私は千葉県柏市という首都圏郊外ベッドタウンの出身です。これまでずっと東京23区が良い、都心が良いという価値観で生きてきましたが、自分が50代になり、自分の両親が高齢になって初めて、柏市が地元で本当に良かったと思ってます。
首都圏の場合、多くの方が東京都内にお勤めだと思います。今は夫婦共稼ぎが多い時代、旦那さんも嫁さんも電車を使ってどこかに働きにいくケースが一般的でしょう。中学受験も増えてお子さんも電車で学校へ行くケースも増えてます。移動の動線を考えるとマイホームはどうしても通勤通学の利便性で選ぶことになります。だから都内23区とか近県でも駅近マンションが選ばれやすいですが、今はそういう住宅の価格がどんどん上がって買いにくくなってきてます。
かといって郊外バス便の一戸建になると安いですが毎日の通勤通学の時間ロスが大きいですから、どうしても選ばれにくいですね。
私は不動産をなりわいにしています。この道のプロとして声を大にして言いたいのが、マイホーム選びは自分が老後になった時のこともイメージして選んだほうが絶対に良い。もちろん投資なら利便性とか価格、利回り、融資など数字で選べばよいでしょう。
ですがマイホームを、もし20年30年それ以上、終の棲家にするつもりで買うのであれば、今が良ければ、今が便利ならよいわけではなく、中長期的な自分や家族のライフスタイルを考えて選んだ方が良い。キーワードはバランスの良さだと思います。都市と自然のバランスとか、地価と利便性のバランスとかですね。通勤通学はもちろん、老後にリタイアできる家や場所選びも大事です。その点で一つ私の体験談をシェアしたいと思います。
私はいま57歳で、都内のマンションに住んでいます。両親は83歳で、実家は千葉県の柏市です。都内から電車でも車でも約1時間で行ける場所です。ところで私たちの世代、50代だとたいてい現役勤労世代ですが、年齢的には親の介護負担がどうしてもかかってきます。私も自分が50代になり、両親が80代の要介護状態になってはじめて、私は自分が都内23区ではなく千葉県の郊外に生まれた幸運を噛み締めています。
まず第一に老人ホームの値段が都区部と千葉県では全然違います。都内は土地代が高い、そもそも施設を建てられる土地がない、既存建物を活用しようにもマンションやホテルにした方が収益が出るみたいな状況があります。もちろん東京は現役世代のビジネスや不動産投資には日本一向く場所ですが、高齢になって自分が稼げなくなり、年金と貯蓄を食いつぶすフェーズに入るとどうか?東京は都会すぎて土地利用が高密度すぎて圧倒的に向かないです。
不動産的にいうと、東京23区、特に都心は誰もが欲しい場所です。現役世代だって法人だって、投資家だってファンドだって、日本人はもちろん外国人も欲しい。ホテルは建ちます、オフィスも集合住宅も建ちます。当然値段が高騰します。もちろん資産づくりするには良いですが、そんな場所でリタイアするのって果たしてどうなの?という話です。
なぜなら高齢者は自分が稼げなくなる代わりに、ケアする場所やサービスはそれなりに必要なのです。例えばどんな施設でも福祉車両や救急車のアクセスは当然必要になりますが都内では駐車場の土地さえ確保しにくいです。面倒みる家族も毎回訪問するたびにコインパーキング代とか、何かと金がかかります。
それ以前に都内の民間施設に入るには入居金が数百万円〜数千万円かかります。月額負担も20万円を軽く超える。もちろん特養に入れれば経済的に楽になりますが都内はどこもウェイティングリストが数百名あり入所は実質的に無理という話が多い。東京の土地代をはじめ、どうしてもコストが高くなるのです。都内で高齢を迎える人の4割が隣接県の施設に入所を希望しているというデータもあります。
千葉県でも東京隣接の市川浦安だと都内相場と余り変わらないですが柏市や鎌ヶ谷市くらいまで離れればリーズナブルな価格の施設が増えます。駐車場は無料でキャパも十分、医療施設も近隣にたくさんあるし、ケアする側も経済的に負担が軽くて済みます。
一つの実例をあげますと、たとえば母がお世話になってる柏市の施設は、鎌ヶ谷市や白井市との市境にあり、どの駅からも遠い交通不便地です。バスもロクにないので東京から電車で来る場合は新鎌ヶ谷駅からタクシーになりますが、その代わり立地的には高齢者ケアには向きます。土地が安い、広い、駐車場いっぱい、施設も新しくてきれい。入居金はゼロ。認知症の受け入れもok、月額負担も15万円程度で都内より大分安い…近くに住んでて車使える人には最高です。
私はこの辺の出身で本当に良かった。もし23区で育っていたら、千葉県の交通不便な場所の施設に入るなんて発想はなかったと思います。 さらにいうと、柏市エリアは医療環境が相当良いです。地域中核病院が2つあるし大学病院、専門分野に強い病院などバラエティ豊富慈恵医大、おおたかの森病院、名戸ヶ谷病院などイケてる病院が近くに多数あって選べる、国立ガンセンターも柏にある。医療面ではかなり先進的な自治体らしくて厚労省の資料にも出てきます。
また柏市は田舎すぎというわけでもありません。千葉県でも奥地に行けば人口が減って働く人も減って公共の病院がなくなるみたいな事例がありますが、柏足は2050年になっても40万人台という今の人口規模が維持される都市なので、担い手さえいれば医療サービスは今と比べて衰退しないはずです。
要は柏エリアってバランスが良いんです。総合力が高い。東京に通える範囲内で、地価もそこまで高くなく、医療介護の施設とサービスが充実。不動産取得や子育てがやりやすく、高齢になっても住みやすい、一生住める、子孫も残せる、という意味で、選ぶべき場所の一つだと思います。
埼玉とかも概して良いらしいですね。さいたま市とか上尾市あたりが、環境的に柏市と似た状況だと思いますが、バランスが良いので今でも人口伸びてますし、勤労世代がマイホーム買ってますし、医療介護環境も充実していると聞きます。
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