
こんにちはManachanです。今回は、九州は熊本の不動産事情をレポートいたします。
熊本といえば、今年4月に震災に見舞われた場所。あれから8か月経った現在も、復興途上。街を歩くと、ご当地キャラ「くまモン」が、商店街や駅、市電など各地で「がんばるばい熊本」と、精一杯応援しています。
(東日本でも、数年前に見た光景ですね。もっとも、方言の関係でこちらは「がんばっぺ東北」でしたけど…)
熊本の街を、西区から中央区、東区と歩きましたが、予想したより倒壊家屋はずっと少なく、一見、地震があった事実を忘れてしまう位、普通でした。でもたまに、倒壊してビニールシートのかかった老朽木造家屋が点在していたり、RCマンションの1階に地震の影響で閉店した店舗を見かけました。
でも、地震の影響よりもっと印象的だったのは、
熊本市って、栄えてるなあ…
中心市街地が、見事に生きてるじゃん!
熊本城下の、下通・上通のアーケード街は九州最大規模で常に人通りが多い。市電に乗って、鶴屋デパートのある一角を曲がると、一瞬、「ビルの壁」ができてて大都会チックに見える。
仕事柄、日本全国の地方都市を訪れます。近年は、熊本市と同規模の都市(人口60~80万人)では、たいてい中心市街地が衰退して、ロードサイド店に活力を吸い取られるものですが、熊本の場合は未だ健在に見えます。
九州の首都「福岡市」とは当然比べられないけど、熊本市も中部九州の中核都市として、求心力を持って発展しているようです。事実上「九州の副首都」なのかもしれません。
熊本で、収益物件もいくつか見ました。私がぶったまげたのは、レントロールを見た時、
何これ!入居が入れ変わる毎に、家賃値上げしてるぞ。
日本では、家賃は普通下がるもの…これが大家の常識になって久しい。首都・東京でさえ、家賃を値上げするオーナーは少なくなりました。
でも熊本は、震災復興中、という一過性の事情によるのでしょうが、今は非常に入居希望が多くて、空室にならない。特に、地震に対して堅固なイメージのあるRC(鉄筋コンクリート)造は全然空かないし、家賃値上げしても入居がつく。
特にこの画像がすごい…熊本市東区のRC住宅のレントロールから抜粋したものですが。
今年11月19日に入居が入れ替わり、家賃が38,000円から60,000円に改訂!管理費が2,500円から4,000円に改訂!
ま、これは極端としても、他の物件のレントロールをいくつか見ても、震災後入居の場合、月額家賃を数千円値上げするのが当たり前で、最悪(?)でも、「同一フロアの最高額家賃」に揃えて設定されていました。
利回り8%の設定で新築されたアパートが、震災後、家賃が月額で最大9000円上がって、利回り9%に迫る、という話も聞きました。
東日本大震災の被災地でも、同じ光景をみたことがあります。仙台市、福島市、郡山市、いわき市…大地震に耐えて生き残った賃貸住宅には入居希望者が殺到。月額5万円の家賃が6万、7万円と上がり、AD(広告費)の習慣もなくなりました。だって、AD払わなくても入居決まるんだもんね。
私の見聞した限り、震災3年後(2014年)の福島市では、「JR福島駅から2㎞圏内で、2LDK以上家賃8万円以下の部屋が皆無」で、「震災後、空室になった部屋など聞いたことない」状態でした。隣の郡山市でも住宅不足と家賃高騰が続きましたが、「震災4年後でようやく需給が落ち着き、ADが復活」しました。
熊本でも、震災復興の過程で、あと3年くらいは住宅需給がタイトで、基本は満室、家賃も上がり基調で推移するでしょうね。その後は、状況が落ち着いて、空室やADも復活するでしょう。
参考までに、熊本市近辺のADは震災前でも1ヶ月だったようです。福岡市等と比べて賃貸住宅需給が安定していた印象ありますね。
いま熊本市の住宅に投資すべきでしょうか?今はいいけど数年後は普通の地方都市に戻ると思われる熊本市ですが、面白い材料はあると思います。それは、
中心市街地とJR熊本駅近辺で、大規模再開発が計画されている!
熊本市中心地のど真ん中で行われている再開発事業。規模の大きさに驚かされます。
2019年春完成予定、その暁には、今の熊本市からは考えられない、近代的な都市空間が実現するでしょう。
あと、現時点ではあまり発展がみられないJR熊本駅周辺でも、新幹線で30分で博多に直通できるようになって、高層タワーマンションなども建って、「ミニ豊洲」みたいになりつつあります。この地で数年後、鹿児島中央駅をしのぐ規模の再開発が計画されています。
熊本は、日本の地方都市のなかでは珍しく、伸びしろを残した都市であるといえるでしょう。なかなか面白いですね。
火の国・熊本(なかなか都会♪)からレポートしました。ごきげんよう。