私いまオーストラリアのケアンズ、妻の実家に居ますが、日々普通に仕事してます。オンライン会議とかLINE、メールのやり取りで結構一日中忙しいです、7月1日夜に帰国しますが、その後の予定がどんどん入って、最初の半月はほぼスケジュールが埋まりました。全部日本国内の仕事です。
北海道、沖縄、九州、関西、南房総、那須、佐渡島と各地への出張予定がサクサク入ってます。年に100日くらい海外に居る私ですが、ここ1〜2年ほどは、私が日本国内に居た方が会社の売上も上がりやすい状況になってますね。だって、日本国内のお客様も海外のお客様も、みんな日本の不動産を買いたがるんですもの。
海外客と会う場所も東京が多くなりました。だって皆、日本に遊びに来るんだもん。アメリカの人ヨーロッパの人オーストラリアの人、中国韓国や東南アジアの人、基本みんな家族連れて日本に遊びに来るようになりました。日本の人気まじですごいです。
あくまで不動産や旅行という側面の話ではありますが、ここまで日本の人気が高まった時代を私は他に知りません。日本自体はあまり変わってないのかもしれませんが、いつの間にか世界の方が変わって、日本の価値が見直されるようになった気がします。
過去20〜30年間、世界は経済成長、低コスト、利益最大化を追い求めていました。2005年に出た「フラット化する世界」というトーマス・フリードマンの著書がベストセラーになった時代、私は中国の大連で働いていました。当時の中国は希望に満ちた光り輝く時代、高度経済成長の真っ只中、かたや元・経済大国の日本は成長が遅くていつまでも構造改革できない劣等生でした。
当時の世界というのは、地球上の一番安い場所でモノをつくって、一番安い場所のプログラマーやシステムエンジニアを使って業務アプリケーションを作り、それを一番高い場所で売って会社や株主が大儲けしようぜみたいな時代でした。その時代、安い労賃で働く豊富な労働力を持ち、インフラ整備も進み一党独裁で国情の安定した中国はまさに、世界の経済成長を支えるエンジンそのものでした。そして先進国側では、英語を話し金融システムやIT覇権を握った米国と英国、都市でいえばニューヨーク、ロンドン、シリコンバレーが一人勝ちする時代でした。
ですが、その流れや価値観が2020年頃から大きく変わりました。一言でいうと米中の覇権争い。中国の経済規模や軍事力、テクノロジー力がデカくなりすぎて覇権国アメリカがガチで脅威を覚えるようになった。もうこれ以上、中国の図体を大きくしてはいけない。世界の工場にしておけない、サプライチェーンから切り離さなきゃならない、TiktokやHuaweiはぶっ潰さなきゃならないというアメリカの国家意思が働き、そうなるともはやフラット化する世界みたいな構図は成り立たなくなります。
コストや利益最大化より経済安全保障が重視され、お互い価値観が似ている国同士でサプライチェーンや軍事同盟を再構築する流れになりました。あとアメリカ自体も覇権国であり続けることが難しくなった。世界の警察として地球の果てまで軍事介入すること、そしてフラット化する世界でお金持ちや投資家ばかり潤い、地元雇用は失われ、所得格差が酷くなる一方の状況に人々が悲鳴を上げるようになった。国内政治は救いようのないほど分断され、小金持ちや教育を受けたアメリカ人、特に女性たちが国外脱出を夢見るようになりました。そんな中でコロナ禍が起こり、その出口でロシアのウクライナ侵攻が起こりました。そして中東におけるイスラエルvsイランの代理戦争についにアメリカが介入、もう世界は後戻りできなくなりました。
はっきりと今は戦乱の世です。今は世界の親分アメリカまでおかしくなって、トランプ政権シーズン2になってヨーロッパやカナダとの同盟関係さえ軋んでいる。そんな時代に、人々は成長の夢を追うよりも、安定と安心、信頼性を求めるようになりました。そこで浮上している国の一つが日本です。はっきりと選ばれる国になっている。皮肉なことに、一周回って世界の優等生に浮上しつつある。コロナ明けの2022年頃から、潤日とよばれる、中国の小金持ちの日本移住ブームが始まりました。これまで大きく経済成長していた中国を離れ、経済成長率はいまいちでも高いレベルで安心安全が保たれる、信頼性の高い国・日本へ、特に東京23区に家族で移住する者が相次いだのです。それは今でも続いています。私の住む東京都江東区は日本で一番、中国出身の住民が多い自治体となりました。家の購入予算1億円を超える小金持ちは区内の豊洲エリアに、数千万円レベルは亀戸エリアに、大挙して住んでいます。
そして2025年頃からアメリカ人の小金持ちが日本に移住する動きも起こっています。同じ東アジアの中国人が移住するのに比べて、アメリカ人の場合、言語面文化面のギャップがずっと大きいのに、それでも日本への移住者が後を経ちません。彼らの場合、東京都心へのこだわりはなく、千葉県を中心とした首都近郊や京都、大阪、福岡、北海道など、幅広い地域で主に一戸建を買って暮らしています。おそらく、彼らの行き先は日本だけでないのでしょう。同じ英語圏のカナダやオーストラリア、ニュージーランドの他、メキシコとかコスタリカ、イタリア等も人気の移住先と聞きますが、その中に日本が候補にしっかり入っています。今やアメリカ人にとってアジアで唯一の人気移住先国かもしれません。
世界は様変わりしました。世界が荒れるほど、まったりと安定感のある、安心と信頼の日本が輝いてみえる。酷い国が多いなかで比較的マシな国として日本が消去法的に選ばれる時代といえます。確かに日本には様々な社会問題があります。特に人口減少と高齢化、地方の衰退や人手不足。いずれも簡単に解決できる問題ではありません。ただ、それらは日本だけの問題じゃない。先進国特有の問題でさえありません。タイや中国をはじめ、アジアの新興国でさえ苦しんでいる、世界的にありふれた問題です。つまり社会問題はあっても理解可能で、予測もある程度可能なのです。
それよりも日本は安定の法治国家であり、政変の可能性は限りなくゼロ、不動産所有権や知的財産権は守られる、交通通信インフラは世界最高水準、そしてAI時代を支えるいろんな技術を日本は持っている…ということでどう考えてもメリットの方が大きい。言い換えると世界は「効率」から「安全保障」へ評価軸が変わりました。
不動産も同じで、これからは人口増加だけでなく、「法の支配」「所有権の安定」「通貨の信認」「災害・地政学リスク」まで織り込んで資産価値が決まる時代になりました。日本はこの4つを高いレベルで備えた数少ない国なので海外マネーは日本を選び始めています。資産を増やすことも大事ですが、それ以上に資産を守れる国に投資することが、最大のリターンになると世界中の富裕層が考えるようになりました。今や欧米の富裕層マネー、中国アジアの富裕層マネーも入る時代、日本が選ばれる時代は今後しばらく続くでしょう。今どきGDPがどうのこうの、日本が他国に抜かれたとか言ってる人はダサいんです。時代遅れなんです。世界は変わったんです、価値観が変わって、GDPでは測れない豊かさや安定安心信頼の国・日本が高く評価されているのです。
但し、海外から日本に入るお金には偏りがあります。国全体を潤すことには絶対になりません。別にそれは日本固有の問題ではなく、世界中どこでも、資本主義を採用している国ならどこでも同じです。例えば、日本企業の株が買われて価値が上がる、その利益は会社と株主に行きます。東京の不動産が買われて価値が上がる、その利益はまず売主、買主、仲介業者、地域のビジネスに行きます。そこからトリクルダウンして日本中が自動的に潤うわけではありません。というか普通はそうなりません。
お金持ちや潤った民間企業は、まず仲間うちで情報を回して豊かになろうとします。たとえばの話、外国の金持ちが日本の不動産買うから格差が広がった、若い人が家買えなくなるじゃん何とかしろとXで騒いでいる人が豊かになるわけではなく、彼らを支持母体としている左翼政党が支持されるわけでもありません。だから、日本のなかで恩恵を受ける側に回ろう、情報を得られる位置に自らをポジショニングしようぜと、私は言い続けてます。