シドニー

現地日本人の治安アドバイスに要注意!(情弱リスク懸念)

こんにちは、Manachanです。新年あけましておめでとうございます。今後も末永くご愛読のほど、よろしくお願いします。2020年最初のブログは、「海外に関する情報収集法とリスク」というテーマで書きますね。

 

まずは問題提起から。世の中なぜ、「情弱」と揶揄される人が多いのでしょう?今や日本中どこでも4G電波網が張りめぐらされ、老若男女問わず、ほぼ誰もがスマホ、タブレット、PCを持ち、ハード面ではほぼ同じ条件で常時情報収集できる状況にある。それなのに、情報を上手に使いこなす人がいる一方で、情弱としてカモられる人が後を絶たない。それはなぜなのか?

おそらく、ネットから得られる「情報の取捨選択」や「情報に基づく意思決定・行動」の面で個人差が大きいのでしょう。一言でいえば「情報リテラシー」が明暗を分けてしまう。

仕事や留学で海外に出ることになり、現地在住日本人の「治安アドバイス」を聞いて鵜呑みにするような人が相当数いますが、私は彼らに「情弱の匂い」を感じてしまいます。

 

確かに、初めて行く海外の街、現地の治安が気になるのは当然です。客観的にみて、日本国内と比べれば、海外の多くの都市では治安の懸念はあるでしょう。また「現地の言葉、習慣や雰囲気に不慣れ」であることが、不安をさらに増幅します。

だから、現地在住の日本人に、治安について日本語で質問したくなる気持ちはよく理解できます。ただその情報を鵜呑みにして意思決定してしまうと、人生、いろんな面で損するリスクがあると感じます。

 

私の感覚でいうと、海外の都市に住む日本人の治安アドバイスは、一般論として、眉に唾を二度くらいつけて話半分に聞くべきと思ってます。欧米先進国の(白人種が住民の多数を占める)都市を念頭に置いて言うと、

・在住日本人が好んで住むエリア自体が、きわめて狭い。それこそ判で押したように、こぎれいな、白人中流層の住む閑静な住宅地を選んで固まって住む。日本人学校や補習校があるのも、そういうエリアがほとんど。

・自分の馴染みのあるエリア以外について、好奇心に欠ける人が非常に多い。自分が一度も行ったことないのに、また聞きだけで「あのエリアは危険」と言う人もいる。

・白人や日本人・東アジア人以外の人種が多く住むエリアについて、ほとんど無知で、かつ偏見に満ちている。

 

私は2000~05年にかけて、オーストラリアのシドニーで暮らしました。同期間中、半径50㎞ある、広大なシドニー圏のほとんどの地域に足を運びました。シドニーは数多くの民族人種が暮らすコスモポリタン都市、それぞれのエリアにエスニック色があり、興味をそそられたからです。また、ごく一部を除き、私が単身で訪問できるほど、シドニーは安全な都市だということも分かりました。

一方で、現地在住日本人の、視野の狭さにも驚きました(もちろん例外はありますが…)。たとえばの話、彼らが「治安に不安」だとして避けているエリアは、面積でいうとシドニー圏の80%、総人口の60%以上をカバーするエリアだったりします(単に知らなくて興味がないだけなのでしょうが、シドニーの治安でそんなにビビるって私には理解不能…)

そんな狭い視野しか持たないのに、これからシドニーに住む日本人に対して、「あのエリアは、危険だから避けた方がいい」と、知った顔でアドバイスしたりするのです。

 

そんな半端情報を、鵜呑みにするリスクって何なのか?

・行動範囲や視野が狭くなってしまう。

・せっかく海外に出て魅力的な体験をするチャンスが十分あるのに、生かせなくなってしまう。

 

さらに言うと、私の専門とする「不動産投資」の視点でいえば、「治安を気にする視野の狭い日本人」のおススメエリアなんて全然面白くないですよ。概して、「すでに出来上がった」「今後、変化の可能性が低い」「不動産の値段も全般的に高い場所」ばかり好みます。

不動産の価値上昇を目指すには、上記とは正反対の場所を狙うのがセオリーです。「まだ未完成」で「賛否両論分かれる場所」であるがゆえ「価格がまだ安く」かつ「今後の変化が期待できるところ」が望ましい。

かつてのシドニー在住時代、私は多くの日本人が避ける西シドニー地域のいろんな街を訪問し、食べ歩いて、エスニックグルメマップを作って、ホームページで発信しました。そこで集まった人を軸に「ウェスタン(西)シドニーうまいもの探検隊」をつくって、みんなで食べ歩きを楽しんでいました。

でもって、「うまいもの探検隊」のメンバーは、たいてい、不動産投資上手だったりします。典型的日本人エリアの枠を超えて、シドニー圏内のいろんな地域に好奇心を持ってるから、それが不動産エリア選びのスキルに直結するのだと思います。

 

以上まとめると、

勝手知らない海外の街に住むにあたって、現地在住の日本人に治安アドバイスを得るのは自然なこと。でも彼らの視野が必ずしも広いとは限らないため、知識のバランスをとる意味でいろんな人から情報収集を心掛けた方が良いと思います。それはシドニーに限らず、どの国・どの街についても言えるでしょうね。

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これからシドニーで家を買う方へ…

こんばんはManachanです。1ヶ月以上にわたる海外滞在を終え、日本に帰る機上でブログ書いてます。

私が海外(オーストラリア•シドニー)で初めて不動産を買ったのが2002年8月27日。記念すべきあの日から、もう15年が経ちました。

その物件は、シドニーの第二都心(Sydney’s 2nd CBD)として目覚ましい発展を遂げるパラマタ(Parramatta)にある、庭つき2階建て、3部屋の築浅タウンハウス。向かって右側の隣家と共有壁で接する集合住宅ですが、庭の大きさ、間取り的には日本の都市郊外の一戸建感覚で住めます。夏も涼しい二重レンガ造り。バスルーム3つ、カースペース2つ付き。シドニーでファミリーが都市生活するには標準的なサイズ。

この家、2002年に買って3年間住んだ後、賃貸に出して12年、これまで空室や修繕のトラブルなく順調に稼働して今なお保有中。安定した家賃収入かつ購入時の2倍以上に値上がり、まだ伸びしろを残す親孝行物件。我ながら良い買い物をしたと思います。今回は、この家を買った2002年当時、私が33歳だった頃の話を書きますね。

【2002年冬、シドニーで家探し】

私はシドニー都心にある、妻の住むマンション23階の部屋に居候しながら、平日はIT企業に出社していました。職場は郊外West Pennant Hillsにあり、電車とバスを乗り継いで、片道1時間以上の通勤をする毎日。

この会社に勤めて、2年。最初の1年は職場での英語のやりとりに苦労し、余裕ありませんでしたが、2年目になると慣れてきて、同僚を誘って食事したり、ラグビーの試合を見に行ったり、不動産談義する位の余裕が出てきました。住まいに関して、当時の私が願っていたことは、

– 高層マンション暮らしが苦痛になってきたので、地べたに張り付いた庭つきの一戸建てかタウンハウスに住みたい。
– もっと職場の近くに住んで、楽なクルマ通勤したい。

当時シドニーは、オリンピックを終えて2年が経過。好景気が続き、不動産価格も勢い良く上がっていました。「そろそろマイホームが欲しい」けれど、頭金を貯めるよりずっと早いスピードで家の値段が上がるので、じっくり何年もかけて「住みたい街選び」をする余裕は全くありませんでした。

–ここから、シドニーのローカルな地名がどんどん出てきますので、ご容赦ください–

当時、私と妻の合算年収、頭金から考えて、買える家の値段は「上限44万ドル」でした。この予算で庭のある家を買うには、シドニー都心から10km圏内では無理、職場に近い「北郊」は人気も値段も高く、都心距離25km以上離れたHornsbyやAsquithまで離れないと買えませんでした。

最初はそのエリアで家探しましたが、いずれも駅や商店街から遠く、道路が一方通行で不便だったり、家が古くてメンテが大変そうだったりと、良い家になかなかめぐり会えません。当時、Hornsbyエリアで40万ドル台前半の戸建は相当安い部類に入り、皆が欲しいスペックの家は50万ドル台が相場だったのです。

そこで、職場からみて南方向、都心からみて西20km余の距離にあるParramatta方面に転戦しました。Parramattaはシドニー郊外で一番大きく発達した街、生活も交通も便利ですが、当時はいまいち垢抜けない雰囲気。都心から西方向は昔から人気がなく、家の値段が安め…この場所なら、40万ドル以内で良さげな家、よりどりみどりだったので、面白くなって、毎週末、オープンハウスに行って内見しました。

当時のParramatta、同僚の間でも好き嫌いが分かれる状況でしたが、私は一目みて、ピンときました。

「ここは、私が生まれ育った柏の街にそっくりだ…」

大都市郊外の、大きくて賑やかな街。お店がたくさん、職場も学校も病院も多い、鉄道と道路交通の要衝。そして何より、地元に愛されるブロスポーツチームがある。柏にはレイソルが、ParramattaにはEels(ラグビーチーム)があり、奇しくも、ユニフォームの色までほぼ一緒!

オーストラリア人は伝統的に、静かな郊外の一戸建て暮らしを好むので、Parramattaみたいに賑やかな環境は住まいとして余り好まれません。でも私は柏で育ち、「徒歩圏内で何でも揃う充実した街」の暮らしが良いという感覚。クルマ運転しないと買い物ひとつ満足にできない場所に住むより余程良いと思いました。

Parramattaでのマイホーム探し、まず私がはじめ、3週目からは妻も一緒に見て、翌週には即決で買い付けを入れました。

駅や繁華街から徒歩15分くらい離れた、川を見下ろす、落ちついた雰囲気の住宅地で、3ベッドの築2年タウンハウスが39万7千ドルで売りに出ました。オーナーは中国人の年配夫婦。息子たちと一緒に住むので、2つ先の駅Wentworthvilleで大きな家を買い、このタウンハウスは手放すという…すでに4週間内見を重ね、「この地区で3部屋40万ドル以下なら買い」だと思った私は、妻と協議して、「39万ドル」でオファー。

私の他に、「ベトナム人のMr.ニュン」も買い付けを入れており、彼が39万2千まで買い上がったので、すかさず39万3千で応戦。結局39万4千でオーナーと合意できました。

その3週間後には頭金2割準備し、8割融資をひいて無事、決済完了。引っ越し直前に中古車屋で三年落ちのカローラを買い、そのまま新居のガレージに納車。翌日から職場へクルマ通勤開始。所要時間は「電車バス乗り継ぎ75分」から「クルマで17分」へ大幅短縮されました。

シドニーに来て2年余。晴れて家のオーナーになり、クルマもゲットして行動範囲が広がる…本当の意味でこの街の住人になった気がしました。

【あれから15年経って…】

2002年当時、私の職場で、ほぼ同時期にマイホームを買った仲間が数名いました。

一人は、香港から幼い頃移住してきた中国系の男。彼は都心から8km、誰もが好む「北郊」のSt Leonards 駅前に、1ベッドルームの新築マンションを、38万6千ドルで買いました。私が買った3ベッドルーム土地付き(39万4千)とほぼ同額でしたね。

もう一人は、イタリア系と英国系の両親を持つ、シドニー生まれの白人男。彼は親の援助も得て、私のマイホームより少し高めの44万4千ドルで、同じような間取りの3部屋タウンハウスを、北西郊外の雰囲気の良い街Eastwoodで買いました。駅からは結構な距離がありますが私のParramattaの家から近く、クルマで10分位。

15年経って振り返ると、どの家も、買った値段の2〜2.5倍の価値にはなっています。あの時代にシドニー圏で家買っていれば、基本的に誰でも、資産倍増できたのです。

でも不動産投資は息の長い話で、「これまで」と「これから」のストーリーは違います。この3物件を比べて、今後15年間の伸びが一番期待できるのは、たぶん私の買ったかだけ周辺環境が大きく変わり、かつ、今後も良い意味で変化が期待できるからです。

15年前、私が家買った頃のParramattaは、「シドニー西郊の垢抜けない大きな街」でした。この街をシドニー第二の都心に育てるという話が当時からありましたが、まだ形になっていませんでした。

「第二都心Parramattaの勃興」が誰の目にも明らかになってきたのは、ここ5年ほどの集中的な大開発。クレーンがうなり、高層オフィスビル、新築マンションやホテルが林立、大企業本社が移転して来て給料の良い仕事がどんどん増える。ライトレールも近く開通し我が家の近くに新駅ができそう♪

いまシドニー都心の20km圏内で80万ドル以下で一戸建が買える地域はほぼ皆無になりましたが、Parramattaを第二都心とみなせば、そこからさらに西方20km圏で60万ドル以内の一戸建が建つ地域はまだ残っています。その方角に西シドニー空港が8年後に開港し、インフラ整備と住宅開発で地域人口はさらに増える…後背地に200万の大人口を抱え、彼らに雇用機会を提供する西の都心Parramattaの拡大は今後も続くし、この地に物件持ってる私も、あと20年くらいはワクワクしながら時を過ごせそうです。

 

【これからシドニーで家を買うなら…】

この数十年でシドニーは大きく変わりました。特に不動産価格は激変し、「40万ドルで土地つき3部屋マイホームが買える時代」は、もう永遠に戻って来ないでしょう。

なぜか?オーストラリアはアジアに一番近い西洋文化圏の国で、シドニーはメルボルンと並び、今も昔も将来も、アジア系移民の受け皿になり続ける大都市だからです。

たとえば、人口14億の中国には、子供に西洋の教育を受けさせたい親、一家で移住したい人がたくさんいます。中国からみて、オーストラリアはアメリカ、イギリスよりも近く、時差の問題もありません。富裕層中国人がオーストラリア移住する時、最初に根を下ろす場所はシドニーかメルボルンになります。同様の理由で、東南アジアやインドからも、この二大都市に人口が流入します。

シドニー、メルボルンとも、2050年までに人口が300万人以上増えると予想されるなか、住宅価格を下げるには新築の供給を大きく増やさなければなりません。実際、業界は努力していますが、それでも人口増加のペースに追いつきません。

そんなシドニーで暮らし、賃貸しながら、これから初めて家を買う方もいらっしゃることでしょう。彼らに、私からアドバイスするなら、

– いまシドニーで、住みたい場所に家を買える人は少ない。だから、「住む場所」と「不動産買う場所」は分けて考えよう。

– まず投資物件を先に買い、自宅は将来買うのもアリ。最初の投資物件は、シドニー以外の都市(例.ブリスベン)でもok。

– シドニー圏内で、60万ドル以内の印紙税免除を使って初回購入するなら、「将来性の西部」と「駅近」にこだわって選ぼう。それが値上がりと資産形成の近道。

– 具体的にはParramatta – Blacktown – PenrithのWestern Line沿線と、Parramatta – Liverpool – LeppingtonのCumberland Line/Southwest沿線が、「60万ドル予算で買える成長センター」なので、この一帯がイチオシ。駅徒歩圏ならマンションで良く、それ以外なら土地付きが望ましいが、「2ベッドルーム以上」にはこだわるべき。

(※もし100万ドル以上の予算をお持ちなら、もっと都心近くを狙えます。できれば10km圏内が良いですね。)

あえてひとつ挙げるなら、Merrylands駅周辺が、将来性ではピカイチだと思います。「Parramattaまで3分、シティまで直通30分」、「駅前がきれい」、「住環境、買い物、医療環境全てが良い」、「もともと大区画の戸建が多いところに中高層の新築が増え、土地利用の高度化が進んできたので価値が上がりやすい」「Parramatta以南は過小評価されてるので本来の価値より安く買えるチャンスあり」。

シドニーで不動産やるなら、Merrylandsで集中投資したい位、私はこの地域に惚れ込んでいます。あと20年くらいワクワクできそうな場所ですね。

(2017/8/22追伸) Merrylandsの不動産物件良いの入りました。永住権なくても買えます。興味ある方は私までご連絡下さい。

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