2016年 8月 の投稿一覧

豪州版サラリーマンを辞める方法

こんばんは、Manachanです。今メルボルン空港で、ケアンズ行の最終便を待っているところ。出発が予定より45分遅れるので、ブログ一本書けそうだなあ。

 

私にとって、オーストラリア出張の楽しみの一つは、昔の仲間と会えること。私は2000年から05年にかけて、シドニーで5年働きました。当時の同僚のなかに、親しい友人が何人かいて、彼らと旧交を温めるのも楽しいものです。

私の職場は米系大手IT企業でしたが、職場を辞めてからもう11年も過ぎました。私の知る限り、当時の同僚の半分以上は転職して、別の会社に勤めています。でも、私みたいにサラリーマン卒業して独立起業した者は誰もいません。会社こそ違えど、皆、同じITエンジニア・マネジャーとして、サラリーマンを続けているのです。

 

日本でもオーストラリアでも、サラリーマンやってると、いろいろありますよね。社内政治とか、人間関係の悩みとか、首切りの懸念とか…でもって、当時の同僚、これまで10人近く会ってきましたが、皆、異口同音に、こんなことを言います。

 

マナブさんは、自由な仕事ができていいなあ。俺も、サラリーマンやめて起業したいよ。

 

これ、たぶん彼らの本音だと思います。私としては日本だけでなく、海外でも「羨ましい」と言われるのは、ちょっと誇らしい気持ち。でも彼らは、いつの時点で会っても、私を羨ましいと言いながら、結局、サラリーマンをずっと続けており、起業に向けた何らの行動を起こしていないのです。

彼らが起業したくてもできない理由は、いくつもあります。

 

1)今のところ、切羽詰まってないから。

2)毎月、決まった給料をもらえることに慣れたため、独立後、収入が安定しないことに、恐怖心を覚えているから。

3)生活に余裕がない。不動産価格暴騰、物価高、ローンの返済…オーストラリアの生活、実は厳しい。

 

このうち、1)、2)に関しては、サラリーマンのステータスを失えば自然解消するでしょう。2013年の私みたいに、会社を首になって仕事を失った瞬間、現実に目覚めるはず。だって収入ないんですから、安定なんて言ってられない。とにかく、生きるために金を稼がなきゃならないのです。

一方、3)に関しては、「不動産投資」というツールを使って、起業に際しての収入激減の恐怖を和らげることは可能だと思います。

オーストラリア在住者に関して、私のアドバイスは、ずばり、「自宅のほか、投資物件を一つ買う」ことですね。基本、物価も不動産価格が値上がりする国なので、自分の投資物件が値上がって含み益が出れば、「いざ起業に失敗しても、投資物件を売ればなんとか生活できる」という状態をつくることができる。あるいは、投資物件の担保を使って、起業の資金を調達することができるかもしれない。

また、投資物件を賃貸に出せば、起業当初に収入が少なくなっても、生活費の足しくらいにはなるはずなのです。

 

オーストラリアの元同僚で、私のことを羨ましいと言い続けながら、まだ起業してない人に共通することは、「自宅しか持っていない」ことですね。まだ自宅のローンが残っていて、それ以外の収益物件がない、かつ妻子を養わなきゃならないなら、起業する心理的ハードルは高いでしょう。この辺の事情は、日本の多くのサラリーマンと、何ら変わることはありません。

世界中どの国でも、サラリーマンは、所詮サラリーマン。自由な働き方、ファイナンシャルフリー…を手にしたいなら、起業の準備はもちろん、生活・資産の面を考えれば、不動産投資が大いに役に立つはずです。

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シドニー版「ヒルズ族」のプライドと不動産考察

こんにちは、Manachanです。2泊3日滞在したシドニーを後に、次の目的地メルボルンに向かうところです。今回はシドニー不動産ねたで書きますね。

 

世の中、「賑やかな都会や繁華街」が好きな人と、「ハイソ感のある落ち着いた郊外住宅地」が好きな人がいますよね。これは個人の好みの問題で、都会派に言わせれば郊外住宅地は「不便な田舎」に見えるし、ハイソ住宅地派の価値観からすると、賑やかな繁華街は「ごちゃごちゃしてガラの悪い場所」に見えます。

好みが違うだけならまだしも、そこに「社会経済的地位」(socio economic status)の問題が絡んでくると、別の地区を見下したり、馬鹿にする態度につながることがあります。この現象は「プチ・リッチなアッパーミドル層の住宅地」を中心に、社会各層に存在します。

日本でいえば、首都圏の東急沿線の、アッパーミドルな住宅地が分かりやすい例かと思いますが、

 

– 東急田園都市線(田都)の沿線は、溝の口駅でJR南武線と交差するが、一般に田都沿線は南武線エリアよりハイソでステータスが高いという価値観が存在する。

– したがって、鷺沼、たまプラーザといった田都の駅を生活圏とする人々は、南武線の通る「溝の口」駅や「川崎」駅エリアを、ガラ悪いとかいって見下すことがある(注.南武線でも武蔵小杉は別格ゆえ見下されない…)

– 逆に、「川崎」駅エリアに住む人からすると、田都住民に見下される価値観が理解しがたい。交通も買い物も、川崎駅の方がはるかに便利で都会なのに、なぜ?…となる。

 

こうしたミクロな地域対立は、他地域からみて滑稽に映ることがあります。たとえば、東京の山手線内側や城南地域の住民に言わせれば、「所詮、神奈川のレベルで、なに争ってるの?」と一笑に付されたりするわけです。

また、ここに価値観や感性の違いも関わってきます。上述「田都沿線vs川崎駅」のステータス争いの場合、私は川崎駅を断固支持します。なぜなら私は柏の駅前育ちで、都会や繁華街が好きな利便性重視の人間。天下のJR東海道線が通り、東京駅へ直結20分、ラゾーナはじめ商業施設充実した川崎駅の方がどうみても格上じゃん、という価値観なのです。でも、万人が同じように考えるとは思いません。同じ柏エリアでも、柏の葉や、流山おおたかの森のような、新興住宅地を選んで移住してきた方々の間では、多分、田都沿線を支持する意見が多いと思います。

これは日本だけでなく、ここオーストラリアでも多分にあります。比較的若い国で、本国イギリスほど固定した階層がまだないし、移民も多く流動している社会であるがゆえ、「俺らは、〇〇に住んでる人間よりは格上だぜ」みたいな、ミクロな地域ステータス競争に走りやすい国民。その点は日本人と比較的似ていると思います。

 

で、シドニーのなかで、一番分かりやすい例が、都心から25〜40km離れた郊外、緑豊かな新興プチリッチ住宅エリアとして発展中のNorthwest地域です。

ここは丘陵地で、Pennant Hills, Castle Hill, Rouse Hillなど、「なんとかヒルズ」な地名が多いため、Hills Districtとも呼ばれます。地形的にも社会的ステータスの面でも、首都圏の田都沿線とカラーの良く似たエリアといえますね。

で、このHills Districtに住まう人々が、いつしか「ヒルズ族」と呼ばれるようになりました。

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シドニー在住日本人の間でも、近年はヒルズ族が増加中。日本人は昔も今もChatswoodやNeutral Bayを中心とする、裕福層の多いNorthshore(所謂「ノース」)地域を好んで住む者が多いのですが、近年、このエリアの賃料や不動産価格が高騰したので、

彼らはChatswood から西へ進み、North RydeやEppingを経て、Castle Hill方面に移り住むトレンドが続いています。その結果、「ヒルズ族な日本人奥様」が増殖中な今日この頃なのです。

東京でいうと、「本当は世田谷区の用賀やニコタマに住みたいけど無理なので、多摩川を渡って田都沿線の青葉台や藤が丘に住む」ようなもんですね。

 

しかし、神奈川県民になった彼らもプライドを維持しなければなりません。それを支える強烈な武器が「田都沿線ブランド」と「横浜市青葉区アドレス」。

一方、シドニーのヒルズ族にとっては、NorthWestとかHillsという地域名が、プチブルなステータス感やプライドを支える根拠になっています。ここに「North」が含まれているのが大事なポイント。

「私たちはWestじゃなくてNorthWest住みなのよ。ノースが入っているのよ…」

という地域プライド。それを維持するために、パラマタ(Parramatta)を中心とするWest地域を見下すのが、ヒルズ族のお約束。ここで「ノース」という単語が水戸黄門の印籠のような役割を果たすのは言うまでもありません。

 

ところで、私はパラマタに住んでいました。ここはWest地域で最大の都市にして、シドニー圏でもシティに次ぐ第2位の規模と雇用者数を誇る副都心。駅直結の巨大ショッピングモールに、大企業のオフィス林立、警察本部に裁判所、総合病院に大学、名門高校、何百軒のレストランやカフェ…駅徒歩圏で何でも揃う都会です。「ヒルズ」に住んでパラマタの職場で働いてる人はたくさんいます。

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しかし面白いことに、ヒルズ在住で都会なパラマタを馬鹿にする人が結構多いのです。正確に言うと、パラマタを中心とする広大なWest地域を、貧乏だのガラ悪いだの言って馬鹿にするわけですが…

それは、ノースの成分の入ったNorthWest地域のプライドを維持するための「ヒルズ族」の自然な生理なのだと、私は理解しています。人間って良くも悪くも、誰かを下に見ないと、ステータスやプライドが維持できない生き物だよね。

でもって、そういうヒルズ族のプライドが、この地域の不動産価値やアッパーミドルな土地柄を維持している面もあると思います。日本でも、埼玉の浦和が大都会な大宮より不動産価値高いのは、文教地区のプライドのおかげだよね。

 

最後に、都会派パラマタ住人の私から、一言いわせて下さい。

「ヒルズ族が、プライド維持のために俺らを馬鹿にするのは分かるけど、自分の住所と分際をわきまえようね」

「ヒルズでもPennant Hillsあたりの住民に言われるなら、まあ納得するけど、Baulkham Hillsとかに住んでパラマタを馬鹿にするのは、恥ずかしいからやめようね。あなたたちの住んでる場所は、ヒルズの名前がついてるだけで、実質はパラマタ郊外でしょう?」

 
このように、居住地と社会ステータス競争は、どの国でもあります。不動産に関わる上で避けては通れないトピックなので、さらに考察を深めていきたいと思います。

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動くオージー、動かない日本人(?)

おはようございます、Manachanです。いまシドニー郊外の友人宅に滞在中。

昨日、シドニーでの「世界の不動産セミナー」は、とても良かったです。メディア広告なし、わずか一週間前からのメルマガ、FBでの告知だけだったにもかかわらず、9名の方にお集まりいただきました。セミナーの後、The Rocksの日本料理屋でオフ会やりましたが、主催者含めて7名、楽しく盛り上がりました。

セミナーご来場の方、オーガナイズしていただいた鶴さん、講師として熱いトークで盛り上げてくれた市川さん、ありがとうございました。

 

ところで、昨日のセミナーに来ていただいた方は全員日本人でシドニー在住、オーストラリア永住権を取り、英語と専門知識を駆使して、それぞれの職業分野で頑張っておられます。頼もしいですね。でもって、来場者の半分近くが、

 

クイーンズランド州(ブリスベン、ゴールドコースト)での投資・移住に興味がある。

 

と、答えていたのがとても印象的でした。

オーストラリア人や、この国の永住者は、「シドニーの住宅価格が高くなったから、まだ安いブリスベンに家族で移住する」といった行動を、比較的躊躇なく行います。それも、人口統計にはっきり現れる位、大量の人間が移動するため、産業や不動産市場にも大きな影響を及ぼします。

たとえば、「シドニーで土地付き4ベッドルームの家を買うのはもう無理だけど、ブリスベンなら可能、だから引っ越す」という行動を、個人も企業も平気で取るし、いまブリスベン・ゴールドコーストの人口が増えているのは、シドニー圏からの移住が寄与している面もあります。

Interstate Migrationをみると、シドニーのあるNSW州は一貫して転出超過、ブリスベン・ゴールドコーストを擁するQLD州は一貫して転入超過になっていますね。

 

で、これと同じ現象が、日本でも起こるのだろうか…と考えてみる。たとえば、

 

東京に住む人間が、住居費や生活コストの比較的安い名古屋、福岡、札幌といった都市に大量に移動するのか?

 

というと、なかなか難しいような気がします。上にあげた3都市のなかでは、福岡市が比較的、外来者にオープンなイメージがあり、首都圏からの移住者も多少はいるのでしょうが、人口統計をみる限り、「福岡⇒首都圏」への移動の方が明らかに多い(その代わり、九州各地から福岡市に移住する人間がもっと多いので、それで同市の人口が増えてるわけですが…)。

日本では、「地方の農村・中小都市⇒地方中核都市」、「地方中核都市⇒首都圏」といった、都市に向けての人口移動が主流で、その逆の動きは、一般論として起こりにくい。それは何故なんだろう?

 

1)日本人は土着性が強く、家族や地域のしがらみがあるからなのか?

2)日本では不動産の価値が下がるから、他地域に引っ越して当面生活する費用を捻出するのが難しいからなのか?

3)圧倒的に、首都圏に雇用機会が集中しているからなのか?

 

等々…様々な理由があるのでしょうが、現時点の日本では「東京から地方への人口移動」による不動産価格や産業の移動が、オーストラリア等と比べて起こりにくい状況だとは思います。

(もっとも、一棟アパートやワンルーム等、投資不動産マーケットでは、東京の人が地方都市に積極的に投資するし、融資もガンガン出るから、東京の値上がりは地方に波及しますけどね…実需マーケットだと人口が移動しないと変化は起こらないでしょう。)

近い将来、団塊世代が大量にリタイア、老齢になって、「介護・医療難民」として地方に流出するなら状況も変わってくるのでしょうが、果たしてどうなるのでしょうね?

 

では、同じ首都圏内の人口移動は、これからどうなっていくのか?…と考えてみる。

東京23区でも都下でも、神奈川、埼玉、千葉の東京寄りでも、同じ「東京の雇用機会」にアクセスできる状況下で、今後、人々はどこからどこへ、移動していくのか?たとえばの話、

 

・東京都心に生まれ育った人が、より広い土地と安い住宅価格を求めて郊外に出るのか?

・郊外で生まれ育った人が、より便利でトレンディな暮らしを求めて都心を目指すのか?

 

もし、上記のシナリオで人々が動くなら、将来の東京・首都圏の人口・社会構造、産業、不動産市場にも大きな影響を及ぼすでしょう。極めて興味深い。

まず、人々の動きに影響を与える要因を考えなければなりません。交通体系、雇用機会、教育・医療サービスへのアクセス、結婚・就業などライフスタイルの変化、不動産価格、人々の価値観…等々。

将来、どうなるか分かりませんが、現時点で考えると、

 

・東京都心近くで生まれ育った人は、たぶん、郊外に出たがらないだろうな。結婚して家庭を持っても、都心からできるだけ近くて、かつ家が買えるエリア(例.江東区、墨田区、台東区など)を目指すだろうな。

・郊外で生まれ育った人で、都心に住みたい人は結構多いけど、それができる経済背景の人は多くないし、結局、多くは地元で所帯を持つか、あるいは同じ沿線でちょっと都心寄りの街を目指すだろうな(例.埼玉県の大宮以遠の人が大宮か浦和に住むとか)。

 

私は東京郊外30㎞圏、千葉県柏市の出身で、今は都内江東区に住んでいます。生まれ育った柏は大好きだけど、でも土着性が全くない人なので、地方都市や、遠く海外まで、平気で引っ越しする。今住んでる場所も、結局は「仮住まい」感覚。でも、柏出身者のなかで、私みたいな人はたぶん多くない。

柏エリアで育った、私の同世代の知り合いが、いまどうしているか、感覚的にいうと、

・7割以上は、柏エリアに住み続けている。
・約1割は、都内に住んでいる。
・約1割は、首都圏の他地域(千葉市とか神奈川県)に住んでいる。
・首都圏を離れた人は、1割もいない。

 

横浜とか、さいたま市とか、都下の立川・八王子などの出身者でも、たぶん状況は柏と似たようなものかと思います。地元から東京に通えて家が買えるのなら、やはり、多くの人が実家から遠からぬ場所に住むのでしょう。

逆に都心近くに育った人は、たぶん郊外に出ない。であれば、都心近くて住居コストが比較的安い城東下町方面が、これからホットであり続けるのだろうなと愚考します。

 

そう考えると、東京を取り巻く産業・雇用などの諸条件が変わらない限り、首都圏の不動産市場は、鉄道駅や都心への時間距離を中心に決まるんだろうなと思います。でもこれは極めて興味深いテーマで、一生追求し続けたいです。

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業者の値付け間違いでお値打ち物件GET(豪州編)

おはようございます、Manachanです。いまブリスベンのホテルに滞在中。当地は今日もいい天気♪

昨日で、ブリスベン各地の不動産視察で明け暮れました。いろいろ物件みた後、私が昨年10月に買ったブリスベン西郊の戸建建設用地を見に行きました。

その場所は、ブリスベン都心から南西方向へ30㎞、副都心として発達中のスプリングフィールドからはわずか5㎞、Redbank Plainsという人口急増地帯。現地は、多摩ニュータウンの開発当初よろしく、道路インフラと住宅、商業施設が絶賛開発中でした。右の写真は、来年オープン予定のスーパー「ウールワース」。

 

そのスーパーから一番近い(徒歩1分!)分譲区画、Lot737を、私は買っております。現在は更地ですが、251平米の長方形の土地は、想像以上に大きく見えました。

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あと3~4週間後に、この土地に「戸建2戸」の建設が始まる予定です。完成すれば写真のように、「前方に1部屋の戸建」と「後方に3部屋の戸建」が誕生します。標準的な工期は14週間(3か月半)との話。

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2つの戸建は住宅として独立しており、2家族が住みます。したがって、2家族から賃貸収入が得られます。ほとんど空室リスクのないエリアで、2戸とも賃貸できた場合の表面利回りは想定7.0%。これオーストラリアでは破格の高さになります。

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この区画を、土地建物込みで、私は39万9900ドル(約3100万円)で買っております。この価格は「ブリスベンのマーケットから考えてちょっと安すぎる…」と、誰もが言いますし、私も同感です。地域属性や賃料、地価水準から考えて、44~45万ドルくらいする物件だと思います。

どうしてこの価格で買えたのか、現地を歩いて、理由がようやく分かりました。一言でいえば、

 

業者の値付け間違い!

 

だったようです…この価格は、住宅分譲地デベロッパーであるDevine社がつけたもの。同社は、北米のウォルトン社と同様、広大な土地を安く仕入れて開発許可を取って、ビルダー(住宅デベロッパー)に転売する会社です。逆にいえば、建物をつくることを専門とする会社ではありません。

Devine社は広大な分譲地にMountviewという名前をつけ、住宅開発に乗り出しましたが、経験・ノウハウに乏しいため赤字を出し途中で撤退、現在は住宅専門デベロッパー二社に土地を売って引き継いでいます(Devineは土地の転売で利益あげてるからいいんだけどね…)。

 

もし、住宅専門デベロッパーが、この住宅地に値づけしていたら、当然、地域相場を熟知してますから、2戸つきなら相場の44万ドル近辺で売り出していたはずです。でも、住宅相場をよく知らないDevine社が値付けしたおかげで、40万ドルを切る激安価格で分譲してしまった…

でも、これ買えた投資家にとってはラッキーですよね。昨年、私もこの価格をみて、「まじで…この価格で買えるの?」と驚きましたもん。もちろん、速攻で買付入れて、現地を見に行きました。今振り返っても、良い買い物だったと思います。

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55歳リタイア計画

おはようございます、Manachan@ゴールドコースト滞在中です。

不動産投資をやってると、リタイアとか、セミリタイアみたいな言葉をよく聞きますけど、何をもってリタイアというのか、自分でもよく分からないです。

 

「Manachanは、不動産でリタイアできたと思いますか?」

と聞かれても、自分では、とてもじゃないがリタイアした気分じゃあない。

 

「確かに、3年半前に会社を辞めましたが、その後も相変わらず忙しく仕事してますので、リタイアとかじゃないっす。40代の脱サラ独立起業ですね。」

また、今のところは所謂リタイアには興味ありません。自分で事業してると面白いしチャレンジングだし、自分以外にボスいないから気楽だし、身体が動く限りはガンガン働きたい気分なのです。

 

でも、今は元気な私も、所詮は生身の人間。歳月が経てば、「老い」は確実に近寄ってきます。すでに髪の毛に白いものが混じってますし、こないだ鼻毛を抜いたら白くて、暗い気分になりました…。

今後、50代、60代になっていくと、徐々に身体に無理がきかなくなり、70の声をきくと仕事どころか、動くのもおっくうになる時期が、きっと来るのでしょう。

 

こないだ、妻と、リタイアの話をしました。とりあえず、今のところは仕事バリバリ頑張るにせよ、55歳までにリタイアの計画は立てようね、ということになりました。

よく考えれば、妻とこういう話ができること自体が、奇跡のようなものです。つい3年前は、夫婦関係は最悪で、ぶっちゃけ離婚一歩手前みたいな状態でしたので、二人で円満にリタイアのこと考えるような会話自体が無理でした。あれから3年間、妻も私も努力して、関係をここまで改善したのです。

今では、円熟した夫婦として共に老い、余生を楽しむ決心がつきました。今さら大金持ちになりたいとか、贅沢したいとかは思いません。夫婦で不自由なく暮らせればそれで充分です。それでリタイアの話に戻りますと…

 

○老後の生活費をどう捻出するか?

○老後はどこに住むか?

 

いう二点…老後の生活費ですが、私は「家賃収入」をメインに考えています。実際、そうせざるを得ない。我々夫婦はこれまでいろんな国に数年づつ暮らしてきたので、「国民年金」みたいなものを長年積み立てたことがないのです。どの国でも役所や年金基金からは、大した額はもらえない。

で、どの位の家賃収入があればいいか?我々夫婦だけなら、「日本で6戸のアパート」と「オーストラリアで戸建2戸」位を、それぞれ残債なしで運用できれば、それで十分かなと思います。日本円と豪ドルのダブルインカムになるので、安定度も高いですね。なお、この状態は、現保有物件の売買を通じて、やろうと思えばすぐにでも実現は可能です。

 

次に、円と豪ドルの家賃を得て、世界のどこに暮らすか、という話…私は「タイのバンコク」を推してみましたが、妻は「日本かオーストラリアのいずれか」に住みたいようです。どちらの国も安全で快適だし、福祉制度があって医療が良いのが老後暮らし向きだと、彼女は言います。

いろいろ話した結果、老後の住まいとして理想的だと二人の意見が一致したのが、「日本の福岡市」でした。福岡市内なら、都会としての便利さが十分あり、街のサイズも程よい。気候が暖かくて身体もラクだし、国際空港、新幹線駅、海や山にもすぐ出られる。医療機関にも不足や問題はない。天神の近くに住めればクルマを持つ必要もない。

なお、福岡で老後を送るなら、夫婦二人の住まいを、ローンなしで取得することが必要。ま、これはそんなに問題ないでしょう。赤坂、大濠公園、平尾みたいな便利な場所で、700万円とかで、中古2LDKマンションが腐るほどありますもんね。

 

最後に、私は今のところ55歳の若さで現役引退する気はありませんが、ま、55歳までに、上記の実現計画を立てようとは思います。人生の出口戦略ですね。普段、それを意識して動いていれば、自然とそのようなかたちに落ち着いていくでしょう。

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ブラジルと傷だらけのオリンピック

こんにちはManachanです。いまオーストラリア出張中で、ケアンズからゴールドコーストまで飛んできたところです。

一昨日から、リオのオリンピック始まりましたね。ここオーストラリアも日本と同様、連日のメダルラッシュで盛り上がっています。オリンピック開会式のセレモニーは、オーストラリアのTVで見ましたが、とてもクリエイティブで良かったです。ブラジルならではのユニークな発想に溢れてましたね。

一方、運営面や環境・治安に関しては、各国で極めて評判悪いですね。選手村でトイレの蓋がないとか、他人の排泄物が逆流してきたとか、オリンピック会場に行く地下鉄が直前になっても開通しないとか、選手村付近で発砲事件があったとか、強盗に拳銃で脅されてスマホ盗られたとか…あと、下水垂れ流し、投棄されたソファや水死体まで浮かぶ汚い海がセーリング競技場になっていることも問題視されるなど、日本など先進国では「ありえない」レベルの問題が続出しているのも、今回のオリンピックの特徴といえましょう。

リオのオリンピックは、南米大陸で初の開催。南米のなかで、面積・人口とも飛び抜けて大きな国ブラジルが、その栄誉を手にしたわけですが、いま同国は、100年に一度といわれる深刻な経済不況に苦しんでいます。多くの国民が失業・貧困にあえぐなか、「身の丈にあわない」大金をつぎ込んでの開催になりました。公務員や警察官、工事現場のワーカーへの給料が遅配・欠配になるほど酷い状況らしく、それでは各方面で綻びが出るのも無理はないでしょうね。

リオ・デ・ジャネイロは2009年の選考会で、マドリードや東京を破って開催都市の座を射止めました。当時のブラジルは経済好調、「21世紀の経済大国」として、前途洋々にみえましたが、2013年の逆オイルショックで資源価格が暴落し、ブラジル経済はにわかに暗転します。国を率いるリーダーにも恵まれず、その後数年は巨大汚職や治安悪化など、不運続き。通貨レアルは暴落中で、経済成長率は昨年も今年もマイナス2~4%になると予測されています。

日本も景気よくないですが、ブラジルのように、人口が大きく増えている国でマイナス成長が続くのはもっとつらいでしょうね。養うべき人口が多い状況なのに仕事がない。可処分所得がどんどん下がる上に、通貨も暴落してるから輸入物価は上がりインフレが止まらない。生活苦ゆえ犯罪に走る者も増え、有能な人ほど国を出て海外に活路を求める…

ここまで厳しい状況下でのオリンピック開催は、「史上初めて」ともいわれます。まさに傷だらけのオリンピック。リオ現地もIOCも、運営側は「綱渡り」の日々でしょうね。

ところで私にとって、ブラジルは結構身近な国です。ここオーストラリアはもちろん、日本でも、北関東や東海地方の工業都市では、ブラジル出身者が相当数暮らし、地元在住の皆様には彼らはそれなりに身近な存在かと思います。

私は1997~98年にかけて、群馬県の館林に住んでいました。館林には工場で働くブラジル出身者が少なからず暮らしていましたが、隣の「(邑楽郡)大泉町」や「太田市」に行くとさらに多く、街の一角が「ブラジル・タウン」と化していました。

特に大泉町は、町の人口の1割以上がブラジル出身者。国道354号バイパスにほど近い「ブラジリアンプラザ」を中心とした一角が、在住ブラジル人たちの憩いの場となっており(地元の日本人がほとんど居ない!)、プラザの周りには、ブラジル人御用達の食材店やレストランが軒を並べていました。近くにはクラブもあり、夜12時頃からブラジル人が三々五々集まって、テンポの良い曲をガンガンかけて夜通し踊り明かす場所もありました。

当時、まだ20代の私は、館林の田舎暮らしを退屈に感じ、エネルギーを持て余していたので、金曜日の仕事がひけた後、毎週のように大泉のクラブに行き、ブラジル人たちと共に踊り明かしたりしたものです。
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北関東の工業都市にブラジル出身者が住み着いたのは、1990年頃のこと。彼らのルーツは、明治大正期に日本から移民した人々です。その2世、3世が、戸籍を根拠に、日本への在留就労許可を与えられ、当時国情が不安定だったブラジルを後にして、大挙して地球の反対側・日本へDekasegui(出稼ぎ)にやって来ました。

彼らの多くは、(日系移民が集中する)サンパウロ周辺の出身。日系とはいえ2世、3世ともなると、地元の白人や黒人と混血して、日本人っぽく見えない人も少なからずいました。彼らの日本語能力も様々で、ペラペラの人もいれば、日常会話にも苦労する人もいました。概してポルトガル語でないと意思疎通が困難なケースが多く、大泉や太田の役所ではポルトガル語ができる臨時職員を急遽雇ったりしたものです。

当時の私は、ブラジル料理を食べに、ブラジリアンプラザに足しげく通いました。そこにはブラジル出身者向けの掲示板があり、「サンパウロの不動産物件情報」がたくさん載っていました。邦貨換算1000万円程度の家が多く、日本でお金を貯めて、故郷サンパウロに帰って、より良いエリアで良い家に住みたいという、出稼ぎ者の意気込みを感じました。

そんな大泉でも、歳月は流れます。2005年頃からブラジル経済が好転すると、出稼ぎに出る者が減り、リーマンショック後になると日本の工場で雇い止め等が頻発し、仕事のなくなった彼らの多くはブラジルに帰っていきました。

時を同じくして、大泉プラザの不動産広告から「サンパウロ物件」が姿を消し、今ではほとんど、「群馬県太田市や伊勢崎市の、1800万円くらいの戸建住宅の広告」ばかりになっています。

1990年代に日本に出稼ぎにやってきた者も、今ではブラジルに帰った者と、そのまま日本に定着する者に二極分化してきたのでしょう。「ポルトガル語で書かれた、群馬県内の戸建住宅の広告」には、日本に家族で住み続けることを選択した彼らの意思が見てとれます。

群馬県に住む、ブラジル出身の友人の言葉がとても印象に残っています。「母国は不安定、私は子供の将来のために日本に住み続けたいんだ」と。

そしていま、ブラジルの国情が再び、不安定になっています。レアルの暴落で、2015年に国民平均のGDPは米ドル換算で「4桁」に落ち込み(8688ドル)、日本と約5倍の差になっています。日本の工場労働で得られる賃金が、レアル換算すると結構な大金になる時代を再び迎えています。

群馬県の大泉町や太田市、栃木県の小山市、静岡県の浜松市、愛知県の豊田市、岐阜県の美濃加茂市…といった工業都市で、ブラジル出身者の数がまた増える時代を迎えるのかもしれません。これらの地域で賃貸経営する方は、外国人OKの賃貸住宅でブルーオーシャンを狙えるのかもしれませんね。
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8/13(土)シドニーで不動産セミナーやります

こんにちは、Manachanです。オーストラリア・ケアンズ滞在8日目にして、初めての雨天。一日中降り続きそうなので、今日はゆっくり家で過ごします。

明日から1週間ほど、旅にでます。オーストラリア国内のみですが、大きな国なので移動距離は相当なものです。この全ての都市で、がっつり不動産視察をする予定。海外不動産プロモーション仕事で協業している、独立系国際不動産コンサルタント・市川隆久氏が全行程同行します。

 

8/8~10 ブリスベン・ゴールドコースト
8/11   ケアンズ
8/12~14 シドニー
8/15   メルボルン

 

シドニー滞在中の8月13日(土)、14~16時に、不動産セミナーを行います。シドニーでの講演は2年ぶりになります。

8月13日 世界の不動産-今どこの国を買うべきか@シドニー

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■日程 2016年8月13日(土)14:00~16:00

■会場:Level 9, 55 Hunter Street, Sydney NSW 2000

■参加料金:20ドル (会場で直接お支払いください)

■申込リンクは、こちら
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内容としては、世界でも不動産価格の高騰が著しい都市として知られるシドニー在住の日本人に向けて、日本を含めた世界数か国の不動産マーケット事情を解説し、それぞれの国で「ちゃんとお金が残る物件」の選び方を詳しく説明、その観点からみたおすすめ物件をいくつか紹介します。

紹介する国・地域は、

・日本
・アメリカ
・イギリス
・ASEAN(タイ、ベトナム等…)

 

2年前のシドニーセミナーでは、日本の不動産にフォーカスして紹介しましたが、今回、日本以外の国・地域も同時に紹介する理由は、いくつかあります。

 

・アジア太平洋大家の会で世界15か国・地域の不動産セミナーをこなし、かつ自分も世界各国で現地視察を重ねてきて、数か国の不動産を同時に語れるノウハウが蓄積されてきた。

・一つの国・地域の不動産だけを語るセミナーだと、他と比べて最良なのかどうか判断できない。世界中、人間が経済活動を営む場所には必ず不動産市場があり、それぞれの特徴、良し悪しがあるのだから、それをダイジェスト版で語る方が聞き手にとって有益だと思う。

・不動産投資の成功・失敗の要因として、「良いタイミングで安く買えるかどうか?」が占めるウェイトが大きい。世界中を俯瞰すると、いま高値の都市、安値の都市があり、それぞれのタイミングが異なるので、その意味でも、複数の国・地域を同時に語る意味があると思う。

 

数か国の不動産を同時に語るセミナーは、講師に相当の知識と経験が必要ですが、私と市川氏のコンビは、この領域では日本有数のノウハウを持っていると自負しています。それを全てシドニーに持っていきますので、皆さま楽しみにしていてくださいね。

 

「毎月、世界中で不動産をみている」私と市川さんのコンビで、セミナーお届けいたします。

ichikawasuzuki

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大阪で元気になる

こんにちは、Manachanです。嫁の実家@ケアンズでの滞在もすでに6日目。健康的な環境でゆっくりするのはいいけど腐りそうだなあ。クルマないとどこにも行けないし…私どうやら灰色の大都会で朝から晩まで忙しく動き回る方が性に合ってるみたいな。でもまあ、これも家族サービスと割り切るしかないよね。

 

ここケアンズに来る前、私は大阪にいました。7月28日に関空で乗り継ぐだけの予定だったのですが、夜20時発ケアンズ行きのジェットスター便が機器点検のため欠航になり、その晩は仕方なく関空のベンチで明かしました。翌29日もずっと大阪で過ごし、深夜の便でようやくケアンズに発ちました。

29日の朝、8時過ぎ。関空に居てもつまらないので、南海電車で大阪市内に出ました。

 

「南海特急ラピート」の車内デザインはおしゃれ

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泉佐野、岸和田あたりは人もまばらですが、堺を過ぎると乗客が一気に増えてきます。新今宮で大阪環状線に乗り換えると、梅田やUSJに行く人たちで結構な混雑。

とにかく、電車内は人々のしゃべり声で賑やか。「これが大阪だ・・」という実感が沸いてきました。

 

乗客10人いれば、うち3人はおしゃべりを楽しむのが大阪の基本(?)

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大阪は大都会、JR環状線や御堂筋線はそれなりに混みますが、でも首都圏の激混み電車と比べれば可愛いもので、感覚的に混雑度は東京の3分の2というところでしょうか。

でも、東京の3分の2の乗客しかいないのに、大阪の電車は東京の2倍くらい騒々しい。大阪では老若男女問わず、電車でしゃべっている乗客数が断然多いのです。

もちろん、大阪でもスマホの画面とにらめっこしてる人もいるけど、基本、おばちゃんは当然しゃべる、おっさんもしゃべる、女子高生もしゃべる…大阪を基準とすれば、東京の電車のなんと静かなことか。

 

大阪の電車が騒々しく聞こえるのは、しゃべり声のボリュームが大きいというより、大阪弁のイントネーションのなせる業でしょう。

不動産の言葉でいうと、大阪には「文化住宅」なる物件が多いですが、大阪弁で話すと「ぶか」の「」にアクセントがあって、それも1オクターブ位高い…万事がそんな感じなので、普段、平板な東京弁の世界で暮らしていると、どうしても際立って聞こえてしまう。

 

あと、最近は東京でも大阪でも、電車内で「中国語」が聞こえてくることがありますね。東京の静かな電車で誰かが中国語しゃべると目立つし、私などはつい聞き耳を立ててしまいますが、

一方、大阪の電車で、誰もが大阪弁でしゃべっているなかで、中国語が聞こえてきても、全然目立たない…ということに気が付きました。

 

中国人や韓国人など、近隣アジアの旅行客の間で大阪が人気なのも、「本国の雰囲気に近い、親しみやすい環境」というのが大きいのかもしれませんね。

大阪の難波あたりでスナップショット撮って、「これ台湾で撮ってきた」といわれても、すぐには見破れないかもしれない(街の雰囲気が台北にそっくりだし、関西圏は関東より漢字を多用するので台湾っぽくみえる…)。

 

大阪難波…台北に酷似した街並み

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今回の大阪滞在、時間があったので、下町の「大正区」に足を延ばしてみました。

大正区…大阪市内なのに電車の駅が一つしかなく、区内の大部分が鉄道空白地帯。その代わり、バスが極端に発達して、「難波行き」や「天王寺行き」が1~2分おきに来る。島のような地形なので、他の区に行く足として渡し舟が発達、大阪市内の渡し舟のほとんどが大正区にあるという、大阪24区のなかでも特に個性が際立つ土地柄。

そして、「大正区役所以南は沖縄県」といわれるほど、沖縄出身者とその子孫が多い地区としても知られています。区民の4分の1が沖縄姓という話もある位。関東だと鶴見や川崎に比較的大きな沖縄コミュニティがありますけど、その比ではありませんでしたね…

 

大正区の平尾商店街…いきなり「めんそーれ」

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豚肉のさまざまな部位を使う「沖縄風ホルモン」、もはや大正区の文化!

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ビール片手につまむと、とにかく美味い!一串60円で財布にもやさしい。

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門構えがとっても目立つ沖縄料理店

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大正区、なかなか素晴らしい場所でした。今度は渡し舟とか駆使して、じっくり歩いてみたいな。その後、難波の駅から、名残惜しく大阪を後にしました。

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私は仕事柄、関西方面への出張が多いですが、京都、大阪、神戸の関西3都のなかでは、圧倒的に大阪が好きです。京都や神戸にいると、すぐ電車に乗って大阪に行きたくなってしまう位…それだけ大阪が私の体質に合うし、大阪にいるだけで元気になるんです。

大阪のなかで、特に好きなのが商店街。梅田で仕事して、少しの暇があれば天神橋筋に出かけますし、時には足を延ばして豊中の庄内とか、千林、駒川、阪神尼崎などへ、商店街歩きに行きます。

もっとも尼崎は兵庫県なんですが…あの街のノリは神戸じゃなくて、完全に大阪ですよね。それも、むっちゃディープな大阪の下町。

senbayashi

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無邪気な正義とバランス感覚

こんにちは、Manachanです。ケアンズ(嫁の実家)滞在5日目になりました。今日も育児ねたでいきますね。

いま、娘ソフィアは小学5年生ですが、かつて、私がその年齢だった頃の日本は、公害問題が深刻でした。毎年、光化学スモッグの警報や注意報が必ず出る、東京タワーから見下ろす街がスモッグに煙る、海や川の汚染はひどく、「田子の浦のヘドロ」とか「瀬戸内海のアオコ」などが、全国ニュースで報道された頃でした。

(あの頃に比べれば、空気も水質も、本当にましになったなあと、感慨深いです…)

 

でもって、当時の教科書や副読本には、公害病で苦しむ人たちや、彼らが国や企業を相手取った裁判のことが、時々紹介されました。それを見た、小学5年生の私の脳裏には、「企業と国=悪者」、「被害者=善人」という単純な図式、「無邪気な正義感」が刷り込まれていました

 

「企業や国はなんで、公害で苦しんでいる人と、裁判で争うんだろう?」

「国は大きくてお金たくさんあるんだから、治療費や生活費を出してあげればいいのに?」

(そんな私でも、大人になると、そんな単純な図式では考えられなくなってくるんですけどね・・・)

 

ソフィアの話に戻りますと…先月、アメリカ各地で、白人警官が黒人市民を射殺した事件が相次ぎ、抗議のデモが相次ぐなど、社会問題になりました(ルイジアナ州の事件ミネソタ州の事件)。

あのニュースを聞いたソフィアが私に、こう言いました。

 

「ねえ、パパ。白人と黒人だったら、どっちを応援する?」

「どっちを応援する、難しいなあ…我々は白人でも黒人でもない、黄色だしなあ。」

「私なら、黒人を応援する。だって可哀想なんだもん。」

 

肌の色というのは、子供にとって理解しやすいらしい。そういえば以前、こんな話もありました。

 

「中国人と日本人が、どうしてケンカするの?どっちも黄色じゃん?」

 

ディズニーの漫画「ポカホンタス」で、アメリカインディアン(我々と肌の色がほぼ同じ)が白人入植者に土地をどんどん奪われていくのも、ものすごい可哀想がってましたね。こういう「無邪気な正義感」って、人間の心のなかで大事な要素だと思います。

 

先ほどの会話に戻ります。

 

「白人って皆、悪いやつらなの?」

「そんなこともないんじゃない。だって、ソフィアが好きなアンクル・ジョンだって白人でしょ?いい奴もいっぱいいるんじゃない?」

「そうなのか・・」

 

と、考え込みます。親の立場からみると、ソフィアのこうした迷いや逡巡が、とても大事だと感じます。

 

すでに、ソフィアには、いろんな人種・民族の仲間、友人知己がいる。

「白人が悪い」、「アメリカ人が悪い」等と言い切る前に、個人レベルに落としこんで考えられる。

 

日本にもいますよね。近隣諸国の人たちに「特亜」(特定アジア=韓国、北朝鮮、中国)みたいなレッテル貼りをして貶めたり、「特亜(反日国家群)vs日本」みたいな図式で考えたがる人って。

ああいう人には、韓国人や中国人の友達のひとりもいないのかな?と不思議に思います。

 

所属国という「属性」はあるにせよ、個人レベルに落とし込めば、いろんな人がいる。もちろん良い人も多いはず。そのレベルでフラットにみれば、「○○国人」と一言では割り切れない多様性があるはず。

相模原の殺傷事件で、尊い犠牲になった19名の方々も、犯人のいう「障害者」というレッテル貼りでは割り切れない、それぞれの個性と生活があったはずなのです。

「特亜」とか「障害者」みたいなネガティブなレッテル貼りをする考え方、気味悪いです。英語では”Us and Them mentality”といいますが、そんな切り方で「Us」に分類されても、私は全然嬉しくない。「こんなアホな図式はお前らの脳内だけで完結してくれよ」と言いたくなる。

 

人間社会を「集団」(所属国、民族、人種、宗教等)でとらえるだけでなく、個人レベルまで落とし込んで考えられる、そういう「バランス感覚」を持つのは大事だと思います。

そのためにも、子供たちにはいろんな体験をさせて、世界中にお友達をつくっていきたいと思っています。

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「話せるだけ」じゃ困ります~多言語教育はつらいよ

こんばんはManachanです。

数日前から、家族とともにオーストラリア・ケアンズに滞在しています。仕事はほどほどに、日がな一日、子供たちと過ごしているので、ブログも自然、「育児」ねたが多くなる今日この頃です。

今回の日記は前回(言語技術者のぼやき)に引き続き、「多言語教育」に関して考察してみたいと思います。

 

ソフィアちゃんやポニー君は、子供の頃から、英語や中国語ができて羨ましいわねえ」と、周囲の人からよく言われます。確かに、普段の家庭生活で三か国語(日、英、中)が入り乱れる環境で過ごせるのは、日本でもオーストラリアでも、得難いことだと思います。また子供の言語習得能力は高いですから、話し言葉に関しては「日本語と英語が両方ネイティブ」の上に、「中国語も聞いて分かる」状態が実現できています。

でも、実際に子育てしている親の立場からいうと、「話し言葉なんて、大したことないよ」、「本当に大変なのは学校の勉強」と言わざるを得ない…

 

それを、Spoken Language(話し言葉)とAcademic Language(学習言語)という、二つのキーワードを使って説明してみましょう。

子供に多言語教育させたい親は多いと思いますが、真の意味でマルチリンガルにするには、Spoken LanguageとAcademic Languageの両方を習得させなければなりません。特にAcademic Languageはものすごく大事で、これが中途半端になってしまうと、大人になった時、「○○人(日本語人?英語人?)として普通の社会生活」ができなくなり、就職や進学にも支障を来たしてしまいます。

世の中、「英語と日本語を流暢に話すことができれば日英バイリンガル」だとみられることがあります。でもこれは、Spoken Languageが上手にできるだけの話にすぎません。そんな人でも、漢字の読み書きがからきしダメとか、英文エッセイを書いてもスペリングや構文が滅茶苦茶だったり、私はそんなケースを結構見聞きしてきました。つまり、Academic Languageの習得に失敗しているわけです。こういう人は、日本でも英語圏でも就職に苦労します。

 

私の実感からいうと、

・多言語教育のなかで、Academic Languageの習得は、全体の9割以上の労力を要する。
・話し言葉で数か国語を操る子供でさえも、Academic Languageは一つしか持つことができない。
・大体、小学校5年生くらいまでに、Academic Languageを決めなければならない。

 

東京都内に住む、うちの子供たちは、普段は「区立の小学校」で日本語の教育を受け、土曜日だけ「英語の補習校」に通っています。つまり、Academic Languageを「日本語メイン、英語サブ」にしています。

上の子(ソフィア)は小学5年生ですが、この歳になると、「英語の補習校」をやめる子がたくさん出てきます。その理由は、「インターナショナルスクール」で英語の教育を受けるから…Academic Languageを英語と決めた場合、日本では小学校5年位までに始めないと間に合わないと、多くの親が判断しているのです。

 

そういう子供たちは、日本の小学校にも行かなくなりますし、数学、理科、社会、音楽、図工など各教科を、英語でこなすことになります。目指すのはもちろん、英語圏での進学。もちろん、日本に住んでいるのでSpoken Languageとしての日本語は維持できますが、Academic Languageとしての日本語能力は、漢字の読み書き含めて、とりあえず小4で止まってしまいます。

そういう子たちが、Academic Languageを含めて、真の日英バイリンガルになるには、まず英語で高等教育を受け、抽象的な概念や思考を学べるようになってから、日本語を学び直すしかありません。もちろん、小4まで日本で教育を受けている分、全くの初学者よりは断然有利ですが…英語圏にいて、漢字のたくさんある日本語を学び直すことが決して簡単ではないことは容易に想像がつきます。

 

我が家に関しては、ソフィア(小5)のAcademic Languageを日本語にすることを決めました。今後当面、東京に住むわけだから、日本語の教育の方が断然やりやすくて低コストだし、また我が家には「中国語」という言語要素もありますので、漢字を多く含む日本語で教育した方が、将来、中国語へ横展開するにも有利だと考えています。

ただ、この子は日本語にしろ英語にしろ、学校という組織に合わない性分。不登校問題も起こすので、親としては苦労が絶えません…

一方、ポニー(小2)に関しては、Academic Languageを英語にする目もまだ残っています。この子はお姉ちゃんに比べて学校や勉強への適性が高く、日本語も英語も成績はまずまず。どちらを選ぶか、今後、2~3年かけてじっくり考えます。

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