グローバル不動産

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講演なし、業者なし「勉強会」。新しい海外不動産セミナーのかたち

こんにちはManachanです。今回は「海外不動産セミナー」ねたで書きますね。

 

2011年2月に「アジア太平洋大家の会」を立ち上げて、早いもので6年が経ちました。「大家・投資家の側に立つ、海外不動産に特化したコミュニティ」の看板のもと、頑張って運営してきましたが、いま振り返ると、実現できたことと、まだ実現できてないものと、両方あります。

さすがに最近ではオペレーションも安定してきたので、大家の会として本来やるべきことや、私のやりたい活動を、一つひとつ実現していきたいと思います。

 

特に、「業者を呼んで物件販売セミナー」以外の活動を強化したいですね。創立後3~4年間、我々は海外不動産を扱う業者さんに依存して情報とらなければなりませんでした。業者さんは当然、我々のコミュニティに向けて物件売りたいわけだし、また会員の間でも「海外の物件、とりあえずひとつ買ってみたい」ニーズが高かった。その背景の中で、我々の主催するセミナーの多くが「物件販売セミナー」になるのは自然の流れでした。

しかし今では、状況が変わりました。

 

・会員の間で、「すでに買った海外物件を上手に運営したい」とか、「マーケットを見極めて賢く買いたい」といったニーズが高まってきた。

・物件販売セミナーをやりたい業者の側で、アジア太平洋大家の会以外の、他のいくつかの企業や団体に集客を依頼できるようになってきた。

 

だから今は、我々の主催するセミナーが、必ずしも「物件販売セミナー」でなくても良いわけです。物件数のバラエティも増え、ニーズも多様化してきたわけですから、

物件ありき、売る目的のセミナー」だけでなく、「会員の資産形成ニーズを深堀りして、その目的にあった海外物件を紹介していく」セミナーをやっても良いのではないかと考えるわけです。

言葉を換えれば、「物件売らなくても良い」、「場合によっては、物件購入をおすすめしない」セミナーでもあります。私も日々、たくさんの方と面談しますが、そのうちの3割くらいは「不動産投資に向かない気質」とか、「資産形成の目的と手段が一致しない」状況ゆえ、今は海外不動産買わない方が良いとアドバイスしているのが実情です。

だって、本来買うべきじゃない人に物件おすすめして、後でトラブルになっても嫌だし、本人のためにもならないじゃないですか。

 

これまでと違う、新しいスタイルの海外不動産セミナーをやりたい気持ちから、今回トライアルで取り組んだのが、「講演なし、業者なし、タイ不動産勉強会」という企画でした。これ、どういうものかというと、

 

・少人数制(8名まで)

・講演なし

・スライドや配布資料もなし

・机の配置は対面ディスカッション形式

・講師でなく、ファシリテーター(仕切り役)が議事進行する

 

その形式で、通常の講義形式セミナーと同じ2時間を、どのように使ったのかというと、

 

・参加者各人の自己紹介、タイの国や不動産に関する思いを語る。ファシリテーターが黒板にポイントを書く(30分)

・参加者全員分のポイントについて、フリーディスカッション(80分)

・最後に、今回の勉強会で学べたことを、各人が語る(10分)

 

…本当にそれだけなんですが、所定の2時間過ぎても参加者がまだ議論したいようで、数名はずっと会場に残った…それほど盛り上がりました。特に、参加者からのこんな言葉が嬉しかった。

 

・これからタイ物件購入を検討するにあたって、物件個別の優位性を見極めて判断したいと思いました。

・これまで、将来タイに住みたいという視点で物件選びを考えていたけど、タイの不動産に詳しくなるまで、当面は賃貸で良いと考えるようになりました。

 

参加者各人が、勉強会を通じて自分の意思決定に直結する「何か」を持ち帰っていただけたようで、主催者として確かな手ごたえを感じました。タイに限らず、英国、マレーシア、オーストラリアなど、いろんな国の不動産について、このスタイルの「勉強会」を仕掛けていきたいと思いました。

 

この勉強会フォーマット、他の団体に真似されたらどうする?大丈夫です。スタイルだけ真似することは簡単ですが、クオリティを真似するのは相当大変ですので。今回、ファシリテーターを務めた市川隆久氏と私Manachanは、業界のプロあるいは投資家として不動産に長年携わった上に、毎月2回ペースで出国して世界10数か国の不動産を常にみているし、タイ不動産についても相当研究を重ねてきました(研究するためにタイ語まで覚えたし…)、

参加者からどんな議論が飛び出すのか予測できない状況のなか、「どんな議論が来ても受け止める」だけのスキル・知識がないと成り立たないフォーマットの勉強会だと思います。

 

最後に、今回のファシリテーター、市川氏と私は、「国際不動産.jp」サイトで情報発信しています。


kokusaifudosan.jp

 

最近はポッドキャストの音声配信に力を入れており、

市川氏のポッドキャスト(日本語)
http://kokusaifudosan.jp/category/podcast/

私のポッドキャスト(中国語)
http://kokusaifudosan.jp/category/podcast-c/

 

今後、同サイトは英語含めて多国語での情報発信をすすめ、「世界の人々に、世界の不動産に関する情報提供」していくサイトとして成長していきます。お楽しみに。

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講師にタダで集客させる会社って…

こんにちは、Manachanです。常夏のバンコクから真冬の東京に帰ったばかり、高温に慣れきった身体を気温差20〜30℃に順応させるべく苦闘中。しかも家族はインフルエンザ、でも仕事の関係で風邪もひけない。

休めない理由は、今週2本、セミナー講演の予定が入ってるから…仕事の多くは他人に任せられますが、講師だけはさすがに代わりがききませんので(以前、カンボジア不動産セミナーで頼んだ講師が、直前でインフルエンザで倒れ、大急ぎで講演資料切り貼りしてピンチヒッター登壇したことを思い出します…)。

 

講演といえば…主催会社から講師を頼まれるものと、アジア太平洋大家の会で独自企画するものと両方ありますが、ごく稀に、主催会社と私が大喧嘩して決裂することもあります。つい最近もこんな事件がありました。

その主催会社(A社)は金融投資商品を扱っており、隣接領域である不動産投資界にも顧客層を広げようとしています。そこで彼らが考えたのが、「不動産の世界で人気の講師を呼んでセミナーを開催し、そこに来る参加者を新規顧客にしていく」方式。当然、私にも声がかかり、昨年から何度か講演協力しました。

 

「セミナーで新規顧客開拓」モデル自体に問題はありませんが、これをやるには、二つの課題をクリアしなければなりません。

1)講師を見つけて、講演をお願いすること

2)集客できる人に、お客を呼んでもらうこと

 

「講演」と「集客」は、その性質からして全く別物ですので、主催会社が集客を担当し、講師には講演だけを依頼するのが通常の姿。主催会社に集客ノウハウがない場合は、新聞雑誌メディアに掲載するとか、ネット集客会社やアフィリエーター、ブロガーに広告を頼むなど、それなりの費用を払って集客することになります。

しかしA社は、「上記の集客費用を払わず、講師の知名度だけでセミナー集客してしまおう」と考えました。つまり、講師に「講演と集客」の両方をやってもらうわけです。例えば最近、

 

「セミナー集客数に応じた講師料」体系を打ち出したらしい・・

集客数0~4名 ⇒ 講演料 2万円

集客数5~9名 ⇒ 講演料 3万円

集客数10~29名 ⇒ 講演料 5万円

集客数30~39名 ⇒ 講演料 6万円

集客数40名以上 ⇒ 講演料 7万円

 

この手法は、私の知る限り、かなり異例です。一見合理的に見えて、個人的には、賢いやり方とは思いません。なぜなら、

・講演の内容はどうでも良くて、とにかく「人がたくさん呼べれば良い」という方向になりがち

・集客ノルマがある分、主催会社から講師に、やれブログで紹介しろFBのトップに載せろだの、矢のような催促になりがち。

・良質な講師ほど、それに嫌気がさして逃げてしまう。

・結果的に、このやり方に馴染むのは、「所謂セミナー屋」と「名前を売りたい無名講師」だけになってしまい、当然、セミナーのクオリティが落ちる。

 

「客呼べれば講師など誰でも良い」考えの主催会社と、講師の私が、ガチでぶつかったのは、つい2日前のこと。発端はこのメールでした。

 

A社「今回、弊社で在日中国人向けの不動産投資セミナーを開催したいんですが、鈴木さんのお知り合いで、不動産投資に積極的に取り組んでいらっしゃる中国人の講師の方をご存じでしたら、ご紹介いただけないでしょうか?」

私、これ読んで、私以外の人間がこの役をやるのは難しいと思いました。なぜなら、

1)日本に住んでいて、
2)中国人で
3)日本の不動産投資に積極的に取り組んでいて、
4)人前に出て、中国語で講師ができる人

という、4つの条件を満たす人は、私の交友関係でも滅多に居ないからです。逆に、2)の条件を外せば、私がその役を果たすことができます。そこで、こう返事しました

私「私が中国人向けに中国語でセミナー講演できますけど。台湾、香港、上海、北京、シドニー…何度もやってます」

そしたら、こんな返事が返ってきた。

A社「それは存じあげております。ただ中国人向けの集客ツールが弊社で持っていないものですから、中国人の講師の方のほうが中国人向けに告知いただけるかな、と思っておりまして・・もしいらっしゃったら教えていただければ幸いです。」

私、これ読んで、カチン!ときました。私が中国語で講師できるって言ってるのに、まだ、私以外の人間に頼もうとするからです。ぶっきらぼうな口調で、こう返しました。

私「私、中国人向けの集客もできますけど…」

そしたら、こんな返事が!

某社「では〇月△日のセミナーにも中国人を呼びいただけませんでしょうか?」

私、ここでブチ切れました。勢いで、こんなメールを書いた。

私「結局、御社が何がしたいのか、私がどうお手伝いすれば良いのかが、分かりません。私は中国人向けの講演ができる。中国人向けの集客ノウハウもある。この仕事を、もう何年もやっている。中国人のファンもたくさんいる…それが分かっているのなら、中国人向けのセミナーやるので、鈴木さんのお知恵を借りたい、っていうなら分かるし、喜んで協力しますが、でも最初から、私以外の中国人講師を紹介して欲しい、中国人向け集客ツールがないから私以外が良いと決め打ちで言われるのは正直、不快です。はっきり言って失礼です」

 

その後もやりとりしましたが、結局、決裂しました。「1.担当者の失礼な発言」、「2.講師を集客手段として利用する姿勢に賛同できない」、「3.私のビジネスや顧客満足につながらない」、3つの理由から、私は御社とはこれ以上仕事できないと宣言しました。

 

私の怒りが頂点に達したのは、このメール。

A社「ご無理を言うつもりはなかったのですが、我々が企画するセミナーでは鈴木様のご講演料よりも低い金額でご登壇いただいているかたがほとんどで、皆様、集客のご協力を熱心にしていただいていたものですから鈴木様にも同じようにお願いさせていただきまして、大変申し訳ございませんでした。」

私「そういう問題じゃないよ!専門家の講演を、集客のコスト&パフォーマンスで考えること自体が、そもそも間違い。だったら、ネット集客業者にでも頼めばいいじゃん。俺は集客マシンじゃないぞ‼︎あなたとはもう金輪際、やり取りしたくありません。別の担当者を立てて下さい。

 

講師として、「人寄せパンダ」の役を期待されるのは、本意ではありません。不動産投資のセミナー講演は、自分の投資体験や人生かけて編み出した手法を人様にさらけ出すことで、余人に真似ができません。良質な講師ほど、その内容に誇りを持っているものです。そこに、「集客数に応じた講演料」という考えはなじまない。要は「客呼べれば、講師は誰でもいい」、つまり、「自分が講演する理由が特にない」ということだから。

私、自分がやる理由のない仕事は、お引き受けしません。いくらお金積まれても、気持ちよくないし、時間の無駄ですから…

 

あと、セミナーのクオリティを上げたいのであれば、「講師には、講演だけを依頼する」、「集客は講師以外のチャンネルを使う」のが大原則だと思います。

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仕事をラクにするために

こんにちはManachanです。8日間の欧州出張からようやく帰国しました。実際の日数よりもずいぶん長く行ってた気がするなあ。

特にドイツへは、ここ3か月で3回も往復してます。今回は、ドイツに加えてポルトガル、スペインも回りました。私は「アジア太平洋大家の会」を名乗ってますが、欧州はもはや「アジア」でも「太平洋」でもない。そのうち、「アジア大西洋大家の会」に改名したりして。

欧州行きの仕事は(北米もそうだけど)、片道10時間を超える長距離移動の上に、時差もあるからきついんですよね。例えば、スペインのバルセロナあたりで搭乗手続をしていると、日本まで「乗継含めてあと17時間もかかるのか」と思うと気が重くなるし、「俺たち、身体張って仕事してるよな~」とつくづく思う。

欧州ビジネスは幸い、軌道に乗りつつあります。盟友・市川隆久氏と組んで仕掛けた「ドイツ収益不動産の日本向け直売サービス」は久々のヒット企画になり、今後も息の長いお付き合いになりそう。ポルトガルのリスボンでも良い投資案件を仕入れることができ、これからますます忙しくなりそうです。

これは喜ばしいことであり、同時に「悲鳴」の種でもあります。ドイツもポルトガルもスペインも、今のところは私の属人的能力(多言語能力や不動産知識)を使って推進してますが、我が身はたった一つだし、家庭もあるし、日本~欧州間の暴虐的な距離・時差を考えると、いつまでもこんなこと続けてられない。移動だけで身体がキツイ欧州の仕事は、近場の中国・東南アジアの仕事とは全く違う。

欧州ビジネスを伸ばしながら、私がラクになるには、どうしたら良いか?世界中を舞台とする仕事と、円満な家庭生活を両立するにはどうしたら良いか?…いろいろ考えるわけですが、結局は、この一言に尽きると思う。

欧州に、私の代わりになるスキルを確保する

 

具体的にいうと、

・欧州内に在住・在勤で、
・日本投資家相手のツアーアテンド、Q&A対応ができて、
・現地パートナー企業とのやりとりや、法務・税務などの調査ができる

業務の内容・レベルを考えると、まぎれもなくプロフェッショナル・レベルの仕事になります。

・ビジネスレベルの日本語、英語は必須(あと、大陸欧州の言語も一つできた方が良い)
・不動産や投資、関連税務・法務の知識も必須
・日本のビジネスマナーや、顧客サービスのマインドセットも必要

そういう優秀な人材に、いかにして出会えるのか?どうやって採用するのか?日本から遠隔でどうマネージするのか?…簡単ではないですが、人材の問題を解決しないとビジネスは伸びないし、やるなら早く取り組んだ方が良い。おそらく、短期的には、

「現地で日本語の通訳アルバイト + 私or市川さんが出張ベースで対応」というかたちになるでしょうし、

長期的には、

「日本で優秀な人材を正社員として採用し、欧州に常駐させる」
「現地採用の社員と組み合わせて、ビジネスオペレーションを確立する」

ということになるんでしょうね。あと何年かかるのかな?いずれにせよ、事業の発展に合わせて、経営者としてやるべきことはやります。

昨晩、妻と「仕事と家庭の両立」について本音で話しました。娘の不登校問題もくすぶるなか、父親として、日本を長く留守にするわけにもいかない。でも、欧州ビジネスは伸ばしたいし、お客様の期待も大きい。だから、

・私が居なくても回るような現地オペレーションの構築をはじめている
・でも時間とお金の制約があるなかで徐々にすすめているので、軌道に乗るまでには多分1年くらい時間がかかる

それを話して、おおむね納得してもらいました。仕事でも家庭生活でもうまくやりたいですもんね。

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中国人投資家が好きな理由

こんにちはManachanです。メリークリスマス!今回は「インバウンド不動産ビジネス」ねたで書きます。

日本の不動産や関連サービスを外国人に販売する、所謂「インバウンドビジネス」でメインの顧客といえば、今も昔も、中華圏の人々。この構図は将来も変わらないでしょう。特に大陸中国は、日本と地理的文化的に近いだけでなく、6億人という膨大な中間層人口を擁する巨大マーケット。今後、東南アジアやインドが有望だといっても、中国の代わりには多分ならないでしょう。

 

私は、中国人をはじめとする外国人向けに日本不動産を紹介・販売・サポートする会社「鈴木資産管理」を、2010年に立ち上げて、すでに6年が経ちました。現時点では、外国人相手よりも日本人同士の取引の方が件数・売上とも多いですが、この仕事を通じて、日々、中国の投資家とやりとりしているのは事実。それを6年間続けてきたので、すでに数百名の中国人投資家と商談したことになります。

我ながら、よく続くなあと思いますが、たぶん、「中国人投資家が好き」だからこの仕事続けられるんですよね。なぜそう思うのか?

 

1.投資家として洗練されているから

大陸、台湾、香港、シンガポール、欧米諸国…いろんな場所に在住する中国人投資家が弊社を訪ねてきますが、彼らに共通する投資スタイルは「シンプル」で「ロジカル」。

 

1)物件買う前に、質問をたくさんする。内容的にも的を得たものが多い。

2)一旦買ったら、うじうじ言わず、人のせいにせず、最後まで責任をとる。

 

彼らとのやりとりは、シビアな質問から始まります。収益構造、諸経費、税金、運営リスク、出口、マーケットの理解…かなり詳細なレベルまで聞いてきます。不動産大好きで投資リテラシー高い方々が多いから、こちらも嘘はつけないし、「売らんがためのトーク」もできにくい。私はそれをしないからこそ、彼らの信頼を得ているのだと思います。

それで納得して、一旦買ったら、後で文句言う人は(私の知る限り)まずいません。無論、日本の賃貸経営で良いことばかり起こるわけではないですが、それを含めて投資の結果はあくまで自己責任だと割り切っておられる方が多い。同じ不動産投資家として、彼らに共感する面が多いです。

経験上、物件買った後でビビったり、文句言うのは、むしろ日本人の方が多い。細かいことで難癖つけてきたり、問題起こったら仲介業者のせいにするのも、日本人客の方によくみられる行動パターン。無論それには、不動産業界の構造とか、日本社会における業者の責任範囲とか、いろんな要因があるのだと思いますが、本質的には投資家としての経験値、マインドセットの問題でしょう。

とはいえ最近は日本人投資家の経験値も上がってきている印象。彼らを不動産投資家として成長させるのも、私の仕事の一部だと思っています。

 

2.夢があり、天下国家を語り、日本を必要としているから

台湾・香港だと少し違いますが、大陸中国に住んでいる投資家は、例外なく、最近10~20年間の母国の目覚ましい経済成長を目の当たりにして、自信を深めています。

たぶん、1980年頃の日本と国情が似ているのでしょう。今の中国は、これまでの量的拡大・工業立国的な発展パターンが曲がり角に差し掛かっており、今後は産業の高度化、知識集約化といった課題をクリアしていかないと成長が止まってしまう懸念がある。それを突破するために、先行事例である「日本」から多くを貪欲に学びたい、という方が多い。まるでバブル前の日本の官僚やビジネスマンのように、理想を語り、天下国家を語る方々が、中国人投資家のなかに多くいらっしゃいます特に大事なキーワードは、

 

・医療と健康

・環境

・教育

 

この3つの領域でしょうね。これこそ、いま中国人が日本から学びたいことだし、また私も日本人として、中国や他のアジア諸国の方々に貢献していきたい領域でもあります。

 

中華圏投資家に対して、今の日本のウリは、成長性や収益性ではないでしょう。だから、単に東京の不動産を売るだけではつまらない。それよりも、日本の持つ豊富な文化コンテンツや、充実した社会資本を、不動産と組み合わせて提供していきたい。そこにビジネスとして大きな突破口があり、かつ日本経済浮揚の鍵もそこにあるのだと思います。

マスコミでは「爆買い」みたいな、表面的な事象ばかりクローズアップされますが、良質で洗練された中国人もたくさんいます。そして良質な方々ほど、日本をよく理解し、高く評価しているものです。私は彼らとともに考え、汗を流し、日本・アジアで面白いビジネスをたくさん仕掛けていきたいです。

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365歩のセルフブランディング

こんばんはManachanです。私は相変わらず出国が多く、明日から海外(タイ・バンコク)に旅立ちます。今回は、先週訪れた土地「熊本」を題材に、セルフ・ブランディング(=世の中に自分を売り込む)について、思うところを書きます。

 

 今年4月の熊本大震災から8か月が経ちました。まだ傷が癒えないなかでも、市内各地で復興の槌音が響いていました。今まさに再建途上にある熊本で、昔の歌がにわかに復活していました。

 

水前寺清子(愛称「チータ」、熊本市出身)『365歩のマーチ』

 

今から30年以上前、私が子供の頃、流行っていた歌です。ご当地歌手の名曲であり、かつ「郷土復興にむけて、一歩一歩進んでいこう」という熊本の気分にぴったり合う歌詞で、いま脚光を浴びています。

 

「365歩のマーチ熊本バージョン」(胸が熱くなりますね…)

 

ロアッソ熊本の試合、関東でも震災復興祈念「365歩のマーチ」が登場

 

「365歩のマーチ」は今も昔も、チータの専売特許。その歌い手として、彼女を超える人間はたぶん地上に存在しません。今の時期、街中でよく聞こえる「クリスマス・イブ」の歌い手は山下達郎じゃなくちゃならないのと同様、「365歩のマーチ」はチータという人格と一体化しています。

 

建築物にたとえると、「ガウディのサグラダファミリア大聖堂」はバルセロナにあってこそ意味がある。「ケルン大聖堂」はケルン中央駅前にあってこそ意味がある…それと同じように、「365歩のマーチ」はチータが歌うからこそ意味があり、他の誰よりも熊本を勇気づけるのです。

 

こう書くと僭越に聞こえるでしょうが、私は「海外不動産投資」の世界で、チータや山下達郎のような人物になりたいと常に思ってきました。「海外不動産といえば、やっぱりManachanだよね」と、皆様が真っ先に思い出す人物になりたい。その一念で、これまで6年間頑張ってきました。

 

言い換えると、「海外不動産投資」というジャンルと「Manachan」という個人名を結び付けるべく、セルフ・ブランディングに努めてきたわけです。たとえば、

 

・個人投資家としては、日本で他の誰よりも(たぶん)、多くの国で幅広く海外不動産を運営し、かつ世界中に人脈を構築している。
 
・個人投資家としては、日本で他の誰よりも(たぶん)、海外不動産に関する幅広い情報を得て、かつ体型的に深く理解している。
 
・個人投資家としては、日本で他の誰よりも(たぶん)、海外のいろんな言葉を習得し、世界各国での情報発信や一次情報取得に活かしている。

 

これらが実現できているかはともかく(というか、まだ道半ばですが…)、努力の方向性としては、常にそれを志向してきましたし、今後も変えずに行きます。良い意味で「変わらない」ことが、セルフブランディングの要諦だと思いますので。

 

そういえば、「365歩のマーチ」の歌詞には、セルフブランディングの大きなヒントが含まれていますね。

 

1番「♪~幸せは、歩いてこない、だから歩いていくんだね~♪」
2番「♪~幸せの、扉はせまい、だからしゃがんで入るのね~♪」
3番「♪~幸せの、となりにいても、分からない日もあるんだね~♪」

 

「幸せ」を「自らを売り込む(セルフブランディング)キーワード」と言いかえれば、筋が見えてきます。

 

1番は、「自分をよく知り、セルフブランディング・キーワードを探しあてよう」
2番は、「セルフブランディングは、ライバルの少ない領域を選ぼう(=狭き門より入れ)」
3番は、「はたからみて、ぴったりなセルフブランディング・キーワードがあっても、自分がそれに気づかないこともある(⇒周囲の意見も参考にしよう)」

 

私は、特に2番が好きですね。もし「日本国内の不動産投資」という領域で勝負してたなら、自分より優れた人がたくさんいて目立てない。だから「海外不動産投資」というマニアックな領域を選び、思い切りマニアックな活動を続けてきました。

 

あと、3番の途中の歌詞も好きです。「♪~千里の道も一歩から、はじまることを信じよう~♪」。すなわち、継続こそ力なり。首尾一貫した活動を愚直に続けていれば、いずれ、皆が分かってくれる。日々歩んでいる「一歩」が、長年積み重なれば「千里の道」になると思うのです。
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脱・業者セミナーことはじめ

おはようございます、Manachanです。

いきなり穏やかでない話で恐縮ですが、私、たま~に、ブログで大喧嘩することがあります。覚えてらっしゃる方もおられるでしょうが、最近では昨年末にこんな文章をぶつけました。

 

その正義感、迷惑につき… (2015/12/31)

 

米国中古不動産を販売する日系業者を、割高な価格で販売している云々の理由で名指しで批判、挙句の果てに私の個人名や団体名まで晒した某ブロガーの行動に対して、マジで怒り爆発したから書いたのですが…

でも、彼の言い分のなかには、真っ当なものも含まれていました。そのひとつが、

『脱・業者セミナー』です…私は、この方向性に関しては同意します。

 

業者セミナーとは何か?平たくいうと、「海外不動産の販売業者が、物件売らんがために行うセミナー」です。

物件売るためのセミナーだから、たいてい、参加費用は無料。会場費などのコストは販売経費であり、その点は国内新築ワンルーム販売セミナーと同様。

でもって、物件売るためのセミナーだから、当然、都合の良いことばかり言う。リスクの説明もそれなりにしますが、むちゃ都合の悪いことはオブラートに包んだりする…

 

そんな業者セミナーが悪いと言いたいのではありません。物件売るためのセミナーなのだと割り切って、賢く付き合えば良いのです。なかには良い物件もありますし、また業者の担当者と付き合うことで、海外の不動産事情に関して良質な情報が得られることもあります。

そういう有用性がある上、海外物件の販売業者からセミナー開催依頼を多数受けていることもあり、私の主宰するアジア太平洋大家の会主催のセミナーは、今日時点で半数以上が、所謂「業者セミナー」です。

 

ですが、海外不動産セミナーを企画する立場からいうと、業者セミナーの問題点は、

物件の収益性が、業者の物件見極め能力に依存してしまうこと

 

海外の物件を紹介して成約に至り、その後、買い手が確実に投資利益を手にできるよう、物件の収益性やマーケットの見極めができているのか?…それは、業者のスキル次第。

それがプロのレベルでちゃんとできていれば問題ないですが、海外なので難しいこともあります。たとえば東南アジア新興国では、売買・賃貸の取引データが日本のようなレベルで揃ってないですし、中古物件の流通マーケットも発展途上。そんな状況下で、業者は想定賃料とか想定利回りとか出して売らなきゃならないのです。

それでも、彼らが物件をちゃんと見極められれば、(情報あやふやでも)買い手が利益を手にしてハッピーになるのですが、そのスキルが未熟な場合、セミナーを通して海外物件買った人が不本意な損切りを強いられ、その不平不満が我々セミナー企画者に来たり、評判に傷がつくこともあります。それがリスクです。まとめると、

 

【海外不動産の業者セミナーにおける構造的な問題点】

1)不動産は個別にひとつひとつ違うから、その収益性も現地を歩いたり賃料相場をヒアリングするなど地道な作業をして、見極めなきゃならない。

2)でも実際問題、海の向こうにある物件をひとつひとつ見る手間暇がかけられない。

3)したがって、海外にいる販売業者さんの情報や、物件見極めのスキルに依存せざるを得ない。

4)しかし、彼らにそのスキルが十分あるかどうか、見極める術がない。仮にスキルが不足していたら結果的に我々のリスクになる。

 

この構造問題を何とか突破したい、と私は常に考えてきました。それが前述「脱・業者セミナー」の構想にも沿うことになります。

その意味で、11月4日(金)に行ったドイツ不動産セミナーと、11月10日(木)に行うトルコ地中海リゾートセミナーは、「脱・業者セミナー」に向けた、記念碑的な試みだったと自負しています。この二つの案件は、

 

・日本で誰も手掛けてない、ドイツ・トルコの物件を、自分独自のルートで開拓した。

・その後、自ら現地に乗り込んで、デベロッパーと商談して、これらの物件を日本向けに売れるようにした。

・帰国後、ドイツ・トルコの不動産マーケット情報を自ら調査し、セミナーに仕上げた。

 

所謂「業者的な動き」を自らがすることで、結果的に、他の誰かの情報・スキルに頼らなくても良い状態をつくりあげたのです。

物件個別の収益性やリスクの見極めは、私自身でやりました。現地も歩いて回り、ドイツ語の情報サイトと格闘しつつ、かなりの時間・労力をかけて調査しました。その結果、

 

・ドイツ(デュッセルドルフ近郊)の物件は、空室リスクが低い環境下で長期的な賃貸収益を得るのに向く。

・トルコ(地中海岸リゾート)の物件は、投資というよりはワールドクラスのリゾート物件を、ハワイ等と比較して非常に廉価で所有できる意味がある。

 

…いずれも、日本の投資家に紹介する意味があると判断し、セミナー化しました。

今後は、スペイン(バルセロナ)、ポルトガル(リスボン)等、独自ルートで企画した案件がどんどん出てきます。「脱・業者セミナー」の動きは、今後本格化していきますので、楽しみにしていてください。

 

なお、私が独自ルートを開拓できる鍵は、「中国」にあります。以前から富裕層の出国意欲、海外資産取得意欲が強い中国では、上海、北京、広州など大都市を中心に「海外不動産の見本市」が大々的に行われます。そこは、日本とは比較にならない程、世界各国の不動産デベロッパーや販売業者が集う場であり、日本では得られない海外不動産情報が集結しています。

中国行って、見本市でブースを回り、名刺を配りまくって、物件現地を見に行くアポを取れば、独自ルートができます。今回セミナー企画したドイツ・トルコの案件も、元はといえば9月22~25日の北京不動産展で開拓したルートです。

今月下旬には、上海の不動産展にも出向いて、そこで新たなルートを開拓したいと考えています。

 

最後になりますが、いま、海外不動産の「業者セミナー」を企画する会社・団体は、我々アジア太平洋大家の会の他にも、いくつかあります。

数年前は、その種のセミナーをやる団体は、日本ではほぼ我々しかいなかったから、ある意味先頭を切って、どんどん「業者セミナー」を企画しましたが、今や、時代は変わりました。

アジア太平洋大家の会は、投資家視点に立ち、独自ルートの「脱・業者セミナー」に意欲的に取り組むことで、他団体との差別化、そして社会的意義を果たしていきたいと思います。

 

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追伸)「トルコ」をテーマとするセミナーは、今週中に2つ行われます。お楽しみに。

11/10(木)19:00~地中海リゾートを満喫! トルコ南部のリゾート地アランヤのリゾート不動産事情を徹底解説@東京半蔵門

11/13(日)13:00~ サンワード投資主催 人気投資家・鈴木学氏の中・長期グローバル投資術@東京(お茶の水)

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他社の悪口言う業者って…

こんばんは、Manachanです。

海外不動産投資コミュニティ「アジア太平洋大家の会」を運営して、6年目に入りました。その間、中華系、東南アジア系、インド系、北米系、オセアニア系、欧州系、アフリカ系まで、それこそ無数の、海外不動産の仲介業者やデベロッパーとお付き合いしてきましたし、もちろん今でもそうです。

 

この業界は新規参入や撤退廃業、栄枯盛衰が激しく、5~6年前に付き合っていた業者さんが、今ではメンツ丸代わりの感さえありますが、

昔も今も、変わらぬ良いお付き合いさせていただいている業者さんも、地域を問わず、いらっしゃいます。その方々に共通する特徴は、

 

客の前では決して、同業他社の悪口を言わない

 

彼らは、同業他社について客から何か聞かれると、

 

〇〇社さんは、どういう物件を扱い、このようなサービスを展開しています。〇〇なタイプの方には良いと思います。一方、弊社では△△なお客様を主なターゲットとして、次のような物件とサービスの提供に注力しています。

 

そんなプロフェッショナルなトーク、誰も不愉快にさせない大人の話が、いつでもどこでもできる…それが、イケてる業者さんの条件ですね。

逆に、残念な業者さんも少なからず、いらっしゃいます。彼らは、客の前でも同業他社の悪口を平気でしたり、自分が取り扱わない国の不動産をDisったりする。

 

・〇〇社の売ってる物件なんかカスだ!

・〇〇国の物件なんか買うのはバカ!

〇〇社の社長は、以前、△△やってた犯罪者だよ。付き合わない方がいい。

 

なかには、ブログとかTwittter、Facebookみたいなネット空間で、他社名や個人名を名指しで非難、誹謗中傷する例もあります。そんなことすると、後で必ず、手痛いしっぺ返しが来るのが世の常なんですが…それでもいますよね。

 

これって事業者・セールスマンとして、どうなんだろう?ひとさまの悪口を言うことで、誰に、どんな影響を与えたいんだろう?誰かを貶めれば自分を選んでもらえると思っているのだろうか?

少なくとも、投資家マインドを持ってる客には、全く逆効果ですね。海外不動産を検討する投資家として知りたいのは「事実」と、「業者の専門知識や能力」、「サービスの条件や内容」等ですから、

他社の悪口みたいな、つまらんことを言った時点で、「ビジネス常識がない」、「専門的知識や能力がない」烙印を押されるのが関の山です。

 

私がこれまで体験した範囲でいうと、他社の悪口を言う主な動機は、以下の2つだと思います。

 

1)自分より上手くやってる者に対するやっかみ、嫉妬

2)不動産や投資に対する知識不足

 

1)は、私自身を含めて、誰の心にもあります。ある程度の共感もできますが、でも、客の前ではそれを出して欲しくないよねえ

2)は、「自社の物件こそベスト」だと、心の底から思い込んでいる者によくある現象です。でも、不動産や投資を深く知れば知るほど、そんなことは言えなくなるはずです。

 

突き詰めて考えれば、不動産や投資に対する深い知識と、客に対するサービス精神や敬意…それを豊富に持つ良質な業者ほど、「悪口」とは無縁になるはずです。

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海外不動産は、新興国vs先進国どっちがいい?

おはようございます。Manachanです。

海外不動産における私のビジネスパートナー、市川隆久氏による有料セミナー「海外不動産投資成功塾」が東京・半蔵門で行われていますが、次回勉強会のテーマ面白いですね。

 

第五回 10月07日(金)19:00~21:00「新興国VS先進国・徹底解説」

 

1回5000円しますが、非常に中身が濃くて実践的、洞察も深い。しかも市川氏は私と一緒に毎月、世界中回ってるので情報も新鮮。興味ある方にとっては、参加費以上の価値は確実にあると思います。

今回は、海外不動産投資における「新興国と先進国の違いやポイント」について、私の思うところを、ガッツリ本音トークいたします。

 

不動産は、言うまでもなく「個別論」の世界。同じ国、同じ都市、同じストリート上に、それぞれ全く違う築年、間取り、広さ、管理状態の物件が存在しますし、投資の効果も個々の物件スペックや運営方針次第。ですので基本的には「ミクロ」の視点で、個別に見極めできないと話になりません。

同時に、「マクロ」の視点も必要です。たとえばの話、上述の国・都市に、賃貸需要および売買需要がどれくらいあって、どの程度の価格、伸び率が期待できるのか?それを支える客観的条件(人口、産業、給与水準、空室率、法制度や商慣習…)は何なのか等々。

つまり、不動産投資は国を問わず、マクロとミクロ、両方みなければなりません。「先進国vs新興国どっち?」の議論は、言うまでもなく「マクロ論」が中心で、その観点から両者の特徴をいうと、

 

・先進国は、国民の平均所得が年間3万ドル以上の国がほとんどで、日本より給与水準や物価が高い国もたくさんある。一方で新興国は、平均所得水準が年間1千ドル~1万5千ドルと先進国より低く、かつ国・都市によってばらつきが大きい(例.同じASEAN新興国でも、マレーシアとカンボジアでは10倍程度の格差がある)。

・先進国では、平均的な賃金・物価水準が高いため、都心、郊外、地方を問わず、一般ピープルが日本と同程度かそれ以上の家賃を払えることが多い。一方新興国は、都市部の高価な物件になるほど、財力が低い一般ピープルを入居ターゲットにできず、外国人や一部の富裕層をターゲットにせざるを得ない面がある。

・今後の成長期待は、概して新興国の方が高い。先進国の多くは、移民流入が期待できる一部の新大陸国家を除けば、高齢化して人口の伸びも経済成長率も低い。一方で、新興国は人口も若く、現時点での所得水準が低いため「伸びしろ」も大きい。

 

ですので、「賃料と安定感の先進国」vs「成長期待の新興国」。それが一般的なマクロの理解になるわけです、が、ここで気を付けなければならないのが、「不動産であるがゆえにミクロ、個別論の世界」も併存していることです。この領域になるとどうしても、新興国不動産に対して厳しいことを言わざるを得なくなりますが、ハッキリ言います。

 

1)いま日本で売られている新興国物件が、現地の物価水準や賃貸・売買相場に対して割高になってないどうか、検証が必要。

いくら新興国の成長期待が大きいとはいっても、不動産には地域の相場というものがあります。それに比べて「高値掴み」をしてしまったら値上がり益を得るのは難しく、モトを取るまでに長い時間がかかります。

 

相場より割高な新興国物件が日本で紹介されやすい理由は、いくつかあります。

・平均的な所得水準や賃料水準がまだ低く、かつ賃貸、売買、管理もシステマティックになっておらず手間もかかるし、ローカル言語の能力も必要。だから、日本人業者が「一般ピープルをターゲットとする物件」を薄利多売しても商売として成り立たない。

・新興国は経済成長中で、デベロッパーも概して強気。「値段上げられるはず、上げても売れるはず」と信じ込んでいるから(というより彼らは、不動産価格が下がる局面を経験したことがないから)、分譲第一期、第二期…と進むほど、どんどん売出価格を上げてくる。その結果、市場価格と乖離してしまうリスクが高まる。

・売買・賃貸価格の客観的データも、新興国ではまだ整備途上なので、「実際、いくらで貸せるか?売れるか?」を、妥当性をもって判断する材料に乏しい。

(追伸…新興国主要都市では、CBREやSavills等、英語圏調査会社のデータはあるものの、多くの場合、調査対象が都心部の一部優良物件に限られ、そういう物件はすでに良い値段するので、日本で実際に売られている物件とはランクも収益性がそもそも違うことも少なくありません。)

 

もう一つの大事な論点は、

2)新興国の成長期待をおカネにしたい場合、実物不動産保有という手段が果たしてベストなのか、検証する必要もある。

成長期待の大きい新興国の投資でお金をつくるには、いろいろな方法があります。たとえば、

・ETFを買う

・国債や州債を買う

・代表的な大手企業の株式や社債を買

上記ような投資手法を「マクロベット」(Macro Bet)と呼びます。紆余曲折はあるものの、マクロでみて、その国が将来に向けて発展していく方に賭ける(Bet)上で、比較的確実性の高い投資方法といえるでしょう。

 

ここで、私の根源的な疑問は、新興国の成長期待に投資してお金を増やしたいなら、単純にマクロベットすればいいじゃん?そういう手段があるなかで、個別不動産を買う意味って一体何なんだろう?

たとえばの話、フィリピンでアヤラ(Ayala)という、日本を含むアジアで最古の歴史を持つスペイン系財閥があります。そのアヤラ財閥構成企業の一つ「アヤラランド」(Ayala Land)が、同国最大のデベロッパーで、かつダントツのブランド価値を持ちます。日本でいう「三菱地所」や「三井不動産」を彷彿させますが、フィリピンにおいての重要性はそれ以上でしょう。なにしろ首都マニラの都心そのもの(マカティやBGC)をデザインしてつくってしまう会社ですから…

そのアヤラランドが公開している、2015年のAnnual Reportをみると、全部53のプロジェクトを手掛け、1200億ペソ(邦貨換算2520億円)の売上があったようです。1戸あたりの平均が1000万円と仮定すれば、単純計算で25200戸を供給していることなります。

http://ir.ayalaland.com.ph/uploads/files/ALI%202015%20Annual%20Report.pdf

 

アヤラグループは住居系だけでなく、ホテル・リゾート、オフィス、商業モールなど幅広く手掛けています。そして、同社は毎年のように社債を数百億ペソ発行し、額面の利子率4~5%前後で売り出しています。

http://www.philstar.com/business/2016/07/08/1600535/ayala-corp-raises-p10-b-bond-issue

 

フィリピンや、アヤラランドの将来性について、私の考えはポジティブ。前途は明るいと思います。ここで投資家に問われてくるのは、目的と手段のバランス。

・年間何万戸供給しているリーディング企業の株式や債券を買うべきなのか?

・年間何万戸供給している中の1つを区分所有すべきなのか?

 

後者の場合、我々不動産投資家の「見極め」の領域になってきますが、新興国の区分所有は、前述したように客観的な賃貸・売買データが乏しい上、業界もシステマティックになってない分、運営の難易度が高い面がある。そして、一気に何百、何千戸供給されるから、ライバルも多い。

区分所有する場合、アヤラの平均パフォーマンスより上振れることも、下振れすることもあり、その振れ幅は大きいとみるべきでしょう。

 

その覚悟を持って、「長い目でフィリピンの成長に付き合う」ことのできる投資家とか、将来、自分で住む想定があるとか、エアビー等を使って工夫した運営をする投資家であれば、新興国の区分所有は心からおすすめできます

そうでなくて、単純に新興国の成長に乗ってお金を増やしたいというニーズであるなら、他の投資手段も併せて検討することをおすすめします。それをやった上で、個別不動産が良いということになれば、やればよい。

 

あと、日本の賃貸経営スタイルに似たノリで、賃料を得ていきたいという投資家なら、先進国の不動産を優先的に検討した方が良いと思います。先進国はとにかく賃貸・売買データが豊富、都市部では賃貸市場もしっかりしている。個別の戸建やマンションで「利回り5%」と公称される物件なら、上振れ、下振れしてもだいたい4~6%くらいにおさまるでしょう。要は投資指標が読みやすいし、ほぼ読み通りの数字が実現しやすい。

日本の新築ワンルーム投資だって、利回り低すぎて私はやりませんけど、それでも、「業者の示す想定賃料が大体そのまま実現する」という意味では先進国型だと思います。

 

でも新興国で同じことをやると、(バンコクBTSスクンビット沿線「オンヌットより都心寄りの駅近」みたいな鉄板な場所は別として)一般論として上振れも下振れも大きくなるので、確実に賃料収入を得ていきたい人には不向きかと思います。

むしろ、積極的に上振れチャンスを取りにいく方が面白いでしょうね。想定以上の上振れもありうるのが、新興国不動産の楽しさでもありますから。販売業者も、「国が成長しているから、この物件買ったら確実に値上がります」みたいなマクロなトークより、「この物件は、こういう理由で特殊ニーズを持つ人々に選ばれる、想定以上の利回りや転売益も期待できるかも」みたいなミクロなトークをした方が説得力あると思いますよ。

 

これを踏まえた上で、市川さんの「海外不動産投資塾」聞くと、十倍楽しめると思います。さあ行ってみよう!

第五回 10月07日(金)19:00~21:00「新興国VS先進国・徹底解説」

 

 

また、私が主宰する「アジア太平洋大家の会」でも、最近のビデオ対談で「先進国VS新興国の不動産投資」について語ってますので、興味あればこちらもご覧ください。

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海外不動産業界をまともにする!IPC東京始動(10/20)

こんばんは、Manachanです。

2011年2月に、海外不動産コミュニティ「アジア太平洋大家の会」を旗揚げしてから、5年半以上の歳月が経ちました。「海外の不動産に特化する投資家・大家の会」という極めてユニークな立ち位置で、これまで世界15か国・地域、200以上の不動産セミナーを日本各地で企画・開催してきました。

旗揚げのタイミング良く、社会的ニーズに乗れた面があったのでしょうね。今では2200名以上の会員と、東京、名古屋、大阪、福岡の4拠点を設けて定期的に活動するまでになりました。

 

でも5年半やってきて、不動産投資の世界ではそれなりに認知される存在になっても、海外不動産投資の世界は限りなく奥深い。日本の社会で、人々が海の向こうの不動産を買って資産形成する歴史もまだ浅く、それを支える業界も未成熟。世界で広く知られていても日本では紹介されていない優良投資案件も未だに多数ある。

海外不動産の情報普及と、投資手法の開発を提唱し続けてきた私たちの活動は、「まだまだこれから」だと思っています。

 

私思うに、海外不動産投資に関わる仕事は、本来、極めて高度な専門知識を必要とするプロフェッショナルであるべきです。だって不動産や投資が分かって、税務や法務、ファイナンスも分かって、かつ外国語能力も必要なんですから…優秀な人間が高給を目指して参入すべき仕事だと思いませんか?

また、優秀な業界人が切磋琢磨して、良いサービスや情報を日本の投資家に与えられるようになった方が、結果的に、皆様がより大きな投資利益を手にすることにつながると思います。

 

私は先週ずっと、中国・北京の不動産展に行ってました。そこで改めて、当地の海外不動産情報の豊富さ、人材の層の厚さを実感しました。もちろん、中国なりにいろんな問題はあります。でも、潤沢な中国人マネーを目指して、世界五大陸から不動産デベロッパーと販売会社が北京に参集する情景は圧巻でした。日本では、東京でさえ、ここまで豊富な情報が一同に集まる場は皆無でしょう。たとえばの話、

・スロヴェニアの不動産投資案件

・キプロスの不動産投資案件

・カリブ海のドミニカ、セントルシア、グレナダの不動産投資案件

…みたいな情報が、いま日本のどこでで入手できますか?

 

もっとメジャーな国、たとえばドイツ、イタリア、スペインあたりの西欧諸国にしたって、日本でやってる販売業者はまだ少ないですが、中国にはたくさんあるし、業者間の競争もあって選択肢が豊富。たとえば、

・スペイン・バルセロナの「ガウディ」1㎞圏内に特化した業者

・ドイツのノルトラインヴェストファーレン州の利回り10%以上の収益物件に特化した業者

・オーストリア・ウィーン圏に特化した業者

・ポルトガル・リスボン圏に特化した業者

…そんな業者が、日本にいくつありますか?

 

特に、あの「ガウディ」が見える物件だったら欲しい人、日本でも大勢いるはずだから、そういうニーズを開拓する業者が日本にもっと居てもいいと思うし、今なら参入のチャンスだと思いますが、まだ少ない…日本人にとって海外移住も、不動産投資も、中国人に比べたらまだまだ歴史が浅いんですよね。

情報の「質」の面でいっても、中国で得られる情報量がとにかく多い分、世界中の良質な投資案件情報が日本よりずっと豊富にあると感じました。

 

まだまだ未成熟で、逆にいえば伸びしろの大きい日本の海外不動産投資。私はこれから、どういう方向で、貢献していきたいのか?

 

1)投資家が、海外不動産を検討する上で欠かせない「情報」をきちんと整備したい。

2)海外不動産業界を支える、プロフェッショナルをもっと多く「育成」たい。

3)彼らがプロフェッショナルにふさわしい収入を得るために、世界中の良質な投資案件を「仕入れ」たい。

 
「情報」、「人材育成」、「物件仕入れ」の課題、これを組織的に解決していきたい。その一念で、私も発起人の一人として「IPC東京」という組織を立ち上げました。
 
IPC  = International Property Consultants
 

IPC東京は、次の3つの機能を果たす、B to Bのサポート組織です。創立者3名が、それぞれの機能で責任者になります。

「人材育成」営業指導部門:市川隆久氏

「仕入れ」対外交渉部門:小川和彦氏

「調査」部門:私

ipcfounders 

 

我々が、組織として機能することにより、日本の海外不動産投資に関わる人材が、

 

「世界中の優良投資案件を仕入れて」、

「しっかりしたリサーチ、レポートの裏付けをもって」

「顧客との適切なコミュニケーションを通じて、投資を成功に導く」

 

それによって、業界が健全に育ち、担い手もプロフェッショナルとして十分な報酬機会を得ることができる。私はせこのフォーマットを、近い将来、日本の業界標準にしたいと思っています。

 

まず手始めに、IPC東京の初セミナーを、東京・半蔵門で開催することになりました。第一期メンバー募集と、英国マンチェスターの優良投資案件の説明会を兼ねて行います。

法人の方、個人の方、参加大歓迎です。

 

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「IPC発足記念、英国投資案件説明会」

日時:2016年10月20日(木) 18~21時

場所:東京・半蔵門 (申込後にアナウンスします)

参加費:3000円/1名

申込方法:info@ipc.tokyo までメール願います。

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ipctokyo1020ipcukseminar1020

 

最後になりますが、日本の海外不動産業界を、「もっと賢く、正しく、豊かに」していくため、これからも尽力していきたいと思います。

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【北京便り】お金でパスポートを売る国もある

こんばんはManachanです。連日スモッグで薄曇りの北京からブログ日記お届けします。

ここ中国は、「世界屈指のアウトバウンド不動産ビジネス大国」。北京、上海など主要都市では、(中国人からみて)海外の不動産を紹介・販売するセミナーや見本市の類は、十数年前から盛んに行われています。

 

国境をまたぐ財、サービスの販売において、お金の流れが「国内から海外」になるものを「アウトバウンド」(Outbound)、「海外から国内」になるものを「インバウンド」(Inbound)と呼びますが、

国内富裕層の旺盛な出国移民熱、資産外出しニーズ、海外不動産取得意欲を背景に、中国は現時点でおそらく世界最大のアウトバウンドビジネス大国。世界中から業者がやってきて不動産や移民ビザを中国人に売りにきます。その膨大な情報量は日本の比ではありません。

 

下の写真は今年9月22日から始まった北京の秋季不動産展(房展会)の様子。来場者の注目は海外不動産ブースに集まっています。我々も日本からブース出して東京の不動産を中国人に紹介してますが、

折角の機会なので自分でいろいろブースを回り、日本マーケットでは紹介されてない、ヨーロッパや中近東、カリブ海諸国の不動産情報をたくさん仕入れてきました。

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ブースを回って世界中の不動産話をしてると本当に楽しくて、一日があっという間に過ぎてしまいました。率直な感想。

 

世界は広い! 実にいろんな国があるものだ…

 

中国人の場合、日本人と違って「海外のパスポートや永住権を取りたい」という非常に強いニーズがありますので(というより、彼らが海外の不動産を買う動機がぶっちゃけ海外に逃げることなので…)、そのニーズに最適化された世界中の不動産商品がたくさん売られていました。例えば、

– 50万ユーロ以上の物件をスペインで買って、EUグリーンカードをゲットする案件

– その隣の国ポルトガルで、既存中古を改修した特別な物件を28万ユーロで買ってEUグリーンカードをゲットする案件

-地中海の島国キプロスでは、「30万ユーロ以上ならどんな不動産買ってもEUグリーンカード出る、欧州最安値‼︎」。それだけを売り物にしており、ロクに物件紹介してくれなかった。

一番ぶったまげたのが、カリブ海の島国「ドミニカ共和国」のブース。アフリカ系のセールスレディが、おもむろにPCを広げて、

ドミニカ共和国の国籍取得プログラム。わずか20万USドル投資でパスポートが届く。カリブ海で最安値!ドミニカのパスポートでカナダを含む世界113か国へビザなし渡航可!

 

説明書きをみると、ドミニカのほか、セントルシア、グレナダ、アンティグアバーブーダ、セントビンセント&グレナディーン等、カリブ海に浮かぶ島国は軒並み、政府が「国籍を売るビジネス」をやっていて、中国人が世界最大の上客であるよう。ドミニカの場合、パスポート取るのに渡航も一切必要なく、中国の自宅にいながらドミニカのパスポートが届くという…すげえ商売だなあ。

ドミニカは国の総人口がわずか7万5千人とのこと。同国のパスポート持ってる中国人の方が数多いかもしれないな。案件自体は、グロス利回り2~2.5%という、投資価値の面ではお話にならないものでした。国籍目当ての中国人だけが買うのでしょう。

カリブ海諸国は極端としても、ヨーロッパでは南欧や東欧の国に、「グリーンカード安売り」が目立つ印象。ドイツとか英国とか、オーストリアとか、経済が比較的安定し、グリーンカード安売りする必要のない国の案件ほど、投資価値の面でみるべきものがあると思いました。私が良いと思ったのは、

 

・スペイン・バルセロナ。「ガウディ」の見える新築収益マンション。約3000万円から、ローン可。
・オーストリア・ウィーン。「国際連合本部」と「ドナウ河」の間に建つ新築収益マンション。約4000万円から、ローン可。
・ポルトガル・リスボンに隣接する島の再開発案件。ユーロ建て年利10%で、かつ買取保証つき。
・トルコ・アンタルヤ。地中海から50m、600万円から買える新築マンション。

 

等々…近い将来、日本でのセミナーで紹介するかもしれません。本場・中国に来たからこそ、海外不動産の良い情報が得られて、デベロッパーとも直接つながれてとても嬉しいです。

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