こんにちは、Manachanです。たまにはミーハー(?)に、時事問題ネタでいってみよう。
いま日本で一番話題を集めている都市といえば「大阪」。史上最大規模の住民投票となった「大阪都構想」は、賛成69万4844票、反対70万5585票…僅差で反対派が上回り、白紙に戻されました。
すでに新聞雑誌でもネットでも、多くの論者が意見感想を述べてますので、私は手短にいきますが、面白いのは、この地図。賛成多数の区と反対多数の区が、ハッキリ南北に分断されています。
大阪の二大繁華街、北部の「梅田」と南部の「難波」の位置関係を加えてみましたが、再開発でハイパー近未来都市になった「梅田」は都構想賛成派の牙城のような地域。一方で「難波」以南の大阪市内は反対派が多数を占める地域ばかり、という分かりやすい結果に。
大阪市の北部と南部って、地域特性がどう違うのでしょうか?心斎橋を境に南北を分けるなら、私のイメージは次の通り、
北部…梅田、堂島、北浜を中心に大阪随一のビジネス街・官庁街が広がり、「大都会・大阪」を実感できる活気のあるエリア。タワーマンションなども多く建つ。若いホワイトカラー層に人気な西区(靭公園、京町堀)や、若者に人気の街「堀江」などもある。大阪駅、新大阪駅などJR系のターミナル駅が多く東京や京都への交通便も良い。転勤族住民も多くて大阪のなかでは東京志向が強い地域。街を歩くと東京弁が聞こえることもある。
南部…難波や天王寺を中心に、その後背地として広がる住宅エリア。「あべのハルカス」など巨大再開発があるとはいえ、全体としては昭和の雰囲気を強く感じるエリア。狭い路地、個人商店、路地の鉢植え、自転車のおばちゃんの世界。他都市はおろか大阪に住む若い世代もあまり行かない、地元感あふれるローカル100%、関西弁しか聞こえない世界。東京志向ほぼなし。
私の愛する「大阪」は、市の南部にたくさん点在します。大阪へ講演やビジネスの用事で行く機会が多いのですが、梅田あたりに行っても東京と何ら変わらない。梅田の仕事なら新幹線で直行直帰が多いですが、
心斎橋あたりで講演する時は必ず、もっと南の「新今宮」「天王寺」あたりに宿をとり、さらに南海電車や近鉄電車に乗って、さらに南の「ディープサウス」に足を延ばすのです。
たとえば、大阪の南のはずれ、東住吉区の「駒川商店街」とか、大阪らしくて私は大好き。天王寺の宿から、近鉄電車乗って「針中野」で降りる。そして商店街を3時間くらい堪能してお土産買って、「駒川中野」駅から地下鉄谷町線乗って一気に梅田に戻る…みたいなことを平気でやる、私って変わり者ねえ。
西成区の「西天下茶屋商店街」も、あの枯れ方が大好きで何度か行ってます。こちらは南海電車乗るコースですね。
【活気&大阪ローカル感あふれる駒川商店街】
こういう「ウラ大阪」、もとい「ホンマの大阪」というべき世界が、大阪市南部には広大に存在する。それは、梅田を中心とする北部の「オモテ大阪」、「東京化された大阪」とはかなり異質で、同じ大阪の空を共有していても住んでる人々の意識は違う。
どちらかといえば、北部に住む人々の方が、東京を意識する機会が多く、東京と比較した大阪の低迷ぶりに危機感を覚える人も多く、大阪都に代表される「都市のリストラ」に賛同する人が多いのだと思います。
大阪出身の友人の言葉を借りると、「大阪都の内容はよく知らないけど、日本で一番成功している都市が東京なのだから、その東京を真似た制度になるのは賛成する」と言ってました。これは東京を意識した意見でしょう。
一方で南部は、「大阪こそ我が世界」なローカルなエリアで、東京みたいな「都」になるといってもピンとこない、心に響かないのではないでしょうか?
ま、世の中を変えるって大変なことです。制度を変える、ゲームのルールを変える…日本で数少ない才能あふれる政治家「橋下徹」をもってしても、ものごとを変えるのは至難の業でした。
とはいえ、5年間も都構想を練り上げ、最後の最後まで民主主義の筋を通した彼には敬意を表します。そして、結果はどうあれ、史上最大の住民投票を実施した大阪という都市に対しても、私はリスペクトします。
「外に開かれた国際都市・大阪」と、「完全地元なローカル大阪」の二つの表情を持つ大阪。どちらの世界も、紆余曲折はあれど、未来に向けて前向きに、大阪らしく変わって欲しいと思います。
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