おはようございます、Manachanです。昨日は日曜日、パパの家族サービスデイ。子供たち連れて映画見にいったりしました。今週からは泊まりがけの出張が多くなるので、今日ぐらいは家族と一緒にいないとね。
昨日の日記「業者主催の新興国数か国同時セミナーに思う」、蓋を開けてみたら物凄いPV数で、今年書いた文章のなかで第2位にランクイン。かなり専門的でマニアックな内容なのに、こんなに多くの方に読んでいただけるとは思わなんだ。
世の中、いろんな方がいるもので、読者のなかには、あの文章を「特定の国の不動産業者に対する中傷」だと解釈する方もいたようです。作者の私としては、特定の個人名や業者名を晒してるわけじゃないし、文章中にちゃんと根拠も示してるし、どうみても中傷ではないと思うんだけどな…
ブロガー・情報発信者として、私が常に大事にしている価値観は、3つ。
・不動産を心から愛していること
・グローバルな実践的不動産投資家として、各国で数々の経験を積み、それを皆様にフィードバックしていること
・常に投資家の方を向き、投資家利益の最大化のために仕事していること
海外不動産に関わる仲介業者の皆様とも、投資家利益にプラスになる仕事をしてくれる限り、良き友人としてお付き合いしますし、喜んでサポートします。但し、そうでない時は、噛みつくこともあります。私、業者からの評判はともかく、投資家仲間からの評判はものすごく気にする人間。その観点で、言うべきことはハッキリ言います。
で、今回の本題に入りましょう。
「海外不動産投資するなら、先進国と新興国、どちらが良いか?」
私、どちらかといえば先進国の方が好きです。でも、新興国の不動産もたくさん買ってますし、貸したり売ったり、あと不動産市場調査も精力的にやってきました。何だかんだ言って、ASEAN圏内の半分くらいの国に、自分のお金出して投資してますし、現在も進行中。
「新興国の不動産は、いろいろ問題があるけれど、攻め方を工夫すれば、十分アリ」
だと思ってます。
そういえば、こんなことがありました。1年ほど前にアジア太平洋大家の会のカナダセミナーに参加された方が、「あの当時、Manachanは、ベトナム不動産はダメと言ってた」というのです。
私が、どういう文脈でコメントしたのか、正直覚えていません。その方の投資目標をヒアリングして、「その目的実現のためにベトナム不動産はあまり適切ではない」と言ったのか?あるいはベトナム不動産の権利面のことを聞かれて、「外国人の不動産所有権に関して未確定な部分がある」と言ったのか?(その当時は、外国人の不動産所有権が事実上解禁される法律が施行されたとはいえ、細則がまだ決まってなかった…)
ただ、何の前提もなしに質問されて、私が、「ベトナム不動産はダメ」と断言することはありえません。なぜなら、
・どの国でも、「人間の住まい」や「事業活動の舞台」として、不動産が必ず存在するから。
・どの国でも、少なくとも自国民に対して、不動産に対する権利は、何らかのかたちで守られているはずだから。
・都市部では少なくとも、その権利が「経済的価値」を持つはずだから。
ベトナム不動産の話を、もう少し詳しくしますね。同国で外国人に対して不動産市場が事実上開放されたのはつい最近(2015年)ですが、そのはるか以前から、ホーチミン、ハノイの二大都市では、ベトナム人による「都市内の集合住宅居住」スタイルが一般化しています。
おそらく、ここ10年のことでしょうか。ホーチミンやハノイが拡大して市内の地価が大きく高騰して、一般の人が「土地付き一戸建て」を買って住むのが難しくなった。遠い郊外(下手したら隣県)からバイクで長距離移動する位なら、都市内の集合住宅で良いと思う人が増えた。そのニーズを追うように、地元民向けのマンション供給も大きく増えた。
今や、ホーチミン1区から半径5㎞以内で一戸建というのがそもそも珍しいし、10km圏でも集合住宅が爆発的に増えています。それを、地元のベトナム人が売ったり買ったり、貸したり借りたりして、彼らの間でマーケットがすでに形成されています。例えば、「ホーチミン10区ならマンション㎡単価いくら位」みたいな話も成り立ちます。
最近は、batdongsan.comやtimnha.comなど、ベトナム不動産のポータルサイトも充実し、物件データ数も6万件を超えて、一応、ビッグデータ解析に耐えるようになってきました。そこにIT技術を駆使すれば、「ホーチミンやハノイ、各エリアの不動産売買・賃貸価格の㎡単価、平均値や中央値、標準偏差」が求められるようになっています。
【ベトナムでも、こんな方法でデータ解析できます】
東京と同じように、ハノイにもホーチミンにも、それぞれのエリアの土地柄があり、地域毎に不動産相場が存在します。
【ハノイのハイバーチュン区は、下町。錦糸町・亀戸に相当】
【ホーチミンの9区は、高度成長期の埼玉に相当】
「地域相場」が分かれば、いま売り出し中の物件が、それに対して割高なのか、割安なのか、という判定も可能です。いくつかの方法がありますが、私は「周辺事例比較法」と「偏差値」の概念をよく使います。
たとえば、日本人向けに売り出されたベトナム物件が、「地域における偏差値60」(トップ16%位)の値段で出ていたとします。この物件に「地域で偏差値60以上の立地、グレード、競争力」があるなら、不動産本来の価値より割安に買えるという判断になります。
私の分析データによれば、たとえば、「ハノイのTimes City」や「ホーチミンのLavita Garden」は、地域相場からみて「割安」の判定が出ました。こういう物件は、「長期保有」前提で、「現地で物件管理・転売サポートするしっかりした会社」があれば「買い」だと思います。
(割高判定が出た物件もあるけど、それ公開しちゃうと、また誰かから「中傷」だと言われかねないから、やめときますね。)
もし、「長期保有前提」でもなく、「現地で物件管理・転売サポートするしっかりした会社」もあやふやだとしたら、ベトナムあたり「外国人マーケットで競争力のある、すぐ出口の取れる物件」を買うべきでしょうね。
以上が、私の提唱する「新興国で割安物件をGETする方法」になります。この内容をセミナーで解説するには、私も何度かやりましたけど「都市の概要、各エリアの特性、交通網」から、「各エリアの相場データ」「割安・割高判定のその根拠」、「想定されるリスク」まで説明しなければならないので、ハノイ&ホーチミンだけでもたっぷり2時間近くかかります。
その経験があるから、私は「業者主催の数か国同時セミナー」には懐疑的なんです。各都市で説明時間が20~30分しかないと、頑張っても「物件説明」と「表面的な数字の説明」位しかできない。どうしても「売らんかな」になっちゃうし、投資家に十分な情報を与えて判断させることにならないから。
最後に、海外不動産を目指す日本の投資家に「十分な知識と判断力を与えて、より賢くする」ことに共感する業者様であれば、先進国、新興国を問わず、私は一緒に仕事したいです。