円高の時代再び

こんばんはManachanです。7泊8日、タイ&台湾への家族旅行からようやく帰国しました。

今回は、行き帰りとも台北経由の中華航空便を使いました。面白いことに台北の位置は東京‐バンコクのほぼ中間点にあり、距離のロスがほぼありません。あと、冬季は東京とバンコクの温度差が激しく(約20度)、常夏のバンコクから真冬の東京に帰る時が辛いですが、途中に台北を挟むと、バンコクと台北の温度差が約10度、台北と東京の温度差が約10度なので、寒さに徐々に慣れていく意味でもおすすめです。

バンコクから台北に降り立つと、距離的には東京までの中間点とはいえ、人々の顔立ち、街並み、自動販売機の多さ、漢字使用…いろんな意味で、日本にぐっと近づいた感じがします。昨年、ベトナム・ホーチミンへ出張した際にも台北経由にしましたが、同じように感じましたので、アジア圏のなかでも台湾の「日本っぽさ」は際立つのかもしれませんね。

 

ところで、今回、タイ国内の両替商をチェックしたら、「1万円が3000バーツ越え」のレートでした。アベノミクスで円安に転じて以来、タイバーツのレートはずっと「2500」とか「2700」でしたので、千の位が「3」になるのを見たのは、ほぼ3年ぶりかと思います。「円の価値が、ずいぶん上がってきたなあ」というのが正直な実感。

海外のいろんな国で投資をしていると、ここ数年の、為替の目まぐるしい変化を体感します。リーマンショックあたりまでさかのぼると、こんなストーリーになるかと思います。

 

2008年後半~ リーマンショックで世界同時株安、極端なリスクオフの動きになり、資源国通貨や新興国通貨が暴落、安全通貨として日本円や米ドルなどが買われた。例えば豪ドルが107円からわずか2か月で55円まで下がるという極端な動きをした。

2009年~  欧米日先進国が軒並みマイナス成長に苦しむなか、前年11月に「4兆元景気対策」を打ち出した中国が、低迷する世界経済の救世主となるという見方が優勢になる。中国経済に牽引されるかたちで、豪州カナダなど資源国の経済が先進国では真っ先に回復。人民元と豪ドルカナダドルなどが買われた。

2010年~  米国の金融緩和(QE1, QE2)の影響が為替に出はじめ米ドル安が進む。QEで大量供給された米ドルが南米、中近東、東南アジアなど新興国に流入し、経済成長に貢献。不動産市場も盛り上がりはじめる

2011年~  米国のQE継続で米ドル安がさらに進み、豪ドルやカナダドルより安くなる。日本では東日本大震災が起こったが米国のような金融緩和をしなかったことで円高が進み、1米ドル=70円台になる。円の購買力からみると世界中どこで買っても安いので海外不動産投資がブームになる。

2012年後半~ 日本で第二次安倍政権発足、米国のQEをモデルとする「アベノミクス」により一気に円安に転じ、わずか1年半で米ドルや新興国通貨に対して4~5割も下落。

2013年~  米国経済が緩やかに回復をはじめ、QEの縮小も発表されたことにより、米ドルが上がりやすくなる。

2014年~ 中国経済の減速懸念、米国のシェール革命などにより、エネルギー価格が暴落する「逆オイルショック」がはじまり、ロシアルーブルが暴落、豪ドル、カナダドル、マレーシアリンギットなど資源国通貨もじりじりと下がる。

2015年~ ついに中国の株価ショック、人民元切り下げが発生。新興国や資源国通貨も影響をモロに受け下がる。一方米国はQE終了と利上げを実施、「世界で米国の一人勝ち」の見方が強まり、ユーロ圏も金融緩和をはじめたことで、米ドル独歩高になる。日本円は米ドルに対して横ばいだが、資源国や新興国、欧州通貨に対して、じりじりと値を上げ始める

2016年1月~ 中国経済の減速止まらず、米国をはじめ世界の株価が同時安になる。リーマンショックを彷彿させるリスクオフ局面になり、安全通貨として日本円が買われる。

 

特に今年に入ると、世界のどの通貨に関しても円高が顕著になってきました。図にすると一目瞭然ですね。

 

対 先進工業国 (米ドル、ユーロ、英ポンド)

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先進国&資源国 (豪ドル、カナダドル)

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対 新興工業国 (中国人民元、タイバーツ、フィリピンペソ)

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対 新興国&資源国 (マレーシアリンギット)

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特に、豪ドルやマレーシアリンギットなど、資源国の色彩の強い通貨の下げは大きく、なんと2011~12年の超円高だった時代とほぼ同じ水準まで下がってきています。言い換えると、これらの通貨に対する日本円の購買力は、過去5年で最高になっているということです。

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円高に触れると、輸出産業やインバウンド産業は厳しくなりますが、いま円を持ってて、海外資産に変えたいという人には好都合ですね。

今後、為替がどうなるかは、中近東~ロシアや中国の情勢・動向如何で大きく変わってくると思いますが、かなり不安定であることは間違いないですね。人々を先行き不安にさせるニュースが増えれば増えるほど、日本円は買われやすくなると思います。

 

より巨視的にみると、今は世界経済に「構造的な需要不足」が起こっていて、「成長のエンジン不在」であるのが根本的な問題だと思います。「先進国も新興国も、今は内需拡大に頼れない」し、「財政赤字を増やす政策は概して好まれない」、「利下げで景気刺激したくても、ほとんどの先進国がゼロ~マイナス金利だから、余地がない」。だから結局、「外需に頼る拡大」を志向することになり、その手段として「金融緩和による通貨安競争」になるという構造。

先進国でいうと、2009~12年は米国の番、12~14年は日本の番、15年以降はユーロ圏の番…みたいに、各国持ち回りで人為的に通貨安にしているようなイメージかな。でも、日本やユーロ圏みたいに人口増えないところで、多少の通貨安にしても経済のパイはなかなか増えないから、結局、米国頼みになる。でも、米国経済大して良いわけじゃないし、実は利上げとドル高で結構つらい。今は中国までも通貨安競争に参戦してる位だから、2016年米国経済が順調に成長してドル高継続というシナリオは、楽観的すぎるかも。経済成長するのがつらい時代ですね。

 

エネルギー価格は、当分安いまま → 資源国通貨は弱含みでしょう。

中国も、当面は調整局面でしょう → 人民元や新興国通貨も弱含みかな

ユーロ圏も、緩和・マイナス金利やっても経済良くなる感じがしない → ユーロやポンドも弱含みでしょう

唯一の頼みは米国だが… → 本音をいえば米ドル下げたいでしょうね

 

2016年は、全般的に考えて、日本円が安くなる要因が少ない。高くなる要因は結構たくさんある・・・為替だけみると、今年は、海外不動産の仕込み時かもしれませんね。アジア太平洋大家の会でも、各国の不動産セミナー用意してます。興味のある方、是非いらしてくださいね。

 

1/14 (木) ベトナム不動産投資セミナー  (ベトナムドン=0.0052円 です)

1/21(木)カナダ不動産投資セミナー (カナダドル=82.7円 です)

1/30(土)オーストラリア不動産投資セミナー (豪ドル=81.6円 です)

2/3(水)ニュージーランド不動産投資セミナー (NZドル=76.3円 です)

 

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