こんにちは、Manachanです。
いま、不動産投資仲間の間で、話題になっているのは、東京23区、城南地区を中心に広がる「重層長屋規制」問題。
「震源地」となった、世田谷区では、すでに区条例による規制強化が、既定路線になっているようです。
この問題、すでに、日本を代表する不動産アルファブロガー達が、紹介していますね。ジェービルさんの記事は、とても分かりやすく、秀逸。
衝撃!! 長屋(テラスハウス)規制 (ジェービル岡元公夫さん、2011/12/28)
http://okamotomikio.blog63.fc2.com/blog-entry-792.html
拡がる「重層長屋」「テラスハウス」「連棟式住宅」規制 (ジェービル岡元公夫さん、2012/6/1)
http://okamotomikio.blog63.fc2.com/blog-entry-835.html
さくら事務所、長嶋さんは、どちらかといえば、重層長屋(に象徴される不動産投資スタイル)に批判的な立場で、記事を書いています。
法の目をかいくぐる不動産投資で成功を目指す (長嶋修さん、2012/3/15)
http://www.kenbiya.com/column/nagashima/85.html
一方、不動産コンサルタント猪俣さんは、規制の目的や実効性に関して懐疑的な立場で、記事を書いています。
旗ざお+長屋、受難の時代 (猪俣淳さん、2012/7/9)
http://blog.livedoor.jp/cfnets_inomata/archives/51893393.html
もはや暴力 (猪俣淳さん、2012/7/14)
http://blog.livedoor.jp/cfnets_inomata/archives/51894314.html
私自身、昨年から今年にかけて、千葉県・埼玉県の東京隣接地域で、アパート建設用地をたくさん見ました。その半分以上が、旗竿地・敷地延長でした。
投資利回りを追求すると、どうしても土地の仕入れ価格が安い、旗竿・敷延に目が行ってしまいます。千葉県でも特に地価の高い、柏駅、船橋駅、千葉駅などの至近で土地を仕入れようとすると、旗竿・敷延でないと、到底、採算取れない話になってしまいます。
しかし、こういう形状の土地にアパート建てるリスクが、首都圏では、だんだん顕在化してくると思います。
今すぐ、何がどうなる、というわけではないにせよ、長期的に考えれば、旗竿・敷延の土地における、重層長屋・集合住宅は、首都圏ではだんだん建てにくくなる。首尾よく建設できても、その後、既存不適格になってしまうリスクと、常に隣り合わせだと思います。
私は常に、売却による出口を考える人なので、既存不適格のために、希望価格で売却できなくなるのを、何よりも恐れます・・・だから結局、アパート建設用地は、南面道路に9m以上接した、長方形の整形地を買いました。
旗竿ほど、土地安く仕入れられませんが、接道ばっちり、かつ東松戸駅徒歩2分なので、土地で出口取るのは問題ないし、既存不適格になるリスクは、ほぼゼロ。
そして何より、一棟アパートという、それなりに大きな買い物(事業)するのに、「自分が儲かれば、それでいい」とは思いません。「周囲に迷惑かけない、祝福される」ようでないと、住宅賃貸業は成立しませんし、
ましてや、私は賃貸事業を通じて、生まれ故郷である千葉県東葛地域のイメージアップ、首都圏序列の向上にも寄与していきたいと考えていますので、なおさら、「入居者に良し、業者に良し、オーナーに良し」の、「三方よし」を心がけていく必要があると思っています。
その意味では、不動産投資仲間であるHiroさんの経営理念、「良質な賃貸住宅の提供を通じて地域や社会に貢献する」に、共鳴します。
http://realestatebusiness.seesaa.net/article/280674365.html
一方で、重層長屋規制の目的や実効性に懐疑的な、猪俣さんの視点も、よく理解できます。
一体何のために、何を実現するために、重層長屋を規制すべきと考えるのでしょう?今回の一件では、世田谷区の保坂区長が、規制強化に前向きだったようですが、お考えを、区長に聞いてみたいです。
新聞記事では、「良好な住環境維持のため」、「防災のため」に、規制強化すべきだ、みたいなことが書いてありますが・・・旗竿地に建つ重層長屋(或いはアパート)を狙い撃ちしただけで、その目的が達せられるのかというと、疑問なしとはしません。
たとえば、世田谷区における重層長屋規制が、「良好な住環境維持のため」になるのか?せいぜい、高さが10mぎりぎり、3階建て相当の集合住宅を規制したところで、それをはるかに上回る、7~8階、10階以上の集合住宅が、世田谷なら、現在進行形でガンガン建ってるはずです。日照・騒音インパクトも、ケタ違いのはず。
「防災のため」を言うなら、隣家との壁との間が、30cmしか空いてないようなミニ戸建こそ、真っ先に規制すべきでしょう。世田谷には、そういう住宅、ものすごく多いはずですよ。
袋小路の土地とはいえ、ある程度、隣地との幅を開け、かつ共有部分のない集合長屋の方が、避難通路は確保しやすく、少なくとも、ミニ戸建密集地に比べれば、防災上マシだと思うのは、私だけでしょうか?
そう考えると・・・重層長屋を規制したい、その本心は、「住環境」、「防災」とは、別のところにあると、勘ぐらざるを得ません。
一番、考えられるのは、「集合住宅が建って、近隣住民の質や地域のグレードが落ちるかもしれない」ことに対する、既存住民の反発・嫌悪・・・かもしれませんね。
戸建中心の落ち着いた住宅地に、レ○パレス、大東○託の安アパートが建って、月額家賃2万5千円くらいの入居者が越して来れば、ゴミ捨ての問題をはじめ、近隣トラブルが起こりやすい・・・これは日本中で起こっている問題です。
問題になった物件は、世田谷の南部、自由が丘駅からも歩ける距離の住宅地だそうですから、集合住宅とはいえ、家賃がそう安いとは思えないのですが、それでも、土地付き戸建に住んで
いる層と、貧富の格差は多少あるのかもしれない。
また、サザエさん一家みたいに、比較的古い時代から世田谷に住んで、戸建中心、低密度の住環境に慣れた「先住民」たちが、近年のアパート建設ラッシュ、人口密度増加に嫌気がさして、そのフラストレーションが爆発寸前になっている・・・のかもしれません。
先住の地域住民と、今後越してくる新住民・・・いずれにも言い分があり、どちらが良い、悪いとかは、言いません。
ただ少なくとも、「山の手にありがちな、トラブルリスク」とは言えそうでしょうね。旗竿地の重層長屋が問題になってるのは、世田谷や杉並あたりの山の手が中心なようで、板橋区、豊島区とか、荒川区などでは、これが問題になっているという話は聞いたことないし(高層住宅ならあるけど・・・)。
数年前に問題になった、「ワンルームマンション規制」を、彷彿とさせますね。こちらも、発火点は文京区の、山の手エリアでした。トラブルの原因は、「ワンルーム住人(単身者)のマナーの悪さを、近隣先住民が受け入れられない」ことでしたね。
日本中、世界中、どの土地にせよ、中長期的な不動産投資で収益を上げるには、その土地柄や、住民層、よくあるトラブルについて、よく研究する必要があると思います。
【爆風スランプ~せたがや たがやせ】
柏の生んだスーパースター、サンプラザ中野くん、世田谷に愛をこめて熱唱!
今日の日記、「面白かった」、「ためになった」と思った方は、応援の「ぽち」よろしく。
↓
不動産投資 ブログランキングへ