋を開けてみれば、大学卒業後、19年間もサラリーマン稼業を続けることができました。

特に大きかったのが、サラリーマン暮らし19年間のうち16年間を占める、「ITエンジニア」という仕事でした。

「ITエンジニア」(特にプログラマー)は、アスペルガー特性の人間(以下「アスぺくん」と略)には、極めて親和性の高い職業として知られています。人間関係のファジーさは苦手だけど、コンピューターなら「0」か「1」で決着がつく世界なので、強い論理数学能力を持つアスペくんの得意分野が生きる職業の一つです。他に、アスペルガー向きとされるのが、建築士、学者、デザイナー、会計士など、いわゆる「職人系」の仕事。

逆にアスぺくんに不向きの職業とされるのは、接客業、教師、レストラン、電話オペレーター、事務、営業など…柔軟なコミュニケーション能力や協調性が求められる仕事はきつい。特に他人(特に顧客)のペースで動かされたり、臨機応変な対応を求められる職業は極めて不向きとされます。

私が幸運だったのは、自分が社会に出た頃、ちょうどインターネット革命が起こり、eメールという通信手段が開発され、普及したこと。

アスぺくんにとって、eメールは画期的な発明でした。電話や対面コミュニケーションにストレスを感じていた者にとっては、まさに福音。eメールがあれば、自分の声や表情を相手に知られずに、ストレスフリーで意志疎通できるのです。

特に私は長年グローバル企業に勤め、用事はほとんどeメールで済ます、相手はたいてい外国人で私の名前「マナブ」の性別さえ分からず、時には「女性」だと思われる…そんな職場環境は、極めてアスペルガー向きで、私が長年サラリーマンを続けられたのも、eメールに助けられた面が大きい。

最近は、アスペ脳を積極的に活用しようという企業の取り組みも広がっています。

しかし、いくらITエンジニアとはいえ、実際の仕事の現場では、私の得意分野ばかりが生かせる環境とは限りません。時には、極めて不得意な業務の現場に放り出されたこともあります。その時の業務評価は恐ろしく悪く、「解雇」の二文字がちらつくほどの状態でした。

どんな仕事が苦手だったかというと、

1)要件定義 (顧客の業務を理解し、業務フローに落とし込む仕事)
2)プレイングマネジャー(上司として部下を管理しながら、部下がやるような実作業もやる仕事)

特に、「要件定義」は絶望的に不得手でした。なぜかというと、顧客のペースや脳味噌の構造に合わせて仕事しなければならないから…アスぺくんは、自分のペースで働くのは極めて得意だけれど、その逆はからきしダメなのです。

要件定義の現場にいた頃、私が脳味噌をフル稼働させて、自分ベストの業務フローを出しても、顧客に「全然違う!」と言われる。上司には「なんで、こいつはいつまでも理解できないんだろう」と言われる。死ぬほど頑張っても、結果は変わりませんでした。

そんな仕事に配属された時の成績は、惨憺たるものでした。たとえば、

1998年(29歳):都内の役所に配属され、客先に常駐して道路管理の業務フロー整理の仕事を命じられるが、全然、使い物にならず、結局、年下の上司が私の仕事を全て引継ぎ、間もなくお役御免に。その年、私の業務評定は、最低ランクの「C」(下から7%)で昇給ゼロ。メンターから、「この仕事、向いてないかもしれないね」と言われたほど。

その頃、私はアスペルガーという言葉さえ知りませんでしたが、自分の個性として、「普通の人にはできない特殊能力がある」反面、「普通の人が当たり前にできることが、どうしてもできない」。特に不得手なことは、自分の努力ではどうにもならないことを学び、「自分の得意分野が生きる職場だけを、注意深く選んでいく」ことに決めました。

結果的には、それが自分のサラリーマン人生を延ばすことにつながりました。特に、誰の追随も許さなかったのが、語学能力。「ITエンジニアで、日本語と英語と中国語、全部ビジネスレベルでできる人材」というのが、日本のみならず、世界中どこに行っても稀少価値なので、重宝されました。

この特殊能力のおかげで、他社により高い年俸で転職したり、海の向こうの職場に転職することは、私にとっては簡単なことでした。

2000年 日本→オーストラリアに国際転職
2005年 オーストラリア→中国に国際転職
2007年 中国→日本に国際転職 

2009年 日本で転職、年俸6.4%アップ
2012年 日本で転職、年俸14.5%アップ

しかし、雲行きが怪しくなったのが、リーマンショック(2008年)以降。全世界的に、金回りが悪くなり、ITエンジニアの職場環境が”Lean and Mean”(ケチでスリム)になり、経営者は、中間管理職を減らし、マネジャーにもプレイヤーを兼務させるようになりました。

これまでと違って、「自分の得意分野だけで勝負する」ことができにくい職場環境になったのです。プレイングマネジャーを長年やらされれば、アスぺくんじゃなくたって、誰だって消耗します。

そして、私の16年にわたるITエンジニア渡世に終止符を打ったのは…自らのアスぺ特性と、極めて不得手な「要件定義」でした。

2012年(43歳):勤め先の会社が極めて人手不足ゆえ、私は都内のアパレル販売会社に常駐し、プロジェクトマネジャーと兼務で要件定義も任せられました。この仕事が絶望的にできず、連日の終電&徹夜が続く奮闘努力にもかかわらず、顧客クレームでプロジェクト途中で現場を外され、数週間後に解雇された。

あのプロジェクトが佳境を迎えていた時、顧客担当者と業務手順を確認した時、「未だに、こんなこと質問するのかよ?」と、ものすごく怖い顔で睨まれたことを、今でも覚えています。

自分としては不本意だけど、顧客がキレる位、相当、的の外れたことを質問してたんだろうな。それに、年俸1300万円で採用した人間を、わずか5か月
目で解雇するのは、相当、出来が悪かったんだろうな。しかし、何が的外れだったのか、未だに気付いていないのも、アスぺくんならではのこと。

あの時の、客の怖い表情を思い出すたびに…心の声が聞こえてきました。

「もう、これ以上サラリーマンは無理だよ。潮時だよ」
「いろんなことあったけど、19年も、頑張ったんだから、上出来じゃないの?」

解雇され、2月の寒風に放り出された日から、1年半。今の私は、都内五反田に事務所を構え、宅建業免許を取り、「気楽な一人会社の社長」として、働いています。

40代半ばにして、初めて手にした、「真に、自分らしい働き方」。上司も部下もおらず、事業に大成功するチャンスと、失敗して野垂れ死ぬ自由と、いずれも満喫しています。

正直言って、野垂れ死ぬリスクは、そんなに高くないと思ってます。今の私の働き方って、得意分野でしか勝負してないからね…アスぺくんが得意分野だけで働けるならば、たいていの人には負けないはずと思ってるから。

最後に、アスぺくんに贈る言葉を、いくつか。

1)人生は、適度に生きにくい位が、ちょうどいい。

2)めくら千人、目明き千人…世の中、常識のないキミを毛嫌いする人もいるだろう。でも、それと同じ位、真っ直ぐでひたむきなキミを好きな人もいるんだ。

3)皆と同じことをさせようとか、周囲に合わせるべきとか、そんなスタイルの上司のいる職場にいても、芽は出ないので、配置換えか転職を考えよう。

4)自分の良き理解者は、一生、大事にしよう。

5)苦手なことを改善しようとしても無理、とにかく長所を伸ばし、自分の得意分野が生きる働き方や活動の場を見つけよう。

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埼玉マイルドヤンキー不動産投資

こんばんは、Manachanです。

10月5日、私の誕生日に川越市で行ったセミナー講演は、「埼玉の、埼玉県民による、埼玉県民のための不動産投資」という、アメリカ南北戦争のリンカーン演説みたいなタイトルでしたが、

そこで紹介した商材は、「埼玉県東松山エリアの新築一棟アパート」でした。概要は下記の通り、

・土地付き、駐車場付き、8~10戸新築木造アパート
・間取りは単身者~カップル向け
・表面利回りは、8.0~8.5%
・販売価格は、6000~9000万円
・場所は埼玉県中央部、東松山市、川越市、坂戸市、比企郡など

この種の収益物件が、今後何十年にわたって、順調に稼働するのか?投資として成り立つのか?本質的に考えてみたいと思います。

単刀直入にいえば、下記3つの問いが肝だと思います。

・首都圏外縁部(埼玉、千葉)の「マイルドヤンキー経済圏」が、今後数十年にわたって維持されるのか?

・入居者として想定される「マイルドヤンキー層」が、今後数十年にわたって、5万円前後の月額家賃を払い続けられるのか?

・「松堀不動産」が、今後数十年にわたって、物件所在エリアで管理会社として優良なサービスを提供し続けられるのか?

上記の問いに対する答えが全て「YES」であるならば、この投資、成功するでしょう。

もう少し詳しく解説してみましょう。

埼玉、千葉、神奈川、東京都下、茨城県南など、首都圏郊外で生まれ育った人間は、大人になると、居住地選択を迫られます。

【都心派】:優秀な奴、腕に覚えのある奴は、東京都心に出て、競争社会に身を投じる
【地元派】:フツーの人間は、地元に残って働く
【首都圏脱出派】:首都圏を離れて地方や海外に出る奴もいるが、割合的にはごく少数

その割合は、地域によって違うでしょうが、私の出身地である千葉県・柏エリアの場合、

【都心派】=20~25%
【地元派】=70%
【首都圏脱出派】=5~10%

…こんな感覚の数字になると思います。要するに、過半数は地元に残り、両親と同居するか、両親宅の近くに家を建て、子育てをする。そんな彼らが、いま「マイルドヤンキー」と呼ばれているわけです。

東京郊外マイルドヤンキーのふるさとには、こんな風景が、果てしなく広がっています。

幹線道路沿いのロードサイドに、庶民的なチェーン店が延々と並ぶ。服はユニクロ、しまむらが定番。食事はサイゼリヤ、吉野屋、日高屋、マクド、山田うどん。スーパーは、埼玉ならロヂャース、千葉ならマミーマートかヤックス。消費者金融はアイフル、無人君。約10㎞行くごとにイーオンタウンとドンキが出現…

都市文化が栄える東京都心で確立したビジネスモデルを、より安く、大量に、画一的に供給しまくった結果、首都圏郊外の「ファスト風土」的な原風景がかたちづくられました。

面白味はないけど、それでも住めば都。首都圏郊外に、仕事は豊富にあります。都心に出ていかなくても、仕事を選り好みしなければ、地元で食っていくことは簡単にできます。郊外の生活コスト、特に住居費は都心より格段に安い。

安い住居費、親の持つ家屋敷、地元アドバンテージのおかげで、マイルドヤンキーは結構リッチで、可処分所得もそれなりに高い。

「都心で頑張って年収600万を得て湾岸のタワーマンション暮らし」よりも、「郊外に住んで地元企業で年収400万」の方が、実質的な生活水準ははるかに上でしょうね。

首都圏の外周部、国道16号線沿いには、比較的大きな衛星都市が連なっています。そこが「首都圏マイルドヤンキー」たちの遊び、飲み食い、街歩きの舞台になっています。彼らは仕事、日常生活のみならず、遊びの面でも東京を必要としないのです。

大宮=さいたまマイルドヤンキーの聖地
柏=ちばらぎマイルドヤンキーの聖地
立川=にしたまマイルドヤンキーの整地
町田=かながわマイルドヤンキーの聖地
千葉=ぼうそうマイルドヤンキーの聖地

でもって、都心から約30㎞の「大宮」に集まるマイルドヤンキーたちの多くは、大宮のちょっと外側、「都心30~50㎞圏」に住んでいます。具体的には埼玉県の上尾、桶川、北本、鴻巣、蓮田、久喜といった都市の住人であることが多い。

彼ら「首都圏マイルドヤンキー」たちを入居ターゲットに定め、今後末永く、安定経営できるかどうかが、今回紹介した「東松山一棟アパート」の成否を握るのです。つまり、

下記、埼玉県の地図でいえば「緑色のエリア」(都心距離30~50㎞、ギリギリ首都圏)で勝負するのが、「埼玉マイルドヤンキー不動産投資」の基本コンセプトなのです。

これ、成功すると思いますか?

私は、YESだと思います。少なくとも、これから国際競争にさらされる東京都心勤務の高コストなホワイトカラーより、ずっと安定的な顧客層だと思いますよ。

圏央道、外環道はじめ、交通インフラが縦横に整備された首都圏で、地価も安い、給料もそこそこで良い郊外と、地価も給料も高い都心を比べると、今後、どちらの仕事が増えやすいでしょうか?

そう考えると、「東松山一棟アパート」ってアリだなと思います。ま、自分がおススメできると思わなければ、セミナーの檀上に立つことはないですけどね。

最後に…私、首都圏郊外マイルドヤンキー地帯に生まれ育って、果たしてラッキーだったのかアンラッキーだったのか、よく分からないのだけれど。少なくとも、ラッキーだったと思える人生にしたいと思います。
そして、何千万人を数える首都圏出身者が、それぞれの地元を楽しくエキサイティングだと思えるような情報発信を、これからも続けていきたいと思います。

拙著「首都圏マイルドヤンキー最強物語」も、併せてお楽しみください。

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収益不動産ニーズ爆発の時代

おはようございます。Manachanです。

バースデー講演となった、昨日の埼玉セミナー、とても良かったですよ。

・「埼玉県民限定」とうたっている
・開催地が埼玉県川越市

そんなローカル企画ゆえ、こじんまりしたセミナーになるかと思いきや、参加者20名の枠は早々と埋まってしまいました。しかも、台風接近中の悪天候なのにほとんど全員が来場し、そしてセミナー終了後も半数以上が個別相談に残る…

収益不動産に対するニーズの高まりは本当に凄いですね。

アベノミクスの効果が薄れてきたといわれる昨今の日本でも、収益不動産の売買は相変わらず活発。というか、ますます過熱してきた感があります。より正確にいうと、「買いたい人はいくらでもいる」のに対し、「供給が追い付いてない」感じ。

世の中、「やっぱり不景気」なので、実需用不動産は売れない。建築コスト高騰の昨今、実需の分譲マンション売ってる業者は大変。都内一等地でもない限り、販売価格は上がらないわ、利益は建築費に食われるわで、青息吐息。私の知ってるだけで、開店休業状態のデベロッパーがいくつもあります。

逆に、収益用の新築アパートを建てる、企画力も情報発信力もある会社は、まさに「この世の春」状態。なにしろ「買いたい」人が門前列をなしているんですから、「物件つくる」だけで利益を出せてしまう。

最近、私をセミナー講師に呼んでいただいた福岡県の「三和エステート」や、埼玉県の「松堀不動産」のような、有力な収益不動産商品を持っている会社は、社員数を急ピッチで増やしている状態。

なにしろ、物件建つ前にセミナーでばんばん売れてしまうんですから、実需用マンション業者からすれば羨ましくて仕方ないでしょうね。

いま、日本の不動産市況、簡単にいうと、

「お金が増える収益物件」 ◎
「お金が安く済む実需物件」 ○
「フツーの実需物件」 × 

収益不動産人気の背景には、やはり雇用不安や年金不安があるのでしょうね。おカネを生む物件を正しく選んで、有力な管理会社と組んでちゃんと経営すれば年金代わりにもなるし、物件を上手に増やせば、「ファイナンシャルフリー」への道も開ける。

私は昨年2月、不本意ながら、解雇というかたちで、サラリーマンの地位を失いましたが、当時すでに収益不動産を2棟持っていたことで、当面の生活費も捻出できたし、「独立自営業主」への移行もスムーズにできた…

小さなアパート2棟程度の収入では、家族4人の生活費を全部まかなうことはできませんが、もし自分が一人暮らしだったなら、2棟だけで十分、ファイナンシャルフリー♪贅沢はできませんけど、千葉県の鎌ヶ谷とか北習志野みたいな郊外に安い家借りて(あるいは競売戸建を安く買って)、サラリーマンやらずに食っていくことは十分できます。

あるいは東南アジアの、フィリピンとかタイで、生活費安く暮らすこともできますね。現地人と同じような暮らしをすれば、月収5~6万円もあれば十分。もともと貧乏旅行者なので、そういうのは慣れているし、1年もすれば現地語覚えて、地元の社会に溶け込む自信もあります。

幸か不幸か、私は解雇された当時に4人家族で子育て中だったので、今でも相変わらず、(気楽な一人会社の社長として)働いているわけですが、それでも、収益不動産の存在が、サラリーマン時代より自由なライフスタイルを実現する強力な装置として機能したことは、間違いありません。

日本経済やサラリーマン人生の先行き不安が先行する時代を生きる、そのことを自覚したうえで、「安定」や「自由」を渇望する気持ちが、収益不動産ブームをつくっているのだと思います。

私はここ3年ほど、「海外不動産投資」というニッチな分野で活動していますが、こちらも活況が続いています。

よりマクロにとらえれば、「海外不動産投資」人気も、近年の日本を席巻する「収益不動産人気」の一部なのかもしれません。つまり、日本全国で、収益不動産を求める人がものすごい勢いで増えていて、その一部が海外不動産投資に流れているだけの気がしています。

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