複数の国で、賃貸経営をやっていると、つくづく感じるのは、日本賃貸市場の変化の速さ。
とにかく、すさまじい勢いで、変化しますね。もちろん、大家にとっては、嬉しくない方向へ・・・
日本国内では、まず札幌や福岡のような、地方中核都市で、2007~8年頃から、ファンドバブル崩壊の影響による、物件供給過剰と家賃下落の話が、よく話題に上りました。
京阪神方面では、もともと空室率が高いところにもってきて、近年、景気良い話もあまりなく、全体的に低空飛行が続いているというイメージ。
その中にあって、東京と名古屋だけは、もう少しマシなイメージがありましたが、人口に対する供給過剰は相変わらずで、ここ2~3年、家賃下落圧力が、ボディーブローのように効いてきた感があります。
特に、今年から、帝都・東京がにわかに厳しくなった感があります。不景気と、昨年の震災で、東京圏への人口流入が鈍ってきたことも影響しているのでしょうが、
都心にアクセスの良いエリア、イメージの良いエリアでさえ、家賃下げても数か月空いてる等、賃貸付けに苦戦している話が、よく耳に入ります。
都内の街を歩いて、賃貸広告みても、家賃厳しいなあ・・・と感じる今日この頃。
葛西 4.8万円
※都心・大手町まで直通、15分で出られる葛西駅。この広さがあっても、5万いかないのか・・・
世田谷区 5.0~5.1万円
※駒沢学園徒歩5分の立地、BT別でも敷0、礼0、フリーレント1カ月で5.1万・・・世田谷ブランドさえ、通用しない世の中なのか?
日本列島を西に行っても、厳しいことには変わりないようです。
神戸 2012年1月
※ファミリータイプ10万円を超える物件は、皆無。買ったら結構いい値段するのに・・・
福岡 2011年12月
※さすが、九州の家賃最安都市・・・家借りて暮らすには天国かも。
先日のブログで、「不動産最強都市」と絶賛した名古屋でさえ、家賃下落は進んでいるし、いま日本で、賃貸市場が盛り上がっているのは、(不謹慎ながら)震災被災地の高台くらいかなあ・・・それでも、景気良いのはせいぜい3年でしょうね。
私自身、この厳しい日本の賃貸市場で生き残っていく戦略として、二つを考えています。
1)とにかく、中古物件を激安で仕入れる。競売・任売、通常売買を問わず、将来の家賃下落を見越しても、表面20%回るような物件を現金で仕入れて、回す。仕入れ値が安ければ、空室や家賃下落に対する抵抗力も強い。現金で仕入れれば破綻リスクはほぼない。
2)自分が本当に「こだわりのある立地」で、競争力ある「こだわりのテーマ物件」をつくり、経営する。自分がなぜ、この場所で、この住宅を提供するのか?オーナーはなぜ、私でなければならないのか?・・・ちゃんとストーリーを描けるような物件を、市場に提供する。物件はもちろんのこと、大家として、自分が選んでもらえるような、大家の生き様を体現するような物件を企画・運営していく。
厳しいですよねえ。でも、この日本市場でも「勝てる」方法は、知恵をつかえばいくらでも見つかると思っています。
さらに、日本の賃貸市場の弱点を補う、「成長市場」として東南アジア、「安定市場」として欧米先進国での不動産投資を、並行して進めていきたいと思います。