東陽町にマンションバブルがやって来た!

こんにちはManachanです。今回は「東京の不動産」ねたでいきますね。

私は東京都内、江東区の東陽町に住んでいます。東京駅から東へ、メトロ東西線でわずか5駅9分の至近距離。タクシー乗っても2000円ちょっと、頑張れば歩けます(私の足で50分かかりますが…)。

この一帯の基本的性格は下町、庶民の街。金持ちが好んで住む場所ではありません。でも都心に近くて便利なので、最近はアッパーサラリーマン家庭がマンション買って住む場所になっています。下町ながらインターナショナルスクールもあって、外国人も比較的多いです。

 

その東陽町界隈、いま新築マンション建設ラッシュです。駅徒歩5分圏内に3社の新築分譲マンションが同時に販売中。

・住友不動産のシティテラス東陽町(駅5分、522戸、完成済)
・野村不動産のプラウド東陽町サウス(駅4分、97戸)
・新日鉄興和のリビオレゾン東陽町プレミア(駅3分、93戸)

 

これらに加えて、

・三菱地所のパークハウス東陽町翠賓閣(駅8分、117戸)
・一建設のプレシス東陽町(駅12分、35戸)

 

狭い地域にこんなに建てて売れるのかと思いきや、案の定、住友の「シティテラス東陽町」はしっかり完成在庫になってます。今でも150戸(約30%)くらいは残っているとの噂で、暑い日も寒い日も、立て看板持ったアルバイトのおじさんが駅前に立ってビラ配ってます。

最近は野村の「プラウド東陽町サウス」の立て看板持ったおじさんが近くに立ち、2プロジェクトの販売合戦を繰り広げるのが、東陽町の風物詩(?)になっています。

 

シティテラスが完成在庫いつまでもはけないように、他の駅近物件も苦戦するでしょうね。全プロジェクト、完成在庫まっしぐらでしょう。理由は簡単で、売値が高すぎる。

・東陽町の駅近新築マンションは、坪単価250万円位なら実需客に売れる。

・でも、住友も野村も、坪単価平均310万円くらいで出してきている。

・土地の仕入れも、建築費も高いので、安売りするわけにはいかない。

 

東陽町で坪300万円超なんて、住んでる者からすれば、「ウソだろう~」と思う高額帯。単純計算して70㎡で6800万円とかするわけですから、区内No.1ブランドの門前仲町でさえ、そんな値段で売るのは難しいはず。ましてや東陽町のマーケットに合う価格帯ではない。

これ、「都心局地バブル」の波及と考えられます。アベノミクス始動後、特に2014年末の黒田バズーカ第二弾で金融緩和が行われた結果、東京の都心、城南、湾岸と、神奈川県の武蔵小杉、みなとみらい、京都市の御所周辺など、局地的に地価・マンション価格が高騰しました。

折りしも、「インバウンド観光需要」が盛り上がり、都心駅近の土地はホテル業者やワンルーム業者がありえない高値で買う世界となりました。マンション業者も土地仕入れなければなりませんので、無理した高値で仕入れ、高い建築費かけて建て、そのコストを転嫁して分譲しました。その結果、都心近くでは坪単価400万が一気に600万になり、近郊でも200万台だったのが軒並み300万台に…いつの間に、「都内の分譲マンション、予算5000万円では新小岩あたりの安普請マンションしか買えない」時代になりました。

これが、番町、青山、六本木、銀座、恵比寿…富裕層のセカンドホームや、相続税対策等の資産保全用として成り立つステータスな場所なら高値でも売れます。西新宿や豊洲界隈のタワマンも、分かりやすいので中国人投資家の物色対象になりました。いずれにせよ、実需客が買えない価格帯になってしまったのです。

 

その矛盾が一番顕著に出たのが「2016年の世田谷区」。住宅地としては良い場所ですが、所詮、アッパーサラリーマン層の実需しかないエリア。どのデベロッパーが売り出しても、値段高すぎて売れず、完成在庫の山になってしまったのです。

考えてみれば、すぐ分かること。いくら世田谷区でも、タダみたいな金利で35年ローン借りられても、20坪強で8000万円もする桜新町の新築マンションなんか買わないよなあ。億のキャッシュうなってる地方の金持ちが、都内のマンション買うにしても桜新町なんて普通選ばないし…

 

2016年に世田谷で起こったことが、いま、1年遅れで、江東区東陽町にやってきた感があります。私はっきり言います。この場所で坪300万円では売れません!

東陽町や木場の中古マンション相場って、だいたい決まってます。駅5分近辺なら、大体こんなもん。

・築10年 坪200~220万円
・築20年 坪180~200万円
・築30年 坪160~180万円

そんな市況のなか、「いま6800万円(坪300万)で買って、10年後に4500万円(坪200万強)くらいに減価しちゃう」マンションなんて誰も買わないです。そもそも木場・東陽町は10~20年前に建った良質な中古マンションが豊富で、リフォーム済がどんどん出てますから、無理のない値段で中古買えばいい、みたいな知恵がついてきた人も増えてきたようで…

富裕層や外国人が金に糸目をつけずに資産保全目的買うなら別ですが、木場•東陽町のような下町は見渡す限り実需しかない世界ですから、間違いなく価格調整が起こるはず。東陽町本来の実力である、駅近新築で坪250~260万円近辺まで値段が下がるでしょう。

 

【東陽町4分の新築6629万円 vs 木場3分の築19年3999万円~どっち買います?】

 

いま、分譲マンションデベロッパーや販売会社は本当に辛い時代ですね。すでに首都圏では中古住宅の流通が新築供給数を上回り、ますます欧米型の「ストック住宅経済」に近づいてきています。新築マンションも値段下がらないのなら、実需層は中古を買って、新築買うのは富裕層の趣味、みたいな時代になっていくでしょう。

そうなっても、デベロッパーや販社以外、別に誰も困らないと思いますよ。日本はもう住宅足りてるんですから。

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