底知れぬカンボジア

こんばんは、Manachanです。今回の日記は、つい数日前に訪問した「カンボジア」について書きます。

この国を訪れるのは、これで3回目。首都プノンペンと、その近郊くらいしか訪れていませんが、行くたびに、カンボジアの国土と人々が秘める、底知れぬ「何か」を感じます。

うまく言えないけれど…カンボジア人って、「ただ者ではない」のです。

中世には、東南アジアで覇を唱えた「クメール王国」の末裔であり、

エジプトのピラミッドと並び称される、人類の至宝「アンコールワット遺跡」をつくりあげた民族でもあり、

近代においては、全人口の3分の1を虐殺した、恐るべき「ポルポト政権」を生み出した国民でもある

小国ながら、スケールのでかい、スゴイ歴史をくぐり抜けてきた人々なのです。そして今日のカンボジアは、他の東南アジアの国と同様、猛烈な経済成長を遂げています。しかし、他の国と「何かが違う」のです。

近隣の大国、タイやベトナムの経済力をもってしても、真似できないのが、カンボジアの街の美しさ、カッコよさ。

プノンペン全景…アジアの街とは思えない整然とした美しさ!

街の借景と、屋上プールの、素晴らしいハーモニー

プノンペン・リバーサイドの街角、どこを切り取ってもオシャレ

カンボジア人は、街の美観やデザイン性を、どうやって維持しているのだろう?この国は東南アジアでは最貧国レベル、国内産業が未発達ゆえ、タイやベトナム、中国から、ビジネスも原材料も輸入しまくっているはずなのに、商業看板もチェーン店もほぼ見られず、街は整然とした美しさを保っている。

どう見ても、街の景観を守るために厳しい規制をしいているとは思えないし、その財源があるとも思えない。でも屋根の色は赤に統一され、トゥクトゥク(幌つきバイクタクシー)の色も上品な赤に揃い、飾り付けもおしゃれで、溜息が出るほど、センスが良い。

発展しているのは、たぶん首都プノンペンだけだろう。郊外に出たらどうか?・・・と思って、トゥクトゥク飛ばして行ってみましたが、

道路がロクに舗装されてない郊外でさえも、街並みや商店は、とにかく、整然として秩序感あふれているのです。昔の日本もこんな感じだったのでしょうか?

タイやベトナム、マレーシア、ミャンマー、フィリピンの郊外や農村は、もっとカオスです。スキありまくりで、無秩序。なぜ、カンボジアだけ、こんなにキチンとしているのだろう?

近代都市を離れても、どことなく、端正なカンボジア

デコボコの田舎道の向こうに、「キリング・フィールド」と呼ばれる、ポルポト政権下の大量虐殺センターがありました。ここは観光地になっています。が、とにかく、重い。余りの凄まじさに、言葉を失う。

私、文章では表現できません。詳しくは、こちらをお読みください。【大量虐殺地、キリングフィールドへ】- カンボジア

余りのショックに、ほぼ無言のまま、プノンペンの街に戻ると、マーケットには端正なカンボジアの姿がありました。

服の並べ方も、東南アジアの他国に比べて、キチンとしてるような…
※アバクロ、ラルフローレン…ブランドものの服が、むちゃ安く売ってますよ!

今日のカンボジア人は、フランスから独立して以来の、度重なる内戦、ポルポト時代の「知識人・都会人皆殺し」大量虐殺、ベトナム軍の駐留、国連監視下の選挙…筆舌に尽くしがたい苦難を乗り越えてきたのですね。

いま、カンボジアの政情が、近隣諸国と比べて安定しているように見えるのも、プノンペンの商売人が自信にあふれているように見えるのも、幾多の困難を克服してきた、その経験から来るのかもしれません。

私は、カンボジアに詳しいわけではありません。私の見えていない、いろんなリスクがこの国には多分あるのでしょうし、ポルポト時代に家族親類の誰かを殺されている人たちばかりなので、彼らの心のなかに底知れぬ闇や虚無があるのかもしれません。

しかし、お店や集落、都会を、あれだけ整然と、キチンとできる、美的センスあふれる国民は、東南アジアで他にいないと思う。その不思議な能力と、夥しい血をもって勝ち取った政情の安定を、上手に経済成長に結び付けて欲しい。カンボジアを担う次の世代に、より多くの可能性を与えて欲しいと、願うばかりです。

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アジア一美しい街にて

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