海外不動産「誰から買うか」を卒業しよう

こんばんは、Manachanです。今回も、海外不動産ねたで、書きたいことを遠慮なくガッツリ書きます。

「海外不動産は、何を買うかよりも、誰から買うかが大事」だとよく言われます…確かに、海の向こうの、法律も国情も言葉も違う場所で、実物不動産を買うわけです。些細なトラブルであっても発生した場合、現地に飛ぶ必要が生じ、時間も費用も予想外にかかることがあります。しかも現地の言葉が話せない場合、オーナー本人では直接対応が出来ず、途方に暮れてしまいます。だからこそ、オーナーに降りかかる難題や試練を、ちゃんとガイド・サポートしてくれる人が絶対に必要で、その役割は通常「販売業者」が担います。

また、トラブルに至らなくても、売買契約まわり、銀行口座開設、現地デベロッパーや管理会社との調整など、オーナー独力では普通できませんから、その役割を、販売業者に期待されるのは当然ですよね。

オーナーが海外物件購入を決めてから、安定的に稼働するまでの間は、販売業者のサポートが絶対に必要で、その仕事の質やコミュニケーションの善し悪しが、物件収益性や満足度に直結するという意味でいえば、「誰から買うかが大事」なことは、異論がありません。

でも、もう少しよく考えてみましょう。

「誰から買うかが大事」なのはその通りだけど、「何を買うか?」は、もっと大事ではないですか?

 なぜなら、「不動産」を買うわけだから…

分かりやすく、日本不動産の例でお話ししましょう。たとえば、「5年前に、横浜市内でマイホームを買ったとします。あなたは、当時物件仲介した会社のセールス担当者と、今でもやり取りしてますか?」

あるいは、「あなたが東京都内で下宿して、オーナーに家賃を払っていたとします。そのオーナーが、どこの会社からこの家を買ったかという事実が、賃料に影響すると思いますか?」

どちらも、答えはNOだと思います。横浜のマイホームも、都内の下宿も、全ての不動産は実物資産、つまり「モノ」であり、「モノとしての実力」で収益を生みます。オーナーが誰か、どの業者から買ったかなんて、基本的に関係ありません。少なくとも「立地」や「間取り」、「周辺の賃料相場や、住宅の需給バランス」に比べると、はるかに些末なことです。

言い換えれば、オーナーや仲介業者といった、属人的な要因に左右されないのが、不動産の本質であり、他の投資商品と比べた際に際立つ、独自の安定感なのだと思います。

民間企業の株式なら、社長の実力・資質は株価に影響を及ぼす大きなファクターでしょうが、不動産は違う。極端な話、オーナーがどんなに怠け者でボンクラでも、JR恵比寿駅前に人間の住めるマンションを持っていれば、借りる人、買う人は必ずいるし、着実にお金を運んできてくれる…それこそが不動産。この性質は、物件が日本にあっても、海外にあっても基本は同じことです。

たとえ、買うモノがとっつきにくい「海外の不動産」であっても、私たちは「誰から買うか?」よりも、「どの場所で何を買うか?」をメインに投資判断したいものです。

仲介業者さんの人間性がいくら素晴らしく、勝手知らぬ海外で信頼できるパートナーに見えるからといって、それだけの理由で物件を買うものではありません。その人から収益の劣るカス物件、あるいはフツ―な物件を割高な価格で買ってしまったら意味ないし、挽回が難しくなりますから。

あと一つ言うと、仲介会社とのパートナーシップは、往々にして、不動産の寿命よりはるかに短く、儚いことを知らなければなりません。

不動産の保有・運営は、通常、数年~数十年の中長期にわたりますが、その間に、人間はいとも簡単に変わってしまうものです。業者さんも変われば、自分も変わる…海外不動産の世界で特によくあるパターンは、

・業者さんは、お金に困ると、人変わりする。
・逆に、儲かりすぎても、人変わりする。
・不動産が特段好きじゃない業者は、期待より儲からないことが分かると、「やーめた!」と言って、放り出す。

私は、パートナー業者の心変わりリスクを減らすために、「不動産業界でのキャリア」、「社長が不動産をどれだけ愛しているか?」、「業績が悪化しても持ちこたえられるだけの管理戸数や資産規模があるか」などのファクターを重視しますが、それでも、5年10年もの間、彼らと良い人間関係を続けられることは稀です。

でも、業者との関係が壊れても、幸い、不動産は「モノ」であり、「モノとしての戦闘力で稼ぎ続ける」ものなので、私たちオーナーはそこで救われるのです。

常に流転変遷する人間同士の関係よりも、多分ずっと確かで、長期間、安定収益をもたらしてくれる不動産。その「モノ」としての実力を、投資家として、ずっと見つめ続けていたいと思います。
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