私は、ここ数年、書店に行ったことが、数えるほどしかありません。
どこでも、スマートフォンを持ち歩いて、ウェブで良さそうな本を見つけたら、Amazonリンクをクリックして、そのまま注文。一日後には、郵送で我が家に届く・・・便利ですねえ。
よく考えたら、書籍だけでなく、家具・家電、PCや周辺機器、生活雑貨でさえ、大部分はネットで買ってますね~。
インターネット、モバイル、スマホの普及は、産業のあり方を、根本的に変えつつあります。
街の書店、TV、新聞、百貨店、ショッピングセンターとかは、たぶん、大変だろうな。
個別には、儲かっているところもあるんでしょうけど、業界全体としては、構造不況でしょうな。
逆に、この世の春を謳歌している業界は、確実にあるはずです。たとえば、
・楽天など、ネットショッピング大手
・データセンター
・物流センター
特に、モノの流れが、変わりますよね。従来は「メーカー⇒卸売⇒小売店⇒消費者」だったけど、、
ネット時代には、「メーカーor代理店⇒物流センター⇒消費者」になる。
中抜きされる、卸売、小売店が縮小する一方で、「物流センター」は、ネット時代と相性いいですね。
特に、大消費地に近い「物流センター」は、当面、旺盛な需要が期待できるでしょう。
私の実家のある、千葉県柏市や、近隣の流山市、三郷市あたりを車で走ると、
ここ数年、高速ICの近くに、超巨大な物流センターが、ボコボコできています。
なかでも、目を見張るのは、柏I/Cのすぐ南側、十余二工業団地内に建設中の巨大物流施設、「SGHロジスティクス柏」。
こないだ父と、あの辺をドライブしていて、思わず絶叫。「何だあれは!!」
延床面積20万平米、関東最大級・・・信じがたい規模の建設が、進められていました。
そこから南東方向、約6km離れた「ロジポート北柏」も、延床12万平米超のサイズで、現在、建設中。
JR北柏駅から歩いて6分。東京圏では珍しい、駅前の巨大物流施設。大量の労働者を電車で集められるのが強みですね。
経済の停滞した日本で、今どき、こんな巨大開発、一体、誰がファイナンスするんでしょう?
興味をひかれて、Webで調べたところ、
思い切り外資が入っていました・・・・
世界各国の年金基金が、英米の投資顧問会社を通じて、2010年以降、首都圏のマルチテナント型物流施設を、盛んに買っているのです。
もちろん、インカムゲイン狙い。いま日本の不動産のなかで、物流案件が最も期待利回りが高く、空室率も低く、オフィスビルや住居系よりも、パフォーマンスが高いのですね。
これにはもちろん、日本の仕掛け人がいるわけで・・・特に、世界有数の投資顧問会社、ラサール・インベストメント・マネジメント社の動きが活発なようです。
同社の中嶋康雄CEOの談話が、とても興味深い。
いまなぜ、世界のマネーが、成熟市場である日本、特に首都圏の物流施設に向かうのか?・・・とても説得力ある説明ですね。
昨年、東日本大震災が起こっても、投資資金流入の勢いは全く衰えません。
特に、柏市、流山市、三郷市など、内陸部の立地が見直されているので、このエリアでは、投資がさらに加速しています。
ここ1~2年、欧米・アジアの外資が入った、首都圏の延床面積3万坪超の大型物流施設8件のうち、実に3件が、「柏~三郷ライン」上に立地しています。
その少し前に、これも外国から直接投資による「ロジポート流山」が完成していますので、
この一帯はまさに、「首都圏東部内陸の物流ハブ」になりそうですね。
首都圏西部では、相模原市を中心に、巨大物流施設の建設が進んでいます。こちらも内陸型。
これまで、首都圏の物流施設は、圧倒的に沿岸部(東京湾岸)中心の世界でしたが、
震災をきっかけに、首都圏の物流も、「沿岸から内陸」へのシフトが起こっているようですね。
(追伸)
オンライン書籍の巨人Amazon.com。日本でも岐阜県の多治見市や、大阪の堺市に、自社の物流センターをつくっていますが、
今回紹介した、柏市の二施設は、その2~3倍の規模を持つ巨大拠点で、雇用創出効果も相当なものと思われます。