海外中古物件の管理、やって初めて一人前

こんばんはManachanです。今回は、海外物件買った後の、「管理、アフターサポート」の難しさについて書いてみます。

私は、2011年に投資家コミュニティ「アジア太平洋大家の会」を立ち上げて以来、200以上の海外不動産セミナーをこなしてきました。もともとは、「業者と投資家をセミナーで結びつける」という「場の提供」をやっていましたが、活動の内容が進化するうちに、場の提供だけでは会員・オーナーに対して無責任だと痛感するようになりました。なぜなら、

我々が企画したセミナーで海外物件を買った多くの日本人投資家が、業者に適切な管理をやってもらえず(=放置プレイ)、入居付けも売却もできずに泣き寝入りしているケース

を、目の当たりにしたからです。特に東南アジアで深刻な問題が起こっており、今の私はマレーシア・タイを中心に、会員の要請に応じて「入居付け出張レスキューオペレーション」を毎年やっています。また、会を一緒に立ち上げた相棒の坂口は、フィリピンに移住し現地で管理会社を立ち上げています。結局、会員・オーナーに本当の意味で責任を取るためには、どこかのタイミングで「業者成り」して、長年真面目にやり続けなければならない…それが不動産の宿命なのだと思います。

 

ところで、東南アジアなど発展途上の新興国で、立地やクオリティに劣る物件の入居付け、修繕手配、クレーム処理、管理費光熱費の支払や税金関係のお世話を含めて、日本の管理会社が通常やるレベルのサービスを自社でやることは、並大抵の努力ではつとまりません。マンパワーかかる割に儲からない、それに何より、新興国では日本では考えられないレベルの問題が頻発するので、不謹慎ながら、放置プレイしたくなる業者の気持ちもよ~く分かります。

現時点では特に、人の問題が大きいですね。新興国では、不動産管理のプロフェッショナルがまだ育っていないのです。マレーシアを例にとると、優秀な人間は物件管理の仕事など、まずやりません。ベストではない人間(=日本人の基準からすると相当、出来の悪い人間)が、少し仕事やってはすぐ辞めていき、さらに経験のない新人が担当になる、そいつに一から説明してもすぐ辞めていく…給料安い上に、多くの物件で「毎日、罵声が飛んでくるストレスフルな仕事」のため、長続きしないのです。物件の施工レベルがいまいちで、ドアや窓の建て付け、漏水、コンクリ剥離…築浅なのに様々な問題が起こるため作業量がなかなか減りません。

 

私はいま、次のような立ち位置で海外不動産の活動をしています。

1)自分が買って保有するような、「自信のある海外本命物件」に関しては、業者として、管理まで責任持ってサポートする(注.先進国物件に限る)。

2)上記以外に関しては、業者から開催料金をいただいてセミナー企画(=場の提供)するが、成約報酬は一切いただかない。

1)に関しては、主にドイツ、アメリカ、オーストラリアのいくつかの地域で実施しています。その対象を先進国に限っているのは、「新興国の物件管理を頼まれても、現時点では業者としてリスクを負う自信がない」からです。新興国で私にやれることは、上述「レスキューサポート」か、マレーシアやタイ、フィリピンなどで比較的信頼できる日系管理会社につなぐこと位ですね。東南アジアの管理会社セミナーも時々企画しています(例.「ジョホールバル物件管理・入居付け相談会」2017/11/21東京)。

先進国であれば、法制度がしっかりしてるし、不動産管理のプロも豊富に居るので、地元の信頼おける管理会社に日常的なオペレーションしてもらった上で、ある程度のマンパワーをかければ、日本人オーナーに説明責任取れるレベルで管理サポートが可能だと考えています。

 

ですが、それでもいろんな問題は起こりますし、事態の解明・解決に結構なパワーが必要となります。時には先方とドンパチ、派手に喧嘩する場面も出てきます。例えば、我々が手掛けるドイツやアメリカの中古物件でよく起こる問題は、

家賃や諸経費の支払の過程で、意味不明な入出金が起こる

・入退去があっても管理会社からの報告がない

・予告なしにリフォーム工事の工期が大幅に遅れる。

・予告なしに残金支払の期日が前倒しになってしまう。

等々…

 

これらは、現地管理スタッフの経験・能力が足りないとか不真面目というよりは、むしろ「仕事の丁寧さや報告・情報共有の仕方が日本と大きく違う」がゆえに起こる問題だと思います。暗黙の了解や、日本式の「ほうれんそう(報告・連絡・相談)」が全く通じない世界。担当者が長期休暇を取れば、結果的にいろんな物事がストップしてしまいます。定期的にSkype会議をして、何度も何度も、繰り返し注意して、こちらの期待値を伝えれば、なんとか意図通りに動いてくれますが、そうなるまでに、かなりの時間とエネルギーを使います。

世界中見渡しても、おそらく日本人ほど、客の要求に対して主体的かつ真摯に対応し、こまめに連絡・報告してくれる国民は、他に居ないと思います(中にはもちろん、そうじゃない方もいますが、全体的な印象として、日本人は圧倒的に素晴らしく真面目ですね)。決められたことしかやらない。いや、それさえやらないで言い訳だけは天才的な国民が多いなか、多様な問題が起こる中古不動産の管理において、日本人オーナーが何とか満足できるレベルで任せられる外国の管理会社は、私の経験上、皆無に近い。

日本人オーナーが所有する海外物件の管理を彼らに丸投げすると、文化慣習や法律の違い、コミュニケーションに関する感覚の違いゆえ、たくさんのトラブルが起こる。オーナーを怒らせたり、不安にさせる前に介入した方が得策だが、結局、相当な手間暇をかけなければならない。相手が真面目で信頼できる人なら、将来時点で、何とか自動的に回るようにできるかもしれないが、それには、こちら側も様々なトラブルを経験し、対応力を高めておく必要がある。

 

日々是、問題発生、バトル(?)の日々ですが、それもまた、楽しいです。不動産が好きだから、賃貸経営を長年やってるから、「まじかよ!勘弁してくれよ~!」と呆れるレベルの問題が起こっても理解はできるし、こちらに問題解決のパワーがあって、相手が真面目でありさえすれば、解決できない問題はないと思っています。海外中古物件に関わるリアルな問題・トラブルの対応は、不動産投資家として、業者として、私を成長させてくれる最高の題材だと思います。

逆にいえば、そうした物件周りのリアルな問題に直面せず、プレビルド(予約販売物件)ばっかり売ってる業者は、不動産としての仕事してないも同だと思います。リアルな実物不動産を業務で扱った経験がないんだから、実際いくらで貸せるか、どんな問題が起こると想定され、どんな対策が取りうるのか…分かるわけがないよね。

人間の住まいやオフィス・商店として活用されるリアルな不動産、特に中古物件の管理は何かと大変で、国をまたぐと難易度も増しますが、それをやらないと結局、業者として一人前になれないのだと思います。

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