こんにちはManachanです。木曜日から、我が家の誰かが「ウィルス性胃腸炎」で次々と寝込む、という事態になり、ろくろく外出もできない週末を迎えています。例年、冬場はこんな経験することが多いですね。
私の住む江東区では、2020年東京夏期五輪で競技に使われる37施設中、17施設が区内に集中するという事情もあり、オリンピックが話題に上る機会も多いですが、「冬季五輪」となると、ほとんど話題になることはありません。
実際、盛り上がらないっすね~どうしても、冬季の方が地味だし、それに開催都市が余りに微妙すぎて…
2018年 韓国・平昌(ピョンチャン)五輪は、降雪不足の問題、交通インフラの問題、韓国の経済不況など問題山積みで、開催できるかどうか、危ぶまれているようです。
2022年冬季五輪は、ストックホルム(スウェーデン)、クラクフ(ポーランド)、リビウ(ウクライナ)、オスロ(ノルウェー)等、欧州都市が全て立候補を断念。北京とアルマトイ(カザフスタン)の一騎打ちのかたちで、今年7月末の選考会で開催都市が決まる予定。
2022年冬季五輪が北京、アルマトイ…どちらに決まるにせよ、2018年平昌、2020年東京に続き、3大会連続アジアでの開催になるわけで、これじゃ欧州も北米も白けるだろうなあ…特に北京開催になった場合、韓国(2018)、日本(2020)、中国(2022)…東亜細亜に固まりすぎだろ!
各大陸間のバランスを取るためにも、2022年は欧州都市で最後まで残った「オスロ」開催を誰もが期待したわけですが、ノルウェー政府が巨額の開催費などを理由に財政保証を承認しなかった上に、市民の支持率が極めて低く、招致断念に追い込まれたのです。
世界に冠たるウィンタースポーツのメッカ、市民のスポーツ参加も盛んで、メダル獲得も多く、過去2回も冬季五輪を開催した「ノルウェー」が脱落したことで、冬季五輪の存在意義自体が疑問視されてきました。つまり、
☆そもそも、カネがかかりすぎる。
☆オリンピック開催後の競技施設需要がなく、経費が重荷になる。
☆最近ではソチに代表されるように、「雪が少ない」地域で「無理な開催」も目立つ。
人気の高い夏期五輪ならスポンサーがガンガンつくし、TV放映権等、商業化できる余地も大きいですが、冬季五輪では人気種目がどうしても限られる。その割にアルペン、スーパー大回転、リュージュ、クロスカントリーなど、大掛かりな施設も多い。競技者のレベルも年々上がるから施設の規模あ安全性に対する要求も高まる一方。カネかかる割に儲からない、赤字が必定の世界。
そこにもってきて、昨年のソチ五輪の開催費が夏期・冬季五輪史上最高額の5百万ドル(6兆円)に上ったことで、各開催都市も経費に恐れをなしてしまっています。そりゃ、数兆円ものおカネがかかって、散々借金した挙句に、施設が結局金食い虫になるのであれば、国威発揚したい新興国はともかく、成熟した先進国はどこもやりたがらないだろうなあ。
でも冬季五輪の開催地は、北半球の先進国に集中してるんだよなあ…構造的な問題ですね。
冬季五輪の存続危機を迎え、さすがのIOCも改革に乗り出さざるを得なくなっています。昨年12月、モナコで臨時総会が開かれ、改革案「アジェンダ2020」が打ち出されました。そこでは、
・五輪費用削減
・複数都市開催
が打ち出されています。特に、規模の小さい都市で巨額の費用をかけて五輪開催した場合、施設が遊休化するのが目に見えているので、それを改善すべく「需要の多い大都市で氷上競技」+「山の多い小都市で雪上競技」といったモデルで、「二都市開催」に道を開いているわけです。
たとえば2022年の冬季五輪に立候補している「北京」の場合、降雪がほとんどないので、200㎞以上離れた「張家口」での雪上競技に、「北京」での氷上競技を組み合わせ、両都市を高速鉄道で結ぶプランニングをしています。
日本にたとえていえば、「東京」で氷上競技、「新潟」で雪上競技やるようなものですね。いずれにせよ、「費用を抑えて、賢く開催」が、今後のオリンピックトレンドになりそうです。
なお、日本では「札幌」が2026年冬季五輪に立候補していますね。その頃、冬季五輪が今のかたちで存続しているかどうか分かりませんし、直前にアジア開催が続けば札幌の勝率も減るでしょうが、それでも、
東アジアでは札幌こそ、冬季五輪の最適地
これは疑いないところでしょうね。降雪は豊富、都市近くでも競技施設は充実、交通インフラばっちり、観光都市ゆえ宿泊施設も充実、新千歳空港の余力も十分、市民のスポーツ文化もあるし、メシも美味いし温泉もある…加えて1972年の開催経験と運営ノウハウがある。
五輪招致の是非は別として、札幌という都市なら、欧州、北米、アジア、オセアニア…世界中の人に喜ばれるでしょうね。他のアジアの国で、無理やりインフラつくって人工雪使って、オリンピックやった後に巨大な廃墟つくる位なら、札幌で既存施設を上手に使ってやった方が「賢い」し「皆のためになる」と思います。
札幌・大倉山ジャンプ場…ここで、原田のジャンプ見にいったんだよなあ。
この文章、面白かった、勉強になった、オリンピックに興味あり…と思った方は、応援のぽちを、よろしくね→