投資不動産選びはマクロ2割、ミクロ8割

こんにちはManachanです。成田から11時間半の空の旅を終え、トルコはイスタンブールにやってきました。この空港で乗り換えてドイツに向かいます。

今回は、「海外不動産投資における間違えない物件選び」というテーマで持論を書きます。今回は結論から先に言いますね。

命題1)国選びより個別物件の見極めが大事
命題2)現地不動産投資家の真似をしよう

 

【命題1】なぜ、個別物件の見極めが大事なのか?

2010年頃から日本で始まった「個人投資家向け海外不動産セミナー」。その大部分は「国選び」、つまり「なぜ◯◯国に投資するのか?」というフォーマットで行われます。典型的には、

– 日本と違って人口増えてる国だから
– 日本と違って経済成長とインフレしてる国だから
– 日本と違って伸びしろの大きい国だから

 

そんな論法で「◯◯国の不動産をオススメ」するわけですが、こういうセミナーは早晩、時代遅れになると私は思います。なぜなら、「◯◯国のなかで、なぜこの物件を選ぶべきなのか?」というミクロな個別論がない、或いは極めて貧弱だからです。

今のところ、良くあるパターンは

– 現地の大手デベロッパーが手掛けるプロジェクトだから安心
– 現地の、信頼のおけるパートナーと一緒にやっているから安心

つまり、「海外では何を買うかより、誰から買うかが大事」だと言っているわけです。確かに、海外での実物投資なので現地パートナーは欠かせませんが、それだけでは「不動産投資」セミナーとして意味ある内容になりません。特に大事なポイントが、

– 現地パートナーが、不動産投資家として確かな物件選球眼を持っているかどうか不明

 

もしその人物が、当該国における不動産投資で実績をあげ、資産を増やしてきたならば、たぶん信頼できるでしょう。

或いは、その人物が物件の所在エリアの特性、賃貸需要、想定賃料、中古の売買マーケットがあるのか?地域相場と比べて割高か割安か?といったミクロな個別論を客観データの裏付けと説得力をもって語れるなら、たぶん信頼して良いでしょう。

もし、その視点が希薄、貧弱であるならば、「リテラシーの低い客相手に投資価値のない物件を販売するセミナー」と、内容的に差別化できなくなってしまいます。

 

【命題2】なぜ、現地不動産投資家の真似をすべきなのか?

先ほど言った「リテラシーの低い客相手に投資価値のない物件を販売するセミナー」。日本の場合は「サラリーマン向けの都内新築ワンルームセミナー」や「地主向けの土地活用アパート新築セミナー」が典型的なコンテンツになります。

私自身を含め、日本国内の不動産投資で資産を増やしている投資家は、上記のような物件には、まず手を出しません。そんなもの買っても、おカネにならない、資産が増えないと、知っているからです。

しかし、その「不動産投資家としての常識」がない者が講師になって、知識リテラシーの低い者に対してレクチャーする時、(我々からみて)驚くべき珍説、奇説が登場します。例えば、

-日本の人口は減っても、東京の人口は減らない。世帯数はむしろ増える。

-東京の不動産相場は、ロンドンやニューヨーク、シンガポールといった海外都市に比べてまだ割安で、上がり目がある。

-マイナス金利時代で、資金調達コストが安くなった分、物件価格は上がる。

そんなもっともらしいマクロな話をした挙句、売りものが例えば「グロス利回り3%台、3000万円超の都内新築ワンルーム」だったりすると、どうなる?

余程きちんと説明しない限り、結果的に多くの人の懐具合を傷つけ、最悪、人生を狂わすのではないかと、老婆心ながら心配してしまいます。投資はもちろん自己責任ですけど、不動産的にもっとまともな情報が出回って、よりマシな判断ができる日本になって欲しいです。

海外の不動産でも、全く同じことが言えます。

-現地の不動産投資家が全く見向きもしないような投資価値の低い物件を、事情を知らない日本人に売ってませんか?

-現地マーケット視点でみて投資価値が低いことを自分でも良く理解しないまま、売ってませんか?

 

海外、どの国でも、現地の不動産投資で利益をあげている投資家がいるはずです。

バングラデシュとかミャンマー、カンボジアのような後発の新興国では、土地の値上がり益を取る、あるいはデベロップメントして成功するパターンが多いでしょうが、

タイのバンコク位、成熟した都市になれば、土地投資の他、コンドミニアムや戸建を良いタイミングで安く買って、保有して高く売り抜けるみたいな、日本での不動産投資に似たパターンの話も増えてくるでしょう。

例えば、日本の関東地方を拠点とする不動産投資家なら、「埼玉県の川口駅の駅力が、周辺の赤羽や蕨、鳩ヶ谷と比べてどれだけ高いのか低いのか?」とか、「川口駅徒歩圏の築10年のRCマンションがグロス利回り8%で出てたら’買い’なのか?その判断基準は何か?」みたいなことが瞬時に判断できるし、

それと同じように、バンコクの不動産で成功しているタイ人投資家も、似たようなレベルの会話ができるはずなのです。

これからの海外不動産セミナー、「なぜタイに投資すべきなのか?」なマクロ論にとどまらず、「オンヌット駅とバンチャーク駅の駅力や収益性の違い」、「ペチャブリー駅周辺の賃貸客層や想定賃料、近隣のコンドミニアム供給戸数と需給バランス、弊社販売物件が勝てる理由」といったミクロな不動産話をできる会社や講師が、リテラシーの高い投資家に選ばれていくと思います。

不動産投資はマクロより、ミクロの方がずっと大事なのだから…

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