グローバルITビジネス

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事故死のリスク

こんばんは、Manachanです。

昨日は大阪でモンゴル不動産セミナー、なかなかの盛況でした。東京から出発して、行きはLCC(ジェットスター)、帰りは夜行高速バスと、激安交通機関で移動しました。帰りは新幹線使いたかったんですが時間が合わなくてねえ…

大阪からの帰路、やや窮屈なバスに揺られて、千里中央あたりの夜景をぼーっと眺めながら、ふと、こんな思いが去来しました。

俺が移動中に事故死する確率って、どの位あるんだろう

今の私、月に数回は、国内各地をセミナー行脚する、旅芸人みたいな暮らしを送っています。海外への不動産視察も、毎月のように実施してます。移動頻度は半端ないし、いろんな国でバス、電車、飛行機、フェリー、バイクタクシー…様々な交通機関を使いますので、多くの人より移動中の事故リスクにさらされているかと。

日本国内の、東京-大阪間にフォーカスして考えると、三つの移動手段があります。

・新幹線
・航空機(LCC)
・高速バス

それぞれの手段を選んだ場合、自分の使う乗り物で死者が出るような事故に遭遇するリスクって、どの位あるんだろう?

常識的に考えれば、一番リスク高いのは高速バスでしょうね。航空機や新幹線は1~2時間の移動だし、コントロールされた環境で運行するけど、高速バスは大小さまざまな車が行きかう環境を7時間とかドライブするわけだし…

夜行バスの運転とか、過酷な仕事ですよね。私、オーストラリアやアメリカに住んでいた時、夜間の長距離運転も結構やりましたけど、コーヒーでは足りず、セロリ&パセリ丸かじりして眠気を抑えていたほどだし…

そこで、事故の数字から、死亡事故確率をざっくり試算してみました。

1)新幹線

日本の新幹線は、1964年の運行開始以来、50年間、車両に由来する死亡事故ゼロという、世界でも稀にみる安全な交通システムとされます。唯一、ドアに指を挟まれた高校生が転落死する事故が1995年に起きていますが、これが新幹線史上唯一の旅客死亡事故です。

東京-新大阪間の、新幹線運行本数は1日片道なんと160本!これが365日欠かさず動き、95%が運行すると仮定。これまで50年間無事故ですが、60年に1回、死亡事故が起こると仮定すると、

160ⅹ365x0.95x60=3,328,800回 ⇒ 332万分の1の確率

2)航空機

旅客航空機事故は、今年に入って東南アジア方面(マレーシア、インドネシア、台湾)で5~6回起こってニュースになりました。日本においては、東京-大阪間の路線で1984年に御巣鷹山墜落事故が起こって520名の死者が出ていますが、一般の旅客を乗せた航空機事故の死亡例は、1996年の福岡空港ガルーダ航空オーバーラン事故が最後のようです。

東京-大阪(伊丹、関空)間の、旅客機運行本数は1日片道40本前後。これが365日欠かさず動き、95%が運行すると仮定。30年に一度、死亡事故が起こると仮定すると、

40ⅹ365x0.95x30=416,100回 ⇒ 41万6千分の1の確率

なお、アメリカの国家運輸安全委員会 (NTSB) の行った調査によると、航空機に乗って死亡事故に遭遇する確率は0.0009%であるという。アメリカ国内の航空会社だけを対象とした調査ではさらに低く0.000034%(29万分の1)となる。私がざっくり計算した東京-大阪間の事故確率と似た数字で、あながち的外れでもなさそうですね。

3)高速バス

高速ツアーバスの死亡事故は、ここ最近だけでも、結構な頻度でニュースになっています。関越道、北陸道、東北道などで、運転手や乗客が死亡する事故が起こっています。

国土交通省のやや古いデータになりますが、バスの事故件数、乗り合いでは176件、貸し切りでは30件…2日に1回は重傷者が出るような事故、2ヶ月に1回は死亡者の出る事故が発生しているようです。

「2か月に1回の死亡事故」が、全国の高速道で同じ確率で起こっている仮定すると、東京-大阪間の距離は高速道路全長の約14分の1ですから、単純計算で「約28か月(2年4ヶ月)に1回起こる」となる。東京-大阪間の、高速バス運行本数は、昼行、夜行含めて1日片道40本前後ですから、1年365日、運行率95%として

40ⅹ365x0.95x28/12=32,363回 ⇒ 3万2千分の1の確率

以上まとめると、交通手段別の死亡事故発生確率

・新幹線 332万分の1
・航空機 41万6千分の1
・高速バス 3万2千分の1

「高速バスの事故確率は新幹線の100倍」という解釈もできるし、「一番リスクが高い高速バスでも3万分の1しかない」と思う人もいる。

ちなみに私は後者で、「計算上3万分の1程度のリスクなら誤差の範囲」だと考えます。リスクというものは、単一のものだけ取り出しても意味がなく、私たちが生活のなかで直面する様々なリスクと比較考量すべきもの。

で、私の場合、「新興国・途上国で、出所の分からない食べ物を口にして食中毒になるリスク」、「新興国・途上国で、不十分な道路インフラなのにスピード超過のバスやタクシーに乗って事故に遭うリスク」を冒しているわけで、「東京大阪間を高速バスで移動して事故にあうリスク」などは、気になりません。

それに、私がクルマ運転して事故る確率の方がたぶん高いよね…

【今回も無事、東京に帰ってきました】

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天才学級のつくり方

こんにちは、Manachanです。いま、成田空港への車中でPC広げてブログを書いています。

今年のManachanブログは、「既存の思考の枠組みを破る」ことを提唱しております。「非現実的かもしれないけど、こんなのあったら面白いと思う話」が、たくさん出てくるかと思います。昨日は、「もし日本とフィリピンが対等合併したら?」というテーマで書きました。

今回は珍しく、教育ネタでいきます。私の考える、「こんなクラスあったら楽しいな」という話…

以前ブログで書いた通り、私は小中学校時代、「全く授業を聞かなくても、なぜかテストの成績だけは良い」変わった子でした。生活習慣はだらしない、授業中はポケーと阿呆面して、まともな受け答えさえできないのに、算数や社会のテストは100点を連発!「規格外の子」なので、先生もさぞかし手を焼いたことでしょう。

当時、日本の公立学校は、そういう児童に対する配慮は一切なく、一斉に「皆と同じことをやらせる」教育に終始していました。

いま思うと、少なくとも私にとっては、壮大な時間の無駄だったのかもしれません。「毎週、全校朝礼で1時間以上立ちん坊になって、校長のクソみたいな講話を聞く」、「卒業式の送辞、答辞で、先生の書いたシナリオを一語一句間違えずに話す」、「答えの分かり切った算数ドリルを、できない子に合わせて時間かけてやる」等々…そんな生活で一体何が身についたのだろう?「皆一斉にヨーイドン、日本の学校とはこういうものなのだ」と、我が身をもって体験したことが唯一の学びだったのかもね。

少なくとも、自分の興味の赴くまま、好きな本を読んだり、自由研究したり、英語を話すためにフィリピンあたりに行った方が、よほど身になったかもしれません。

その意味で、注目したいのは「特別支援学級」(特学)の存在。2006年まで「特殊学級」と呼ばれていたものです…一般のクラス(通常学級)が30~40人制であるのに対し、特学は生徒8人に教師が2人つき、一人ひとりの進度に合わせたきめ細かい学習指導ができることが特徴です。

昨年、近所の特学を見学したことがあります。私、このクラスは知的障害等の理由で、普通学級についていけない子のためにあるのかと思っていましたが、実際にみてみると、そうでもありませんでした。

確かに、知的な発達が遅れた子もいましたが、なかには通常学級に十分ついていけるレベルの子もいました。まだ2年生なのに4年生の算数ドリルをやってる子も特学にいました。学習環境も実に恵まれていて、最近、建設されたエレベーター付きの新校舎で、40人用の教室を生徒8人でゆったり使っていました。かなり「目からウロコ」でしたね…

私、「通常学級よりずっと進んだ特学」があっても良いと思うんです。イメージとしては、こんな感じかな。

・知的能力が平均以上で、自ら学習する能力を持ち、通常学級の授業が退屈だと思う子たちを集めて、興味の赴くまま、好き勝手に学習させる。

・教師は、児童の自主学習をサポートする役割に徹する。

・教室には、コンピューターやタブレットを導入し、ありとあらゆる分野のeラーニングを用意する。それを使って興味ある分野を児童が自分で調べたり、共同プロジェクトできるようにする。

・児童がある分野を極めて非常に詳しくなったら、その道の一流の人材や研究機関を紹介する。

・地域に住む外国人にボランティアで来てもらい、英語、中国語をはじめとする外国語の会話をいつでも学べる環境をつくる。

あと、やはり子供なので、自主学習だけでなく、社会性を育むことは必要です。でも通常学級の「皆と一斉に同じことをする」方法論は通じないので、

・療育センターの支援を得ながら、一人ひとりの特性に合った話し方、聞き方、集団での振る舞い方を身につける授業を定期的に設ける。

ここまでできれば、「特別支援学級」じゃなくて、「天才支援学級」に改称した方がいいかもしれないな。また世間の評価も大いに変わるでしょう。「私の子供にアスペルガー診断が出たのよ、ラッキー!天才支援学級に入れればいいなあ♪」みたいな会話がママ友の間で出てくるかも。

私が何を言いたいのか…知能レベルが一般の子より高く、かつ通常学級の枠にはまらない子供たちを、組織的に育成する仕組みがあって良いのではないか?ということ。

知識・知能は、現代社会において大きな価値を持ちます。育て方によっては、大きな産業や雇用を作り出す原動力になるかもしれません。すでに労働集約型の工業を卒業した私たちの社会は、優れた頭脳と知識にもっと投資する価値があるのではないでしょうか?

とはいえ、国家予算が限られるなか、多額のお金を使って天才を育成するよりも、既存の特別支援学級の枠組を使って、教学プログラムを組み替えて、アスぺ等、知的能力に優れているかもしれない子供を、気持ちよい環境で伸び伸び学ばせる方法を開発する。その試みが成功するかどうかは分からないけど、少なくとも彼らが巣立つ時、私たちの社会の宝になっている可能性を高めるのではないでしょうか?

次回のブログは出張先、カナダかアメリカからの更新になります。お楽しみに。

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GDPマイナスは政権のせいなの?

こんにちは、Manachanです。今日は一日中、川崎で仕事してます。

サプライズ金融緩和、解散・総選挙に消費税率8%据え置き決定、7~9月のGDP統計でまさかのマイナス成長…ここ2~3週間の日本は目まぐるしい経済ニュースが続きますね。

今回は、「アベノミクス下でのGDPマイナス成長」を、一国民としてどうとらえるかについて書きますね。

安倍政権としては、4月の消費税引き上げに伴うGDPのマイナス成長を4~6月で終わらせ、7~9月のGDPはプラス成長に戻して、アベノミクスの成果をアピールしつつ、解散総選挙に臨みたかったところでしょう。ところが統計結果(速報値)はまさかのマイナス成長、しかも厳しい数字(年率換算マイナス1.6%)。政治的には痛手でしょうね。

私の皮膚感覚では、マイナス成長はちょっと意外。私は国内各都市にセミナー行脚してますけど、飲み屋はどこも満席近いし、セミナールームも盛況で予約しにくい、主要駅のタクシー待ちの列も増えているように感じるので、少しだけプラスになると思ってましたが…ま、盛り上がってるのは一部だけで、日本全体の消費マインドは盛り上がらず、各企業は在庫放出に走って投資を控え、円安による輸出や投資の伸びもわずかで消費・投資の落ち込みを補うには至らなかった…それがマイナスの数字につながったのでしょうね。

今後、政治言説として必ず出てくるのが、アベノミクス失政批判。12月の総選挙に向け、各野党からポジショントーク的な政権批判が出て、一部マスメディアは国民の顔色うかがいながら迎合するでしょう。でも、今の野党のトホホな状態では、政局に何らの影響も与えられないでしょう

民主、みんな、維新、生活、共産党…野党の立場から失政批判するのは理解しますけど、現政権に対する対立軸を全く打ち出せないばかりか、自民批判で各党まとまりそうな気配が全く見えない。

ところで私、成熟した先進国において、21世紀の政治価値軸は「成長か?脱成長か?」になる可能性が高いとみています。日米欧のうち、米国こそ移民流入で人口が増え、当面は経済成長の夢を見られるでしょうが、そういう状況にない大陸欧州と日本は、人口が減って老齢化するなかで「それでも頑張って成長を目指すのか?」、「別の方向を目指すのか?(脱成長)」、答えを出さなきゃならない。

脱成長を志向するにせよ、その思想的バックボーンが何になるのかが、現時点では見えていません

1)社会主義的、エコロジー的な方向になるのか?
2)地域コミュニティ強化して脱貨幣経済、自給自足的な方向を目指すのか?
3)イーオンタウンとマイカーを軸に、マイルドヤンキー的な段階的均衡縮小を目指すのか?

脱成長を政治思想として打ち出した有力政党は、まだ日本に存在しません。ま、私にとっては1)~3)のどれも居心地悪そうだから、今のとこ支持しないけどね。

私が各野党に言いたいこと、「あなた方の政治的理想を実現するには、やはり経済成長するしかないんでしょ?」民主党や維新の会はもちろん、共産党でさえ「雇用、賃上げ」主張してる位だから、結局は経済成長が前提なわけだし…

では、野党が政権をとったら自民党より上手に経済成長に導ける可能性があるのか?…私は信任する気になれない。

だからこそ、野党のアベノミクス失政批判も本質的な議論にならないのです。各党とも「経済成長」が前提なら、曲がりなりにもその方針を打ち出して総選挙に大勝し、金融緩和を含め思い切った政策を実行してきた安倍政権に対する批判のネタは、少なくとも経済に関しては局所的、技術的なものにならざるを得ない。

もし民主党が「たとえ経済成長がマイナスになっても、三党合意した通り、来年10月に増税を決行すべきだ」と主張してくれたなら、それなりに面白い選挙戦になったと思うし、ある意味尊敬するよ。でも民主党が、その筋でまとまる根性があるとは思えないし…案の定「消費税8%に据え置き」に関しては、各党とも差がなくなっちゃったねえ。

だったら、我々国民としては…もとい「成長政策」を推進して欲しい一国民としては、現時点では、自民党以外の選択肢はないんだよね。

12月に予想通り自民党が勝って、株価もなんとか持ちこたえてGDPも10~12月期はプラスになって、安定政権として思い切った成長政策を続々と断行…よくて成功率30%程度だと思うけど、そこに一縷の望みを託すしかない。何とか日本経済がソフトランディングして、安定した経済成長軌道に乗って欲しいと願うばかりです。

数年前の民主党政権みたいに、公約に掲げたことをほとんど実現できなかったのは違い、安倍自民党は少なくとも、経済に関しては公約を実行しようとしている。彼らを選挙で選んだ以上、(経済以外の領域で重大な公約違反がない限りは)社会契約の観点から、国民としては支持するのが筋だと思っています。

アベノミクスや日本経済に対する私の見方は、岡本氏と意見が近いです。

GDP速報値マイナス1.6%の衝撃 — 岡本 裕明
国内にはもう景気を上向かせるポテンシャルはないのか — 岡本 裕明

逆に、聞いててすごく違和感あるのが、「アベノミクスのせいでマイナス成長になった」みたいな議論…いろんな社説や評論読んでて目につくけど、政権批判は筋違いじゃないかな。何というか、「国に景気良くしてもらいたい」根性が透けてみえて嫌なんだよ。情けない…大の男なら、グチグチ言ってる間に会社のひとつも興して、とにかく自分の身の周り5mだけでも景気よくしてみせろよ!と言いたい。

アベさんやクロダさんに景気よくしてもらうんじゃないだろ?日本の景気良くできるのは、俺ら一般国民が主役のはずだろ?民間企業の商売が活性化しないと成長できないだろ?

池田信夫さんのブログ記事…イケてないねえ。

マイナス成長で玉砕する「バンザイノミクス」

「成熟経済の日本で金融緩和しても経済活性化しない。円安になっても、輸出や投資の牽引役は出てこない。むしろエネルギー価格上昇で実質賃金マイナスになり消費にブレーキ」、それは分かるよ。私だって、金融緩和だけで日本が経済成長するとは思ってないから。

でもさ、あなた日本経済をどうしたいの?民主党政権の時みたいに、円高デフレがいいの?(いま、それができる国際状況じゃないと思うけど…)、それとも今のユーロ圏みたいに緊縮財政やって、国の借金増やさずに縮小均衡目指すの?

池田氏はブログで、「日本は今後30~50年かけてゆっくり衰退する可能性が高い」と言ってるけど、その方向を目指すなら、せめてアルファブロガーとして、衰退する経済で多くの日本人がハッピーになれる方向性を示そうよ。一応、「美しく老いる日本」という方向性もアリだと思うよ。私はそんな国に住みたくはないけど、池田氏がそれを政治経済思想として理論化できるのなら、その主張自体は認めるから…

そろそろ結論を急ぎますね。

日本経済は、12月の総選挙後が正念場だと思います。厳しいけれど、まだ望みはある。

経済成長は、今の日本にとって、特に現状維持したい人にとっては、ある意味イバラの道です。腐っても、世界トップレベルを走る成熟経済ですから、他国の真似したって伸びるわけないし、人口減少社会だから内需も伸びません。民間企業が創造力と突破力で、新しいビジネス分野にチャレンジしないと成長は無理。

そして成長には、政治家の仕事が欠かせません。特に、世界的な一大成長市場となっている「農業」や「医療」の自由化、財政再建に欠かせない「社会保障」や「公務員」の改革。海外からビジネス・投資を呼び込む「特区」はじめ国際ビジネス環境の整備。国民の英語力アップ、起業促進、優良移民の受け入れ等々…花開くのに10年以上かかるでしょうが、そういう大仕事ができそうな政党に私は投票します。

規制緩和によって新たにできた市場・ビジネスチャンスに、国民がやる気を出して取り組めば、たとえ人口減少中でも、日本は十分成長できるはずと思っています。

マイナス成長は、現政権のせいというよりは、(過去の怠慢も含めて)他ならぬ私たち国民のせい。日本の大人として、次の世代のために、もっと頑張らなくては…

日本経済の新たな成長に向けて、私は一国民、一事業者として、微力ながら貢献したい。これからの日本・アジアに必要とされる、影響力のあるビジネス人材になりたいです。

続編…「非正規社員にマイホーム…究極の景気拡大策

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木造アパートを買う理由

おはようございます。Manachanです。いま、成田空港まで電車で移動中。緑ゆたかな、千葉の県土をみながら、ブログを書いています。今回は短めに…

私は、土地付きの木造アパートを2棟、建てています。戸数は、大したことありませんが、立地にはこだわりました。


一棟目(2011年完成)は、福岡市の西鉄高宮駅、徒歩2分の場所に建てました。この一帯は、福岡市内でも屈指の素敵な住宅地で、利便もいいです。

二棟目(2013年完成)は、千葉県松戸市、羽田と成田を結ぶスカイアクセス線と武蔵野線が交差する東松戸駅、徒歩1分の場所に建てました。こちらは、区画整理終わったばかりの新しい街です。

福岡は、路地状敷地ではありますが、土地46坪。
松戸の方は、きれいな整形地で、土地40坪…がついています。

いずれも、まだ築浅ということもあり、満室運営できています。駅から非常に近いので、築年数が経っても家賃水準が相場と合っていれば、良い稼働を続けると思っています。

この木造アパート、出口をどうするか?という問題があります。二つのシナリオを考えています。

1)築8年くらいで売りに出し、良い値段がつくまでじっくり待って、築10年までに高値で売り抜ける(カリスマ大家さん的手法)

2)築22年経って、ローンの残債がなくなった時点で、ゆっくり考える。アパートのまま土地値で売るか、あるいは、壊して更地にして自分で使う(昔の大家さん的手法)

私、これまで1)を考えていましたが、実際に物件持ってみると愛着がわいてきて、最近は2)の方に、気持ちが傾いています。

2)は、「アパート」という収益手段を使って、「22年かけて、土地を手に入れる」という手法ですね。私の実家もアパート経営やっていた時期がありますが、昔の大家さんは、このようにして、土地を手に入れてましたよね。

いま、日銀がジャブジャブ、お札を刷っていて、円の価値は安くなっています。日本国内でみれば、土地や建物に比べて、お金の価値が下がっているわけです。
こんな時代は、やはり、土地で資産を持っておくのが正解、という気もしています。

福岡と松戸、いずれも、「自分で住んでもいい」と思う位、駅近の素敵な土地です。たとえば自分の老後、年金がロクにもらえなくても、「福岡は、アパート取り壊して自分で住む。松戸の方は、アパートで家賃取り続けて生活費に充てる」こともできれば、その逆もできます。

要は、土地建物を使って、自分のために、年金をつくっておくのと同じですよね。自分が生きているうちは、土地を十分楽しんで、後は贈与税と相続税の問題だけ解決すればいいと思っています。

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思い出のカロライナ

こんばんは、Manachanです。今日はアメリカ不動産投資ネタでいきますね。

米国南部・サウスカロライナ州で、学生寮投資案件が出ました。ちょうど日本のワンルーム投資と似た感じで、賃貸に出して利回りを出す投資手法になります。

この案件は、約500万円から投資できて、2020年まで、8%の利回り保証(サブリース)がつきます。それ以降は一般賃貸になりますが、想定ベースで約10%回ると試算されています。いま都内でワンルーム投資するより割が良いかもしれません。

日本での不動産投資と組み合わせて、米ドルで家賃を得たい人には、手軽で良いかもですね。日本語の資料は、こちらからダウンロードできます。

http://xfs.jp/M83Xf8

ところで、私は、この投資物件からそう遠くない、ノースカロライナ州に住んでいたことがあります。2005年、中国のIT企業で働いている時に、長期出張で米国に派遣されたのです…このカロライナ地方は、気候が暖かく、とても住みやすい場所です。かつ人口も増えて産業移転も進んでおり、不動産投資に向いたエリアだと思いますので、紹介しますね。

まずは、以前書いた日記から…


2005年3月21日(月)、私はユナイテッド航空便で、シカゴから一路ノースカロライナ州ローリー(Raleigh)を目指しました。シカゴの上空から下界を眺めると、北国の厳しい自然がそこにありました。積雪、そして3月下旬でもなお冬枯れした落葉樹が、寒々とした景観をつくっていました。

私はいつしか眠りにつき、約1時間半後、目が覚めると、飛行機はすでにローリー国際空港に向けて、高度を下げていました。上空から見るノースカロライナの風景は、どこかしら懐かしい。緑の松林、こんもりした「おいしそう」な土の色・・・成田空港近くの里山に、どことなく似た風土のようでした。

ローリーの空港に下り立つと、シカゴの刺すような寒風とは違って、湿気をたっぷり含んだ、ちょっとだけ生暖かくて優しい空気に包まれました。日本の関東地方とそっくりな感覚です。あとで地図をみると、ここRaleighは北緯35~36度で東京とほぼ同じ、そして、年間気温の推移も降水量も東京のそれに非常に近いことが分かりました。

ローリーでは、植物も日本人にお馴染みのものが多い。どこへ行っても松林が続き、ハナミズキ(Dogwood)が咲いてていかにも日本の春っぽい。それだけでなく、野草まで日本とそっくりなのには驚きました。タンポポはもちろん、ヒメオドリコソウ、ムラサキケマンまである!いくら気候が似ているとはいえ、別の大陸で同じ種類の春野草が見られるとは・・・しかも、ほぼ同じ時期に。

樹木も、松をはじめ、ブナやカツラ、モクレンなど・・・アメリカは確かに異国ですが、植物層を見る限り、異国という感じがしません。どこをどう見ても、私の地元・千葉県にそっくりです。

そう、カロライナ地方は、日本の関東、中部、関西地方と、ほぼ同じ気候で、同じような季節感で暮らせるのです。夏は蒸し暑く、冬は寒く乾燥し、春と秋は長くて快適そのもの。年中、とても暮らしやすかったです。

米国には、厳しい気候の大都市が多い。寒いニューヨークやシカゴ、ボストンから、快適な気候を求めてカロライナに移住する人も結構多かったです。温暖といっても、フロリダほど暑くもなくハリケーン常襲地帯でもない。そして、ワシントンDCからわずか4~5時間のドライブで行ける近さと、産業も適度に発達して仕事が豊富にあるという、「手頃感」や「バランスの良さ」が、アメリカ人に支持されていました。

また、物価の安さも特筆すべきでしょう。米国で暖かさや仕事を求めるならば、カリフォルニアに行くのがベストでしょうが、悲しいかな、物価が高い、住宅価格も高い。その点、カロライナなら20万ドルも出せば十分な広さの家に住めますし、6ドル95セント(+約15%のチップ)も出せば、食べ放題のレストランで腹いっぱいにできました。

住宅事情も恵まれていましたね。一戸建てなら「ハーフ・エーカー」(約2000㎡)の土地付きが当たり前、リビングも寝室も、信じがたいほど広い。私は会社が手配してくれた1ベッドルームのモーテルに泊まっていましたが、70㎡はゆうにあったと思います。空間を持て余してしまう。

温暖で海も山もあるカロライナはアウトドア天国。ゴルフをはじめ、海水浴、サーフィン、ジェットスキー、海釣り、渓流釣り、ハイキング、キャンプ、グライダー…何でもできます。

【都会…シャーロット市のダウンタウン】

【山…スモーキー・マウンテンズ国立公園】

【海…マートルビーチ】

気候に恵まれたカロライナ地方では、ここ30~40年ほど、全米各地から産業の移転が進んでいます。大きな都市も、いくつか形成されています。

シャーロット市(ノースカロライナ州):全米屈指の金融都市。バンク・オブ・アメリカが本拠を置く。都市圏人口240万人。

ローリー市(ノースカロライナ州):IT、ライフサイエンスなどハイテクが発達した都市。大学教育も充実している。都市圏人口192万人。

グリーンビル市(サウスカロライナ州):タイヤメーカーのミシュランなどが本拠を置く。急速に企業進出中。都市圏人口136万人。

今回、学生寮投資案件が出た、サウスカロライナ州ガフニーは、ちょうどシャーロットとグリーンビルの中間にあって、どちらにも1時間以内のドライブで出られる…二大都市の雇用機会にアクセスできるという点で、不動産投資にはむちゃくちゃ良いところだと思います。

こちらも併せてお読みくださいね。

米国南部不動産投資―ノースカロライナ州(前編)
米国南部不動産投資―ノースカロライナ州(中編)
米国南部不動産投資―ノースカロライナ州(最終回)

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フランダース戦略とその応用~後編

こんにちは、Manachanです。

前回の日記(フランダース戦略とその応用~前編)を書いてから、業務が立て込んでしまいまして、更新が1週間ほどかかってしまいました。

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「前編のあらすじ」

19世紀のベルギー・フランダース地方を舞台として生まれた小説「フランダースの犬」は、地元ヨーロッパではほとんど知名度がなく、評価されなかった。

後世、この物語を日本人が発見し、世界名作劇場としてテレビアニメ化して、大成功をおさめた。今や日本発のアニメ「フランダースの犬」が英語やスペイン語に翻訳されて、欧米圏に逆輸出されている。

ヨーロッパで埋もれていた無名な文学作品を、異文化圏の日本に移植することで大きな価値を生み出した事例として興味深い。
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「フランダースの犬」から、私たちは何を学べるか?

人間だれしも、生まれ育ったところで、真価を発揮できるとは限らない。自分の持って生まれた才能・性質と、母国の社会環境との相性がベストであるとは限らない。

「母国の社会環境」を、「いま属している会社や組織」と読み替えても良いでしょう。もちろん、いまの職場や仕事から精一杯学ぶことも大事ですが、場合によっては、思い切って環境を変えた方が良い結果につながることもある。

私は日本で生まれ育ちました。10~20代の自分にとって一番悩ましかったのが、自分はとにかく「同質の競争」が大嫌いだということ。

当時の日本は、今よりもずっと経済は好調でしたが反面ガチガチな企業社会で、「皆でスタートラインについて、一斉にヨーイドンで、同じゴールを目指して競争」が強調される社会だったように思います。

中高生には受験競争があり、会社に入れば出世競争があり…幸か不幸か、私は負けず嫌いで競争能力も高かったので、勝ち残りはそれなりにできましたが、そんなことしている自分がアホらしくて…

そもそも、「なぜ、同じ年齢の日本人ばっかり集めて競争させるのか?」が腑に落ちなかった。似たようなスペックの連中ばっかり集めるから同調圧力もすごい。「空気を読め!」とか、「そんなの常識だろ!」とか。タクシーや会議での座り方ひとつとっても見えないルールがたくさんあって、私にとっては息苦しかった。

私は大学時代、バックパッカーとして世界中を歩きました。広い世界には、いろんな民族がいて、いろんな文化や価値観、ライフスタイルがあって、それぞれ悩みを抱えながらも結構楽しそうに暮らしている…そんな世界をたくさん見てきたので、日本に帰って、「素晴らしい多様性」の窓から自分自身をシャットダウンするかのような働き方がアホらしかった。

当時からみると、日本の社会もずいぶん変わりました。私が社会人になる頃から、世界最強を誇った日本株式会社はにわかに競争力を失い、企業社会からドロップアウトする者も増え、転職も当たり前になって、グローバル経済の波を受けて東京では外資系の職場も増え…国の経済力は落ちたかもしれませんが、私にとっては、ずいぶん、生きやすい日本になったと感じています。

日本社会が変貌を遂げつつある間、30代の私は主に海外で過ごしていました。オーストラリア5年、中国2年、米国・台湾・インドなどに1年。日本以外の場所に活路を見出すべく、奮闘を続けていました。

当時は、いろんな民族、人種、国籍の人が暮らす多文化社会が、自分の気質に合うと思っていました。実際に、心地よかったです。オーストラリアの職場では、上司がフィリピン人だったり、ペルー人だったりスリランカ人だったり、同僚の年齢も20代から50代後半までバラバラで、週5日働く人もいれば3日勤務の人もいて、とにかく、職場の誰ひとりとして似たバックグラウンドの人がいない、そんな職場でもちゃんと仕事を回している。ご近所さんだけで世界地図ができるような超・多文化社会なのに、ちゃんと社会を運営できている…

もちろん私も努力しました。語学力、意見表明力はじめ、世界で求められるスキルの習得にも熱心に取り組みました。そうした経験を積んだことが、日本に帰ってからプラスに評価されました。

海外渡航前は、日本で「人付き合い、世間づきあいがヘタ」と言われていましたが、海外で暮らして、「いろんな外国人と上手につきあえる」という、自分の長所に気づくこともできた。

日本に残ったとしても自分なりに努力したとは思いますが、30代で海外に行かなかったらいまの自分はなかったでしょう。「フランダースの犬」が日本人に発見されなければ、たぶん日の目をみなかったと同じように、私も日本で違和感を感じながら、企業社会のなかで埋もれていたと思います。

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これまでは「自分語り」になってしまいましたね。「フランダース戦略」を、もう少し、一般化してみましょう。

シナリオは二つあると思います。「不適合」と「過当競争」。

不適合パターン:「いま、自分の属する社会や組織に馴染めない場合、評価されない場合はどうするか?」

→1)自分の持ち味が生きる場所、自分のスキルや性質が高く評価される場所を他に探す (例.転職、移住など)

→2)自分の持ち味のなかで、一般的な理解とは、違う側面をみつけて、プロモーションする

2)が分かりにくいので、一例として、私の尊敬するブロガーのひとり「イバラキング青木先生の教え」を紹介します。

青木先生は、茨城県出身。関東ではマイナーで存在感が薄いといわれる茨城県の方言や地元ネタを面白くプロモーションして、茨城の認知度・地位向上に尽くしておられる方です。彼の講演を聞きに、茨城県の水戸までいったこともあります。彼曰く、

同じ人・モノにも、いろんな面がある。角度によって見え方も違う。一般的な理解とは違うポジティブな側面を強調してみると、面白いことができる。

たとえば関東では、茨城弁に対して「田舎臭い」とか「ダサい」イメージがある。でも逆にいえば「人間的」で、「温かみ」があるイメージもある。東京人
からみれば、「茨城訛り」自体が「ユーモア」になることもある。世間のネガティブなイメージを逆手にとって、ポジティブな側面をプロモーションしてしまおう、という考え方。

私も彼のアイデアを、いろんなところで実践しています。

過当競争パターン:「いま、自分の属する社会や組織で、自分の目指す方向が過当競争、狭き門だったり、あるいは自分よりずっと優秀な人がたくさんいて、競争に勝ち残る自信がない場合はどうするか?」

→1)物理的な場所を移して、過当競争ではない場所を探す。
 
→2)競争の土俵(フィールド)を再定義する。

2)が分かりにくいので、少し解説しますね。

私、2007年に日本に帰国した後、自分自身を、不動産投資ブロガーとして売り出そうとしていた時期があります。しかし、この分野には自分よりずっと優秀で、経験豊富な方がたくさんおられるので、とてもじゃないが、彼らを差し置いて、世に出ることはできそうにない。

では自分が得意とする「海外」ネタはどうか?しかし海外といえども、「グローバル資産運用」という分野で戦うと、先行者がたくさんいて、これも難しい。

そこで、当時は日本で誰も着目していなかった「海外不動産投資」という新たな土俵をつくり、そこで第一人者になろうと試みました。2011年に「アジア太平洋大家の会」を旗揚げしたのも、そういう考えからきています。

幸い、ここ数年は日本で海外不動産投資が盛り上がってきて、各方面から活躍の機会を与えていただくことができています。まだまだ発展途上ですが、「フランダースの犬」のように、自分たちの活動が世界中に輸出されるようになれたら素敵だなと思います。

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アジア新興国と不動産の良心

こんばんは、Manachanです。フィリピンを皮切りに、ベトナム、カンボジア、タイ、ミャンマーと回ってきた東南アジア出張も、いよいよ大詰め、今は最後の訪問国、マレーシアのジョホールバルにいます。

東南アジアは、どこへ行っても、経済成長中。人口が都市に集中し、所得が上がり、クルマの所有が増え、どの国の首都も交通渋滞が激化の一途。そして不動産の観点でいえば、都市の中心部や郊外に、プールやスポーツジム、セキュリティシステムを標準装備した近代的な集合住宅「コンドミニアム」に住まうニーズが増え、その一部は、日本人を含む外国人が、投資目的で買っています。

私の主宰する海外不動産投資コミュニティ「アジア太平洋大家の会」でも、ここ3年余り、東南アジアのコンドミニアム紹介セミナーを、日本の各都市で、数多く開催してきました。その圧倒的大多数は、「プレビルド」(Pre-build)という、完成数年前の時点で予約販売される住宅商品です。

しかし、やれマレーシアだタイだ、フィリピンだカンボジアだと、プレビルドのセミナーを数多く開催するなかで、問題点もいろいろ見えてきました。

「東南アジアのプレビルドを、果たして、”不動産”と呼んでよいものなのだろうか?」

問題の本質は、

・プレビルドなるものが「不動産のかたちをした金融商品」であること

プレビルドを買う、ということは、数年後、コンドミニアムが完成する方に賭けるオプション取引」のようなものです。

購入時点に得られるものは「土地建物」ではなく、「数年後、不動産を手にできるかもしれない権利」だけです。完成すれば、晴れて「不動産」になりますので、銀行融資、入居者募集、賃貸管理、リフォーム、売却…我々、不動産投資家の土俵に乗るわけですが、完成前は、そういった営みが、全くできません。

しかも、東南アジアの多くの国で、プレビルド物件の完成前転売が認められています。まだ不動産になってないものを「転売」する…それはまさに、本質的には「金融商品の売買」に他なりません。

プレビルドを扱う業者の多くが、不動産業ではなく金融業の出身であるのも、むべなるかな。当然ながら彼らは、「金融業者のセンス」で、プレビルドを売るわけです。

・第一棟目と比べて、第二棟目の売り出し価格が、10%も値上がりました。あなたも、10%儲かりましたね!

そんなことを言ったりします。確かに、金融業者のセンスからすれば、「簿価が10%増えた」ように見えるのかもしれません。

しかし、不動産投資家の視点でみれば、デベロッパーが勝手に値付けした売出価格に興味ありません。我々の関心事は、「いま、この物件を売って、実際に10%増しで買い手がつくのか?」だけです。

でもって、物件完成前にデベロッパーの売出価格通りに転売することは、経験上、ほとんど不可能です。なぜなら、

・デベロッパーは、新規顧客に、プレビルドの部屋を全部売らなきゃならない。売れば、販売ノルマも達成できるし、(たっぷり利益乗せて売ってるから)会社も儲かる。

・一方、すでに購入した顧客の物件を転売しても、デベロッパーはほとんど儲からないから、優先順位はうんと落ちる。

・また、買い手の心理として、誰かがすでに買った「お下がり」よりも、ぴかぴか新品の部屋をデベロッパーから直接買いたがる。

そんな状況で、当然、10%増しで売れるわけがないでしょう?完成前だと多くの場合、「買った値段より10%くらい値引きして手放す」しかないのです。

晴れて完成しても、その時点で、デベロッパーが後続の建物をガンガン建てて、プレビルドとして売りまくっていたら、自分の部屋、売りたくてもなかなか売れませんね。「需給のバランス」が崩れて、値がつかないのです。デベロッパーが在庫を売り切って、需給が落ち着いた時点ではじめて、「値上がりして売り抜ける」ことが、視野に入ってくるのです。

需給のバランス、購入・売却のタイミング、ライバル物件との差別化…そうした世界は、不動産の賃貸経営で揉まれていれば、身体で理解できるものですが、金融業上がりの業者は、その辺の事情に疎いことがほとんど。

・あなたの購入されたマカティ地区の平均空室率が4%を切ってるから、入居づけは簡単にできますよ。

そんな、マクロなアプローチしかできなかったりする。そこまで言うんなら、あんたが俺の物件に入居つけてよ!と頼んでも、金融上がりの業者の多くは、賃貸経営の経験もスキルもない。

ここ数年、マレーシア、タイ、フィリピンを中心に、各業者が何千戸単位のプレビルドを日本人に売りまくった。それなのに、完成後の入居づけや、転売戦略を真面目に考えていない業者がほとんど。

このままでは、私が危惧する、「2016年ジョホール不動産ショック」(マレーシアのジョホールバルを発火点として、夥しい数の日本人オーナーが完成した物件の入居づけも転売もできずに取り残され、社会問題になる)が起こりかねない。

私思うのです。東南アジア不動産も、そろそろ、金融屋ではなく、不動産屋の出番ではないかと。

プレビルドが次々と完成時期を迎えて、「金融商品」から「不動産」に変わるいま、不動産屋のセンスやスキル、そして「良心」が、切に必要になってくると思います。

不動産屋の良心とは、物件を個別にとらえ、それぞれに最適な入居戦略や売却戦略を考えていくことです。

最後に、

私たちは、曲がりなりにも”大家の会”を名乗っている以上、少なくとも賃貸経営の面でお勧めできる不動産だけを扱いたいと思っています。

そして、海外主要都市における不動産の売却・賃貸実績をデータ化し、情報を整備していきたいと思っています。

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福島不動産の黄金時代(2014夏・福島紀行その弐)

おはようございます。Manachanです。いま福島駅前のビジネスホテルにいます。

昨日は、いわき市を出発、広大な阿武隈高原を越えて、長駆、福島市までドライブしてきました。昨晩は、福島現地の友人と楽しい&美味しいオフ会でした♪

いわき~福島への移動中、福島第一原発から5㎞ほどの地点まで接近しました(それ以上は許可がないと入域できません)。いわき市は普通に栄えて人口も増えていますが、そこから北上して、第一原発に近づくほど無人地帯になっていきます。

・広野町までは、まだいい。商店やお店の5~6割くらいが戻っている感じ。駅前の銀行も営業中。

・そこから北上して、楢葉町に入ると、ほぼ無人の世界。避難指示が解除されたばかりで、住民の多くは戻っていません。商店も開いてるのはコンビニ、ガソリンスタンド数軒のみ。

・さらに北上して、富岡町に入っても、無人地帯が続く。ここは、震災の爪痕が生々しく残ります。町内の道路は陥没、亀裂だらけ、沿岸部の津波被害は目を覆うばかり、北部は放射線量が高く、北隣の大熊町との境界付近から帰還困難区域になって入域できない。

絵柄として、一番ショッキングだったのが、やはり、富岡の駅前でしたね。ここは、2011年3月11日から、時計の針が止まったままでした。

駅舎は流出、商店街は壊滅、クルマは逆さに倒れたまま放置…富岡駅など、原発至近のエリアは、最近まで出入りできなかったので(今でも、許可なしで行けるのは日中のみ、宿泊は原則禁止)、他県の津波被害を受けたエリアに比べて、復興は大きく遅れています。

「富岡は負けん!」という標語の後ろに、ホームだけ残った富岡駅、その後方には青い海がみえました。

富岡から北へ、次の駅「夜ノ森」は、内陸寄りなので津波被害こそありませんが、放射線量が高く駅自体が帰還困難区域に指定されていて、入れません。(駅西側の道路を日中ドライブするのはOK)。

夜ノ森駅北側の道路には、TVでしか見たことのない、帰還困難地域のバリケードが眼前に広がります。この一帯は新興住宅街で、一見何の被害もないのに人が住めないという光景はなんともシュール。

夜ノ森から西へ進路を変え、川内村、田村市、二本松市、川俣町などの山間部を通って、福島市に入る。道路上はどの地域でも、「除染作業中」の看板が見えました。

・川内村:人間の生活の匂いが感じられる。住民やお店の5~6割くらいが戻っている感じ。村の中心部は放射線量が低く、目立った震災被害もほぼなし。

・田村市(都路地区、船引地区):特に変わったところはなし。商店も開いており、バスも運行中。

・葛尾村:かなり人が減っている感じ。荒れた空き店舗が目立つ。

・二本松市(旧岩代町、東和町):平常通り。震災の影響はほぼ見られない。

・川俣町:平常通り。震災の影響はほぼ見られない。

・飯舘村:ほぼ無人地帯と化している。但し交通量多く、商店はいくつか営業中。

・伊達市(旧月館町、霊山町):やや人が減っている感じ。荒れた空き店舗がいくつか。

・福島市東部(渡利、大波):放射線量は近隣と比べて低くはないが、福島市街地近くでは新興住宅の建設が進み、人口が増えている感じ。

福島駅前に着くと、ホッとしました。やっぱり、街っていいなあ…

私、ここまで走ってみて、なぜ震災後の福島県において、三大都市(福島市、郡山市、いわき市)に人口が集まっているのか、理由がよく分かりました。

震災と原発事故で、無人(に近い)地帯と化した広大なエリアから、三大都市に人々が押し出されて、市民として定着したからですね。加えて、全国から集まった除染作業員も住宅・宿舎を借り、その多くは三大都市に集中する。

人口再集中の結果、三大都市では、次のような現象が起こっています。

・空室率の著しい低下
・家賃水準の上昇
・不動産価値の上昇
・新築の戸建住宅や賃貸用アパートの相次ぐ建設

すでに、三大都市に引っ張られるかたちで、福島県の住宅地公示地価も上昇しています。東北地方では宮城県に次いで二県目。

そして、平均1.2%上昇という控えめな数字からは想像もできないようなバブリーな話が、地元の友人から聞かれます。

・福島市で賃貸住宅の空きは、もはや、ない。週刊誌に空き物件情報出しても、瞬く間に予約が入る。

・福島大学(福島市金谷川)の近隣で賃貸住宅借りられないので、電車で40分離れた郡山市に部屋を借りて通う学生もいる。

・福島市から北に12㎞離れた桑折(こおり)町の賃貸アパートが、全室、除染作業の会社に借り上げてもらった。福島市内で借りられる部屋がないから、市外まで探さざるを得なかったのだという。

・いわき市の賃貸住宅の賃料も高騰が続き、家賃負担に耐えられなくなった人から地元(広野町など)に帰っている。お金のある人はいわきに家を買う。

もともと、福島、郡山、いわきに賃貸住宅を持っていた人は、満室、家賃上昇、不動産価値上昇でウハウハな人が多いでしょうね。震災後の仙台とほぼ同じ現象。ただ、今から買ってもすでに高騰しているから遅いみたいです。

震災に原発事故という特殊な要因が絡んで起こった、福島県の不思議な復興不動産景気。今後、いつまで続くのでしょう?

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国境ないとダメな人たち

おはようございます。Manachanです。

私の家族が、7月中旬、約1年ぶりにオーストラリア・ケアンズに帰省します。まずは母子だけで渡航、約2週間後に私もケアンズで合流、というかたちで…夏休み明け前に、全員、日本に帰ってきます。

海外に居ても、当然、日本の小学校の宿題はやらなくちゃなりません。私が小学校の頃はインターネットなんてなかったから、ひたすら、紙に書いて練習するしかなかったけど、今は良い時代になったものですね。

タブレットを使った学習教材♪

これ、むちゃくちゃ助かります。タブレットなら、WiFi環境さえあれば、世界中のどこでも、新しい教材をダウンロードできて、どこでも学習できる。私たち、国際結婚バイリンガルファミリーにとって、まさに救世主のよう。

気になるのが、タブレットの配送日。家族が出国する日までに受け取りたいので、それが可能かどうか、ヘルプデスクに問い合わせてみました。

私:「家族が7月○日に出国するので、その前日まで配送が可能かどうか、教えていただけますか?」

ヘルプデスク:「申し訳ありませんが、本製品の国外での使用は推奨しておりません!」

えっ、なぜ…タブレットでしょう?コンテンツはデジタルでしょう?インターネット接続できれば、世界中どこで使っても同じじゃん?

私:「国外で使って、何か不具合があるのですか?インターネットあれば、世界中どこでも使えると思うのですが…」

ヘルプデスク:「電圧の問題とかがありまして…」

私:(呆れて~):「電圧なんて、こちらで何とかしますよ。私プロなんですから…それより、配送日時について教えてください!」

私、分からない…タブレット&インターネットという、国境なき世界に通用する立派な製品をつくっているのにも関わらず、わざわざ国境をつくってしまいたがるのか?一体、何のメリットがあるの?

そういえば以前、銀行(私が取引している某メガバンク)でも、こんなことがありました。

その銀行とは、ネットバンキングを契約しています。私は仕事柄、海外に出る期間が長いので、世界中どこに居ても、残高や取引履歴をチェックできる、ネットバンキングは欠かせません。

オーストラリア滞在中に、突然、電子証明書の関係でネットバンキングにログインできなくなりました。メールのやり取りでは埒があかないので、国際電話(もとい、LINEのタダ電話)で、日本のヘルプデスクに問い合わせたことがあります。

私:「電子証明書の関係でログインできなくなってしまいました。私はいま海外に居るので、記帳はできません」

ヘルプデスク:「申し訳ありませんが、当行のインターネットバンキングは国外での使用を想定していないものでして…」

えっ、まじで?あなたたち、せっかくのネットバンキング、日本国内で使うためだけにつくったの?海外に出る日本のビジネスマンには、大変重宝するものだけども、彼らをユーザーとして想定してないの?

こういう人たちと、やりとりしても、なんというか…思考回路が全然違っていて話にならない。

「自宅で申し込める」だけじゃなくて、「世界中どこでも使える」を打ち出すセンスが欲しいなあ…

いや、末端のヘルプデスクよりも、むしろ経営陣とか、製品やサービスの設計した人に問いたい。

インターネットに、国境はないでしょう?
なぜ、そこに人為的に国境をつくろうとするの?

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外国人と贈与税の関係

こんばんは、Manachanです。

最近、近隣アジア諸国のお客様相手の仕事が多いのですが、私の見聞した限りでいえば、彼らの不動産購入の典型的パターンは、「親の仕送りで不動産投資」。

つまり、中国にいる親御さんが、来日した子供さんに送金し、そのおカネで都内のマンションなどを、子供名義で買うわけです。リッチじゃーん!なんだか、羨ましいですね。

しかし、ここで問題になるのが、

日本の贈与税

もし、おカネを渡すタイミングが、来日前であれば、贈与税はかかりません。あるいは、数年後に子供に日本不動産を買わせることを予見して、非課税枠(基礎控除)である「年110万円以下」を数年にわたって計画的に送金してきたなら、贈与税はかかりません。

しかし多くの場合、

・子供さんは来日して数年経ち、日本の住所がすでにある。
・親が大金をドカーンと、中国から送金する。当然、送金の記録は残る。
・その数週間後、子供さんが日本で物件をキャッシュ買い。

「そのおカネの出どころ、どこなの?」と言われるのは必然の理。日本に住む子供さんには大した収入源がありませんし、都内マンションをキャッシュ買いするだけの大人の貯金ができるとも思えません。そこで、

「このおカネ、親からの贈与じゃないの?」と言われたら最後、送金記録が残っている以上、抗弁できません。おとなしく、贈与税払う以外にありません。

この贈与税の税額、半端じゃないっす。国税庁のサイトによれば、

たとえば、親が1000万円、中国から送金する場合、

基礎控除後の課税価格 1000万-110万=890万
納税額 890万 x 40% -125万 =231万

なんと、231万円もの贈与税がかかってしまう計算になります。利回りなんてすぐぶっ飛んでしまいますね(計算間違ってたらご指摘ください)。

この話をすると、誰もが驚きます。

なにこの税金。ボッタクリじゃないですか?何とか、払わずに済む方法はありますか?

ま、私だって個人的には、ボッタクリと思いますよ。しかし、好き嫌いを問わず、税金なんだから払わなきゃならない。

どうしても払いたくないのなら、「親から住宅資金の贈与を受けた」特例を使うか…
http://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4508.htm

あるいは、親から1000万借金して、少しだけ利子つけて、借入金扱いにしてもらうか…
https://www.nta.go.jp/taxanswer/zoyo/4420.htm

私には、それしか考え付きません。もっと良い方法ありますかねえ?6月4日の、海外不動産税務セミナーに出て、勉強してみよう。

今後、インバウンド(海外⇒日本)投資が増えると、それに伴い、贈与税の問題も表面化してくるでしょうね。

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