人口減っても家賃とれる町

こんにちは。今日のブログは、関東の最東端、潮風の町、千葉県銚子市ねたをお届けいたします。

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太平洋に突き出した銚子半島。この地に行ったことなくても、成田から乗る飛行機からその姿を見た方は多いことでしょう。この地域で、是非知っていただきたいのが、

夏は関東で一番涼しく、冬も暖かい、身体にやさしい気候

 

特に夏の涼しさは特筆ものです。東京都心や神奈川県で35度を超える猛暑日になる日でも、銚子ではせいぜい31~32度。観測をはじめてから、銚子気象台で35度を超える猛暑日になった3回しかないとか…

今年の夏、8日連続の猛暑日に悩まされた東京の人からみると、「同じ関東で、猛暑日とは無縁の場所があったのか…」と、驚くことでしょう。冬も暖かく、銚子で氷点下になったり降雪することは滅多にありません。シニアの保養地、リタイアメントの地として適性が高い場所だと思います(その代わり、湿度は高く、風が強いですけどね…)。

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銚子は、「天国の気候」に恵まれているだけでなく、観光資源も豊富。「銚子漁港の魚介グルメ」、「犬吠埼灯台」、「ぬれ煎餅で有名な銚子電鉄の旅」などを擁し、関東人の行楽の地として知られています。

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JR銚子駅を降りると、商店街になっており、美味しそうな海の幸が並びます…決して人通りが多いわけではありませんが、南欧の田舎町を思わせる、小ぎれいで明るい感じのする街です。

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銚子市を中心とする地域の地図を、拡大してみました。銚子の隣には、同じ千葉県の旭市、東庄(とうのしょう)町、利根川をはさんだ対岸には、茨城県の神栖(かみす)市があります。

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この「広域銚子地域」のなかで、銚子市の人口や経済的地位は落ちつつあります。理由はシンプルで、「仕事が少ない」。銚子は漁業、農業など一次産業が盛んでも、工業地帯のような大きな雇用主がないのです。

地元の方に、「銚子の若者はどこに出ていくのか?」と聞くと、「神栖に行っちゃう」と答える方が多い。隣の神栖市は鹿島工業地帯があって働き口が多いのです。しかも、潤沢な法人税・事業税で財政も裕福だから福祉も良い、街も新しくて便利・・・ということで、子育て世代の神栖への流出現象もみられます。

下の図が、2005~12年の人口推移。銚子市が減少する一方で、神栖市が人口を伸ばしていることがよく分かります。

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これだけ見ると、「人口を伸ばしている神栖はいいけど、人口減ってる銚子で不動産投資はやばい」と思うかもしれませんが、ミクロでみてみると、そういう単純な話でもありません。面白いことに、

・住宅地地価をみると、人口減ってるはずの銚子市が高止まりして、

・人口増えてるはずの神栖市で、地価が下がりまくっているのです。

銚子市の平均住宅地価  41,500円/㎡ (2004) ⇒ 39,400円/㎡ (2008) ⇒ 5.1%減

神栖市の平均住宅地価  35,100円/㎡ (2004) ⇒ 25,300円/㎡ (2008) ⇒ 27.9%減

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なぜ、そうなるのか?まだ詳しく調査したことはありませんが、仮説として考えられるのは…

・神栖市は延々と平坦地が続き、住宅建設の適地がたくさんある。これまで人口の多くなかった旧・波崎町あたりでも、住宅開発が広がり、価格の安い分譲地が増えているかもしれない。

・一方、銚子市は半島で平坦地が少なく、住宅を建てられる土地が限られる。売買用土地の流通が少ないから、地価も高止まりする。

 

地方都市での賃貸経営にとって、「入居者が安い戸建購入に走る」のは、かなり重大なリスクです。神栖市で安い土地や戸建が流通すればするほど、オーナーがとれる賃料の上限がどんどん下がる。たとえばの話、神栖市平均の地価(2.5万/㎡)で200㎡の宅地を買っても総額500万円。そこに、パワービルダーの安い戸建を1000万円建てれば、総額1500万円で新築戸建がつくれてしまう。

1500万円の90%(1350万円)を住宅ローン組んで買った場合、月々の返済額は、金利1.2%、35年返済でいくと39,379円、25年返済でも52,109円・・・そんなマーケットで、月額55,000円以上の家賃を取るのは難しい。

 

あと、山がちな銚子半島と違って、平坦地の多い神栖では、賃貸アパートも建ちやすく、すでに「供給過剰」になっているという話を、複数の業者から聞きました。

賃貸用住宅の空室率 (「Home’sみえる賃貸経営」)

神栖市 34.8%
銚子市 26.4%

 

人口増えてるのに地価下落と過剰供給のダブルパンチ・・・神栖市地場の業者のサイトをみると、同地域の2DK~3DKファミリー向けの賃料は、3~4万円くらいの安いものが目立つ(7万円とる高額物件もあるが…)

http://www.sumairu.co.jp/chintai/bukken/0-7f.html

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一方、銚子市側だと、同じような間取りで、普通に5万円以上とれているようです。神栖と違って、月額3~4万円という激安物件はほとんどない。

http://www.benefit.ne.jp/~choshi/rent/2k.html

choshiapaman

 

銚子市は確かに人口減っていますが、不動産賃貸の目でみれば需給がバランス取れているので、過剰供給気味の神栖市より家賃取れるといって良いと思います。

しかも、銚子駅に近い中心部には土地の空きがほとんどありませんので、ライバルが増えるリスクも少ないし、衰退都市のイメージがあるので、銚子での賃貸事業に参入する業者も少ない。

地場の良い管理会社と組めれば、銚子の不動産投資って、意外に良いかも。逆張りチックでありますが、関東に残された、数少ない賃貸経営の穴場かもしれませんね。

 

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