2016年 1月 の投稿一覧

バンコクで微妙な立地を楽しむ

おはようございます。Manachanです。

バンコク中心部で、AirBnB運営ができる物件として、一部投資家の間で有名な「マークコンド」(The Mark Condo, Rachada-Airport Link)。私も1室買っており、いま家族で滞在中です。このブログ読者で、ここ買ってる方も数名おられるはずです。

 

この物件、バンコク市内の好眺望と設備内容が魅力ですが、

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立地が、やや難点といえます。確かにバンコク都心部にあるんですが、場所がいまいち分かりにくいのです。

この物件、家族で暮らしてみてから、今日で3日目になりました。最寄りの地下鉄駅「ラマ9」(Phra Ram 9)から500~600m。私の足で8分程度なので、近いとはいえないけどめちゃ不便とは感じません。しかも「ラマ9」駅周辺は、「セントラルプラザ」、「フォーチュンタウン」、「テスコロータス」など商業施設が集結する、極めて便利なエリア。

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ですが、荷物を持って、タクシーで移動すると一方通行の関係で微妙に不便なのです。たとえばラマ9駅からタクシーに乗る場合、

・ ディンデン・ロード(DinDaeng Road)を、西へ1.5㎞移動

・ プラチャソンクロ・ロード(Pracha Songkhro Road)で左折、南へ0.5㎞移動

・ 道なりにジャトゥラティット・ロード(Jatrathid Road)を東へ1㎞移動、向かって左側に「マークコンド」がみえる。

 

しかも、タイのタクシー運転手は英語が話せないケースが多く、上記の内容を伝えるのもなかなか大変。人によってはアルファベットも読めず、道の名前を英語で書いていても「???」という者もいる。

そこで、管理会社と協力して、タイ文字入りの地図つくってみました。

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我が家は、私以外タイ語が分かりませんが、妻にこの地図を渡して、「とにかく、タクシー運転手にこれを渡せば大丈夫だよ」と伝えています。実際、これで何度かタクシー乗ってきてるので、一応使えるレベルにはなっているのでしょう。

 

投資家視点でいうと、便利な「ラマ9」駅の近くではなく、「ちょっと外した、微妙に不便」な立地だからこそ、ここを買ったといえます。駅近くのコンドミニアムと比べて、3~5割引きで買えますから…また、微妙に不便だからこそ、自作の地図など「情報」をつくることによって、少しでも改善していける。そういう「運営の楽しみ」があるのがイイですね。

 

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台湾、政権交代前夜

こんにちは、Manachanです。現在、家族旅行中。今朝、台湾からタイまで移動し、今はバンコクのコンドミニアムでゆっくりしてますが、今回の日記は、台湾の話題でいきますね。

すでにニュースでご存知かもしれませんが、台湾は1月16日に、総統選挙を控えています。その選挙で、国民党→民進党への政権交代および、台湾初の女性総統「蔡英文」氏の誕生がはほぼ確実視されています(リンク)。その背景について、少し考察してみたいと思います。

 

台湾は、日本と同じく、議会制民主主義をとっています。そしてアジアでは珍しく、欧米に似た「二大政党制」が機能している社会といえると思います。

台湾の人々が、今の日本人と同じ意味で普通選挙権を持ってから、まだ20数年しか経っていませんが、すでに「国民党」と「民進党」の二大政党による、政権交代を何度も経験しています。投票率も日本やアメリカより明らかに高い、7~8割をキープしてきています。

2000年 国民党→民進党(陳水扁)への政権交代
2008年 民進党→国民党(馬英九)への政権交代

そして今年、2016年1月16日の選挙で、民進党への政権交代になれば、今世紀に入って3回目。ちょうど8年毎に政権政党が代わってきたことになりますね。

 

台湾でハッキリした二大政党制になっているのは、「中国大陸」の影響が大きいと思います。狭い海峡の対岸に、台湾と比べて面積200倍超、人口60倍の「中華人民共和国」があり、彼らと同じ言語・文化圏に属している。経済的なつながりも極めて密接。でも政治体制は違うし、軍事的な緊張関係も少なからずある。台湾人からみれば、巨大な隣人のプレッシャーを常に受けながら、

「中国大陸と協調していくか?」vs「台湾独自の路線でいくか?」

これが、台湾社会を運営していく上で一番大事なテーマだし、「政治的な対立軸」でもあるわけです。でもって、今のところは「国民党」が「中国協調路線」、「民進党」が「台湾独自路線」を強調するという、非常に分かりやすい構図…台湾が二大政党の民主制を維持できているのは、もちろん台湾人自身の努力も大きいけれど、「地政学的必然」がもたらした面も少なからずあると思います。

日本の場合は、台湾と同じ文脈での二大政党制が機能しにくい社会だと思います。国際関係で日本に最も大きな影響を及ぼすのはアメリカと中国でしょうが、地政学的に、また国民感情的に、どうしても「親米派」が優勢になるので、外交関係が政治的な対立軸になり得ない。

欧米の二大政党の国では「大きい政府」vs「小さい政府」という対立軸が比較的ポピュラーですが、日本の場合、自公政権も野党も「大きい政府志向」が強く、アメリカの「ティーパーティー」的な政党が出にくい風土でもある…自民党と公明党が連立する限り、どうしても「一強」vs「万年野党」の構図になりやすい。

 

アジアを俯瞰すると、(単純比較は難しいですが…)軍政の影響がなければ「日本タイプの政党構成」が多い印象があります(シンガポール、マレーシアなど、日本と似てるかも…)。台湾のようなハッキリした二大政党制はアジアでは珍しく、いろんな意味で興味深い。

 

ところで、台湾社会に関しては、政権交代で世の中がガラッと変わり、前向きな方向に進みそう…という風にはあまり見えません。すでに経済的には先進国レベルになり、「追いつけ追い越せ」モードではなくなり、むしろ、「グローバル競争のなかで労働者賃金が増えない」、「間もなく超高齢化社会を迎え、年金医療含めて先行き不安」といった閉塞感のなかでの選挙戦、という感じがします。

我々家族の滞在先は、台湾・桃園空港近く、人口37万の工業都市「中壢」。昨晩は賑やかな中?夜市に行きましたが、選挙2週間前ということもあり、街頭演説、挨拶、ビラまきの光景がみられました。

こちらが、「本命」民進党の候補者。シンボルカラーは緑。

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対抗する国民党の候補者。シンボルカラーは青

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あと、二大政党では拾えない政治ニーズがたくさんあるのでしょうか、ミニ政党がたくさん出現しているようです。「いつの間に、いろんな政党ができてるんだなあ」と驚きました。たまたま、「時代力量」(New Power Party)というミニ政党のパンフレットとポケットティッシュを配られたので、ホテルに戻って読んでみました。

台湾の選挙民は、「総統」、「選挙区」、「比例代表」の3つの投票権が与えられるようです。日本と似てますね。ちなみに「時代力量」が、「選挙区」で擁立している候補者は、台北都市圏と台中都市圏の一部のみ。「比例代表」で5%の得票を得て、議席獲得を狙う戦略のようです。

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党の候補者は、ざっとみたところ、女性の方が男性よりやや多く、少数民族の代表、大学教授、弁護士、社会運動家といった顔ぶれが多い。

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党のスローガンは「正義を国会へ」だそうな。掲げる政策は左派好みものが多く、「税制改革」、「年金改革」、「派遣労働の廃止」、「公共セクターによる幼児教育の拡大」、「都市アメニティの整備」等々…今ほどグダグダになってない、1990年代後半頃の社民党を思い出させますね。何となく、

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私はこういう政策を必ずしも好むわけではありませんが、台湾の国情をみる限り、彼らの主張も理解はできます。特に幼児教育の商品化とか凄いですからねえ。もう少し公共に寄ってもいいかもしれない。

 

台湾は日本にとって大事な隣人。親日感情が強く、かつ自由や民主主義の理念を共有する仲間でもあり、いろんな意味で世界にプラスの貢献をしている人々だと思います。2週間後の選挙で政権交代すれば、当然中国にも、そして日本を含むアジア全体にも影響が及んできます。台湾の人々が、これからも民主選挙制度を運用しながら、近隣国とも上手に連携してくれることを、願ってやみません。

 

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世界をフラットにみる視点

こんにちは、Manachan@家族で台湾滞在中です。今回は、海外投資を成功させるのに大事な、「世界をフラットな目でみる視点」というテーマで書いてみます。

私がこの話をする上で、示唆に富んだ題材として、「岡田斗司夫メルマガ」をとりあげます。私、数年前からこのメルマガを愛読しており、岡田斗司夫氏の視点や人生哲学に大きな影響を受けています。昨年は女性スキャンダルがあり身辺も大変だったようですが、それを境に吹っ切れたのか、彼のメルマガ相談のクオリティがさらに洗練されてきた感があります。

今朝のメルマガから引用します。

 

【質問】「男の自撮りがキモいのはなぜですか?」”女の子の自撮りは可愛いのに、男の自撮りがキモいのはなぜでしょうか?”

【岡田斗司夫の回答】女の子の自撮りもキモいよ。女の子の自撮りを可愛いと思うのは、僕らが心の中に女子を飼ってないから。自分の心を女子に切り替えるとちゃんと気持ち悪い自撮りはナンボでもあるよ(中略)世の中には可愛くない女子の自撮りも無限に存在するし、笑える男の自撮りも無限に存在するからね。全体をフラットにみればそうでもないと思う。

 

なるほど。「心の中に女子を飼う」…実にうまい表現ですね。

男子が、自分の心のなかに女子を飼う」のが簡単ではないように、

日本の外で暮らした経験のない日本人が、自分の心のなかに外国人を飼う」のは、結構難しいことかもしれません。

 

自らの心のなかに、「日本人」と「外国人」を同時に飼うことができれば、すなわち「日本と外国を同じ基準でフラットにみることができる」ということ。これは海外投資で成功する上で、大事なリテラシーの一つだと思います。

外国、どの国でもいい、そこに生活者として暮らしてみれば、日本とは違う当地の物価・収入水準、住まい方、消費生活スタイル等を体験できるはず、同時に日本との共通点も見いだせるはずです。そういう経験を通じて、「○○国の生活者」という視座ができて、「日本の生活者」の視座と共存していく。

私の場合、日本育ちで、大人になってからオーストラリアに5年、中国に2年、台湾に1年、インドとアメリカに半年づつ、生活者そして給与稼得者(サラリーマン)として暮らしてきました。自分が現地でお金を稼ぎ、その範囲内で暮らし、マイホームや投資物件も買ってきた…その経験を通じて、「現地在住者の生活実感」を養ってきました。

 

たとえば台湾では、こんな場所に住んで、台湾人と一緒に働き、同じメシを食って日々暮らすことで、「生活実感」が養われるわけです。

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卑近な例からいうと、「台北に暮らすフツーの台湾人にとって、150元(約550円)の昼メシは高いのか安いのか?」、「台北市内のファミリータイプ家賃として月額3万元(約11万円)は高いのか安いのか?」、「台湾の日用品、電化製品は、どのようなクオリティのものが売られていて、日本製の評価はどの程度なのか?」等からはじまり…

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もう少し高度になると、「台湾の住宅ローンの利率は大体どの位で、年収の何倍くらいの家を、どこで買っているのか?」「台湾人にとって、資産を殖やす方法として、どんなものがあるのか?」「不動産投資でいえば、台湾の人々は、どの位の値上がり率や賃貸利回りを求めるのか?」等々のテーマがあります。

そこまで、台湾人目線で把握できて、日本と比較してみれば、「いま、年間延べ300万人以上もの台湾人が、日本に旅行に来るのはなぜなのか?」、「日本で不動産購入を希望する台湾人が多いのはなぜなのか?」などの問いに、自ずから答えが見出せるはずです。「日本と台湾を、同じ基準でフラットにみる」のは、そういうことだと思います。

 

台湾人が書いた資産形成の本・・・こういう本は、台湾の人々の投資スタイルを知る上で、とても勉強になります。

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逆に、「フラットでない視点」の例として、どんなものがあるのか?

たとえば、2011年の東日本大震災のあと、日本の富裕層のあいだで、東南アジア新興国の不動産投資がちょっとしたブームになりましたが、その時によく使われたキャッチコピーは、

「日本が将来に不安だから、資産保全のため、マレーシアやタイに資産を移そう」

 

それ聞いた私は、「東南アジアで資産保全?何それ?冗談だろ!と思いました。

日本の将来に不安があるのは、確かにそうです。資産を日本一国に集中させず、世界中に分散させる意味も分かる。でも、フラットな目でみた場合、世界中どの国にも、不安要素はあるはずです。それぞれの国に、具体的にどんなリスクがあるのか、大事な資産を守るという目的にふさわしい国なのか?それらもろもろを考えた時に、マレーシアやタイは、現時点では少なくとも、「経済成長で将来大きく育つかもしれないリスクマネーを置く国」ではあっても、「資産を安全に守る国」ではないはずです。

日本円の価値が今後どうなるか分からないとはいえ、せっかく、世界的な信用度の高い日本円の資産を持ち、かつそれを「守りたい」のに、業者に乗せられて、せっせと、マレーシアリンギットやタイバーツのリスク資産に換える日本の富裕層を横目にみながら、

 

「結局、業者も客も、日本しかみえてないんだろうねえ」

「東南アジアと日本を同じ基準でフラットにみた場合、そういう行動は普通取らないよねえ」

と思ったものです。

(※東南アジアがダメだと言ってるわけじゃありません。最悪なくなってもいい、でも、うまくいけば何倍になるかもしれない余裕資金の置き場としてば、十分アリな投資先です。)

 

2016年は、「アジア太平洋大家の会」の活動に関連して、「世界をフラットにみる」というテーマで、どんどん情報発信していきたいと思います。これからもご愛読のほど、よろしくお願いいたします。

 

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