英検か?漢検か?…バイリンガルキッズの言語事情

こんばんは、Manachanです。

昨今、日本の富裕層・中流層の間では、「海外への資産フライト」のほか、「海外での英語留学熱」も、盛り上がりつつあるように思います。

特に、日本から近い英語圏の国で、物価水準も手頃なフィリピンやマレーシアへの英語留学者は、毎年、倍々ゲームで増えていると聞きます。

その背景には、経済のグローバル化により、ビジネスの場で英語の重要性が高まっていることと、日本のシステムで教育しても、十分な英語力が身につかないことへの不満があるのだに思います。

日本の子供の圧倒的大多数は、両親とも日本人で、家庭でも学校でも日本語環境オンリー…という状況なので、日本を飛び出して、英語環境に身を置くことは、もちろん意味あることだと思いますが、

我が家は国際結婚で、私は日本語、妻は英語を母国語としており、しかも夫婦間の会話は中国語…という多言語環境の家庭なので、子供たち(娘ソフィア8歳、息子ポニー4歳)を日英バイリンガルにする方法論も、純日本人家庭とは、自ずから違ってきます。

我が家の言語環境から、必然的に導き出される、日英バイリンガル戦略とは?


・英語のスピーキング:子供たちが家庭で日常的に英語をしゃべる環境があるので、わざわざ海外に出る必要は全くない。

・英語の読み書き:家庭で教えるのは難しいので、週1回、東京・代々木にある英語補学校に通わせている。

・日本語のスピーキング:日本に住んでいるので、全く問題ない。

、日本語の読み書き:日本の公教育システム(近所の区立小学校)で十分。但し、両親とも日本人の家庭で育った子供たちと比べると、ややハンディがあるので、宿題、ドリルの定期的なフォローが必要。

こう書くと、なんとなく「理想的なバイリンガルファミリー」みたいに格好良く見えてしまうけれど…実際の現場は、全然、かっこよくない。むちゃくちゃ泥臭いです。

だいたい、子供が、宿題やりたがらないですし…区立小学校の日本語の宿題と、補修校の英語の宿題がダブルであるから、やらせる側は大変、ストレス、疲労困憊。親はつらいよ。

あと、大人だと、うちの子供を見て、「日本語も英語もしゃべれて、いいですねえ~」と、羨ましがったりしますが、子供の世界は、全然そうじゃないです。妻が英語でしゃべるのをみて、娘の同級生が「ソフィアちゃんのママは、どうして、日本語しゃべらないの?」と聞いてきたり…

娘も、「なんで私が、クラスで一人だけ、周りの子供と違うの?」、「どうして、日本語も英語もやらなきゃならないの?他の子は日本語だけでいいのに…」と、恨み節(?)を言うこともあり…

いまの世の中、英語ができるメリットは確かに大きいけれど、それを実感するには、8歳くらいの子供にはまだ早すぎるのです。

娘が通う、代々木の英語補修校には、我々と似たような境遇にある子供たちが集まってきます。

ここでは、「日本語ネイティブと、英語ネイティブの間に生まれた子供」が多数を占めます。多くは我が家と同じく、平日は「日本の公立小学校」に通い、土曜日だけ「英語補修校」に来ます。話し言葉は、どの子も、立派な日英バイリンガルですが、読み書きに関しても、日英二言語とも完璧にしたいと、思っている親がほとんど。

日本で、いわゆる「インターナショナルスクール」に通わせるという発想は、彼らにはありません。インターは、英語での教育が主で、日本語の読み書きはどうしても二の次になる、それでは困る(=日本語の読み書きも、漢字含めて、日本人と同じ、ネイティブレベルにしたい)、という考えです。

ここでは、「見た目が、ほぼ白人でも、日本語で遊ぶし、漢字も普通に読む」子供も少なくありません。

そんな子供たちの日本語力、英語力は各人各様。どうしても、母親と過ごす時間が長いので、母親の母語に引っ張られる傾向があります。あと、母親が英米人の場合、漢字が難しいので、子供の日本語の宿題フォローは困難。学年が進むごとに「不可能」な領域になっていきます。

それぞれの制約条件のなかで、子供をバイリンガルにしようと、健気に頑張る大人たちが注目する資格が、意外にも、

英検(日本英語検定協会)

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なんです。TOEICでもTOEFLでもIELTSでもなく、ジャパニーズの子供がやる英検に、なぜ皆注目するのかというと、


英検は、問題文が日本語だから、いくら英語知ってても、日本語読めないと、合格できない!

そこに、英語だけでなく、日本語を重視するスタンスが、見て取れますね。私も、基本的には同じ考えです。

そんな集団のなかで、うちの娘ソフィアが、ちょっとした話題になっています。

漢検(10級)に合格した!

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ソフィアは、英検はまだ未体験で、漢検から先に受験しました、偶然、ソフィアの通っていた区立小学校が、漢検の会場になったこともあり、「良い機会だから、受けさせてみよう」と思ったのがきっかけです。

これ、日本人の子供ならフツーですが、英語補修校の親たちにとって、「漢検」はまだまだ未体験ゾーン。そこに切り込んだことで、「ソフィアちゃん、すごい!」と、ちょっとした評判になっています。

これから、バイリンガル志向の親たちには、英検だけでなく、漢検もブームになっていくのかもしれません。

ま、日本の社会人並みの漢字能力をつけないと、日英バイリンガルの意味ないですからねえ…道はまだまだ遠く、険しい。

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コメント

  1. mikaincc より:

    1. 全く同感です!
    こんにちは。シドニーで子育てしている美香と申します。以前シドニー物件の件でメールのやりとりをさせてもらったことがあります。

    日英が逆とは言え、書かれていること全て痛いほどわかります。うちも全くその通りです。

    学年が進めば進むほどバイリンガル教育は楽ではなくなってきますよね。うちも上が今4年生。家で私が日本語を教えていますが、息子の恨み節ときたら、、。逆にそこまで徹底しようとすると周りの大人からも”そんなに詰め込んでかわいそうに、、。”という目で見られるし。

    そして、漢検、英検もかなり気になっていました。こちらでも漢検は受験できるそうですが、英検は無理なようです。バイリンガルの子供たちの中にも漢検に挑戦する子がいますよ。

    大変ですが、お互い頑張りましょうね。
    http://ameblo.jp/mikaincc/

  2. manachan より:

    2. Re:全く同感です!
    >mikainccさん

    メッセージどうも。日英逆とはいえ、全く同じ状況ですね。

    >学年が進めば進むほどバイリンガル教育は楽ではなくなってきますよね。うちも上が今4年生。家で私が日本語を教えていますが、息子の恨み節ときたら、

    そう、バイリンガルは、大人にはチヤホヤ、子供には恨み節・・・の世界ですよね。親は大変。

    >漢検、英検もかなり気になっていました。こちらでも漢検は受験できるそうですが、英検は無理なようです。

    英語圏で、日本の英検って、確かになさそう・・・・
    http://ameblo.jp/manachan2150/

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