日本人に英語は不要なのか?

こんにちは、Manachanです。いま、北陸新幹線「かがやき」で、金沢に向かっているところです。安中榛名を越えるとトンネルばかり、電波もバリバリ圏外っすね…

私、2月29日(月)の夜に、「複数言語習得」(マルチリンガルになる)というテーマで、東京・銀座で講演することになりました(リンク)。話の幅を広げるため、時間をみつけて、語学学習に関するブログなどを読んでいますが、そのテーマでWeb検索していると、必然的にヒットするのが、この本。

 

成毛眞著「日本人の9割に英語は要らない」

mokuji

 

今から数年前、楽天、ユニクロ、サイバーエージェントなどの企業が、立て続けに「社内英語公用化」を宣言して、世間の話題になった頃に出た本ですね。グローバル化の流れで、猫も杓子も英語、英語、言ってるけど、普通の日本人にはそんなに必要ないんだよ」、「英語不自由でも専門や教養をしっかり学んでいればそれでいいんだよ」という論調で、英語コンプレックスを抱く層にもてはやされました。この本に触発されて、「英語不要論」という言葉さえ生まれましたね(でも、成毛さん本人は、英語を必要とする少数の日本人にはしっかり英語力をつけることを提唱しているので、英語不要論は彼の本意ではないと思いますが…)。

内容に賛否両論はあるでしょうが、私、「日本人の9割に英語は要らない」という内容に異論はありません。英語の影響力が増す昨今ですが、日本国の領域内は、今も昔も日本語が圧倒的に優勢な世界。日本で生まれ育った大部分の人は、日本語だけで一生過ごせますし、多少なりとも英語能力を必要とする日本人は、せいぜい総人口の1割というのも、私の肌感覚に合います。例を挙げると、日本パスポート持って海外渡航する人数は、延べ人数で年間1700万人程度。そこには、私みたいに複数回、海外渡航する日本人も相当数含まれていますから、重複を省けば、1300万人(総人口の1割)程度になるかも…

「英語必要な1割、不要な9割」という比率は、将来的にもそんなに変わらないと思います。非英語圏のなかでも、日本語は話者人口10位前後、経済規模3位、学習人口7位…相当な規模を持つマーケットで、日本語による出版、技術・高等教育など文化活動がビジネスとして十分成り立ちます。ドメスティックな市場原理が成り立つ以上、英語メディアに根こそぎ持っていかれることはまず考えられない。

 

私は日本で育ちましたが、たまたま国際結婚したし、海外で就職したし、英語はじめ、いろんな外国語を覚えなきゃならない境遇にいたから一生懸命勉強しただけであって、自分の体験を日本人一般に当てはめることはできないのは十分承知です。

「英語は大事」、「マルチリンガルになろう」みたいなことを、日本人向けに提唱したところで、そのマーケットは、どんなに頑張っても1割を超えないでしょう。渋谷センター街や難波パークス歩いてる若者の9割に、おそらく外国語は必要ない。今も将来も…

 

ただ、この書評に関しては、違和感ありまくりでした。

日本人も驚き。「英語ができないのは、幸福な国の証」だった

 

引用しますね。

>(シンガポール、フィリピンなどでは)英語ができない人はエリートとして扱われない。英語ができなければ、生涯大きなハンディを背負うので、必死に勉強しなければならない・・・自国の産業を持ち、国民がみな一定の生活レベルを保っている日本では、海外に飛び出さなくても自国で幸せに生きていける。英語ができないのは、幸福な国の証でもあるのではないだろうか。
たまたま、非英語圏のなかではマーケットでかくて、それほど切実に英語やらなくても良い日本の状態を、「幸福」というのはどうなんだろう?その推論に妥当性があるのかな?

シンガポールやフィリピンなど、英語やらなきゃならない国々の人々が、大変で不幸なのでしょうか?ああいう国の人々は、別段苦労しなくても、英語はじめ複数の言語を、日常生活のなかで身につけられる言語環境に暮らしているだけの話だと思いますよ。

私の立場からいうと、フィリピンやシンガポールに生まれて満足な教育を受けられれば、英語で情報収集も自由自在にできるし、英語を使った仕事に就けるから世界中でキャリア形成できるし、かえって得してると思うんだけどな。

英語は大変、英語を切実にやらんでもいい日本は幸福…そういう感慨を持つのは個人の自由だけれども、「幸福」という価値観に安住して、英語が満足にできないことの免罪符として使ってるような印象を受けてしまいます(本人は、そのつもりではないのかもしれませんが…マルチリンガルから見ると、そういう解釈になる)。

 

図を使って分かりやすく言えば、

eigofuyou

「英語やらなきゃならない層」(総人口の10%)のうち、約7割が「挫折予備軍」、約3割が「継続学習派」であるとしたら(この数字当てずっぽうですが、個人的には結構いい線いってると思う・・・)

本当は英語やったらメリットの得られる「挫折予備軍」をして、「英語不要な層」に引きずり込むような結果に寄与してしまうと思います(図でいうなら、下方に向かう白の矢印↓)。

 

もう一つ、引用。

>アメリカの外務職員局の調査によると、アメリカ人がフランス語、スペイン語など欧米圏の言語をマスターするには約600時間で済むが、日本語や中国語、アラビア語などは難しく2,200時間が必要だとしている。日本人が英語をマスターするのも2,000時間ほど必要と言われており、特に日本人が語学下手という訳ではない。単に日本語と英語はそれほど異なった言語だ、という事だ(中略・・)日本で仕事をしながら英語を流暢に話せるレベルに到達するのは、ほとんど不可能だと考えた方が良い。

日本語と英語の言語的距離が遠いのはその通りと思いますが、この議論には、外国語学習における目標設定が現実的でないという、根本的な問題があります。「英語学習者からみて、日本語習得は2000時間以上かかる」(日本人が英語をやっても、ほぼ同じ時間がかかる)・・を引用してますが、これは、英語を使って仕事できる「ビジネス(習得)レベル」を想定しているものですね。アメリカ外務省が出してるんだから、エリートの人間が外交官として勤務することを想定した数字なんでしょ?

shuutoku

 

私の言語学習理論「5%-30%-80%」の法則からいえば、日本語環境で暮らす日本人が英語を学ぶ場合、多くの人にとって現実的な目標は「使用レベル(30%)」の達成英語圏で暮らしたり、英語で仕事する職にも就かない限り、「ビジネスレベル(80%)」達成は非常に困難。そのレベルを想定して、難しいと言っている…日本に住んでて英語を普段使ってないんだから、難しいの当たり前じゃん。

 

「英語は難しい」、「日本人は英語できなくてもいい」、「それでいいんだ、幸せだ」…そんな言説に、私は真っ向から意義を唱えます。本の知的レベル向上に百害あって一利なしと思うから。

 

私の役目は、

・「挫折予備軍」を、「継続学習派」に引き上げること

そして、

・「継続学習派」をさらに強く動機づけして、「バイリンガル」、「マルチリンガル」に育て上げること。

manachaneigo

 

英語含めて、外国語なんて、大して難しくないんですから…

適切な目標を設定して、体系的に学習を継続していけば、誰だってできるようになるんですから…

マルチリンガルが特に頭いいなんて、そんなこと、全然ないんですから…

 

日本人のなかで、英語・外国語を必要とする約10%に対して、私はそれを訴え続けたい・・・その第一歩となる講演をやりますので、興味のある方、きてくださいね。

 

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【第10回講座】 銀座夜大学『マルチリンガル(多言語話者)になる方法』

外国語はカンタン。やり方次第では、一生に10言語、20言語の習得だって十分可能!
5ヶ国語を操り、年間1言語ずつレパートリーを増やしているという客員教授 鈴木学氏の頭の中と学習方法を大公開します!英語学習で苦労する人生とは永遠にサヨナラしよう☆

◯日時:2月29日(月)19:00~22:00
◯授業料:21時までのご来店:6,000円
(ドリンクチケット2枚&ブッフェ料理)
21時以降のご来店:2,500円
(ドリンクチケット2枚)

会場:SHINOBY’S BAR 銀座
104-0061 東京都 中央区銀座5-10-10 6階

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