東京都心派が自民党を消極的に支持してきた理由

今回は日本の歴代政権、経済政策の話にいきます。日本経済は、戦後まもない朝鮮特需から平成バブルの頃までの約40年間がおおむね順調で成長を続けてきて、国際的な地位も上がってきましたが、バブル崩壊後の約30年間が基本的に調子悪くて所得やGDPが伸びない、いろんな国に追い抜かれるみたいな状態が続いてきました。その不調だった30年間を私たちは主に覚えています。特に今の40代以下は経済が成長しない日本しか知らないでしょうね。

ま、詳しくみれば2022年を境に経済環境が激変してます。それ以前は基本的にデフレで物価が上がらない、給料も上がらない、名目の経済規模も大きくならない時代でしたが、2022年以降はインフレの世界になり、物価がどんどん上がる、給料も人によっては上がる、逆に上がらない人もいる、特に年金世代は所得上げられませんからね。確かに名目GDPは成長するし、政府の税収はどんどん上がるけど、逆に物価高で生活苦しい人が多いのが社会問題になっています。

失われた30年という言葉、私は好きではないですが、この30年間の大部分、政権を担っていたのは自民党であり、当時の連立パートナーであった公明党です。普通、経済状態が悪ければ政権は不安定になるはずですが、3年間の民主党政権時代を除いて、自公与党は基本的には選挙で選ばれ続け、政権を維持し続けました。それができた背景には、自民党はベストとはほど遠いけれど他の野党に政権とらせるよりマシだという理由で、自民党を消極的に支持してきた、私みたいな有権者が多かったからだと思います。

私自身、自民党に投票することは少なかったですが、投票先はみんなの党とか、維新とか国民民主党とか、移り変わってきました。どこもまあ、ぶっちゃけ自民党の補完勢力的な政党ですよね。自民党でなければ、自民党っぽい野党に票を入れる。要は保守中道寄りの無党派層ってところですかね。ですので立憲民主党、共産党、社民党、れいわ新選組みたいな、いわゆる左寄りの政党に投票したことはありません。

そんなことを言うと、「君はなぜ、給料が上がらないような政党を支持するの?」と言われるかもしれません。特に左寄りの政党支持者のなかには、自民党の経済政策がダメダメで、大企業寄りで、労働者にろくに分配しないから消費も盛り上がらない、経済が拡大しない、本気でそう思ってる人が時々います。そんな時、私はこう言い返します。「私の給料は上がってますけど…何か?」

私はサラリーマンを19年間やりました。大学院までのんびりして25歳でようやく社会に出ましたが、最初の年俸と比べて、44歳でサラリーマンを辞めた時の年俸は税込みの額面ベース3.8倍になっています。手取りベースでは3倍くらいかな。19年間で3倍増以上、均せば年率7〜8%成長が続いたことになります、ベトナムみたいなインドネシアとか新興国のパフォーマンスを軽く上回ってます。経済成長しないといわれる、しかもデフレ時期の日本に居ながら、その給料アップを実現しました。

私は13年前、44歳でサラリーマンを辞めましたが、もし今までずっとIT産業の最前線で雇われエンジニア・マネジャーとして働いていたら、おそらく44歳当時の倍くらいの年俸になってたと思います。当時の同期の給料とかみても直近10〜15年で軒並み倍増みたいな話をよく聞きます。2022年からはインフレなので額面の給料がさらに上がりやすくなってます。新卒の時と比べると5倍6倍とかになる話ですね。つまり、全体をみれば成長しないといわれる日本経済でも、身の置き場所によっては、そして職場やスキルによっては高度経済成長みたいな状態は実現できるのです。ま、私の場合は19年間6回転職してますから、日本において一般的な方法ではないですけど…


つまり、日本経済全体のパイが増えてこなかった、平均給与所得のデータをみれば上がらなかった、それは全体の話であって、個別にみれば、例えば東京都心、特に山手線内側の南半分に職場があって、外資とか国内一部上場の大手とかで働いて使い物になっていればサラリーマンであっても給料の2倍増、3倍増っていうのは、これまで停滞の日本でもちゃんと実現できていたのです。で、そんな東京都心な連中がどんな政党を支持していたのかというと、私に似てます。たいてい、自民党かあるいは自民党補完勢力っぽい野党に票を入れるような、つまり消極的な自民党支持です。今ではチームみらいに投票する人も多いかもしれません。逆に立憲民主党、共産党みたいなリベラルとか左派に分類される野党は全く支持されていません。

自民党の経済政策がイイと思ってる人はさすがに少ないですよ。特に都心派は経済とか投資に明るいし、彼らからみると自民党のやってることはダサい、アナログで古臭くみえます。他にロクな選択肢がないから仕方なく自民を支持してるって感じかな。ただそれでも、自分たちは東京都心でビジネスや仕事頑張って豊かに暮らせてはいる。子供を中高一貫の進学校に入れて名門大学に行かせてる、もっとお金がある友人の子供は慶応幼稚舎とか海外ボーディングスクールとか行ってる。日本全体からみればごく少数かもしれないけど、東京都心とか湾岸とか山の手でそれなりの経済生活が実現できているのも自民党が政権をやってきたから、東京の経済をそれなりにグローバル化して稼げる状態にはしてくれた。そんな理解はしてるんですね。そりゃ欲をいえばドバイとかシンガポールとか、中国深圳がやってきたようにもっと近代的合理的でカッコよい経済政策をやって実績を上げてほしいですし、自民党と補完勢力くらいしかまともな選択肢がないのは悲しいことではありますけど…

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