ドイツ不動産

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ドイツと千葉戸建の共通点

こんにちは、Manachanです。

明日(11月4日)の夜から、東京と名古屋で、ドイツ不動産セミナーをやりますが、

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■2016/11/4(金) ドイツ不動産~収益性と投資のポイント徹底解説@東京(半蔵門)
http://goo.gl/OrYpPz

■2016/11/9(水) ドイツ不動産~収益性と投資のポイント徹底解説@名古屋
http://goo.gl/Ckf5hb

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セミナーで紹介する物件リストが、ドイツから送られてきました。一棟物件が6棟(全て30万ユーロ以下)、区分物件26戸。先方がやる気を出してくれて、数字的には、なかなか素晴らしいものが集まりました(我々が10月に視察行って見せていただいた物件より、ずっとイイ物件揃いじゃんかよ…)

 

【一棟物件の平均】(1€=約114円)
戸数:6.17戸
面積:400㎡
販売価格:230,833€
年間賃料:22,190€
利回り:9.49%

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【区分物件の平均】
室数:2.04室
面積:52.94㎡
販売価格:33,657€
年間賃料:3,033€
利回り:8.98%

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短期間にこれだけの物件数を集めただけあって、地域的には広域にわたっています。デュッセルドルフ~エッセンを中心に、半径40㎞圏内の各都市をカバー。関東の一都三県からブツを集めた感があります。お疲れ様です。

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ところで面白いことに、ドイツという国は、一般的な不動産賃貸利回りは決して高くありません。平均3~4%位。ユーロ圏のなかでも、下から数えた方が早い位で。

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しかも、日本と違って、ドイツでは都市による利回りの違いがあまり大きくありません(東京のような突出した巨大都市がない、という事情もあるのでしょう)。

たとえば、お互いに隣接した都市で、「都会」的な趣のあるデュッセルドルフが3.18%、「郊外・工業都市」的な位置づけのデュイスブルクが3.95%と、あまり大差はありません。

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ドイツは先進国らしく、不動産関連データは豊富で、情報公開も発達しています(但し、英語のデータは少なく、ドイツ語を読まなきゃならない)。下記はデュイスブルク各地の売買・賃貸の㎡単価ですが、単純計算しても、やはり利回り4%位にしかなりません。周辺のもっと小さな都市(ゲルゼンキルヘン、ハーゲン等)の数字調べても、似たり寄ったり。

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普通に不動産買って貸したら「せいぜい利回り4%」の世界で、なぜ「8~10%」の収益物件が出るのか?いろいろ調べてみると、次のことが分かりました。

・ドイツには、マーケットに出回る物件と、銀行流れの物件(ショートセール)との間に、二重価格構造がある。
・前者と比べて、後者は半分以下の単価で出てくることが多い。
・どちらも修繕して賃貸に出せば相場で貸せる。
・したがって、銀行流れの物件を収益物件に仕立てられれば、8~10%の高い利回りが出る。

 

そこで、「銀行流れの物件の仕入れ能力」の差がモノを言う世界。我々と提携しているドイツBMG Invest社は地元密着で社歴も長く、常時200戸以上の銀行流れ物件を扱っているので、銀行から売りが出たら大量仕入れで安く仕入れられるようです。銀行からしても、価格が多少安くても時間かけずに一気に買ってくれる会社に売った方が良いですよね。

BMG社は、そういうルートで仕立てた8~10%出る収益物件を、ロシア人や中国人など、外国人投資家にたくさん売ってるのです。

 

日本でいえば、一番近いケースは、千葉県の茂原や九十九里あたりの激安戸建を、300万円くらいで東京の投資家が買って利回り10数%で回す世界に似てるのかな、と思います。

今年3月に私の会社で、茂原市の築古戸建を300万円台で台湾投資家に売ったことがあります。土地は狭くて家もくたびれてますが現況賃貸中で、家賃は4万円ほど入るので、利回り14%とか出ます。

こういう物件、茂原現地では全く知られてないんですよね。地元の不動産屋回りましたが、一番安いものが800万円の戸建土地とかで…地元の人間は、安くて広い土地を買い、車が何台も停められる新築戸建を建てて住むようです。そういうもの建てると2000万円、貸せば月7~8万円、利回り4%位ですね。

彼らからすると、土地の狭い築古戸建には住まいとして魅力を覚えないし、また、こういう物件買って利回りで回すという発想もないのでしょう。だから、片端から東京の投資家が買っていくわけです…

 

ドイツでも、千葉県茂原に近い状況が起こっている可能性が強いようです。そうであれば、二重価格構造がいつまでも温存される理由が納得できます。

では、ドイツで収益一棟や戸建を買うことは、千葉県の地方都市で戸建や一棟アパートを買うこととほぼ同じなのか?…似ているようで、実は違うと思います。

ドイツは空室率が非常に低いのです。デュッセルドルフで1.6%、ノルトラインヴェストファーレン州平均で3.1%。貸せばすぐに賃貸がつく世界のようです。そこが、慢性的な住宅余りの日本と違うところで…

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なかなか面白いですね。ドイツの収益不動産の話、聞きに来てみませんか?

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青いバナナとドイツ一人勝ちの構図

こんにちはManachanです。今回は先週不動産視察した「ドイツ」ねたで書きますね。

今回、キーワードとなるのが、「ブルーバナナ」(Blue Banana)。ヨーロッパで産業と人口が特に集積した場所を指します。具体的にはイギリス中南部から、オランダ・ベルギーを経て、ドイツの西部~南部、スイスを経て、イタリア北部に至る、バナナの形をした一帯です。

 

ヨーロッパ西部~中部の9か国に跨がり、人口1億人を超えるブルーバナナのなかで、「ドイツ」のプレゼンスが特に目立ちます。ドイツこそ、ブルーバナナの真ん中にあって、かつ一番大きな面積を占める国。名実ともにヨーロッパの産業中心地といえます。

なお、ドイツとともにEUを支える国「フランス」は、東部の一部を除いて、ブルーバナナとはほぼ無縁の位置にあります。余談ですが、ブルーバナナという言葉は、1989年にフランス人がつくったんですね(banane bleue)。

 

ブルーバナナに沿って、ドイツ国内に、4つの主要産業都市圏があります。北から順に、

・デュッセルドルフ~ケルン
・フランクフルト
・シュツットガルト
・ミュンヘン

上記の全てが、強い産業基盤を持ち、栄えています。日本でいえば、「太平洋ベルト地帯」に沿って、東京、愛知(名古屋)、大阪、福岡の4大都市圏があるのと、構造的には似ています。

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私は先週、ドイツのデュッセルドルフを中心とした「ルール地方」で、不動産視察をしていました。この一帯は、巨大都市こそないものの、人口数十万人の産業都市が多数集中する、欧州一人口密度の高いエリアの一つ。まさに「ブルーバナナの核心部」。

・大都市:人口60~100万人(ケルン、デュッセルドルフ)
・上位の中堅都市:人口40~60万人(エッセン、ドルトムント、デュイスブルク、ボーフム
・中堅都市:人口20~40万人(クレーフェルト、ヴッパ―タール、ゲルゼンキルヘン、オーバーハウゼン、ヘルネ、メンヒェングラートバッハ等、多数)

 

この辺を車で走っていると、感覚的には「愛知県」あたりと似ています。東京・大阪のように高密度に都市化されていないかわりに、10~20㎞毎くらいに比較的大きな都市があって、その間には農村地帯が広がる…という感じ。あえて言うなら、「ケルン&デュッセルドルフ」が「名古屋市」、「エッセン、ドルトムント等」が「豊田、岡崎、豊橋、刈谷、一宮などの中堅都市」に近いイメージですね。ルール地方が製造業中心という点も愛知チック。

ドイツのなかで、産業の栄えた地域はルール地方だけではありません。むしろ、それより南のミュンヘン、シュツットガルト、フランクフルト等の方が裕福で失業率も低い地域といえますが、それらと並んでルール地方も「ブルーバナナ」を構成し、相対的に雇用機会に恵まれていることは間違いありません。

 

ドイツ国内「ブルーバナナ」には、旧東独エリアから、多数の人々が移住してきます。下の地図をみると、旧東独エリアはベルリン、ドレスデン、ライプチヒなど一部を除いて、ほぼ全てのエリアで人口減少が進んでおり、統一以来の20数年で2割近くも人口を減らしています。その背景には、旧東独の失業率が10数%と高い状況があります。「職」を求めて人々は西と南へ移動するのです。

日本国内の、北海道、四国、九州といった地域から、職を求めて東京、名古屋、関西、福岡等に人々が移動すると同じ構図ですね。

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EU発足に伴う、共通通貨ユーロの採用、そしてユーロ域内における人々の自由な往来が、「ブルーバナナ」集中にさらに拍車をかける面もあります。

下の地図で、青い色の国が「ユーロ」採用国ですが、欧州内だけで19か国の通貨として採用されています。その「ユーロ圏」の中心にあるのがドイツです。

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下図の青い色の国々は、「シェンゲン協定」で入国審査なしで自由に往来できる範囲を指します。行き来が自由ならば当然、雇用機会が多くて給料水準の高い地域に人々が移動するのは自明の理。欧州のなかで、産業が遅れて雇用の乏しい東欧や南欧の人々は、職を求めて「ブルーバナナ」、特にドイツを目指します。

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こう見ていくと、EUの枠組みのなかでドイツが経済的に一人勝ちになるのは、当たり前だと思います。日本のなかで人々が東京をはじめとする都市圏に集まるのと同じことで、EUという大きな規模で、ドイツに人やビジネスが集まる構図になります。人々の往来を自由にしている以上、それが自然な流れといえましょう。

EU各国の人々がドイツ人になりたいとか、ドイツ文化が好きで来てるというよりは、ドイツに仕事があるから来るわけです。ドイツ(ブルーバナナ)側からみると、旧東独や、あるいは東欧・南欧の周辺国から、より安い賃金で労働力を雇えるわけで…こりゃ、ドイツだけ景気良くなるの当たり前ですな。

今年6月、英国人はEU脱退を選択しました。EUという「ドイツだけが得する枠組」を見限ったともいえるでしょう。北米、オセアニア、インド…世界各地に、英語経済圏を形成してきた、その自信が背景にあるのでしょうね。

 

ま、そんな感じで、EUのなかで独り勝ちしがちな昨今の独逸(ドイツ)、不動産投資の面でいえば、結構面白いと思います。デュッセルドルフ・ルール地方しか見てませんが、とにかく、ヨーロッパ中からやって来た人々の賃貸需要が強く、住宅供給が全く追いついていません。良い管理会社と巡り合えればの話ですが、マーケット的にいうと空室リスクほぼゼロですね。

そのドイツをテーマとする不動産セミナーを、11月4日(金)、東京で企画しました。利回りの良い(ネット7%以上)物件だけ紹介いたします。興味ある方は是非、お越しくださいね。

11/4 ドイツ不動産~収益性と投資のポイント徹底解説@東京

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日本人向きのドイツ不動産投資

こんばんはManachanです。欧州視察旅行2日目、いまドイツからトルコに移動中。

日本に住んでると実感しにくいですが、欧州に来るとドイツ〜トルコ間の人の移動量は半端ないですね。ドイツ国内には何百万人のトルコ人移民、労働者やその家族が暮らし、国もとの家族親戚、友人との交流で行き来する人がとても多いのです。

 

私が訪問したデュッセルドルフは、ドイツの中では大都市とは言えませんが、社会科の教科書に出てきた「ルール工業地帯」を控えた土地柄、トルコをルーツとする住民が昔から多い。デュッセルドルフの空港から、トルコの大都市のみならず、中堅都市に向けても、直航便が多数発着しています。

あと、気候の厳しいドイツに暮らす人が、地中海の陽光を求めて移動するバカンス需要も旺盛です。トルコの地中海岸は、スペインやギリシャ、イタリアと並んで、ドイツ人に人気の旅行先。ハワイに行きたがる日本人を彷彿させますね。
本題に戻って、ドイツの不動産事情。昨日、デュッセルドルフ周辺のデュイスブルク(Duisburg)、ゲルゼンキルヘン(Gelsenkirchen)、ヴッパタール(Wuppertal)の各都市で、収益不動産を7〜8ほど、視察しました。

この辺の土地勘がない方も多いと思うので、説明しますね。

 

* 州都デュッセルドルフ、最大都市ケルンを中心に、エッセン、ドルトムントなど中堅工業都市が多数連なるノルトラインヴェストファーレン(NRW)州は、ドイツ最大の人口密集地域で、ドイツ全体の20%以上、人口1800万人が暮らす大都市圏。
* とはいえ、中堅都市の集合体なので、東京みたいな密集感はない。あえて日本にたとえれば、静岡市と浜松市、豊橋市、岡崎市、豊田市が、20km毎に隣り合ってる感じかな。

 

* それぞれの都市は、鉄道、高速道路(アウトバーン)によって効率的に結ばれている。大きめの都市には地下鉄があり、中堅都市にはそれぞれ市電やモノレールがある。
* 基本的にクルマ社会で、通勤通学客の都市間移動が多い。例えばエッセンに住んでデュッセルドルフに通勤する人は多いし、その逆パターンもある。

 

都市と都市の間には農村地帯や森林も広がる

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環境の優れた美しい都市ヴッパタール、名物は逆さ吊りモノレール

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デュッセルドルフ旧市街の洗練された都市景観

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各都市間は密な鉄道網で結ばれ、利便性が高い

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NRW州はドイツのなかでは、比較的繁華で産業基盤が強い地域といえますが、州内にはバラエティ豊かな都市が連なり、土地柄も様々。デュッセルドルフなどホワイトカラーの高給取りが多い、洗練された近代都市もありますし、山と緑に囲まれ落ち着いた住環境を誇るヴッパタールもあれば、またデュイスブルクやゲルゼンキルヘンのように、工業都市的性格が強く中近東、東欧系住民が多いエリアもあります。

不動産の売買や賃貸価格でいうと、デュッセルドルフはミュンヘンやフランクフルトと並び、国内で最も高い部類に入りますが、そこから30km弱離れたデュイスブルクに行くと面積あたりの家賃が半分、売買価格が3分の1以下の世界。つまり、賃貸利回りはデュッセルドルフを出て周辺都市に行った方が高くなります。

ドイツ都市部のグロス賃貸利回りは3~7%と、先進国の平均的レベルですが、デュイスブルク、ゲルゼンキルヘン等、NRW州内の工業都市だと7~12%が当たり前になります。

 

嬉しいことに、ドイツは日本と違って、「利回りの高さ」=「空室リスクの高さ」とはなりにくい。特にNRW州は各都市に産業や雇用機会がある上に、住宅需要に対して供給が不足しているので、空室リスクが低い。人口増加率は高くないですが、環境景観規制が厳しく、旧い建物を壊したり新築住宅を建てるのが難しいのです。

またドイツ人の国民性として住宅保有意欲が概して低い。一生賃貸で良いと考える者も多く、国全体の賃貸比率が約60%(持ち家率が40%)というのも、空室率の低さに拍車をかけています。私が信頼する現地管理会社は、「管理物件200戸ほどあるが、1ヶ月以上空く住宅はほぼない」と言ってました。

またドイツ政府も、賃貸志向の強い国民が安心して暮らせるように、強い入居者保護政策を実施しています。たとえば、
「ドイツの賃貸借契約には期限が定められていない。入居者は家賃滞納等の問題を起こさない限りずっと住み続けられる」

「家主は3年間で賃料を15%以上上げてはいけない、また家賃値上げには相当の理由が必要になる」

「自分が住む場合を除き、入居者を追い出してはならない」
賃貸志向の強さと、賃借人保護の制度ゆえ、ドイツの不動産価格は周辺諸国と比べて上がり幅が緩やかになる傾向があります。マーケット特性としては、キャピタルゲインは狙いにくいが賃料収入が安定しやすい。日本に近い状態ですね。

前述の現地管理会社は、NRW州内で「年間の値上がり率2%」+「ネット利回り7〜8%」の収益物件を販売しています。これで空室や家賃下落の問題がないのなら、投資物件としてかなり良いですね。

安いものは300万円台からあるので、試しにひとつ買ってみようかな。

 

なお、今回のドイツ訪問、きっかけをつくってくれたのが、先月末、北京での不動産展に出展していたドイツ不動産会社BMG Invest社の中国人社員(女性、ドイツ在住)。

彼女は私に、「物件は良いのに、中国人にはなかなか売れないのよ」とこぼしていました。なぜなら、

 

– 中国人は移民を希望する者が多いが、ドイツは欧州のなかでも移民ビザが取りにくいことで有名。

– 中国人はキャピタルゲイン志向が強く、5年間で2倍の値上がりを期待したりするが、ドイツの状況から考えて、それは到底望めない

 

逆にいうと、賃貸収入をコツコツ稼ぐタイプが多い日本人大家にとって、ドイツ不動産は向くのではないでしょうか。

また、日本人は海外移民したい人が少ないから、ドイツの移民ビザ規制が厳しくてもデメリットにはなりませんし。

 

住宅供給不足で空室問題がなくて、家賃や不動産価値の下落リスクもほぼない。それでネット7%以上で回って、家賃はユーロで入金。しかもグロスの取得金額が低いのであれば…これが日本人に売れない理由はないと思うのです。

ドイツの場合、購入時の諸費用は高めですけど(約10%)、長期投資するならそれを補って余りあるメリットがありますね。

 

最後に、今回視察した物件をいくつか紹介します。

一棟アパート約3300万円、4階建て、ネット7.8%、6室満室賃貸中、改修したばかり

区分マンション一室約350万円、4階建の2階部分わネット8.5%、賃貸ついたばかり

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