実はあまり減らなかった日本の人口

こんばんはManachanです。正月3が日も終わり、徐々に仕事モードになりつつあります。今回のブログは、大家さんなら誰もが関心を持つ「日本の人口」について書きますね。

 

私の不動産仲間が、将来の賃貸経営を考える時、よく使う図がこれです。出典は「国立社会保障・人口問題研究所」のレポートで、2100年時点で、中位推計における日本の総人口が約半分に減ってしまうという、不動産オーナーにとっては恐ろしい絵です。

 

しかし、上記の予測は、外れつつあります。不動産オーナーにとっては望ましい方向に…2016年10月1日時点の予測値(中位推計)が1億2620万人なのに対し、実績値は1億2693万人で、予測値より73万人も多いのです。

(注.総務庁統計局のデータを使用。厳密にいうと、今日現在、人口は実績値は2016年7月1日時点のものしか発表されていません。10月1日時点の人口は、昨年5月に総務庁から出された予測値を使用しました。)

 

グラフでみると、より明らかですね。2013年までは予測値がドンピシャ合っていたのに、2014年から外れはじめ、その差は開く一方。

 

なぜ、予測が外れたのか?一言でいうと、

・「国立社会保障・人口問題研究所」は、2015~16年頃の人口の自然減(=出生数―死亡数)を年間35~39万人と考えていた。しかし、実際には自然減は年間28万人程度になっている。

・そこに、外国人の純流入が、年間12万人程度加わっている。

・結果的に、差し引き、年間16万人程度しか減っていない。

 

自然減が想定より少なかったのは、出生率が想定よりも若干上向いたからでしょう。そして、外国人の純流入に関しては、明らかに「自民党の政策」によるものだと思います。

下図にみるように、民主党治下の2009~12年、日本の在留外国人数は減り続けました。これには、リーマンショックの余波や東日本大震災&原発事故の影響も大きかったと思われます。その後、2012年末に自民党が政権を奪回して以来、在留外国人数はV字回復を遂げています。

 

自民党政権下で増えた外国人登録者、在留資格別でいうと、次の4カテゴリーで増加著しい。2015年末の数字でいうと、

・留学(246,679名、前年比+15.0%)

・技能実習(192,655名、前年比+14.9%)

・経営管理(18,109名、前年比+19.3%)

・特定活動(37,175名、前年比+32.8%)

 

外国人の増加が、日本の総人口にどう影響しているのか、2015年10月から16年7月までのデータをとってみました。日本人減少数の約半分を、外国人流入が補っていたことが分かります。

・日本人は、20万2千人の減少(125,319千人⇒125,117千人)

・外国人は、10万3千人の増加(1,775千人⇒1,878千人)

 

同期間における、外国人約10万3千人の純流入は、総務省の日本入国統計から説明ができます。短期滞在(観光)以外の在留資格で日本へ入出国した外国人数を累計すると、10万1千人増えており、上記の数字とほぼ一致。

 

上記の表を使うと、2016年7月以降の外国人数の動向さえ予測できます。7月1日から11月1日の4か月間で、純流入は6万8千人ありました。これを不動産チックに、ミクロに分析すると、東京都内で外国人が特に多い地区(新宿区や豊島区)の人口動向さえ予測できます。各月の外国人純入国数の増減は、1~2か月の時差をおいて、新宿区や豊島区の人口統計にちゃんと反映されるようです。

日本で最も、外国人の多く住む都市・東京。彼らが来日後、最初に住所登録する場所は、新宿区や豊島区であることが多い(一次流入区)。だから同区の外国人登録数は、純入国数に対する感応度が高くなるわけです。これらは東京における「単身型多文化地区」。

一方、新宿・豊島の生活を経て、外国人の次の居住地として選ばれる可能性の高い(二次流入区)、江東区や江戸川区の外国人数は、常に少しづつ、上昇する傾向があります。なお、江東・江戸川は、「外国人が子供を産む数」でも都内では不動のツートップ。「ファミリー型多文化地区」といえます。

 

そろそろ、結論を急ぎましょう。

・日本の総人口は、現時点では、予測数値に比べて、減り方が少ない。

・その要因として、出生数の改善と、外国人の流入がある。

・外国人増加に関しては、「日本の人口を減らさない」自民党安倍政権の意思を感じる。

 

最後に、閑話休題。私は、東京のなかでもファミリーに人気の高い「江東区・東陽町」に住んでいます。数年前までの不動産キャッチコピーは「都心に近くて家賃が手頃な、暮らし向きの地区」でしたが、最近ではそれに加えて、「国際色豊か」、「異国情緒」みたいな枕詞がつくようになりました(リンク)。

 

安倍政権になってからの、江東区の外国人比率の推移を調べてみました。徐々に「異国情緒」化してきてるのかなあ。

4.34% (2012年12月1日)

4.36% (2013年12月1日)

4.61% (2014年12月1日)

4.85% (2015年12月1日)

5.17% (2016年12月1日)

 

我が家に限っていうと、外国人比率25%なんだけどね…

 

【関連ブログ記事】

アベノ開国エコノミー、人口減に挑む(2017/8/18)

外国人受け入れと首都圏再集中の構図(2017/5/5)

 

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コメント

  1. 松田 智 より:

    分かりやすいし、よくまとまっていて読みやすいです。

  2. manachan より:

    ありがとうございます。分かりやすく読みやすい文章づくりを心がけています。

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