老いた日本財界

福島原発事故と、それを受けた菅政権の「浜岡原発停止」、「ストレステスト」等、脱原発に向けた矢継ぎ早(拙速?)の動き。

その結果、震災の影響が少なかった西日本にも電力不足が波及し、経済への悪影響が懸念されています。

これに対し、経済界には怒りの声が渦巻いています。「こんな状態では、日本でビジネスできない」、「海外に出るしかない」といった声が続出しています。

たとえば経団連は、軽井沢の夏季フォーラムに菅首相を呼ばず、原発復活を含む緊急提言「アピール2011」を発表し、

経済同友会の代表は、「脅しではなく海外シフト考えざるを得ない」と発言するなど、菅政権への敵対姿勢が鮮明になっています

この経済界の反応ですが、私の仲間うちでは、すこぶる評判が悪い。

私の仲間の多くは、30~40代で、会社を経営している者が多い。皆、経済人だから、菅政権の「アンチ・ビジネス」的な手法を好む人はほとんどいない。

一方で、経団連や同友会の姿勢を支持するかというと、そうではない。私の感覚では、菅政権と同じくらい、彼らは嫌われています。なぜか?

私自身も、強烈な反発を感じます。特に、同友会長谷川代表の発言に・・・

確かに、菅政権に対する反発は分かる。いまの日本、法人税は高い、公共料金は高い、雇用規制は厳しい、TPP加盟は進展しない、加えて電力不足、リーダーシップのない政治・・・

グローバル競争が激化する現在、輸出産業の拠点を日本に置くには、どうみてもハンディが大きすぎる。菅政権の迷走に、激怒するのも無理はない。

とはいえ、日本社会に大きな責任を負うべき、財界の代表的人物が、言うべき言葉じゃないだろうと思う。

海外のまともな国の、まともな経済団体なら、社会の有為な一員としての責任を踏まえて、発言するものです。

原発に対する立場はともあれ、一国の経済・雇用に大きな責任を負う立場で、いま生きている人々、将来の世代に対する責任を意識して、発言・行動するものです。

長谷川代表の発言から、その責任・気概はまるで感じられない。

本来、ビジネスとテクノロジーに明るいはずの、経済団体のリーダーとして、震災後・フクシマ後の、日本のエネルギー政策に、未来を見据えた、有効な提言をして欲しい。

原発への依存を増やさずに、日本の産業を活性化し、雇用を促進する方策は何か、全面的かつ専門的な提言をして欲しい。

国民はそれを期待しています。

しかし、彼らから、そういう提案は、全く出てこない。

それどころか、「海外流出」をネタに、日本人、日本社会に対して、脅しをかけるような発言をする。

原発問題が収束しないなか、厳しい現実を受け入れ、とにかく震災から立ち上がろうと、日々、頑張っている、日本の同胞に対して、言う言葉じゃないだろう?

はっきり言うけど、日本の社会に責任の一端を負う姿勢がないのなら、こんな財界団体など、日本には要らない。

補助金、円高介入、無数の参入規制・・・これまで日本政治から、散々恩恵に与ってきた揚句、甘い汁が吸えなくなったら、「海外に出るぞ」と脅すような団体など、お呼びではない。

あんた達、日本に要らないから、海外出たいなら、どんどん、出ていっていいよ。

でもそれ以前に、そんな人間・企業が、海外に行って、尊敬されるのか?まともにビジネスできるのか?

だいたい、海外に活路を見出す企業は、とっくの昔から、そうしていますよ。

今さら、「海外に出るぞ!」って、何それ?
20年前に、それを言うならともかく・・・

要は、頭の中が老いているわけですね。20年前から、大してアップデートしてない。
彼らが、今後、日本経済の有為な担い手になり得ないことは、明らかでしょう。

老害、どんどん引退して良し。

これからの日本は、我々の世代が引っ張っていくしかないですね。頑張ります。

Facebook にシェア

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*