おはようございます。Manachanです。今年もFacebookやメールで、新年のご挨拶をたくさんいただいたので、先ほどまで返事してました(本来なら、私からご挨拶すべきでしたが…なかなか手が回らなくてすみません)。
あと10日足らずで、カナダとアメリカ出張に出かけます。真冬のカナダ訪問ということで、ユニクロで防寒衣類一式を買い込んできましたね。
海外出張で気になる為替レートですが、円は相変わらず弱くて、1米ドル=120円、1カナダドル=102円くらい。円換算だと現地物価が高く感じられるだろうな。アメリカに置いてきた米ドル使おうっと。
最近、私は雑誌メディアから、海外不動産関係の取材を受ける機会が多く、「これから日本円はどこまで下がりますか?」みたいな、為替関係のコメントを求められることが増えました。
私、世界各国で不動産投資をしている関係上、為替には強い興味と利害を持っておりますが、今後どうなるか?というのは、正直、分かりません。為替の変動にはいろんなファクターが錯綜しますし、そもそも思惑で動きますから、何らかの「材料」が出れば一気に変わってしまいますし…
また私の性分として、分からないことを分かったような顔で言うのが嫌いなので、一言、「分からん!」と突っぱねたいところですが、コメントを求める取材側の意図も分からんことはないので、最近は次のように答えています。
・短期(向こう1~2年)では、世界の政治経済情勢に大きな変動がなければ、1米ドル=115~120円位を想定しています。
・この期間中に、中東情勢、ロシア・ウクライナ情勢、エネルギー価格下落と資源国危機…何らかの大きなニュースがあった場合は「リスクオフ⇒円高」傾向になり、1ドル=110円を超える円高も想定します。
・中長期(2年以上後)に関しては、正直、分かりませんし、私ごときが予測しても無駄だと思います。その時になって考えます。
・そもそも、不動産投資は利益確定まで2年以上かかる中長期のものなので、為替変動で大きな損をしないよう、米ドル、豪ドル、円をはじめ、いくつかの通貨に分散しています。
私がコメントできるのは、せいぜい、ここまで。金融為替の専門家でもありませんし、趣味でグローバル不動産投資やってる単なるアマチュアでしかありません。
仮に私がこの分野の専門家になったところで、ある程度の妥当性を持って予測できるのは、せいぜい2~3年後まで、しかも既存の経済・金融秩序が保たれ、平常運転している間だけじゃないのかなあと思います。
仮に世界大恐慌、第三次世界大戦、大国の経済崩壊みたいな大変動が起こったら…その渦中では「平常運転」じゃなくて「危機管理」のフェーズになるはずで、そのなかで米ドルがどうなる?円がどうなる?…みたいなことを、それなりの妥当性や精度をもって予測することが果たして人間にできるのだろうか?
ほぼ無理だと私は思います。できることは、過去の類似事例を引っ張ってきて現状に当てはめる位でしょうか?「傾向」や「トレンド」くらいは分かるかもしれませんが…想定外の経済状態でパニックになった人々の経済行動は、あらゆる専門家の知見やロジカルな想定を軽く超えそうな気がしています。
そんななかで、私たちの多くが一番気にする通貨「日本円(JPY)」が、今後どうなっていくのでしょうか?
世の中、いろんな人が、それぞれの思惑で、いろんなことを言います。中には平気で、日本の財政デフォルトやハイパーインフレ、東京直下地震や南海トラフ地震みたいな材料を使って、「円の価値は今から10分の1以下になる」と言う人もいます。
私、大震災や財政デフォルトの可能性は否定しませんけど、それでも「10分の1以下に下落」みたいな超円安は、明らかに現在の世界経済からロジカルに導き出せない「異常系のシナリオ」であり、そもそも、人間が予測できる領域なのだろうかと思う…
予測不能なことを、断言に近い口調で言う人ほど、疑ってかかるべきでしょう。よくあるパターンは、次の3つのうちのいずれかでしょう。
・非科学的な予言
・知ったかぶりの専門家(Smart Ass)
・金融商品売らんがためのセールストーク
ただ、人生は長いので、そういう異常系の事象が日本に起こった時に、経済社会がどうなりそうかを、頭のなかで考えておくことは損にはならないでしょう。ここでは分かりやすく、「壊滅的大震災」と「財政デフォルト」シナリオだけ考えておきましょうか?
この二つはロジカルに連動しています。政府が大赤字垂れ流し状態の時に大震災が起こって、インフラ・都市機能の復旧に必要な財源が、赤字国債をもってしても調達できない。当然、調達金利が上がり、いくら緊縮財政やっても償還不能になる…そんなシナリオ。
私、当然ながら、危機系のシナリオで円相場の「予測」はできません。何となくの感覚でしかものを言えませんが、近未来の日本で壊滅的危機が起こっても、一気に10分の1以下みたいなハイパー円安の状況になる可能性は低いと考えます。その理由として、
1)日本社会は、壊滅的な大震災が起こっても、秩序が保たれる可能性が高いと思うから。
2)日本の財政が立ち行かなくなった際は、公共事業のみならず、公務員、年金や健康保険を大幅に削る以外なく、一時的には大不況になるでしょうが、日本人や日本社会の特性として、「皆が一緒に損すれば納得する」ので、苦しくとも短期間に混乱は収まり、秩序が回復する可能性が高いと思うから(ついでに言うと、アルゼンチンとかギリシャなどと違って、日本国債は圧倒的に日本人が買ってるから、財政危機が外交問題にまで発展する可能性も低い)
3)危機が表面化して一時的に大幅な円安になるとしても、日本の鉄道・道路インフラ、都市、生産設備の多くが温存されているなら、秩序が回復さえすれば、円安に乗じて海外から投資が一気に入り、円安トレンドがどこかで止まるはずと思うから。
【壊滅的な震災が起こっても、すぐに、こんな標語が復活するはずです】
要は、「危機が起こった後の秩序の回復」こそが鍵を握るはず…秩序が戻ら
なければ「ハイパー円安」もあり得るかもしれませんが、幸か不幸か、日本の秩序回復力、危機克服力は世界でもピカイチだと私は思っています。
危機が起こって、日本に住みづらくなっても、海外に逃げられる日本人は富裕層を含めて少数。そもそも日本語しか話せない人がほとんどです。どんなに損しても日本の国土の上で頑張る人が圧倒的多数でしょう。その彼らが秩序を守るはずです。日本人とはそういうもの。
私、日本円がこれからどんどん上がるとは思いませんが、一気にむちゃくちゃ下がるとも思っていません。日本の経済社会が老いて衰えても、「腐っても鯛」、日本であるがゆえの安定感、安心感も感じるので、日本国内での資産づくりもやめるつもりはありません。
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