グローバルビジネス

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東南アジア=親日の落とし穴

こんばんはManachanです。日本へ一時帰国、今日で3日目。柏の実家に来てます。明日は夜の便で真冬のオーストラリアに発ちます。

今日は全国各地で今年一番の猛暑日でした。実家の室内も暑いですが、ベランダに出ると自然の風が涼しくとても気持ちいい。蚊もいないので、このままベランダで寝ようかと思っています。

3日前まで、私はタイのバンコクにいました。タイ、マレーシア、インドネシア、ベトナム、フィリピンなど、東南アジア諸国は概して対日感情が良く、ビジネスしやすいということで参入してくる日本の企業や個人も増えてますね。

私は、東南アジアの不動産だけでなく、リアルビジネス関係のコミュニティや交流会などに参加する機会も多いのですが、そういう場で異口同音に聞く言葉がこれ(特に、基調講演とかでよく聞く)

「東南アジアは、中国と違って親日だからビジネスしやすい」

私は、国単位で親日とか反日とかってナンセンスだと思ってるし(リンク「反日、親日のナンセンス」)、日本人側の勝手な思い込みで隣国をレッテル貼りするのも賢明じゃないと思うから(リンク「反日国って意味あるの?」)、そういう言葉で同意を求められても、苦笑して軽い相槌打つだけにとどめてますが、

自らリスクを取って、東南アジアに打って出ていこうとする若いビジネスマンは、「日本にとって必要かつ大事な人材」だと思うので、なおさら、国家の色眼鏡で見ない、フラットな世界観を身につけてもらいたいと、我がブログで訴え続けています。

最初に戻りますが、東南アジア諸国が全般的に対日感情が良いのは事実だと思います。それは歴代指導者や先人たちの努力の賜物でもありますが、日本と東南アジアが地理的に隣接していないから、という事情も大きい。

一方、東南アジアの多くの国が、超大国・中国と隣接しています。国境紛争、不法在留や犯罪の問題など、中国との間に厄介な問題を抱えている国が多い。

ですが、だからといって東南アジアが概して「反中」だと思うのは早計です。

それどころか、東南アジアの多くの国の近代化は、かなりの部分を中国からの移民やその子孫によって担われたという歴史的経緯もあります。現在も、中国系財閥が経済の多くを牛耳っている国は多い。

人口の70%以上が華人であるシンガポール、約25%が華人であるマレーシアはもちろん、華人社会の色彩が比較的薄いタイやフィリピンでも、華人系の経済パワーは昔も今も絶大です。

たとえばタイ…同国20大財閥のうち、17の財閥が華人系で占められています。タイのデパート王「セントラルグループ」とか、世界的なアグリビジネス大手「CP(チャロン・ポカパン)グループ」、象のマークのビール「チャンビア」で知られるTCCグループ、カシコン銀行やドゥシタニ・ホテルなど、タイの有名な企業グループはほぼ全て中華系です。

タイの華人(or中国系タイ人)は、潮州系(広東省沿岸部の潮州出身者グループ)と客家系(主に広東省内陸部をルーツとする客家族グループ)が二大勢力で、タクシン前首相やインラット前首相は客家系です。ついでに、シンガポール建国の父リークアンユー氏も、フィリピンのコラソン・アキノさんも現大統領も客家がルーツ(あと、うちの奥さんも客家系…)

フィリピンついでに言うと、同国を代表する財閥も、昔はスペイン系が強かったですが今は中国系の勢いが良い。今やフィリピン最大の航空会社になったLCCのセブパシフィック航空を擁するのは中国系フィリピン人のゴコンウェイ家だし、フィリピンのデパート王、海外送金王「SMシューマート」グループの総帥も中国系のヘンリー・シー氏。

彼ら華人系財閥は、何百年も前から、東南アジアに出てリスクをとって事業を続け、それぞれの国を代表する大財閥を築き上げてきました。彼らの存在・事業活動なしに、東南アジア経済は機能しないし、ポッと出の日本企業が出ていったところですぐには歯がたたない…まず、そのリアリティを認識することから始めなくてはなりません。

日本人が東南アジアにビジネス進出するにあたって、彼らが「親日であり反中」という無邪気な思い込みは危険です。国民感情はどうあれ、どの国もほぼ、経済は華人系が牛耳っているのだから、東南アジアのビジネスで華人を敵に回すのは得策ではありません

むしろ、現地の華人系企業とウィン・ウィンの関係を築いていかなければ、日本人のビジネスは伸びていかないでしょう。

そういう事情があるので、東南アジアでは英語のほか、中国語の重要性が大きいです。タイでもベトナムでも、日本語学ぶ人はまあまあ多いけど、それよりはるかに多い人数の中国語学習者がいます。

東南アジアの人は、現地人系、華人系を問わず、日本に対するイメージは概して良好です。あと華人系とはいえ現代中国語を流暢に話せるとは限りません(特にタイの華人は、中国語概してヘタ)。彼ら、日本人が中国語話すとははなから期待していないから、我々が中国語で話せば好感度がずっとアップしますし、尊敬もされますよ。

東南アジアに出て反日、親日うんぬんするより、さっさと中国語と英語を学んで人脈を広げよう…というのが、私の意見です。

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ギリシャvsドイツの金貸し

こんばんはManachanです。今回のブログは、いま旬な「ギリシャ」の話題でいきましょう。

昨日行われたギリシャの国民投票の結果、EU=ヨーロッパ連合側が求める財政緊縮策の受け入れに反対する国民が多数を占めました。

これが即、ギリシャのユーロ通貨離脱やデフォルトを意味するわけではありませんが、これまで数年にわたるEU(特にドイツ、フランス)やIMF主導によるギリシャ財政の再建策が、大きくつまずいたのは間違いないでしょう。

銀行から一日60ユーロ(約8000円)しか引き出せない「ガキの使い」みたいな暮らしを強いられ、若年層の失業率50%にあえぐギリシャ国民。今後、借金棒引きしてもらってユーロ圏に留まるのか、あるいは独自通貨ドラクマに戻るのか…先行きは全く見えない。また同国に対する最大の貸し手「ドイツ」にとっても大変な苦境でしょう。

ユーロ圏の優等生ドイツのエース「ドイツ銀行」のSP格付けが、「A」から一気に「BBB+」に下げられ、すわギリシャと共倒れか、という声も聞こえてきます。

この問題…借りたカネ返さないギリシャが悪い、という一面だけでは捉えられないでしょう。リーマンショック前後の2008年に、一人当たり名目GDPが3万USドルを超えていたギリシャ経済は、7年間ですっかり疲弊し、2万ドルを割り込んでしまいました。ちなみに同時期、ドイツの所得水準は落ちていません。

これ、アベノミクスで円安になって米ドル換算で数十%所得水準が落ちた…みたいな話ではありません。ギリシャ人が現在使っている通貨「ユーロ」でみても、7年前からみて約25%、経済規模と所得水準が落ち込んだのです。

次に、ギリシャとほぼ同レベルの経済国、中東欧(スロベニア、チェコ)、南欧(ポルトガル)と比較してみましょう。2008年時点ではギリシャがトップでしたが、今ではスロベニアとポルトガルに抜かれてしまいました。2015年、下手したらチェコより下になるかもしれません。

次に、日本人に身近なアジアの国と比較してみましょう。2010年までは「ギリシャ、韓国、台湾」の順でしたが、今では韓国、台湾に抜かれています。

常識的に考えて、こんなに国民経済が疲弊してしまっては、財政再建もクソもないでしょう。仕事ない、福祉ない、金持ちや海外で働ける人はとっくの昔にギリシャを出国…しかも、そんな状態が7年も続いているのです。

ギリシャではリーマン後の2009年に、無節操な政府の支出超過が発覚した後、IMFとEUの指導の下、政府支出を絞り込み、歳入を増やす施策を実施しています。おかげで財政は均衡しつつありますが、肝心の国民経済がやせ細ってしまい…これでは借金回収どころではないでしょう。

借金を確実に返してもらうためには、借り手をある程度、肥え太らせないと難しい。ドイツをはじめEU諸国は、ギリシャに巨額の資金を入れて「支援」はしても、同国の経済を改善することはできませんでした。

ふと私の胸に去来したのは…数年前、ドイツ企業の日本支社で、IT部長として働いていた頃のことです。

当時、勤め先のドイツ本社は、今でいうスカイマークみたいに会社更生法の適用を受け、ドイツ政府の公的資金を導入して再生を目指していました。

ドイツやデンマークから、銀行団(債権者)が来て、経営に盛んに介入する。数字を良くしろとプレッシャーをかける…世界各国に展開する支社でも、銀行員みたいな人物が本社から送り込まれてきて、トップの座に座る。

彼らトップは、目に見える経営数字を改善するため、各部署は知恵を絞れと号令をかける。爪に火を灯すようなコストカットの連続、そして人員削減…しかし悲しいかな、彼らは稲盛和夫さんみたいな名経営者ではありません。厳しい状況のなか、社員の士気を鼓舞して、次は良い時代が来るよと、夢を見させる能力は全くありません。

私はITという技術部門に居たので、事業部門に比べて気楽ではありましたが、それでも、ケチケチ、ドケチ、人が減る…どんよりと気が滅入る日々でした。あんな状態がいつまでも続く位なら、いっそのこと、社員をバッサリ3分の1くらいに減らして、ホンモノの経営者のもと、新体制でスタートを切りV字回復を目指した方がずっとマシだと思っていました。

いま、ギリシャで起こっていることも、構図としては、私のいたドイツ企業と似てるんだろうなと思います。

たぶん、目先の数字だけ追いかけて、ギリシャ国民に「夢」や「より良い明日」を与えられない、資質に欠けた指導者が物事を仕切ってきたんじゃないですかねえ…もしそうなら、チプラス政権が出てきた理由も分かるし、国民投票で反対多数という結果も納得できる。ユーロやめてドラクマで再出発した方が幸せなのではないかと思ったりする。

ギリシャの苦境…日本も他人事ではありません。今はとにかく、ギリシャ製品を買って、ささやかながら応援したいと思います。

ギリシャの清涼飲料

ギリシャめしのテイクアウト…
(見た目は、中近東料理にそっくりですよ~)

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冬季五輪の憂うつ

こんにちはManachanです。木曜日から、我が家の誰かが「ウィルス性胃腸炎」で次々と寝込む、という事態になり、ろくろく外出もできない週末を迎えています。例年、冬場はこんな経験することが多いですね。

私の住む江東区では、2020年東京夏期五輪で競技に使われる37施設中、17施設が区内に集中するという事情もあり、オリンピックが話題に上る機会も多いですが、「冬季五輪」となると、ほとんど話題になることはありません。

実際、盛り上がらないっすね~どうしても、冬季の方が地味だし、それに開催都市が余りに微妙すぎて…

2018年 韓国・平昌(ピョンチャン)五輪は、降雪不足の問題、交通インフラの問題、韓国の経済不況など問題山積みで、開催できるかどうか、危ぶまれているようです。

2022年冬季五輪は、ストックホルム(スウェーデン)、クラクフ(ポーランド)、リビウ(ウクライナ)、オスロ(ノルウェー)等、欧州都市が全て立候補を断念。北京とアルマトイ(カザフスタン)の一騎打ちのかたちで、今年7月末の選考会で開催都市が決まる予定。

2022年冬季五輪が北京、アルマトイ…どちらに決まるにせよ、2018年平昌、2020年東京に続き、3大会連続アジアでの開催になるわけで、これじゃ欧州も北米も白けるだろうなあ…特に北京開催になった場合、韓国(2018)、日本(2020)、中国(2022)…東亜細亜に固まりすぎだろ!

各大陸間のバランスを取るためにも、2022年は欧州都市で最後まで残った「オスロ」開催を誰もが期待したわけですが、ノルウェー政府が巨額の開催費などを理由に財政保証を承認しなかった上に、市民の支持率が極めて低く、招致断念に追い込まれたのです。

世界に冠たるウィンタースポーツのメッカ、市民のスポーツ参加も盛んで、メダル獲得も多く、過去2回も冬季五輪を開催した「ノルウェー」が脱落したことで、冬季五輪の存在意義自体が疑問視されてきました。つまり、

☆そもそも、カネがかかりすぎる。

☆オリンピック開催後の競技施設需要がなく、経費が重荷になる。

☆最近ではソチに代表されるように、「雪が少ない」地域で「無理な開催」も目立つ。

人気の高い夏期五輪ならスポンサーがガンガンつくし、TV放映権等、商業化できる余地も大きいですが、冬季五輪では人気種目がどうしても限られる。その割にアルペン、スーパー大回転、リュージュ、クロスカントリーなど、大掛かりな施設も多い。競技者のレベルも年々上がるから施設の規模あ安全性に対する要求も高まる一方。カネかかる割に儲からない、赤字が必定の世界。

そこにもってきて、昨年のソチ五輪の開催費が夏期・冬季五輪史上最高額の5百万ドル(6兆円)に上ったことで、各開催都市も経費に恐れをなしてしまっています。そりゃ、数兆円ものおカネがかかって、散々借金した挙句に、施設が結局金食い虫になるのであれば、国威発揚したい新興国はともかく、成熟した先進国はどこもやりたがらないだろうなあ。

でも冬季五輪の開催地は、北半球の先進国に集中してるんだよなあ…構造的な問題ですね。

冬季五輪の存続危機を迎え、さすがのIOCも改革に乗り出さざるを得なくなっています。昨年12月、モナコで臨時総会が開かれ、改革案「アジェンダ2020」が打ち出されました。そこでは、

・五輪費用削減
・複数都市開催

が打ち出されています。特に、規模の小さい都市で巨額の費用をかけて五輪開催した場合、施設が遊休化するのが目に見えているので、それを改善すべく「需要の多い大都市で氷上競技」+「山の多い小都市で雪上競技」といったモデルで、「二都市開催」に道を開いているわけです。

たとえば2022年の冬季五輪に立候補している「北京」の場合、降雪がほとんどないので、200㎞以上離れた「張家口」での雪上競技に、「北京」での氷上競技を組み合わせ、両都市を高速鉄道で結ぶプランニングをしています。

日本にたとえていえば、「東京」で氷上競技、「新潟」で雪上競技やるようなものですね。いずれにせよ、「費用を抑えて、賢く開催」が、今後のオリンピックトレンドになりそうです。

なお、日本では「札幌」が2026年冬季五輪に立候補していますね。その頃、冬季五輪が今のかたちで存続しているかどうか分かりませんし、直前にアジア開催が続けば札幌の勝率も減るでしょうが、それでも、

東アジアでは札幌こそ、冬季五輪の最適地

これは疑いないところでしょうね。降雪は豊富、都市近くでも競技施設は充実、交通インフラばっちり、観光都市ゆえ宿泊施設も充実、新千歳空港の余力も十分、市民のスポーツ文化もあるし、メシも美味いし温泉もある…加えて1972年の開催経験と運営ノウハウがある。

五輪招致の是非は別として、札幌という都市なら、欧州、北米、アジア、オセアニア…世界中の人に喜ばれるでしょうね。他のアジアの国で、無理やりインフラつくって人工雪使って、オリンピックやった後に巨大な廃墟つくる位なら、札幌で既存施設を上手に使ってやった方が「賢い」し「皆のためになる」と思います。

札幌・大倉山ジャンプ場…ここで、原田のジャンプ見にいったんだよなあ。

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捨てる神あり、拾う神あり

こんにちは。Manachanです。

一昨年から、Home’sに連載している海外不動産投資コラムも、すでに連載15回を数えています。今回のテーマは、「カナダ不動産事情」。

私、まだカナダ視察一回やっただけの身なので、カナダ在住経験のある方からみれば、事実誤認や理解不足などがあるかもしれません。気づいた点はご指摘くださいね。

先週、私が視察した、カナダ西部のアルバータ州という場所は、不動産はもちろん経済の観点でも、大変興味深い場所でした。また、視察を行った2015年1月というタイミングは、ある意味、絶妙だったと思います。

アルバータ州(Alberta)は、カナダきっての資源州。”サウジ・アル・バータ”のあだ名がつく程、大量の石油の採掘・輸出で大変潤っている地域です。石油のもたらす豊富な税収により、カナダで唯一「州の消費税ゼロ」を実現。これも、他州からビジネスや人口を呼び寄せる要因になっています。同州の主要都市はカルガリー(都市圏人口140万人、カナダ第4位)と、州都エドモントン(110万人、第5位)。

同州の不動産市場も「石油景気」で活気づき、カルガリーを中心に2013~14年はカナダで最もホットな不動産市場になり物件価格が高騰。

ところが2014年後半から潮目が変わり、アルバータ州は資源価格の急落「逆オイルショック」の直撃を受けました。不動産市場も一気に冷え込み、今春から「売り急ぎ」「損切り」物件が大量に出てくると予想されます。

今はカナダドルも安く、日本人投資家にとって、物件を割安に取得できるチャンス到来だと私は見ています。当然ながら、米ドルに比べると、カナダドルはもっと下がっています。

いまアルバータ州の新聞では、「石油価格下落でどうなる州経済」、「あなたの職は大丈夫か?」みたいな、不景気な記事が席巻しています。これまでイケイケだった州民のマインドが、やや萎縮しつつあるような感じを受けます。

ただ、世界の経済はつながっているので、石油価格の下落だけを持って悲観する必要はないと思います。

たとえばの話、カナダのすぐ南に、超大国アメリカがあります。そして米ドルはカナダドルに対して、ここ2年で20%ほど値を上げ、相対的な購買力が上がっています。

そのアメリカがいま景気回復基調で、住宅ブームが起こっており、その副産物として、カナダ・アルバータ州のある産品の輸出がにわかに増えているそうです。特に「木材」。

木材のみならず、米国向け輸出が増えた品目が少なからずあり、少なくともそのセクターは儲かっています。実態として、石油下落による悲観一辺倒の状況でもないのです。

何となくですが、日本が円安になって、海外からの観光客が爆発的に増えている…というのと似てる話ですね。

海外観光客数の伸び、日本は世界平均を上回る

ある国民経済で、既存の主要産業が傾くと、為替も下がり、マインドは悲観一辺倒になる…でも外国からみると、そうではない。その国のモノやサービスが相対的にお買い得になるので、海外からいろんな注文が入る、投資も入ってくる。

世界経済がつながっている限り、ある国の経済や通貨が下落一辺倒にもならなければ、上昇一辺倒になることもない。捨てる神がいるなら、拾う神も必ずいるのだから。

来週開催する、アジア太平洋大家の会主催のいくつかのセミナーでは、「為替」にフォーカスした話を取り入れていきます。

1月27日 ラオス第一号コンドミニアム紹介会@東京

1月29日 北米土地投資&プライベートバンク説明会@東京

いずれも、グローバル資産運用の第一線で長年活躍されてきた高島一夫氏を講師にお呼びして、世界経済と為替に関して、示唆に富む話をしていただきます。お楽しみに。

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海外ノマド、海外ローカル

こんばんは、Manachanです。

最近、「海外ノマド」という言葉が出てきたようですね。IT・モバイルを駆使して、固定のオフィスと従業員を持たず、PC1台で海外を舞台に時間と場所にとらわれないワークスタイルを実践する…といった内容です。

海外ノマド倶楽部」というFacebookグループもできて、メルマガも発行されています。私も購読していますが、なかなか面白いです。

現在は、世界中どこでもWiFiが普及し、PCもスマホも安く入手でき、格安航空会社も普及し、以前とは比較にならない程、所謂「ノマド」なワークスタイルが安価で気楽にできるようになったと思います。

もっとも、「ノマド」への敷居が低くて参入が自由である分、この世界で成功している人はごく一握りなんでしょうけどね…

私は、ある意味、「早く生まれすぎた海外ノマド」みたいなもんかもしれません。

日本で生まれ育ち、西暦2000年にオーストラリアに移住。それ以来、中国、米国、インド、台湾などで長年過ごしました。生活と仕事のなかで英語と中国語を覚え、オーストラリアの永住権を取り、不動産もいろんな国で買っています。現在は日本に戻っていますが、「日本以外の国でいつでも暮らせる」状態を実現してから、すでに14年を経過しています。

また、会社員を卒業して自営業者になりましたので、今では働く時間は自由です。働く場所も、都内にオフィスこそ構えていますが、世界中いろんな国に出張して、現地でPCとモバイル機器使って仕事しています。

働く場所と時間が自由で、行動範囲がグローバルに広がっている…という意味では、客観的には「海外ノマド」に近い状態を実現していると思います。

ですが意識の上でいうと、自分を「海外ノマド」だとはあまり思ってないんですよ。むしろ、自分は「海外ローカル」ではないかと…。

ローカル(Local)とは、地元民、生活者、定住者…という意味になります。たとえば、私は東京の東陽町にかれこれ7年以上住み続け、この地で納税して医者にかかり子供を学校に通わせ、泥臭い日常生活を送っています。この状態は、ノマドではなく、ローカル。

でもって、私が例えば、以前5年住んだオーストラリア・シドニーに戻ったとします。そこでやることは、自分の保有物件に住み、健康保険証(メディケア)を取って、車を買って子供を学校送り迎えをする、子供が風邪ひいたらホームドクターに連れていく…

結局のところ、物理的な場所が変わり、生活言語が英語に変わるだけで、ライフスタイルはほぼ一緒なわけですね。シドニーに行けば、その地の「ローカル」になり、(以前2年住んだ)中国・大連に行けば、そこのローカルになるだけの話。使う言葉が中国語に変わるだけで、あとはほぼ一緒。

もっとも、シドニーや大連に移住したての頃は、見るもの聞くもの、すべてが新鮮に感じられましたよ。ですが、移住後5年10年を経過し、見聞する物事がすっかり「日常茶飯事」になった今、海外に身を置く新鮮味は失われてしまい、別に、地球上どこに居ても、結局は「その地の暮らし」があるだけで、その点は東京で暮らすのと一緒じゃん!みたいな感覚になってしまうのです。

日常生活を真っ先にイメージしてしまう分、海外暮らしとか、海外でノマド…みたいなことに心ときめかなくなったし、人様にそれをすすめる気もなくなって久しい。たぶん、海外生活を長くやりすぎたんですね。

あと言うと、私は独り身ではなく、妻と小さい子供2人いる家庭の人間であり、いろいろと制約も多い、やりたい時に自分のやりたいことができるわけではない…という事情もあります。この家族で暮らす限り、制約多いのは世界中どこにいても同じ。

ただ、長い人生を考えると、「自分の暮らせる国が複数ある」という状態は大きな財産だと思ってるし、それぞれ社会経済状態の違う国で、多様な資産形成をはかっていけるのも大きい。

また、海外経験の少ない人に、「自分の暮らせる国が複数ある」状態をつくるサポートをするという意味で、海外ノマドの動きは応援しています。

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春秋航空、佐賀空港、成田LCC…

こんばんは、Manachanです。今回の日記は、日本や世界を激安料金で旅したいバックパッカーやビジネスマンの強い味方「LCC」(格安航空会社)について書きますね。

日本全国、全部で100近くある空港のなかで、「派手なイメージの空港」と、「地味なイメージの空港」が存在します。

私の主観ですが、派手な空港は、利用者数が多い幹線空港や、著名リゾート地の空港に多い。たとえば、

☆ 那覇空港
☆ 新千歳空港

どちらも派手で華やかなイメージありますね。私たち関東人にとっては、沖縄、北海道…どちらも旅行先の定番。それだけで「ハレ」のイメージになります。

一方、関東以外の日本に住む人々にとっては、「東京」自体がハレのイメージでしょう。ですので、

☆ 羽田空港

も、全国屈指の派手なイメージの空港になるかと思います。

なお、同じ関東でも「成田空港」は、利用者数が羽田に次ぐ全国二位、国際線需要の約6割を占める巨大空港にもかかわらず、羽田と比較してしまうと「地味」なイメージになってしまいます。ま、場所が千葉の奥地だし、周りが田畑と森ばっかりだからねえ…

一方、地味な空港は、利用者数が少なかったり、著名リゾート地のない工業都市とか、フツーの県庁所在地の空港に多い。たとえば、

★ 佐賀空港
★ 茨城空港
★ 山口宇部空港

…いずれも、地味ですよねえ。利用者数少なくても、場所が離島なら、それなりに個性とインパクト出るんだけど(奄美空港とか、八丈島空港とか…)、本州とか九州になってしまうとちょっと…

地味な空港がインパクト出すために、たとえば「出雲縁結び空港」とか「高知竜馬空港」とか、「福島ウルトラマン空港」とか、ニックネームつけるんだよね。

空港の派手vs地味の文脈でいえば、いま日本で一番、地味な航空会社はたぶん「春秋航空」でしょう。中国発のLCC、2004年創立。2010年に茨城~上海線片道4000円を登場させて一躍話題になった航空会社。最近、日本の国内線と、中国、韓国への国際線をいくつか出してますが、地味なラインアップばかり…

【こりゃ、地味だ…】

まずもって、プレミア&ビジネスなイメージの羽田発着便が一つもない。関東発着は一応、成田をハブとしているようで、

成田~高松
成田~広島
成田~佐賀

うわ、なんだこの地味さは!どちらかといえば、広島が派手なイメージあるけど、あの「山の上にある広島空港」は地味だよね…

春秋航空発祥の地・上海と日本の都市を結ぶ国際線をみても、新千歳と関空以外、地味な行き先が並ぶ。

茨城~上海線
関空~上海
新千歳~上海
高松~上海
佐賀~上海

また、関空から直接飛べる中国の都市も、なんとなく地味ですねえ…

関空~武漢
関空~天津
関空~重慶

とはいえ、LCCって世の中のためになってると思うんですね。これまで、地元客しか利用しなかった地味なマイナー空港に、新たな価値をもたらしている。春秋就航都市のなかで、とびきり地味な佐賀空港を例にとると、

春秋の成田~佐賀便を使うと、片道6000円くらいで飛べる
佐賀空港発着、「48時間、1000円レンタカー」が借りられる!

【こりゃ、すごい…超安いわ】

これ使うと、関東発、九州出張・旅行の費用が、ものすごく安くあがりますね。1人あたりのコスト、航空券の往復が1万2千円、レンタカー代1千円…その他、成田までの交通費や九州内の高速代、ガソリン代あわせても、2万で十分お釣りがくる。その分、良い温泉旅館に泊まったり、お土産買ったりできますね。

佐賀を起点にすれば、福岡や長崎、熊本まですぐ行けるし、高速使えば鹿児島、宮崎まで射程圏内。九州2泊3日旅行ができてしまう!

また、上海に行きたくなったら、佐賀空港が結構使える。

春秋の 佐賀~上海便 あるいは、
成田~(佐賀乗り継ぎ)~上海

【絶句!佐賀~上海便1580円】

佐賀~上海便って、週3便ですがむちゃくちゃ安くて、「1580円+燃油代」で飛べる日もあります。九州内では、今のところ「福岡~上海」を安く飛ぶLCCがないので、佐賀の利用価値は大きい。とりあえず福岡人需要があるのか、上海便の時刻に合わせて「博多・天神~佐賀空港」の西鉄シャトルバスが走っています。

また関東人からみても、「茨城~上海」使って一気に上海入りしてしまうのも良いが、九州と上海を組み合わせた旅行もなかなかオツ。成田~佐賀便使って九州の温泉行って、英気を養ってから上海入り…帰りは佐賀に寄らず茨城へ直行、500円シャトルバスで一気に東京駅、というコースも組める。

ところで、いま成田はLCC需要増大で、すごく盛り上がっています。乗客数も発着数も、過去最高を更新し続ける空前の活況とか。

実質「LCCターミナル」となる、「第三ターミナル」も、来年4月の供用開始を目指して、絶賛工事中。近くからみると、その規模に驚かされます。乗客が24時間滞在しやすいよう、フードコートやコンビニなど施設が整備される予定です。

【成田第三ターミナル建設中!】

ところで、成田は24時間空港ではありません。近隣対策もあって発着は6時から23時まで…でも
って、朝6時台成田発の便はほぼ、LCCが占めています。また、夜22時台に成田到着する便も、LCCを中心に増えています。

CC増便は、都心と成田を結ぶ京成線や、スカイアクセス線のダイヤにも影響を及ぼしています。まず、今年11月に行われた、スカイアクセス特急の増便。都営浅草線経由で、成田と羽田を結ぶ、スカイアクセス特急が、これまでの40分に1本から、20分に1本に増便されました。また、LCC乗客を意識して、早朝、深夜便も増設されました。

これが、昨年私が一棟アパートを建てた「東松戸駅」の利便性向上にも、大いに役立っています。上りも下りも、スカイアクセス特急はすべて東松戸駅に停車しますから(東松戸駅ダイヤ)…

【成田スカイアクセス特急が増便に次ぐ増便!】

私、関東で最初のアパート建てる時、東松戸駅を選んだ理由は、羽田と成田を結ぶ線上にある主要鉄道駅の一つであるという点でした。

それが、見事に当たりました。まず、成田と都心を結ぶ速達性を確保するため、スカイアクセス特急が増やされました。次に、「成田LCC」のビジネスモデルが確立したことにより、早朝、深夜のスカイアクセス特急も増便されました。これまで、すべてダイヤ改正のメリットにあずかっています。

東松戸駅がここまで便利になるなら、収益物件だけでなく、自分が住んでもいいなあ…と思います。

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マレーシア航空

おはようございます。Manachan@ケアンズです。

今回の日記は、今年に入って二度の重大事故を起こし、経営破たん懸念から完全国有化された「マレーシア航空」について書きます。

すでに誰もが知っている話ですが、

3月8日 MH370便 南インド洋上で(?)失踪  乗客乗員全員不明
7月17日 MH17便 ウクライナ・ロシア国境付近で撃墜 乗客乗員全員死亡

マレーシアといえば、LCC(格安航空会社)の王者「エアアジア」を生んだ国。エアアジアとの価格競争から、もと国営のマレーシア航空は、事故前から、苦難の経営を強いられていました。

経営危機に拍車をかけたのが、今年の2つの重大事故であることは間違いないですが、それ以外に、(JALとも似てますが…)労組問題や縁故主義、政界との不透明な関係など、組織内に構造的な問題も抱えています。

下の画像は、私が7月28日にカンボジアのホテルで撮ったものです。ウクライナでの撃墜事件からわずか11日後で、同航空便のキャンセルが相次ぎ、止むなく運賃値下げをするとの内容です。

また、時を同じくして、マレーシア航空のFacebookページに、社員向けの”Stay Strong”(苦難の時こそ、しっかりしよう)という投稿が、Twitterハッシュタグ付きで行われました。

ま、どこからどう見てもヤバそうな雰囲気が漂う同社ですが、案の定、8月8日には、国営投資会社カザナ・ナショナルを通じた「完全国有化」「株式上場廃止」という、政府主導の経営再建策が発表されました。数年前のJALと似た展開ですね。

私にとって、マレーシア航空は、身近な航空会社です。1992年に、はじめて北米を旅行した時、東京~ロサンゼルスの往復に選んだのがマレーシア航空便でした。91000円と、当時一番安かったからねえ…それ以降も、アジア各地との行き来に、同航空便を使ってきました。

今はエアアジアで、羽田~クアラルンプール(KL)片道1万円台という激安チケットが出回る時代になりましたが、予約時期が直前になると、さすがのエアアジアでも料金が高くなるので、マレーシア航空と比較検討することになります。昨年は、KL~成田片道の夜行便がマレーシア航空で2万円台(800リンギット強)で出たので、予約して乗りました。

今回、事故を受けてマレーシア航空が値下げするというので、KL出張から日本への帰途、もし超安かったら予約して乗ろうかと思いましたが、その日、エアアジアが2万円、マレーシア航空が5万円近かった…

LCCとの価格差が厳然としてある以上、マレーシア航空も相当、社員の首を切ってビジネスモデルを作りかえないと、再建は難しいでしょうね。

あと、マレーシア航空の社員の立場に立ってみると…いまの状態は、私が5年半まで、インド大手IT企業、サティヤム社の社員だった時に、当時のCEOが「インド版エンロン事件」といわれる大規模な粉飾決算事件を起こして、同社の経営が一気に危機に瀕した頃と酷似していると感じます。

あの頃は、つらかったです。私が心血注いで、カットオーバー間近まで仕上げたプロジェクトも、客に土壇場でキャンセルされる。「おたくの会社、いつまでもつか分からない」と言われ、二の句がつげなかった…

インドのライバル企業インフォシス社の会長から心無い言葉を吐かれて激怒したり(「激しい怒りを覚えます」―2009/1/20の日記)

大本営(経営陣?)からは、「社員のみなさん。当社は大丈夫だ、しっかりしよう」みたいなメールが送られてくる一方で、現場ではリストラの嵐が吹きまくる。仲良かったインド人の同僚も、一日1人のペースで解雇通告していた状態で…

マレーシア航空の内部も、今、そのような状態なのかもしれないな。

私、マレーシア航空を忌避しようとは思いません。値段とスケジュールが合えば、今まで通り利用します。確かに、二度の事故があった後で乗るのは縁起が悪いという気持ちも分かりますが、忌避したところで、リスクはそう変わらないだろうし(どっちみち、多くの便が他の航空会社とのコードシェアなんでしょ?)

また、会社が傾いた時の辛さを、社員として体験した身なので、少なくともマレーシア航空の社員に対しては、激励の言葉をかけ続けようと思います。私は経営陣じゃないけど、Stay strong、頑張ろう!

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ピギーちゃんの貯金箱

こんばんは、Manachanです。

今日、「ピギーちゃんの貯金箱」が、我が家に届きました。

この風変わりな貯金箱、先月6月29日に、広島のセミナーで講師としてご一緒した、岡本和久さんの主宰する「IOウェルスアドバイザー社」が、マネー教育の題材として販売している製品です。

詳しい説明は、ピギーちゃんのハッピーマネー四分法を読んでいただくとして、上の写真にもあるように、

ブタさんの身体を4等分に輪切りして、

・SAVE(ためる)
・SPEND(つかう)
・DONATE(ゆずる)
・INVEST(ふやす)

という、4つの箱に分かれています。子供たちは、お小遣いやお年玉をもらったら、

・いま、欲しいものを買うためのお金を、”SAVE”に入れる
・大きなものを買うためのお金を貯める時は、”SPEND”に入れる
・余ったお金で、困っている人を助けたい時は”DONATE”に入れる
・将来の自分のために、お金を殖やしたい時は”INVEST”に入れる

また、それぞれの箱に入れたお金は、ブタさんの四本の足から、用途別に取り出すことができます。とても良いデザインですね。

折りしも我が家では、小3の娘ソフィアと、幼稚園年長の息子ポニーに、お小遣いをあげ始めたばかり…絶妙なタイミングで、「ピギーちゃんの貯金箱」を導入できましたね。

ソフィアはいま、週250円のお小遣いをもらっていますが、本人は、次のように分けると言っています。

・SAVEに、100円入れる⇒ゲーム等に使う
・SPENDに、100円入れる⇒家族向けのプレゼントを買うために貯めておく
・DONATEに、25円入れる⇒具体的には考えていないが、困った人のためにとっておく
・INVESTに、25円入れる⇒具体的には考えていないが、将来の自分のためにとっておく

うちの子たちは日本語のほか、英語も日常的に使っているので、SAVE、SPEND、DONATEの意味は、そのまま分かります。

ただ、INVESTの意味は、まだ???なので…簡単に説明しました。

INVESTは、仮面ライダー凱武に出てくる「インベス」じゃなくて・・

「たとえば、自分の応援したい会社の株式を買っていいんだよ。子供でも株は買えるから…」

「たとえば、とっても美味しいお菓子をつくってる会社とか、あと、ソフィアちゃんが時々乗る小田急線や東武線みたいな鉄道の株も買えるんだよ」

「いい会社の株主になって、みんなで応援して、将来、その会社がたくさんお金を儲けたら、自分のお金も大きく増えるんだ」

といっても、小学3年生にはまだ早いかな…「株」と聞いて、野菜の「カブ」を想像するみたいなので。

「カブたくさん買って、おでんをつくる」話は美味しそうだけど、マネー教育じゃないよね。

まだ小さい子供にとっては、「学習・勉強」が一番の投資ですよね。大人と比べて、いま、豊富にある自由時間を、将来の自分の「お金を稼ぐ」能力に投じるわけですから…

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2014/5/4の日記、投資は世のため、人のためも、あわせてご覧くださいね。

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ミニスカ航空会社に学ぶ

おはようございます。いま、飛行機で福岡に向かっています。来週も福岡出張だし、先週は仙台&札幌、その前は東南アジア・・・このところ毎週、飛行機乗って、放射線被曝量MaxのManachanです(とっても元気よ♪)。

私、移動コストを最低限に抑えるために、普段はLCC利用が原則。福岡に行く時は、いつも成田からジェットスターに乗ります(独白:行きはいいけど、帰りの最終便で成田に降り立つと、暗い気分になるんだよなあ。ここから1時間半以上かけて家に帰るのかと…)

時には家族の都合で、成田まで行く時間がとれないことがあり、その際は、羽田から飛びます。福岡行きの直行便、JAL、ANAだと高いので、「スカイマーク」か「スターフライヤー」の二者選択で、安い方を選びます。

「黒い九州男児」スターフライヤー vs 「ミニスカ」スカイマーク

男の私としては、どうしても、「ミニスカ」に惹かれてしまいますなあ。東京‐福岡間の片道運賃、たとえばスターフライヤーが19,800円で、スカイマークが20,500円のだったら、ついつい、スカイマークを選んでしまう私…

価格差、1500円あれば、うーんと悩んでしまうけど、1000円差だったら、ミニスカ目当てに、スカイマークを選んでしまう。男って本当に、しょーもない生き物ですね(俺だけか…)。


ところで、スカイマークのミニスカ制服問題、炎上マーケティング臭はあるけど、とりあえず、話題性は十分でしたね。

大小マスコミにとりあげられ、CAの労働組合に文句言われて、国交省の指導が入るとかなんとか…そうした動きが、また一つ一つ、ニュースになる。

まだ、ミニスカ制服の評価が定まってないから、他社はすぐ追随できないし、その間、俺みたいな奴が、ミニスカ見たさに、スカイマークの航空券買って乗る。

やっぱ、自分で広告費かけて宣伝するより、マスコミに宣伝してもらうのが、一番、効率いいですね。もし、そこまで読んでたとしたら、スカイマークの経営陣、頭いいなあ(不謹慎ですみません…)。

ま、そこまでやらないと、スカイマークは、世間から忘れ去られるでしょうね。いまや、「全てにおいて、中途半端な航空会社」になってしまいましたから…

・JAL、ANAのようなブランドイメージや全国カバーする路線網はないし、
・かといって、LCCみたいに安いわけでもない、
・Air Doみたいに、「北海道にこだわる」姿勢があるわけでもない。

このままでは、JAL、ANAとLCCに客取られて、時流に乗れずに没落する運命しかないでしょう。

起死回生策として、経営陣は何を考えているのだろうか?ミニスカ制服だけではないと思うけど…いずれにせよ、顧客に分かりやすい価値を提供する航空会社に生まれ変わって欲しいです。

話、元に戻りますけど、「逆風を逆手に取る」マーケティングって、私、嫌いじゃないですよ。

たとえば、震災以降、「福島」という産地名に、にわかにマイナスイメージがついて、果物野菜が売れなくなった。半端ない風評被害を受けた。

でも、逆にいえば、これまで全国的に決してメジャーではなかった「福島」という県名が、にわかに、超有名になった。日本のみならず、今や、ニューヨークやシドニーのタクシー運転手でさえ、福島という地名を知っている。

要は、国内外のマスコミが、勝手に宣伝してくれるわけです。それに、今は震災復興施策の一環で、福島産品のプロモーションに、いろんな補助金も出る。今や東京都心で、「福島アンテナショップ」、「農産物フェア」花盛り。通勤電車での宣伝広告もすごい!

もちろん、報道される内容は、福島にとって良いことばかりではないけど、でも「マスコミの宣伝力」、「世間の話題」という大きな力を逆手にとる、利用する。そして福島の農産物や工業製品を一気にメジャーにしてしまう…そういう仕掛けができれば楽しいですね。

それが、人間のたくましさ、したたかさ、しなやかさ、頭の良さだと思います。柔よく剛を制す!

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反日、親日のナンセンス

おはようございます、Manachan@仙台出張中です。

国際捕鯨裁判の判決が出ましたね。日本が行ってきた「調査捕鯨」が条約違反とされ、完全な「敗訴」…日本中から失望と憤りの声が聞こえてきますが、

捕鯨の是非はさておき、日本が数十年間、行ってきた「調査捕鯨」なる活動は、そもそも「捕鯨反対」文化圏の人々からすると、極めて理解しにくいと思います。つまり、

日本の主張:鯨は「食べる」もの。人類の蛋白源として重要なのだから、個体数や挙動など、科学的研究目的で、頭数を管理しつつ捕鯨をすべき。

反捕鯨国の主張:鯨は「慈しむ」もの。「食べる」なんてとんでもない。なぜ、科学的研究目的で鯨を殺す必要があるのか?

そもそも、鯨が食べ物なのか否か?という前提からして、お互いに合意できない。はなから平行線なのだから、生産的な議論が成り立つわけがないのです。

これと似たパターンの話で、

「中国、韓国、北朝鮮は反日国家」
「台湾や、東南アジアの大部分は親日国家」
「台湾人はいいけど、反日国家の中国(大陸)人に日本の不動産を売らないで欲しい」

みたいなことを言う人がいますが、私、彼らと、まともに議論が噛み合ったためしがない。なぜなら、

中国(人)を、「国家」という単位でとらえるのか、あるいは「個人の集合体」ととらえるのか?

という、前提自体が合意できていないからと思います。

日本人自身を含め、どの国民であっても、「個人」であり、同時に「国家の一員」でもあります。「国家」というものは、「国民各層」の願いに基づいて動くこともあれば、時には、全く別の行動原則で動く面もあります。

国家としての思想・行動原理を「マクロ」、国民個人やグループ(エスニックグループ、業界団体、地方自治体など)の思想・行動原理を「ミクロ」とするならば、「マクロ」と「ミクロ」が、どのような原理で動き、どのように相互作用するのか、ある程度、妥当な理解をしないと、国家論なんて語ることは無理だと思う。

特に私は、実践家、事業家なので、常に「ミクロ」を重視したい気分が強い。だから、次のように考えることが多い。

ミクロを理解せずして、マクロを理解することができるのか?

個人レベルの中国人を理解せずして、中国という国家を理解することができるのか?

「ミクロ」重視とはどういうことなのか?大家さん(不動産賃貸事業者)という世界から眺めてみましょう。

私は長年にわたる、不動産大家としての経験があります。これまで、いろんなことがありました。入居者の夜逃げや強制退去、ローン借り換えの失敗も経験しましたし、空室対策のため、地元不動産屋に手作りの物件チラシを配って営業もしてきました。

賃貸経営なるものを、自らリスクを追って長年実践してきた、失敗も成功もしてきた、泥臭いこともたくさんしてきた。そんな自負があります。だからこそ、

自ら賃貸経営を体験することなく、統計数値だけこねくりまわして、「東京の不動産市場がどうのこうの」と、分かったように言う人が好きではないし、信用もしません。

それと同じ理屈で、

ナマの中国人を知らずして、「中国がどうのこうの」、「親日、反日うんぬん」と、分かったように言う人も好きじゃないのです。

私は日本人ながら、中国語(北京標準語)を流暢に話すことができます。そのスキルを、長年にわたり、ビジネスやプライベートに活かしてきました。

「中国がどういう国」、「中国人がどういう国民」と、一般化して語るのが、全くもってナンセンスだと思う位、たくさんの中国人の友人知己を持ちすぎてしまいました。たとえば、

・中国・大連で働き、中国の各地方出身の、最大時15名の直属部下を持ち、チームを動かした経験があります。
・大連勤務時に、約100名の社員からなるロータス・ノーツの技術チームを立ち上げ、いくつかのプロジェクトを回した経験があります。
・私がチーム立ち上げに苦労していた頃、協力的だった中国人の同僚とは、今でも良いお付き合いをしています。
・2010年から、中国語で不動産ブログを書き始め、累計45万ヒットを超えています。
・先月行った、台湾セミナーでも、香港セミナーでも、私のブログ読者が来てくれました。

昨日も弊社の五反田オフィスに、日本移住&不動産購入相談のため、中国人の女性にご来訪いただきました。日常的に、そういう経験をしてしまうと、中国人、台湾人、香港人…という国民レベルよりは、どうしても「個人」レベルで考えてしまうのです。良くも悪くも。

いま、反日、親日云々・・・という人は、「個人」レベルで中華圏人との付き合いの経験も理解も十分でないから、「国民」レベルで概念操作する以外ないのかな?と、思ったりするわけです。

彼らに対して、いろいろ、言いたいことありますが…なかでも一番、ナンセンスだと思うのは、西尾幹二氏などが著書などで言っている、

日本に来ている中国人の研究者も留学生も、みんな情報戦を担っている(だから、日本を守るために鎖国すべきだ)」という議論。

当然ながら、いろんな中国人がいるわけですが、私が付き合っている人は、中国の外に出たり、中国の外資系企業に勤めるような、「意識が開かれた」人が多い。でもって、彼らの大多数は、国家利益よりも、素直に自己利益を追求する人たちだと思います。

富裕層になるほど、子供に外国のパスポートを取らせ、海外にせっせと財産を出すような彼らが、祖国のために、そんな一糸乱れぬ行動をするとはどうしても思えない。

なぜ、中国人が個人レベルでそんな行動を取ると思うのか、ロジカルな説明を聞いたことが一度もないのです。

西尾氏とか、著書こそ書いてますけど、彼はたぶん中国語できないし、私ほど中国人との付き合いはないはず。要は、分かってない。だから、そんな珍説を展開するのかと思ってしまいます。

今回の日記、何だかキツイ文体になってしまいましたね。

私、たまにはキツイこと書きますけど
、実際に会ってみれば、極めて牧歌的な風貌の、柔らかいキャラクターの人間ですので・・・その辺、誤解しないでね。

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