グローバル不動産

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現地日本人の治安アドバイスに要注意!(情弱リスク懸念)

こんにちは、Manachanです。新年あけましておめでとうございます。今後も末永くご愛読のほど、よろしくお願いします。2020年最初のブログは、「海外に関する情報収集法とリスク」というテーマで書きますね。

 

まずは問題提起から。世の中なぜ、「情弱」と揶揄される人が多いのでしょう?今や日本中どこでも4G電波網が張りめぐらされ、老若男女問わず、ほぼ誰もがスマホ、タブレット、PCを持ち、ハード面ではほぼ同じ条件で常時情報収集できる状況にある。それなのに、情報を上手に使いこなす人がいる一方で、情弱としてカモられる人が後を絶たない。それはなぜなのか?

おそらく、ネットから得られる「情報の取捨選択」や「情報に基づく意思決定・行動」の面で個人差が大きいのでしょう。一言でいえば「情報リテラシー」が明暗を分けてしまう。

仕事や留学で海外に出ることになり、現地在住日本人の「治安アドバイス」を聞いて鵜呑みにするような人が相当数いますが、私は彼らに「情弱の匂い」を感じてしまいます。

 

確かに、初めて行く海外の街、現地の治安が気になるのは当然です。客観的にみて、日本国内と比べれば、海外の多くの都市では治安の懸念はあるでしょう。また「現地の言葉、習慣や雰囲気に不慣れ」であることが、不安をさらに増幅します。

だから、現地在住の日本人に、治安について日本語で質問したくなる気持ちはよく理解できます。ただその情報を鵜呑みにして意思決定してしまうと、人生、いろんな面で損するリスクがあると感じます。

 

私の感覚でいうと、海外の都市に住む日本人の治安アドバイスは、一般論として、眉に唾を二度くらいつけて話半分に聞くべきと思ってます。欧米先進国の(白人種が住民の多数を占める)都市を念頭に置いて言うと、

・在住日本人が好んで住むエリア自体が、きわめて狭い。それこそ判で押したように、こぎれいな、白人中流層の住む閑静な住宅地を選んで固まって住む。日本人学校や補習校があるのも、そういうエリアがほとんど。

・自分の馴染みのあるエリア以外について、好奇心に欠ける人が非常に多い。自分が一度も行ったことないのに、また聞きだけで「あのエリアは危険」と言う人もいる。

・白人や日本人・東アジア人以外の人種が多く住むエリアについて、ほとんど無知で、かつ偏見に満ちている。

 

私は2000~05年にかけて、オーストラリアのシドニーで暮らしました。同期間中、半径50㎞ある、広大なシドニー圏のほとんどの地域に足を運びました。シドニーは数多くの民族人種が暮らすコスモポリタン都市、それぞれのエリアにエスニック色があり、興味をそそられたからです。また、ごく一部を除き、私が単身で訪問できるほど、シドニーは安全な都市だということも分かりました。

一方で、現地在住日本人の、視野の狭さにも驚きました(もちろん例外はありますが…)。たとえばの話、彼らが「治安に不安」だとして避けているエリアは、面積でいうとシドニー圏の80%、総人口の60%以上をカバーするエリアだったりします(単に知らなくて興味がないだけなのでしょうが、シドニーの治安でそんなにビビるって私には理解不能…)

そんな狭い視野しか持たないのに、これからシドニーに住む日本人に対して、「あのエリアは、危険だから避けた方がいい」と、知った顔でアドバイスしたりするのです。

 

そんな半端情報を、鵜呑みにするリスクって何なのか?

・行動範囲や視野が狭くなってしまう。

・せっかく海外に出て魅力的な体験をするチャンスが十分あるのに、生かせなくなってしまう。

 

さらに言うと、私の専門とする「不動産投資」の視点でいえば、「治安を気にする視野の狭い日本人」のおススメエリアなんて全然面白くないですよ。概して、「すでに出来上がった」「今後、変化の可能性が低い」「不動産の値段も全般的に高い場所」ばかり好みます。

不動産の価値上昇を目指すには、上記とは正反対の場所を狙うのがセオリーです。「まだ未完成」で「賛否両論分かれる場所」であるがゆえ「価格がまだ安く」かつ「今後の変化が期待できるところ」が望ましい。

かつてのシドニー在住時代、私は多くの日本人が避ける西シドニー地域のいろんな街を訪問し、食べ歩いて、エスニックグルメマップを作って、ホームページで発信しました。そこで集まった人を軸に「ウェスタン(西)シドニーうまいもの探検隊」をつくって、みんなで食べ歩きを楽しんでいました。

でもって、「うまいもの探検隊」のメンバーは、たいてい、不動産投資上手だったりします。典型的日本人エリアの枠を超えて、シドニー圏内のいろんな地域に好奇心を持ってるから、それが不動産エリア選びのスキルに直結するのだと思います。

 

以上まとめると、

勝手知らない海外の街に住むにあたって、現地在住の日本人に治安アドバイスを得るのは自然なこと。でも彼らの視野が必ずしも広いとは限らないため、知識のバランスをとる意味でいろんな人から情報収集を心掛けた方が良いと思います。それはシドニーに限らず、どの国・どの街についても言えるでしょうね。

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海外不動産でお客様を不幸にしないビジネスモデル

こんばんは、Manachanです。いつもご愛読ありがとうございます。

クリスマス&年越しの時期は、静かでいいですね。日本も欧米圏も仕事がスローになり、メールの受信数も普段の3分の1程度。おかげさまでブログを書く余裕もできます。願わくば、年末年始以外も著作に十分な時間かけられるようになりたいですが、多忙なスタートアップ経営者の身、それは少なくとも数年先でしょうね。

 

今年、海外不動産業界のトップニュースといえば、何といっても、海外中古不動産に対する減価償却ルールが変わったこと

「2021年以降、個人が海外で得た不動産所得の計算上において損失が生じた場合、簡便法によって導き出した耐用年数で計算した減価償却費は生じなかったものとみなされ、その部分を他の所得と損益通算できなくなる」

 

それでいま、業界に激震が走っています。特にアメリカの中古木造住宅を日本向けに売る多くの業者は、「最初の4年間、減価償却で節税できまっせ」セールストークで売ってきましたが、今回の税制改正で、その種の商売は封じられたも同然。特に、テキサスやハワイで日本販売用に大量の戸建を買い取り保有していた日系業者も少なくなく、よほど安く仕入れてない限り、間違いなく不良在庫になるでしょう。

加えて、多くの不動産オーナーから「もう節税できなくなるなら売って欲しい」依頼が予想されますが、市場流通価格に業者利益(20~30%か、それ以上)を乗った価格で買ってしまった場合、今のタイミングで売っても損切りにならざるを得ない。それが明るみになる時、「おたくの会社そんなに利益とって客に売ってたの?」「なぜ全然説明しなかった?」みたいなクレームの嵐になることが、容易に想像されます。

節税ありきで商売していた日系業者にとって、2020年は間違いなく厳しい年になるでしょう。

 

税制が変わっただけで、なぜこんな結果になってしまうのか?私からみて、業者側のビジネスモデルに根本的な問題があるように思います。

1) お客様に売る物件(国、都市)が決まっている。

2) お客様が様々な動機で相談に来るにもかかわらず、「弊社物件を買いに来た客」という前提でセールスマンが応対する。

3) 比較的良心的な業者でさえ、現行ビジネスプロセスは「物件選定→契約→融資→管理→売却」。つまり「物件選定」が最初に来る。

これでは、国内ワンルーム販売業者等と同様、「はめ込み営業」(=自社都合で売りたい物件を客にあてがう)が横行してしまいますね。

 

これは私の個人的意見ですが、「物件選定」の前にやるべきことが最低2つあるはずと考えます。

Step1 : 適性相談(お客様のニーズ、財務目標、資産背景、気質や外国耐性を踏まえつつ、海外不動産のオーナーになって幸せになれそうかをプロの目で見極める)

Yesの場合、次のステップに進む

Step2: 国選び、都市選び(お客様の予算、期待する収益、投資安全度やリスク選考を踏まえつつ、世界にあまたある国、都市のなかから、不動産価格サイクルも見ながら、どこを選ぶべきか考える。

Step2までやって初めて、「物件選定」プロセスに入るのが本筋だと思います。税制改正で安易な節税売りが封じられた今、Step1と2をプロのレベルでやるかどうかが、海外不動産の販売会社とコンサルタントを分ける境界線になるのでしょう。それを可能にするために、私は場所を決めず、世界各国各地の不動産事情に、誰よりも通じた人間になりたい。

 

さらに、海外不動産は販売だけで終わりではありませんので、「売却したい」「悩みを相談したい」というリクエストにも応えていきます。どこから、どんな経緯で買ったかは不問。皆様の課題解決に私の能力を尽くしたい。それにより私は業界で、世界不動産のコンサルタントとして名誉ある地位を確立していきたいです。

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卑劣な恫喝訴訟、許せねえ!

こんばんは、Manachanです。いつもご愛読ありがとうございます。

今年も残すところ、あとわずか。先ほどまで会社の忘年会で楽しく過ごしました。零細企業経営者の立場でいえば、「今年一年が無事に終わり、新年を迎えられて良かった」という安堵感、「社員やお客様に支えられて来年も引き続き事業ができる喜び」にひたれる時期ですね。

事業が軌道に乗るまで、将来の生活保証などありません。それどころか、わずか半年後の食い扶持を、いまの仕事で稼がなきゃなりませんから、経営者は休めませんし、それが我が人生だと納得しています。「あんしん」「あんぜん」なんて言ってられないサバイバルな環境のなか、日々を生きてる、もとい生かされている実感はあります。だから、私を支えてくれる方々には感謝の念しかありません。

 

今年の末こそ平穏に過ごしてますが、つい昨年末は、ここまで安らかに過ごせるものではありませんでした。もう時効だと思うので正直に話しますが、いま思うと実に腹立たしい、理不尽極まりない訴訟を、ある人物から起こされ、その対応に忙殺されていたことも一因でした。

読者の皆様は、「スラップ訴訟」という言葉をご存じでしょうか?「スラップ」=SLAPP(Strategic Lawsuit Against Public Participationの頭文字をとった言葉)で、企業や政府など、人材や資金に恵まれた者が、権力を持たない一市民など比較弱者に対して、恫喝、発言封じ、或いはいじめることだけを目的に起こす報復的な民事訴訟を意味します。日本語で「恫喝訴訟」と訳されることもあります。

スラップ訴訟を起こす側は、必ずしも訴訟に勝つことを目的せず、むしろ、被告を社会的・経済的に痛めつけることを目的に故意に裁判を起こします。実際、被告になった者は、法廷準備費用や時間的拘束などの負担を強いられるため、一介のサラリーマンや庶民が裁判を起こされると日常生活が困難になり、委縮して、結果泣き寝入りになることも少なくありません(Wiki記事)。

要は「弱い者いじめ」を目的に法的手続きを濫用するわけで、社会正義にもとる上に表現の自由を委縮させる行為として、欧米諸国で問題視されています。カリフォルニア州では「反SLAPP法」が州法として成立し、被告側が原告側の提訴をスラップであると反論して認められれば公訴は棄却され、訴訟費用の負担義務は原告側に課されるようになっています。日本での立法化はまだこれからです。

 

もう済んだことですが、昨年、私がA(仮名)という人物にやられたのも、ある意味「スラップ訴訟」でした。Aは中堅の不動産建設・賃貸業を営む社長で、私が主催するセミナーで知り合いました。Aがドイツの収益物件を買いたいというので私が予算に合う物件を紹介し、現地視察もアレンジして、結果購入し、売買契約を結んで弊社で所定のサポート料をいただいたのですが、その後、ドイツでの入居付けや家賃入金が目論見通りに進まなかったり、またその過程で私が理不尽な無理難題を言われて、それに対してハッキリ「No!」と言ったのが気に食わなかったのかもしれませんが、

そしたらいきなり、私の事務所にAを原告、私を被告とする訴状が届いていたのでびっくりしました。読むと、私が約束した保証家賃が支払われないからサポート料を全部返せと…

 

弊社がいただくサポート料はあくまでお客様が海外物件を購入する際のお手伝いの対価であって、家賃保証という「結果」までお約束するものではありません。それ以前の問題として、ドイツでの家賃受けとりは現地管理会社に入金口座を通知したり、賃貸借契約書を送付する等、オーナーとしてやるべき手続きが必要で、私がその依頼を再三行ったにもかかわらずAが何もしなかった(=頑として聞かなかった)。

困り果てた私がドイツで八方手を回して、入金口座の提示があり次第Aの口座に家賃が支払われるところまでこぎつけた矢先に、何の予告もなしに訴状が届いたのです。いきなり不意打ちで後ろから殴られた気分でした。

 

冷静になって訴状を読むと、素人の私が読んでも「これ、本当にプロの弁護士が書いた訴状なのか?」と疑ってしまうほど、論理構成があやふやで、客観的な裏付けに乏しく、憶測や曲解、印象操作の嵐。しかも、原告主張のなかの一番重要な論点でエビデンス(書証)が提示されてない。こんなもの、よく裁判所が受理したなあと思いました。

顧問弁護士に訴状を見てもらっても、「これは酷い」と絶句するレベル。彼によれば「裁判勝つつもりはなく、単に着手金目当てで仕事請け負ったのでしょう」とのことでした。

 

いくら理不尽とはいえ、裁判です。まず裁判費用を払わなければなりませんし、第一回公判までにエビデンスを揃えなければなりません。海外出張が続く多忙のなか、泣きそうになりながら揃えました。

裁判は、4カ月かかりましたが、結果的にうまくいきました。結局、私がドイツの管理会社に振込先口座番号をお伝えする英文をつくり、Aに署名してもらったことで家賃を振り込んでもらい、その代わり第二回公判までに訴状を取り下げてもらいました。原告側弁護士も余りに無理筋すぎてやめたいと思っていたところに、当方の顧問弁護士にうまく交渉してもらったのです。

 

結果オーライでしたが、私はAのしたことをまだ許してはいません。気に食わない相手に対する恫喝を目的に裁判を起こしていいのか?その目的で日本の司法システムと貴重なリソースを使うことが許されるのか?食えない弁護士が多い今、数十万円の着手金で民事訴訟を請け負ってくれる者が居るのをいいことに、一民間人を訴えて良いのか?

また別件で、地方の建設会社社長が顧客(都内在勤サラリーマン)に対し、売買契約書上の融資条件に関する違約金数千万円を支払え、さもなければ1か月後に裁判するぞというFAXを送った事例がありました。私はその方の相談を受けて精査しましたが、こちらもどう考えても無理筋で、明らかに恫喝目的でした。現在進行中ゆえ、これ以上のコメントはしませんが、世の中、司法システムを濫用して脅しや嫌がらせに使う奴がいることはよく分かりました。

 

社会的リソースに恵まれた者が、その立場を利用して、リソースに恵まれない者を威圧し、沈黙させるために起こすスラップ訴訟を、野放しにしてはならないと思います。


・スラップ訴訟は、反社会的である。

・スラップ訴訟を起こす者は、社会的信用を失う。

・スラップ訴訟を請け負う法曹専門家は、職業的信用を失う。

 

日本で、それが社会的常識になる日が来ることを切に望みます、

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人生で持つべき友「医者」「弁護士」、地味に大事な「不動産屋」

こんにちは、Manachanです。今日はクリスマスイブですね。いつもご愛読ありがとうございます。

 

人生で持つべき友は「医者」「弁護士」「不動産屋」とよく言われますね。身体や健康のことは信頼できる医者、人生で時折り巻き込まれる法律トラブルには信頼できる弁護士がいれば安心度が断然高まります。そして、一生で最も高額な買い物といわれる不動産の購入や売却は、信頼できる不動産屋に相談すべきことは言うまでもありません。

(なりたい職業、尊敬される職業かどうかというと、前二者に比べて不動産屋の地位は明らかに落ちる気がするが…ま、それはそれとして)

 

私の視点でいうと、「不動産屋選び」は、ものすごく大事で、かつ難易度の高い話だと思います。なぜなら、

・不動産の売買に伴う「選択」は、その後、何十年もの長きにわたり人生に影響する。

・それだけの長期視野でお客様の立場で考えてくれる不動産屋はかなり少ない(私の印象では15%くらい)

・長期視点でお客様の立場に立ってくれる「良い不動産屋」に相談するのと、目先の仲介料を追うだけの「悪い不動産屋」に相談するのとでは、結果的に何千万円もの差が出てしまうことがある。

 

端的にいうと、不動産屋には悪い奴が多いから気をつけなさいってことです。多分、医師や弁護士に比べて悪い奴にあたるリスクが高い。不動産取引経験のない素人が業者セミナーとか、街の不動産屋に行って相談すると、(広義の意味で)騙されたり、業者に都合の良いだけの、客のためにならない物件をつかまされる可能性が高い。

 

つい先日も、20代後半の女性教師が、お母様と一緒に相談に来られたばかりです。その方は「東京の城東地区のマイナーな駅最寄りの新築ワンルームマンションを業者にすすめられて、全額を信販ローンで購入」してしまい、2年後「その業者に家賃保証を打ち切られるかもしれない」との話を受けて、弊社に相談に来たのです。

でも、すでに買っちゃったものはどうしょうもないですね。私の見立てで、いま再販しても1600万円の値しかつかないものを、2600万円出して買っちゃってる。残債もほぼ減ってないので身動きが取れない。さらに、毎月のキャッシュフローは数千円のマイナスなので貯金もできない。

私がアドバイスできることは、「より金利の低いローンへ借り換え」で返済をラクにしながら、とにかく頑張って物件貸し続けて債務を返済して、あと8年~10年後に売ってチャラにすること位ですかね。痛い失敗ですが、その時点で30代後半、まだまだやり直しはきく。

 

私思うのです。もしその方が訳わからん業者のワンルーム販売セミナーなんか行かずに、真っ先に私に相談に来てくれればよかったのに…私なら、「こんな物件買ったら、業者と金融機関の養分になるだけですよ。絶対におすすめしません」と言いますね。

その相談をするのとしないのとで、下手したら1000万円以上の差がついてしまうのです。人生が全然違ってきてしまうんですから。

 

私はお客様の長期的な利益を考えて、親身に相談に乗ります。相談料は定価3万円、是非お役立ていただければと思います。私は日本国内および世界中の投資不動産に通じており、「海外」と銘打ってはいますが国内不動産のアドバイスもできます。

https://ipag.jp/kaigai_soudan

 

「これ買っていいんだろうか?」…そう思ったら是非ご相談を。人生の大きな選択に、私の力をお役立てください。

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ソフトバンク出資の不動産ベンチャーは業界を変えるか?

こんにちは、Manachanです。

前回は、ソフトバンク・ビジョンファンドの出資を受けて、鳴り物入りで日本に進出したものの目下苦戦が報じられるOYO LIFEについての体験談を書いたところ、12,000ページビュー突破の大好評をいただいたので、気を良くして、今回は「OYOやWeWork以外の、ソフトバンク出資の不動産ベンチャーがどうなっているか?」を、主にアメリカを舞台にお話ししたいと思います、。

 

今回の話で、押さえておくべきキーワードは、2つあります。

「ユニコーン企業」

「ZORC」(不動産版GAFA)

 

ユニコーン企業とは?

2013年に登場した概念で、「評価額10億ドル(1 Billion USD)以上」「未上場」「スタートアップ」「テクノロジー企業」という4条件を全て満たした企業を指します。

2018年3月現在、全世界にユニコーン企業は279社あり、急増中。その大部分は米国と中国にあります。有名どころでは、Uber、Didi(滴滴出行)や、AirbnbやSpace Xなどがあります。

孫正義氏がサウジアラビアのムハンマド皇太子と組んで2017年に発足した10兆円規模のソフトバンク・ビジョンファンドは、主に世界的なユニコーン企業に出資しています。前回とりあげたOYO Roomsや、いま話題のWeworkも、共に不動産・コンシューマー分野のユニコーン企業です。

現時点でソフトバンク・ビジョンファンドは日本企業にはほぼ出資していません。そもそも、日本にはユニコーン企業が3つくらいしかありませんから…つい先日、世間を驚かせたLINEとヤフーの合併劇は、ソフトバンク・孫正義氏が資金を入れた、日本初のユニコーン企業ともいえます。

もっとも孫氏は日本市場など眼中になく、10年前のアリババみたいに、投資したユニコーンが上場・世界規模で大化けすることで、兆単位のリターンを狙っているのでしょう。

 

ZORCとは?

米国で支配的な巨大IT企業としてGAFA(Google, Apple, Facebook, Amazon)の4社は有名ですが、その不動産テック版ともいえるZORC(ゾーク)が、いま米国不動産業界の話題をほぼ独占しています。

ZORCは、Zillow, Redfin, Opendoor, Compassの頭文字。うち2社(Opendoor, Compass)には、ソフトバンク・ビジョンファンドの巨額資金が入っています。巨大投資ファンドがテクノロジーに投資して、既存の業界構造を根こそぎ変えようとするのがAI時代のトレンドなのかもしれません。米国は、その動きの最先端にいます。

 

ZORC4社について簡単に解説しますね。

Zillowは、2006年創業。言わずと知れた米国最大の不動産ポータルサイト運営企業。本社はシアトル。NASDAQ上場しており、時価総額は2019年11月末時点で81億ドル(8800億円)。創業者Rich Barton氏の連続起業家としての経歴は凄まじく、ZillowのほかExpediaやGlassdoorも創業・大成功させている。Zillowは2015年競合不動産ポータルサイトTruliaを買収し、全米で物件登録数1億件を擁する独占的な地位を活かして、最近は仲介業に力を入れており、さらにオンライン買取再販(i-buyer)事業にも進出して、後述Opendoorの最強ライバルと化している。

RedfinZillowと同じくシアトルを本社とする、2004年創業の企業。不動産ポータルサイトが有名だが、実態は「ITを使った仲介業」で、Redfinサイトを通じて成約した不動産エージェントから得る契約金額の1~2%の報酬が主な収益モデル。REMAXなど伝統的な不動産ブローカー大手との協業で業績を伸ばしてきたが、今年に入ってエージェント中抜きして顧客が売主に直接オファーできるRedfin Directというサービスを打ち出したことで業界に大きな波紋が広がっている。NASDAQ上場しており、時価総額はZillowよりはずっと小さく、2019年11月末時点で18億ドル(1900億円)。

 

次に、ソフトバンクのお金が入った2社について、

Opendoor2014年にサンフランシスコのY-Combinatorから巣立った、オンライン買取再販(i-buyer)専業のスタートアップ企業。フェニックスやダラスなど、人口増加中で築浅の戸建物件が多い均質な不動産市場を持つ街に進出して、独自のアルゴリズムで月1000件単位のオンライン買取事業を実施して、i-buyerとして業界最大手にのし上がった。現時点で未上場。最近は進出先都市での競争激化に伴い、ロサンゼルスなど高額中古物件の多い都市に進出したり、Zillowがi-buyer事業に参入することで強力なライバルとなる等、成長の岐路に立たされている。なお、2018年10月にソフトバンク・ビジョンファンドは同社に450億円を投資している。

 

Compass2012年にニューヨークで起業した不動産仲介会社(ブローカー)。「テクノロジーを使って不動産仲介の生産性を上げる」を旗印に、サンフランシスコなど高額不動産が多い街に一挙進出し、優秀なエージェントを巨額の移籍金やストックオプションを使って引き抜く戦略でシェアと売上を急激に伸ばしている。但し敵も多く、業界最大手のRealogyをはじめ数社から訴訟を受けている。現時点で未上場。現時点では赤字体質が改まっておらず、収益化が喫緊の課題とされている。なお、ソフトバンクビジョンファンドからは2018年に450億円の出資を受けてけいる。

 

私は職業柄、アメリカの不動産業界イベントに多数参加しますが、ここ2年ほどは、どこへ行ってもOpendoorやCompassが話題にのぼる頻度が凄く、その多くは戦々恐々としています。

それもそのはず、仲介手数料を収益源とするエージェントからみると、Opendoorの手がけるi-buyer事業は手数料を中抜きしてオーナーと直接売買するビジネスモデル。同社がこのマーケットを開拓してしまった今、Zillowでさえi-buyer事業に参入。そして、長年エージェントの味方だったRedfinでさえ、中抜き直売サービスを始める始末。

一方Compassは、仲介手数料モデルに基づいたビジネスモデルとはいえ、Realogy、Remax、Keller Williamsなどのエージェント大手からみれば、Opendoorは巨額投資マネーにものを言わせて優秀なエージェントを引き抜く、憎っくき競争相手に他なりません。

 

このような、既存の業界秩序を乱して成長する新興勢力は、アメリカではDisrupter(創造的破壊者)と呼ばれます。アメリカ産業の歴史は、ある意味、Disrupterたちが創ってきたと言ってよい。フォードしかり、AT&Tしかり、IBMしかり、GAFAしかり…不動産業界でも、例えば既存大手のKeller WilliamsやRemaxは1980年代のDisrupterとして、ライバルをなぎ倒して成長してきたわけです。

孫正義氏のソフトバンク・ビジョンファンドは、誤解を恐れずにいえば各業界のDisrupterを支援し、あわよくば業界を根こそぎ変える、アリババみたいな巨大独占企業になっていただき、結果として兆単位の利益をもたらして欲しいという動きであり、その意味で彼は「ものすごくリスクを負う真の勝負師」なわけです。そのように考えると、彼の意図が分かりやすくなると思います。

私も投資家のはしくれとして、孫正義氏のケタ外れの勝負師ぶりには大きな魅力を感じます。彼の思考の先には、とてもエキサイティングな(でも社会全体の調和という観点からすると結構こわい…)世界が広がっているはずで、引き続き楽しく注視していきます。なお、ユニコーン企業が3社しかない日本だけで思考すると、彼のスケールが理解できないので、米国や中国、インドなど、でかくてイノベーティブな国に頻繁に出かけて定点観測する必要も感じますし、実際にやっています。

 

最後に、ソフトバンクが巨額出資しているOpendoorやCompassが無事上場して、企業価値をさらに高めることができるのか?私は、「いずれも厳しい。Opendoorなら可能性あるけど、Compassは難しい」とみています。

すでにi-buyerの領域で独占的地位を得たOpendoorにとって、当面の課題は巨人Zillowとの競争。あとはアメリカ不動産市場のクラッシュが懸念材料ではあります(不動産物件を大量に自社保有するビジネスモデルゆえ、市場がクラッシュすると不良在庫が表面化して、一気に危機が来る)。同社はすでに「利ざやで稼ぐ」収益構造が確立済なので、競争に勝って収益強化が飛躍のカギでしょう。

一方、Compassの前途はよく分かりません。少しWeWorkと似ていますが、投資家の巨額資金を使って赤字覚悟で一気にシェアを広げたのは良いが、シェアをとった後、いかにしてマネタイズ&黒字化するかの道筋が見えないです。私にはCompass所属の優秀なエージェントの友人が数名いますが、彼らにストックオプションを持たせている以上、いずれかの時点で上場しなくちゃならない。かといって市内一等地に高額なオフィスを借りる等、高コスト体質でもあり、ビジネスモデル的にはRemaxなど既存のライバルとそう差別化できるように見えないし…何を繰り出してくるか分かりませんが、今が勝負どころですね。

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私がOYO LIFEに激怒した話

こんにちは、Manachanです。今回のブログでは、孫正義さんのビジョンファンド等から巨額出資を受けて、今年初めに鳴り物入りで日本上陸した、インド発のホテル予約・運営サービスOYO(オヨ)グループのお話です。

 

インドで2012年、当時18歳のRitesh氏が創業、現在アジアとヨーロッパ8ヶ国でビジネス展開し、時価総額1兆円といわれる驚異の急成長を遂げた同グループの成長の源泉は、OYO Rooms社が手がける、AIを駆使したホテル事業で、別名「不動産業界のAmazon」とも呼ばれます。ただ日本でのビジネス展開は、ホテルではなく賃貸住宅の分野で、ヤフーとの共同出資で発足したOYO TECHNOLOGY&HOSPITALITY JAPAN社が、OYO LIFE(オヨライフ)という賃貸住宅サービスを提供しています。

それは一言でいうと、「スマホひとつで、30分で入居できる賃貸住宅」。敷金・礼金・仲介手数料も、電気や水道代も全てコミコミの家具付きの部屋に住めまっせ、というお話。それだけだと単なるマンスリーマンションに聞こえますが、世界で急成長したOYOのこと、彼らならAIを駆使してデータ取って、業界横断的、全世界的な事業展開も考えているのではないか、あるいは、日本の旧態依然とした不動産業界慣行を、OYOなら変えていくのではないかという期待値もありました。

 

ですが、日本での事業展開開始から半年あまり経った現時点で、OYOビジネスにもほころびが見えはじめたようです。具体的には2つ、入居者の不満(家賃と共益費が高い、鍵の受け渡しに失敗、コールセンターにつながらない等)と、不動産オーナーや業者サイドの不満です。ま、急成長している会社にありがちな「オペレーションが追いつかない」問題であれば、比較的簡単に解決できるのですが、

ただ、不動産オーナーから聞こえてくる不満に耳を傾ける限り、「OYO、今のままのやり方では、まじで行き詰まるんじゃないか?」という懸念なしとはしません。

 

折りしも、「おは養分」さんのビデオ動画が出ました。タイトルは「正直ひどいです!OYOLIFE実情を暴露します

 

彼の激怒ポイントを一言でいうと、「不動産オーナーや業界関係者に対してフェアではないビジネススタイル」。例えば、

OYO LIFEが提示する賃貸条件が「2.5カ月分のフリーレント要求」しておいて、さらに「OYO LIFEが賃貸に適さないと判断した時は無条件で解約可能」、「その際はOYO LIFEが得るべき逸失賃料を含む損害をオーナーに請求できる」という、極めてオーナーに不利なものになっている。

貸主が契約しても借主(OYO)がいつまで経っても借主サイン付きで契約書を返送してこず、契約金だけ振り込んで部屋の鍵を要求。賃貸仲介を散々動かした挙句、最後の最後で自己都合解約をしてきて、結果的に社外の人間にタダ働きをさせてしまう。

 

人気ユーチューバー「もふもふ不動産」でもOYO問題が取り上げられていますが、彼によると、最近の事例で借上賃料7.5万円の部屋を13.6万円で貸し出しており、家具つき、水光熱費やWIFI込み等を勘案しても粗利を取りすぎで、さすがに借り手が減るだろうと…で、借りてもらえない場合、「OYO都合で借上契約解約」というかたちで、オーナーと業者にしわ寄せがいくわけです。

 

で、おは養分さんが感じた「OYOふざけるな!」を、私自身も経験しました。

日本の大家業界におけるインフルエンサーの一人である私のところに、OYOから連絡が来たのが、今年4月末のことでした。GW明けにOYOが入居する新橋のシェアオフィスで打ち合わせ。6月27日に開催する予定でした。この会議では、私の主宰する「アジア太平洋大家の会」の運営理念を担当者にご理解いただいた上で、「私が集客して来るのは10~15名だと思いますけど、物件たくさん持ってるオーナーさんが集まると思いますよ」と話し、和気あいあいで会議を終えました。

5月17日に、アジア太平洋大家の会からセミナー開催費(5万円+税)の請求書をOYOに送りました。ランディングページ作成、集客費用、都内のセミナー会場代込みなので激安価格。ほとんどの業者さんは速攻で振り込んでくれますが、OYOの場合、請求後2~3週間経っても振込がありません。私から数回催促してるのに「ファイナンスの承認を待ってくれ」の回答のみ…数万円程度の小さなことから、暗雲がたちこめました。
 

そして、私の気分をブチ壊すFBメッセージが入ったのが、忘れもしない6月5日。当時私はコーカサス地方のジョージア国に出張中で、首都トビリシから黒海沿いのバトゥミまで、乗り合いタクシーで移動している最中でした。

OYO現状外部連携時のセミナー時に50名程度を最低目標と敷いておりまして、(鈴木さんでしたらご理解頂けるかと存じますが、インド人の特徴上、無理そうでもお願いする、お金の持ち出し時の期待効果は厳しく測るという特徴があり。)金額を例えば10万円(集客のみ、場所はOYO手配)に上げた場合は着手可能でしょうか?

なんと…最低50名集めろみたいな話、俺は一言も聞いてないぞ!後出しで要求は卑怯だ!ジョージア西部の緑濃い峡谷のなか、私は一瞬、怒りに震え、落ち着いてから次のメッセージを書きました。

事情は理解しますが、うちの会の性質には合わない要求ですね。自発的に集まった非営利の会です。興味ある人は来る、ない人は来ない。集客無理しない。そもそも、50名集めるのが期待値であるのなら最初から言って欲しかったし、もしそうならこの話お受けすることもなかったでしょう。私は集客マシンではないのです。理念があえばタダでもやる、合わなければやらない、それだけのことです。私はインド企業に居たのでカルチャーは分かりますが、私の立場も理解せずに客たくさん集めろと言うならこの話降ります

最初にお会いした時は、集客目標の話なんて全然出なかったし、弊会の会員に、御社のサービスを知っていただく機会を提供しようとシンプルに考えておりました。客たくさん集めろと後出しでいう、金は後払い…それはフェアなビジネスとはいえません
 

その後も、腹の立つやりとりは続きます。私は日本帰国後、6月27日セミナー中止を決めました。セミナーキャンセルにあたって、わずか数千円のお金の請求をめぐってまたひと悶着。

私「6月27日にセミナーやる予定だった件、弊会から下記金額を請求させていただきたいと思います(セミナー会場費5000円+税、2名分の参加費4000円+税)。いつお支払いいただけるかをお知らせください。 御社の求めに応じてセミナー告知して、私の時間も使って、お客も紹介した以上、全くタダというわけにはいかないので、ご理解ください

OYO「セミナー会場の予約完了ページ、キャンセルポリシーをお送り下さい。セミナー参加費というのはキャンセルの為、実態と乖離がありファイナンス承認が下りません。」

私「できるだけやりますが、正直な話、もうお付き合いしたくないですね。私をタダ働きさせといて、その回答ありかよ、と言いたくなります。」
 

このやりとりの前、私はすでに、OYOの賃貸サービスに興味のある顧客(アジア太平洋大家の会の会員)2名を、同社の個別相談に紹介していました。つまり、人さまの客をタダで紹介させておいて、その対価を払うのを渋っているのと同じです。

OYO「払わないとは言ってないです。ただ、結局僕がどれだけ愛想良い回答しても、払うか払わないかはファイナンスなので、彼らの関心ごと、想定質問を先にお伝えさせて頂いてる次第です下手に僕等の主観で無責任に進めるとまた後出しで迷惑をおかけする事になるので」

私「私は相当怒ってます。ファイナンスの承認云々は、御社の事情でしょう?私が言いたいのは、社内の人間じゃない、ひとさまの時間と金を使わせといて、その態度はないでしょうと…それに対する謝罪の言葉よりも、御社の事情が先に出てくる・・このままだと、御社に協力しないばかりか、御社に対するネガティブな発言もしかねないですよ。

 
で、そのネガティブな発言を今してます。このような体質の会社なのだと、日本の不動産オーナー様に注意喚起するために…担当者との最後のやりとりは、こうでした。
 
私「根本的な問題は、御社が他者の協力を得ながら日本でビジネスオペレーションする体制になっていないこと。正直いうと、日本の大家相手のセミナーで集客数にこだわっても仕方ないです。私は、たとえ少数でも多数の物件持って、御社のサービスに関心の高い方だけを集めたかった、つまり、客のクオリティにこだわりたかったし、セミナーやるからには御社の役にも立ちたかった。それが、”50名集めろ”と突然言われて、私の思いが蔑ろにされたと感じた…」

私「他者を巻き込んでビジネスを大きくしたいのなら、提携相手と早期から目標を共有して、相手のカルチャーも尊重しつつ気持ちよく仕事するスキルが必要。今回それがうまくいかなかった理由は何なのかをよく考えて、次回に活かしていただきたいです。

 

最後に、まとめの言葉を、

・OYOはおそらく、不動産賃貸ビジネスや、日本の業界慣行に理解のない人間が、現場からのフィードバックが不十分なまま意思決定しているのではないでしょうか?

・その意思決定者のやり方で一番問題なのは、社外のステークホルダー(不動産オーナーや賃貸仲介)と共存共栄しようという態度がみられないこと。

・その態度やスタイルが改まらなければ、「日本の不動産オーナーから物件が集まらず、規模拡大ができない」という危機が来るだろう。

 

孫正義さんはどう考えるんだろう?いまOYO LIFEを「日本のWework」にしちゃったらさすがにまずいでしょう。

追伸)不動産テックの学校「Gate.School」巻口さんの解説、切れ味良いですね。なぜOYOがダメなのか、なぜソフトバンクの金が入るとグダグダになるのか、理路整然と解説してます。特にMDI/レオパレス買収は最悪だと…私も全く同感です。

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海外不動産は「保有耐性」+「外国耐性」

こんにちは、Manachanこと鈴木学です。いつもブログご愛読ありがとうございます。今回は、「海外不動産とオーナーとの相性」というテーマでひとつ書いてみます。

私は世界の不動産を日本向けに紹介・仲介する業者です(自身が投資家でもあります)。この仕事をやる上で、「お客様と海外不動産とが幸せな関係を結べること」を何よりも大切にしています。ある意味、「海外の物件」と「日本在住オーナー様」の良きご縁を取り持つ、結婚紹介所に近い仕事をしているのかもしれません。

でもって、お客様が幸せになる要因を突き詰めて考えると、次に二つに集約されると思っています。

保有耐性」と「外国耐性」

保有耐性、少し分かりにくい言葉ですが簡単にいうと、「購入後、何年~何十年と負担感なく持ち続けられる物件を選んでいるかどうか?」です。

負担感なく持ち続けられる…たとえば、家賃収入が安定的に入ってきて、ローンを払ってもまだ手残りがあるとか、物件の価値が上がり、いつの時点で売ることになっても損しない等々。あるい多少の現金手出しが発生しても、手元の現金で十分対応できるとか…そういう状態なら安心ですよね。

特に物件が遠い海外にある場合、日本から現金を注入しなければ維持できない状態は悲しいので是非避けたいもの。私の場合、オーストラリアやアメリカの物件は大抵ローン組んで買ってますが、家賃収入から諸費用諸税、ローン返済を差し引いてもキャッシュフローが無理なくプラスになるよう、借入比率を抑え目(50~70%)にしています。

あと、海外保有物件のなかには民泊運用していたり、或いは東南アジア新興国のコンドミニアム等、家賃収入の安定感にやや劣るものがありますが、そういう物件は原則、現金で買ってます。収入が変動してもローン返済がなければストレスなく持ち続けられますから…このように私は、保有耐性が常に高い状態を保つよう配慮して、Happy Investingを続けています。

逆にお客様が不動産を買って不幸になるケースの多くは、保有耐性が低いことから起こります

例えば、年収700万円のサラリーマンが1億円の地方中古RCマンションとかをフルローンで買って、手元の現金が数百万円しかない、みたいな状態は非常にリスキー。空室や修繕で少しお金が出ていけば破綻まっしぐら、売り逃げたくても買った値段では売れない。

私はそんな状態を知ってて物件購入を薦めることは絶対に無いですが、世の中にはそれを平気でやる業者やコンサルが少なからず居て、彼らの養分になっちゃう人も多いのが事実。バブル崩壊、スルガショック、アメリカのサブプライム危機、ユーロ危機…「保有耐性の低い客に、身の丈にあわない物件を売りつける」ことによる悲劇は、国内外の不動産の歴史でずっと繰り返されてきました。

幸い(?)にして、日本人が海外不動産を買う場合は、国内不動産みたいな過剰融資が起こりにくい分、救われてますが、それでも下記のケースでは保有耐性の問題が起こりがちですので注意しましょう。

・日本国内の融資(政策金融公庫やインハウスローン)を引いて海外不動産を買う場合、海外で予定通りに家賃収入が入らなくても日本円で毎月返済しなくちゃならないので要注意。特に「海外学生寮」とか「海外民泊」みたいな「事業ありきの家賃保証案件」を日本のローン組んで買ったのに、業者が保証家賃を払ってくれなかったら悲惨。そういう物件は大抵、元本価値より割高に買わされてますから売り逃げもできません(私そういうものおススメしませんが、どうしても買いたいなら、せめて現金買いすべきだと思います)。

上記の「保有耐性」は国内外の不動産に通じる普遍的な原則だと思いますが、海外不動産の場合は、それに加えて「外国耐性」というテーマも出てきます。

外国耐性とは何か?一言でいうと、「日本と違う外国の流儀に、お客様がどれだけ馴染めるか?」ということ。

これは、向き不向きの差がはっきり分かれます。「外国在住経験」があったり、「国際結婚」してたり、「海外旅行好き」だったりする方は大抵問題ないですが、

逆に、そういう原体験がなく、日本の流儀しか知らず、外国ではそれが通用しないことを理解できていない方は、せっかく収益性や資産価値に優れた海外不動産のオーナーになれても、結果的に不幸になってしまう。たとえば、

・海外に物件持つことが「不安 」で仕方ないと言う人( 独白: 海外という不確定要素をデータや知識で克服できるなら喜んでお手伝いしますが、「海外だから何となく不安」という気持ちだと私では解決できません。)

日本の不動産売買と同じ書類を、海外の不動産売買でも出せという人(独白:無理です!何十億円の大型物件お買いになるならしっかりデューデリレポート出ますけど、数千万円規模のフツーの物件なら現地の流儀に従うしかないです。)

私は、外国耐性のないお客様に対しては、大抵「無理して海外買わなくても良いんじゃないですか?」とアドバイスしています。そういう方が海外物件のオーナーになっても、ちょっとしたことで不安や怒りに苛まれるのが目に見えているから…

一つ補足しますと、外国耐性はマインドセットの問題で、(英語など)外国語スキルとは、あまり関連がありません。英語からきしダメという人でも、外国耐性を見事に備えている方もいれば、流暢な英語を話しても外国耐性に著しく欠ける人もいます。これは「良い、悪い」の問題ではなく「向き、不向き」の問題でして、シンプルに「自分に不向きな資産は持たない方が吉」ということです。

以上まとめると

・私は、海外不動産とお客様の幸せなご縁を取り結ぶ仕事をしたい。

その際に私が必ずチェックするのが、「保有耐性」と「外国耐性」が両方揃っているかどうか?

・どちらかが決定的に欠けている場合、私は海外不動産購入をおススメしない。

上記の原則を踏まえつつ、海外不動産と日本在住オーナー様との、良いご縁を結び続けたいと常に思っています。

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カリブ海唯一の先進国「ケイマン島」の奇跡

こんにちは、Manachanです。いま、カリブ海に浮かぶ島「英領ケイマン諸島」に来てます。諸島といっても島は3つだけで、主島のグランドケイマン島に人口と産業、インフラが集中しています。人口わずか6万人、交通渋滞も滅多にない、長閑で静かな熱帯の島です。

このグランドケイマン島、日本では「タックスヘイブン」(租税回避地)として知られています。同国には所得税も固定資産税も法人税も相続税もありません。6万人しか居ない島民から税金とってもたかが知れてるので、それよりは、外国からお金を落としてもらって経済を回した方が合理的なのです。ケイマンで法人設立すれば事業活動で利益が出ても事実上免税になるということで、世界中の多国籍企業や富裕層が、本国での租税回避目的でこの島を使っています。

だから、グランドケイマン島の中心地「ジョージタウン」は、KPMGとかEYとかDeloitteみたいな、世界を代表するグローバル会計事務所のオフィスが集結しています。英国やカナダをはじめ海外の銀行も支店を設けています。でもニューヨークや香港の金融センターと違って、ケイマンは高層建物が滅多にないこともあり、オフィス街といっても長閑でリラックスした雰囲気が漂います。

で、なぜ私がいま、ケイマンに居るのか?資産隠しや租税回避の指南をしたいわけではありません(今そんな時代でもないし…)。私がここに来るきっかけは、今年2月、米国ラスベガスでの国際不動産フォーラムで、ケイマン地場の不動産業者のプレゼンを聞いて、こりゃ見に行くしかないと思いました。特に私の興味をひいたのが、意外にも、「ケイマンの一人あたりGDP」でした。

ケイマンはカリブ海地域で、唯一、先進国レベルの所得水準を達成しています。

ケイマンは独立国ではなく、英国の海外領土(米国の信託統治領グアムみたいなもの)なので、経済データの入手が簡単ではありませんが、詳しく調べると中進国~途上国が圧倒的多数を占めるカリブ海諸国のなかで、ケイマンの数字が際立ちます。

一人あたり名目GDPランキング (2017~18、世界銀行)
英領ケイマン諸島 64,258ドル
(参考)アメリカ 59,532ドル
(参考)カナダ 45,032ドル
バハマ 35,861ドル
英領バージン諸島 32,000ドル
米領プエルトリコ 30,516ドル
セントクリストファーネイビス 18,789ドル
バルバドス 18,451ドル
トリニダード・トバゴ  17,491ドル
アンティグア・バーブーダ 17,476ドル
(参考)パナマ 17,117ドル

ドミニカ共和国 8,267ドル
ジャマイカ 5,475ドル
ハイチ 894ドル

驚くべきことに、ケイマンはカリブ海地域のなかでダントツの所得水準を誇るだけでなく、平均的にはアメリカ人よりも裕福なのです。

カリブ海地域は16~19世紀にスペイン、イギリス、フランス、オランダの列強の草刈り場になって、多くの国が独立した今日でも公用語が宗主国の言葉だったりしますが、同地域で経済的に成功している国は、ほぼ例外なく「英語が公用語 」です。

ケイマン、バルバドス、トリニダードトバゴ、(カリブ海ではないが大西洋上の)バミューダなど高所得な島国は、いずれも「英語 」 を公用語として、かつ「観光」と「金融」を経済の二大看板にしています。言葉を換えれば、いずれもロンドン・シティを総元締めとする「大英帝国タックスヘブン戦略」の一翼を担うことと、アメリカ人・カナダ人観光客の落とすドルを得ることで、高所得を実現しています。

世界中見て回って思うのですが、製造業を主体に経済成長をはかる国が、先進国になれる例は決して多くないし、ましてやドイツや日本の所得水準を超えるのは至難の業。どんなに優れたハイテクがあっても輸出競争を考えると、自国民の給料水準をそう上げるわけにもいかないからです。一方、グローバル経済のなかで「金融」「ビジネスオペレーション」をメインにして成功した国は、ドイツ・日本のレベルを軽々と超えていくことがあります。

それには二つ条件があって、「英語が公用語か、それに近い英語力を持つ国民であること」と「人口規模が少ないこと」。いま世界で高所得の先進国といえば、欧州ではルクセンブルグやスイス、アイルランド。アジアだとシンガポールや香港、ドバイ等がありますが、いずれも「英語ができて、人口規模が少ない、金融センター」という共通点があります。

カリブ海においては「ケイマン」がその役割を果たしており、 人口6万人と非常に少ないので、金融・観光セクターが生み出す富が国民にいきわたって、アメリカ以上の数字になったのだと思います。

実際にケイマンの景色は、島の隅々まで、「まさに先進国そのもの」です。アメリカフロリダ州に近い景色ですが、生活水準はそれ以上に高いと感じました。

・汚い場所が全くない。スラムや落書きの類が皆無
・道端で物売りとかが出てくることもない。
・建物がしっかり建っており、ボロ家、老朽家屋が見当たらない。
・道路はどこもきれいに舗装されている。
・海岸線はどこもきれいに整備され、環境保護意識の高さがうかがわれる。
・治安が本当に良い。荒れてる場所が全く見当たらない。

特に海の美しさは素晴らしく、一度みたら生涯忘れられないほどのインパクトがありました。このレベルで環境が保全されるためには経済力や教育水準の高さが必要で、貧困に苦しむジャマイカ、ハイチ、ドミニカなど隣国では実現不可能でしょう。

グランドケイマン島Seven Mile Beach

グランドケイマン島Rum Point

なお、ケイマンでも人種の近いによる貧富格差が、無いとはいえません。金融オフィス街を闊歩したり、高級ホテルに泊まりにくるのは欧米系白人が多く、清掃員やウェイターとして肉体労働しているのはアフリカ系黒人が多いです。ただ、後者といえども生活水準が低そうには見れない。それなりに給料をもらって、持ち家に住んで車くらいは持って、先進国の庶民レベルの生活はしているようです。いつもニコニコして、フレンドリーで気持ちの良い人たちです。

なぜ、カリブ海で珍しくケイマンが先進国になれたかというと、歴史的な幸運が重なったのだと思います。同地域の多くの国が今でも苦しんでいるのは、歴史的に少数の白人農園主が多数の黒人奴隷を酷使する歴史を経て、今でも大土地所有や富の極端な偏在があるからです。

隣国のジャマイカとの対比が分かりやすいですが、ジャマイカもケイマン諸島ももともと英国の植民地でした。国土が広くプランテーション農園が多かったジャマイカでは黒人奴隷の子孫が多数を占める社会ですが、農園になる土地が乏しいケイマンでは、大量の奴隷をアフリカから導入する必要がなく、白人自由民と黒人奴隷(のちに開放されて自由民化)が、支配・被支配の関係なく共存する社会が19世紀からできていました。

1962年にジャマイカが独立した時、ケイマンは独立せず、英領にとどまることを選択しました。ケイマンで英系金融を主とした経済発展がはじまるのは1970年代のことで、21世紀に入る前にすでに先進国レベルの所得水準を実現していました。

ケイマンは英国の伝統を受け継ぐ島だからでしょうか、極端な貧富の差をつくらず、極端な商業主義に走らず、社会全体の調和を重視するスタンスを感じました。比較的オーストラリアやカナダに近いと思いますが、海岸線にプライベートビーチをつくらず、万人がアクセスできるようにしたり、木立のなかにバーベキューができる憩いの場をつくったりしていて、そこにも好感を持ちました。

ケイマンでは、ビーチは、みんなのもの

そんなケイマンに来てみて、思ったことを箇条書きすると、

・海も一流、生活水準も一流、治安も一流…こんなに環境が良ければ当然、金持ちに選ばれるよなあ。
・いま、ニューヨークとかサンフランシスコみたいな良い都市で仕事している金融マンがケイマン配属になっても、この環境なら誰も文句いわないだろう。

お金持ちにも、金融マンにも選ばれる場所の不動産価値が、上がらないわけがないと思う。

私、ケイマンを誉めすぎな位、べた 誉めしてますけど、本心です。素晴らしい場所だと思ったから、その気持ちを正直に書いています。タックスヘイブンだからといって金欲ガツガツな街は私嫌いだし、ケイマンはそうではなく、心身とも豊かな環境で、のびのびと子育てしながら人生を過ごすに値する場所だと思うので、このように書いています。

そんなケイマンを、日本の方々に、一人でも多く知って欲しいと思います。最後に、「海が燃える」(Seafire)と呼ばれる、ケイマン名物の夕陽をご堪能ください。

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日本人にくっついて海外不動産買うのは賢いか?

こんにちはManachanです。今回は少し辛口のコラムを書きます。

私は2011年に、海外不動産投資コミュニティ「アジア太平洋大家の会」を立ち上げて以来8年間、日本人の不動産投資リテラシー向上に尽力してきた自負があります。でも現時点では道半ばどころか端緒についたばかり。私が良いと思うレベルに達するまでは、まだ気の遠くなるような時間と継続的努力が必要な気がします。

なぜそう思うのか?多くの日本人は、これまで、不動産投資を通じて資産を殖やす勉強をしてきませんでした。資産家層でも一部を除いて、投資・資産形成の知恵を十分身につける機会がないまま今日に至っています。そんな環境下で 私は 、海外不動産投資で勝てる日本人を量産すべく孤軍奮闘してきたわけですが、日本全体からすれば私の知名度・影響力は微々たるもの(悲)。恥ずかしながら「砂漠の一滴」くらいの仕事しかできてないのです。

国民の投資リテラシーが相変わらず低いなかで、起こることは、「歴史の繰り返し」…金融緩和で不動産価格が上がれば、不動産投資の素人にオーバーローン組ませてカス物件を売りつけたり、「かぼちゃの馬車」のように不動産業者と金融機関が結託してサブリースつけて売りまくり、挙句の果てに保証家賃の入金ができなくなって社会問題化したり…

似たようなことは以前の時代でも、何度も繰り返されていました。まじでデジャブ感が凄い!マクロでいうなら、日本人は過去の失敗からほとんど学んでないということです。

しかも、投資の舞台が日本というホームグラウンドを離れた海外の話になると難易度が増します。法律や商習慣が違う、言葉が違う、人々の住まい方暮らし方が違う、不動産マーケットの性質も違うとなれば、

多くの人は、「よく分からないから、とりあえず、日本人がたくさん買ってる海外の物件を追随買いしてみよう」となる。そうしたい気持ちはよく分かるのですが、投資・資産保全の視点からすると、これは一番やっちゃいけないことだと思います。

なぜなら、一般的な日本人は海外経験が少なく不動産投資のリテラシーも足りない上に、仲介する業者からして、そもそも不勉強で分かってないケースが多い。お客様にどんな物件を買ってもらえば投資利益が出るのかも分からず、とりあえず売りやすいもの、手っ取り早く儲かるものの販売に走る。

キツイ言い方で恐縮ですが、要は「分かってない人」が「分かってない業者」から「曖昧な判断基準 」 で海外物件を買い、それが積み重なるとどうなるのか?…その帰結は、「海外の一角で、日本人だけの特殊マーケットが形成されtて、身動きとれなくなる」。その典型的な例をいくつか挙げます。

1)日本人の節税買いで暴騰したハワイ某コンドミニアム

ハワイのワイキキエリアは、鉄筋コンクリート(RC)のホテルとコンドミニアムで埋め尽くされています。この構造の建物は、日本の税法上は47年償却になりますので、築47年を超えた建物を個人名義で買えば、9年(47×0.2=9.4、小数点以下切り捨て)で全額快速償却が認められ、所得税の節税・繰延に使えます。実際、築47年を超えた建物に、日本人買いの人気が集まります。

私がみた物件は、築50年余りのRC造ホテル運営中コンドミニアム。オーナーの3分の1は日本人で、その比率が急速に増えています。私の記憶では、3年前は2ベッドルームの売値が50万ドル台だったと記憶していますが、今では80万ドル近辺で売買されているとのこと。現地の相場観ではもはや説明できない価格水準で、この値段で買うのは日本人だけだそうです

もしこの物件を80万ドルで買い、5~6年後に売りたくなった場合に損切りせずに売るのは、まず不可能でしょう。

 

2)戸建ばかりのテキサス地方都市で木造アパート区分という特殊商品

テキサス州は、究極のクルマ社会。広大な土地に、見渡す限り平屋~二階建の戸建住宅地が並びます。人口が増えて都市が拡大しても宅地開発できる土地がそれ以上に広いため、アパート・マンションといった集合住宅が、都心部の一角以外では成立していません。

そんな「戸建だらけの街」で、果たして何を考えたのか、日本人の不動産業者が節税したい日本人客向けに「木造アパートの区分売り」なる珍商売を始めました。確かに土地が安く建物比率が高いので、日本の税法上の償却は取れるのかもしれませんが、現地視点からみれば「こんなもん不動産じゃない!」シロモノで、アメリカ人に売るのはまず不可能だし、日本人を半ば騙して売り抜ける以外にありません。

しかも、管理組合(HOA)もつくらずに区分売りする悪質なケースもあり、共用部分で入居者が怪我でもしたら、訴訟リスクバリバリでしょう。

投資家視点でいうと、日本人が群がってる買ってる物件には、私はまず手を出しません。元本価値の毀損リスクが怖いからです。

口悪くてすみませんが、「不動産マーケット分かってない人たちが投資目的で持ってる物件」ほど、「いざという時に狼狽売りが殺到して値崩れするリスク 」が大きいのです。

これは日本人だけの現象ではありません。数年前、フィリピンのマニラで、韓国人オーナーがまとめ買いしているコンドミニアムで、北朝鮮がらみの危機が起こった際に投げ売りで相場が崩れたことがありますし、

いま世界中で不動産買いまくってる中国人も一般的な投資リテラシーが高いとはいえず、彼らがまとめ買いしている集合住宅ほど、融資条件やビザ発給条件が変わった際に一気に相場が崩れてしまうリスクがあります。これはオーストラリアやカナダの大都市で、実際に起こってることです。

上記の理由から、海外不動産投資で損しないためには、「他の日本人に追随して買う」のは極力避けるべきだと思います。下手したら「海外版かぼちゃのKUSO物件」をつかまされてしまうことにもなりかねないからです。

残念ながら現時点では、一般的な日本人や、販売業者の投資リテラシーを信頼しない方が良い。それよりも、弊社ホームページ投資家成功塾を使って不動産投資をきちんと勉強して判断力をつけたうえで、筋の通ったことを言ってる人をメンターにした方が数百倍良いでしょう。

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人工知能だけで不動産が面白くならない理由

こんにちはManachanです。いつもブログご愛読ありがとうございます。今回は、「情報技術と不動産投資」というテーマでひとつ書いてみます。

 

私はITエンジニア出身の不動産業者です。世間一般と比べて、まだアナログな文化や業務が多く残る不動産業界にあって、弊社は創業当初からITを使って、ブログ・メルマガ・SNSで情報発信、(金のかからない)集客や顧客管理、双方向型のコミュニケーション等を続けてきました。

私がIT業界の第一線で働いていたのは2012年までです。それから6~7年の間に、テクノロジーは大きく変わりました。私の現役時代にほぼ無かったチャットボットの制作や、AI(人工知能)的な活用も、いま「50の手習い」でやっています。昔とった杵柄なのでそんなに難しくはないですが…日進月歩の世の中ですので、日々是、学習ですね。

 

そんな感じで、私はこれからもRealestate Techを積極的に業務に活用していきますし、今後のテクノロジー発展に大きな期待を抱いています。ただ技術系の不動産愛好家として、ちょっと残念に思うことは、

 

・情報技術が発展しても、不動産業界側の活用の仕方がかなり微妙。

・技術の恩恵で人々の不動産購入を便利快適にするよりは、むしろ、「本来買ってはいけない」人に「売るべきではない」投資用不動産を売りつける方向で機能してしまっている。

 

たとえば、このような話です。

 

・自社投資物件(初心者食い系を多く含む)の販促ツールとして、AIを活用。

・AIを活用した海外投資物件の検索紹介機能を開発しても、紹介する先が不動産権利も二次売買市場も管理サービスも未確立で物件過剰供給が酷い国ばかり。

・仮想通貨で不動産売買できるシステムを開発しても、仮想通貨マーケットが下落した途端にサービス停止。

 

これまさに、「仏つくって魂入れず」、「小手先の技術だけ使って不動産の本質を分かってない」人たちのやる、不動産的に余り付加価値や喜びのない仕事だと思います。何が足りないのか?

そのヒントは、この本にあります‥「マンガでわかる禅の智恵

 

大事な箇所を、いくつか引用しますね。

 

・必要なのは技術を「見(けん)の目」で分析的にみるのではなく、「観(かん)の目」で大きくみること。それが、これから加速する技術進歩に人間がどれだけ追いついていけるかのカギなのではないかな。

・人工知能を超える人類の英知はZenに残されているじゃないか。

・例えば柳生新陰流の「活人剣」の考え方は、相手と対峙しこれを封じ込めて勝つ「殺人刀」ではなく、「観の目」で世界全体をうらやかにみて、相手を活かし相手と共創するドラマづくりに参加する立場を重視する。

・真のイノベーションは、データを大量に処理するだけの人工知能のようなガチガチの殺人刀から生まれない。

 

・禅を通じてみると、世界はすべてが有機的につながっていて、

・自分も欠けることのできないその一部で、そのなかで自分が大きくなったり小さくなったりするなかで、周りの世界も変化しているのがわかる

 

 

一言断っておくと、私は一応技術者ですので、人工知能がデータを大量に処理するだけのものとは思っていません。それよりもずっと多様な可能性が広がる世界だと思っています。

とはいえ、上記のマンガに傾聴すべき部分があるのは、禅や瞑想の本質でもある、「観(かん)の目」「相手を活かし相手と共創」「世界が有機的につながっている」といった、全体観(Wholistic View)だと思います。

 

上のセリフで、「自分」を「不動産(建物)」、「世界」を「街」と言い換えても良いと思います。

 

~街はすべてが有機的につながっていて、不動産(建物)も欠けることのできないその一部で、新築・増改築されたり再生されたりするなかで、周りの景観も変化しているのがわかる~

 

不動産、特に建物は街の重要な構成要素で、街とともに一体の関係にあります。建物が本来あるべき場所に、あるべき姿で良い状態で存在すれば、街の景観を楽しく豊かにします。逆に、不動産が本来あるべき姿じゃないものに変わってしまえば、街の景観も劣化します。

 

たとえば、石川県金沢市の観光地・ひがし茶屋街近くの北國街道沿いにある町家(旧和菓子店)を私が事業主として再生した事例。もともと街の姿はこんな感じで、買い手がつかなければ駐車場になる予定でした。

 

それを、ご縁をいただいた私が土地建物を買い取り、金沢らしい外観の宿泊施設(ゲストハウス)に再生しています。まだ道半ばですが、この建物は街の景観を良くすることに少しは役立っていると思います。

 

街を感じ、土地を活かし、建物を味わう…そうした「全体観」のある不動産理解や活用は、たぶん人間でないとできない仕事。そのスキルを磨くために、禅の考え方や、(私が日々実践している)マインドフルネス瞑想が大いに役立つと思います。

もちろんテクノロジーは大いに活用しますが、私はそれを超越するクオリティの仕事ができる「世界不動産ソムリエ」になっていきたいし、そういう仕事をすれば不動産の世界はもっと豊かで面白くなるはずです。

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