おはようございます。Manachan@ケアンズです。
今回の日記は、今年に入って二度の重大事故を起こし、経営破たん懸念から完全国有化された「マレーシア航空」について書きます。
すでに誰もが知っている話ですが、
3月8日 MH370便 南インド洋上で(?)失踪 乗客乗員全員不明
7月17日 MH17便 ウクライナ・ロシア国境付近で撃墜 乗客乗員全員死亡
マレーシアといえば、LCC(格安航空会社)の王者「エアアジア」を生んだ国。エアアジアとの価格競争から、もと国営のマレーシア航空は、事故前から、苦難の経営を強いられていました。
経営危機に拍車をかけたのが、今年の2つの重大事故であることは間違いないですが、それ以外に、(JALとも似てますが…)労組問題や縁故主義、政界との不透明な関係など、組織内に構造的な問題も抱えています。
下の画像は、私が7月28日にカンボジアのホテルで撮ったものです。ウクライナでの撃墜事件からわずか11日後で、同航空便のキャンセルが相次ぎ、止むなく運賃値下げをするとの内容です。
また、時を同じくして、マレーシア航空のFacebookページに、社員向けの”Stay Strong”(苦難の時こそ、しっかりしよう)という投稿が、Twitterハッシュタグ付きで行われました。
ま、どこからどう見てもヤバそうな雰囲気が漂う同社ですが、案の定、8月8日には、国営投資会社カザナ・ナショナルを通じた「完全国有化」「株式上場廃止」という、政府主導の経営再建策が発表されました。数年前のJALと似た展開ですね。
私にとって、マレーシア航空は、身近な航空会社です。1992年に、はじめて北米を旅行した時、東京~ロサンゼルスの往復に選んだのがマレーシア航空便でした。91000円と、当時一番安かったからねえ…それ以降も、アジア各地との行き来に、同航空便を使ってきました。
今はエアアジアで、羽田~クアラルンプール(KL)片道1万円台という激安チケットが出回る時代になりましたが、予約時期が直前になると、さすがのエアアジアでも料金が高くなるので、マレーシア航空と比較検討することになります。昨年は、KL~成田片道の夜行便がマレーシア航空で2万円台(800リンギット強)で出たので、予約して乗りました。
今回、事故を受けてマレーシア航空が値下げするというので、KL出張から日本への帰途、もし超安かったら予約して乗ろうかと思いましたが、その日、エアアジアが2万円、マレーシア航空が5万円近かった…
LCCとの価格差が厳然としてある以上、マレーシア航空も相当、社員の首を切ってビジネスモデルを作りかえないと、再建は難しいでしょうね。
あと、マレーシア航空の社員の立場に立ってみると…いまの状態は、私が5年半まで、インド大手IT企業、サティヤム社の社員だった時に、当時のCEOが「インド版エンロン事件」といわれる大規模な粉飾決算事件を起こして、同社の経営が一気に危機に瀕した頃と酷似していると感じます。
あの頃は、つらかったです。私が心血注いで、カットオーバー間近まで仕上げたプロジェクトも、客に土壇場でキャンセルされる。「おたくの会社、いつまでもつか分からない」と言われ、二の句がつげなかった…
インドのライバル企業インフォシス社の会長から心無い言葉を吐かれて激怒したり(「激しい怒りを覚えます」―2009/1/20の日記)
大本営(経営陣?)からは、「社員のみなさん。当社は大丈夫だ、しっかりしよう」みたいなメールが送られてくる一方で、現場ではリストラの嵐が吹きまくる。仲良かったインド人の同僚も、一日1人のペースで解雇通告していた状態で…
マレーシア航空の内部も、今、そのような状態なのかもしれないな。
私、マレーシア航空を忌避しようとは思いません。値段とスケジュールが合えば、今まで通り利用します。確かに、二度の事故があった後で乗るのは縁起が悪いという気持ちも分かりますが、忌避したところで、リスクはそう変わらないだろうし(どっちみち、多くの便が他の航空会社とのコードシェアなんでしょ?)
また、会社が傾いた時の辛さを、社員として体験した身なので、少なくともマレーシア航空の社員に対しては、激励の言葉をかけ続けようと思います。私は経営陣じゃないけど、Stay strong、頑張ろう!
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