グローバル大家、欧米先進国を目指す

おはようございます、Manachanです。今は九州新幹線で移動中。

昨日、オーストラリアより嬉しいニュースが入りました。同国第三の都市ブリスベンで仕込み中の「デュアルキー」(土地1区画に戸建2戸⇒2世帯から家賃とれる収益物件)、願ってもない条件で銀行融資が通りました。同国では海外居住者に対する不動産ローンが非常に厳しくなった現在、永住権を持つ私でさえも、「物件価格の70%まで出れば御の字かな」と思っていたところ、意外にも「80%」の融資承認がおりたのです。

これにより、手元に多少の余裕資金ができそうなので、来年早々に「ドイツの区分マンション」でも買ってみようかと画策中。昨日すでに購入予約をしました。先進国にしては非常に安く(数百万円で)購入でき、値上がり期待は乏しいですが賃貸収入がとにかく堅く、ネット利回り9%とか回るタイプの物件です。

「価格数百万円、ネット9%」の収益物件は、地方都市や首都圏郊外等、日本各地に多数ありますので、「なんでわざわざ、ドイツくんだりまで…」と思われる方もいるでしょうが、ま、単なる趣味です。私はマニアック路線で攻める派、それにユーロでお小遣い欲しいし…

最近海外で仕込んだ物件を振りかえってみると、2015年9月にタイ・バンコクで買って以来、新興国は打ち止め。その後は、ハワイ、オーストラリア、そしてドイツ。先進国ばかり買っています。

アジア太平洋大家の会のセミナーでは、新興国も先進国もバランス良く取り組んでますし、それぞれ良さがあるから紹介してるわけですけども、私の不動産投資家としての行動は、いま、明らかに先進国を志向しています。

なぜそうなるのか?たぶん、私が根っからの大家で、不動産の賃貸経営が大好きだからでしょう。日本でも海外でも、「物件オーナーが居住やビジネスの空間を提供して、対価を得る」という、賃貸経営の基本は変わりません。つまり、物件買った後の「運営」で収益を上げるモデルです。

その視点で考えた場合、私が仕入れ段階で大変重視している要素は、2つ。「賃貸の需給バランス」と「売買の二次マーケット」です。いずれも、ミクロ(物件を中心に半径せいぜい数㎞の範囲内)な指標です。

逆に、国の人口増加率や人口ピラミッド等マクロな指標は重視しません。もちろん参考程度にはしますけど、不動産の賃貸経営には直接関係ないんじゃないかなあと思います。

なぜそう考えるのか?不動産は文字通り「動かせない」土地建物を扱うものだからです。モノが動かない以上、誰かがその場所に来て使ってもらうしかないわけですよね?となると必然的に、その場所にある建物の使用に対しておカネを払う人がどれだけいるのか?近くに似たような建物(ライバル)がどれだけ存在し、何にいくら払われているのか?…といったミクロな賃貸市場の分析・考察が必要になるはず。

売買に対しても、考え方は同じ。不動産はたとえ新築で買っても、経年すれば、必ず中古になります。売って現金化したければ、中古物件としてマーケットに出す以外にありません。となると必然的に、その場所付近にある、どんなスペック・コンディション・築年の物件がいくらで取引されているか?…といったミクロな二次売買マーケットの分析・考察が必要になるはず。

もう少し分かりやすく説明します。いま新興国不動産ではたぶんベトナムが一番アツいし、私も同国の経済成長に関しては大変ポジティブです。人口動態、地の利、産業構造、国民性…どれをとっても、将来の成長に大きな期待が持てる国であることに、異論はほぼありません。

もし不動産が、ホーチミンからハノイ、ダナン、ニャチャン、フーコック島へと、自由に動かせるものであるなら、広い(細長い)ベトナム国土で、一番おカネになるところに建物や設備を移動して、成長の果実を存分に手にすることができるでしょう。

でも不動産は動かせないのがネック。もし自分の物件所在地の近辺に、いきなり何千戸、何万戸という凄い数の物件が供給されたら、逃げられません。余程の特色や優位性がない限り、短期的には空室地獄、損切りしないと貸せない、売れないレッドオーシャン状態になるのは必然。ま、これはたぶん時間が解決してくれるでしょう。10年も経てばベトナムの経済成長が追いついて窮状を救ってくれる可能性はありますが、それまで待てるかどうかは人によるでしょう。

アジア、いや新興国全体にいえることですが、建物の過剰供給が起こりやすいのは、賃貸経営の大きなリスクだと思います。それ以前の根本的な問題として、新興国では地域の賃貸空室率や中古マーケットに関する客観データがまだ整備途上ゆえ、賃貸経営の投資判断自体がやりにくい。

日本も過剰供給の国ですが、それでも賃貸経営関連のデータが豊富に揃っているので、まだ投資判断はできます。でも日本から飛行機で南へ数時間飛ぶと、そのデータがほぼ存在しない世界になります。要は分からないから、必然的に都心部や強力なリゾート地の、競争に負けない物件を選ぶことが「投資で失敗しない秘訣」になる。そういう優良物件は確かに安心だけど、価格も安くありません。

新興国不動産で美味しいのは、まだ注目されてない段階でタイミング良く物件仕込んで、値上がったタイミングで売り逃げるか、或いは我々投資家がデベロッパーとして事業側に回り、先進国では考えられない事業利益を手にすることでしょう。いずれも収益チャンスは大きいですが、賃貸経営モデルとは異なります。

これが欧米先進国に行くと、賃貸経営や二次マーケットに関するデータが日本以上に揃っている上に、多くの国で「社会構造的に建物の過剰供給が起こりにくい⇒まともな物件なら空室になりにくい」ので、賃貸経営やりやすいのが正直な実感。現地で良い管理会社見つけて、自動的に回る仕組みさえ構築してしまえば、たぶん日本以上に賃貸経営やりやすいんじゃないかな。

「空室問題がない⇒賃料上げても入居がつく⇒物件価値も上がる」という、好循環が期待できる物件が欧米には豊富にあるし、投資家としては、そういう物件を安く仕込みたいものです。

Facebook にシェア

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*