日本の当たり前を、東南アジアの当たり前に…

こんにちは、Manachanです。

私は国内外で不動産投資をしており、各地の大家・投資家コミュニティと交流があります。日本国内の不動産をテーマとする大家コミュニティの場合、知識・スキルレベルはピンキリですが、賃貸経営に関する情報やノウハウはそれなりに揃っており、かなり精度の高い議論も可能です。たとえば、

 

JR京浜東北線「川口」駅徒歩10分、築15年のRC、2LDK中心で現況満室、グロス利回り8.7%は買いか?

JR南武線「稲田堤」駅徒歩12分、償却の終わった築24年木造マンションで、土地の路線価3550万円のところ3800万円で出ていた、単身向けワンルームで現況満室グロス11.5%なら買いか?

 

といった、ミクロな賃貸市場分析に基づく議論がある程度できます。会のメンバーが、「川口駅徒歩圏なら、賃料がいくら取れて、空室率や築年による減価率はどのくらいで、隣の赤羽や西川口と比べてどうなのか?」・・これを、少なくとも概要レベルで理解しているからこそ成り立つ会話ですよね。

私は、このレベルの会話を、海外不動産の世界でも当たり前にしたいと思っています。たとえばタイのバンコクの場合、

 

BTSのMo Chit駅と、地下鉄Chatuchak Park駅、Phaholyothin駅が使えるエリアで、ラップラオのCentral Prazaからも近くて築2年のコンドミニアム、2DKの47㎡が、580万バーツで出たけど、これは相場からみて安いか?高いか?

このエリア・間取りで、業者は月25,000バーツで賃貸つくと言ってたけど、本当にそれができるのか?

 

舞台が海外、特に東南アジアになると、現時点ではなかなか、このレベルの会話が成り立ちません。なぜか?

賃貸経営の投資判断に必要なデータが、まだ整備されていないのです。

だから、業者トークの妥当性を、検証する術がないのです。

 

もう少し、掘り下げて考えてみましょう。私は、日本国内で収益不動産を買う際、最低限、次のデータは全て集めたうえで検討しています。

Ⅰ.ミクロ(地域)情報
 1)エリア賃料 (+面積、駅距離、築年数との相関)
 2)エリア売買価格 (+駅距離、築年数との相関)
 3)エリア空室率
 4)人口動態と賃貸人口比率
 5)売買価格の上昇率
 6)交通機関、利便施設、インフラ建設計画
 7)運営諸経費(管理費、修繕費、課税)etc… 

II.マクロ(地域)情報

 1)経済成長率、インフレ率
 2)人口ピラミッド
 3)不動産税制、融資環境

 

しかし現時点で、東南アジアに関していえば、信頼性あるデータがあるのは、「I.ミクロ情報の(5)~(7)」および、「II.マクロ情報」位でしょう。。だから、東南アジア不動産を扱う業者も、どうしても、「人口構成の若さ」とか「経済成長率」とか、マクロ経済のデータに頼って物件を売ろうとしてしまう。賃貸経営する上で、マクロ経済の情報なんて参考程度にしかならないのに…

東南アジアの不動産を、日本人が多く買うようになった現在、まともな投資判断ができるように、下記のデータの整備は急務だと考えます。

Ⅰ.ミクロ(地域)情報
 1)エリア賃料 (+面積、駅距離、築年数との相関)
2)エリア売買価格 (+駅距離、築年数との相関)
3)エリア空室率
4)人口動態と賃貸人口比率

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この種のデータを揃えるには、専門家の力が必要です。今年10月、私は東京・渋谷にある不動産コンサルティング「リーウェイズ社」に協力を要請しました。同社はデータの数理分析に基づく不動産評価に定評があります。技術力が優れているだけでなく、ITを通じて、不動産業界を前向きに変革していこうという「志」を持った会社でもあいrます。

リーウェイズ社ホームページ

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幸い、タイ・バンコクに関しては、不動産売買・賃貸のポータルサイトがいくつもあって、10万件を超えるデータが蓄積されています。その代わり、REINSのような不動産流通機構はまだありません。このような状況で、一番有効なのは、

 

・「クローラ・プログラム」を使って、タイのポータルサイトからHTMLデータを取得
・取得したHTMLデータに対し、Excel Macro等を使って抽出・分析

 

2015年10月7日、私が 「リーウェイズ社」に 「クローラ・プログラム」を使ったデータ取得と分析を依頼してから約1か月後、11月末に、分析データの抽出に成功したのです。

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分析データを整理すると、いろいろなことが分かります。例えば、各駅ごとの㎡あたり賃貸単価、売買単価、目安利回りなどが数字で把握できます(ここでは、賃貸単価だけ紹介します)。

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ただ、現時点では取得できるデータや信頼性の関係で、「できること」と「できない」こと、両方あります。バンコクに関していえば、「各駅、各市区別の賃貸・売買価格」は分かりますが、「築年数と価格との相関」、「駅距離と価格との相関」、「エリア空室率」などは、まだ分かりません。この辺のデータが揃ってくるまで、まだまだ時間がかかると思います。

 

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時間はかかりますが、「データをいち早く握った者が、不動産投資業界を制すことができる」と思います。私もリーウェイズ社などと協業しながら、海外不動産に関しては、常に時代の先頭を走っていたいと思います。日本の投資家が東南アジア不動産で確実に利益をあげられるようなデータ整備を、これからも続けていきます。

 

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