おはようございます。Manachanです。
食通漫画として有名な「美味しんぼ」が、一昨年末からビッグコミック・スピリッツ(小学館)に連載している「福島の真実編」・・・物語の舞台が震災・原発事故の大きな影響を受けた福島ということで、賛否両論が百出しているようです。
私、主張の是非はともかく、何十万もの部数を持つ大型週刊誌やコミック誌に登場する「物書き」の、「地域に対する想像力、デリカシーの欠如」は、昔から気になっていました。
つまり、自分が議論を展開する際に、「特定の地域」について言及するわけですが・・・自分の書いたものが原因で、その地域のイメージや産業に大きな影響を与えることがある。それに対して、想像力やデリカシーが圧倒的に足りないケースが、昔から散見される。そのおことを問題にしたいと思います。
今から8年前、2006年4月に、週刊「文芸春秋」に掲載された『ルポ下層社会』という文章がありました。テーマは「格差社会」。同じ東京のなかで、高級外車が走り回る富裕地域がある一方で、足立区の一部地域における、経済的貧困の実態が暗澹たるトーンで描かれていました。
作者はノンフィクション作家、佐野眞一氏。彼の文章には「足立区」や、「竹ノ塚」といった具体的地名が、名指しで出ていました。
この文章が出版された後、足立区役所が反論し、区民からも批判が寄せられました。たとえば・・・
「足立区の一部で起こっていることを、あたかも、区全体がそうであるかのように書いている」
「貧困問題は、足立だけではなくどの区にもあるのに、足立の事例だけを恣意的に取り上げている」
「格差社会の弊害として、普遍化して書くべきなのに、足立という一部地域の問題として書いているため
「足立=下層社会という烙印を押すことによって、格差社会を是正するどころか、固定しかねない」
あの文章・・「足立」を「福島」に、「貧困」を「放射能」に置き換えると、いま(震災後)、多くの「物書き」が無意識のうちに行っていることと、全く重なりますね。
当時の私、どちらかといえば、「一方的に書かれた足立区」側に同情する気持ちが強く、次のブログ日記を書きました。
下層社会と都市イメージ(2006/9/11)
あの時は、それなりに、一悶着あったんですよ。
足立区は、「一面的な報道だ」「理不尽で不当だ」などと反論し、文芸春秋と佐野氏に「足立区の見解」と題した抗議文を送付。同区は、「現状改善のため、学校のエアコン設置を進めるなど様々な努力をしていることまで否定された」と憤る。
こうした声に、佐野氏は、「あの記事を読んで、足立区の全てがそうだと思う人などいない。行政が努力をすることは当たり前」と一蹴した。
足立区の一部区議が、文芸春秋に対して記事の削除要求を出し、文芸春秋側は拒否・・・そんなこともありましたね。
行政、メディア、表現者・・・いろんな立場の、複雑な利害が絡むので、難しい問題だとは思います。私は、
佐野氏のような物書きは、尊敬しません!
なぜなら・・・彼みたいな物書きこそ、風評加害マシーンじゃないですか!
・ジャーナリスト、という、各地域の運営にコミットしない立場で、
・部数数十万の「大メディア」の威力を借りて、表現をする。
・その威力(情報伝播力)や、地域に与える影響に対して、全く無自覚。
・むしろ、自分が正義を行っているみたいなスタンスだから、軌道修正もきかない。
ああいうの・・・もう少し、何とかならんもんかなあ。私の地元だって、すげー、迷惑かけられたんだから。
とはいえ、今は週刊誌メディアの力が急速に弱まっているから、あと10年くらいの辛抱なのかもしれません。それから後は、私たちブロガーの天下かな?
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