2015年 7月 の投稿一覧

モンゴル質屋ビジネス

おはようございます。Manachanです。一昨日の晩からモンゴルの首都ウランバートルにいます。当地へは二回目の訪問です。最初に来たのは昨年11月、気温マイナス16度だし、石炭ストーブのスモッグが街を覆ってるし、かなり辛い訪問でしたが…7月、夏場のウランバートルは素晴らしいですね。空は青く澄みわたり、陽光は暖かく爽やか、日本の夏の蒸し暑さとは全く無縁。まるで天国に来たようです。

いまモンゴルはサマータイムで時計を一時間遅らせています。その結果、日本との時差はゼロ!とはいえモンゴルは経度にして日本標準時より30度(2時間分)西にある分、日暮れが遅くなるので夜は10時まで明るく、朝は7時頃にならないと日が昇らない。体内時計が少し狂ったような気分。

そんなモンゴルの首都ウランバートル、経済発展中の新興国とはいえ、生活利便性の面では日本とは大きな違いがあります。コンビニない、自販機ない、ファストフード店も極めて少ない等々…私はウランバートル都心部の便利な場所に泊まってますが、ちょっとアイスクリームとかコーヒーとかが欲しくなった時に、結構な距離を歩いて店を探さなくてはならない。各国料理レストランとかはまあまあ多いけど、「少し歩いてちょっとした買い物」が難しいのでう。

逆に、コンビニを需要のある場所で開けば、ビジネスとしてかなり当たりそうな気がします。

気の利いた店やサービスの乏しい印象のモンゴルですが、逆に、日本より充実している(?)サービスもあります。特に目立つのは、

質屋(ロンバルド)

ウランバートルの街を歩けば、どこもかしこも、ロンバルド、ロンバルド…質屋の看板だらけです。とにかくすごい数。日本やタイのコンビニといい勝負かもしれない。

「4%」というのは、「月利4%」ですよー(年換算48%)

業界大手(?)の質屋。借りる額が多いほど金利が低く、少ないほど高い

日本の消費者金融の感覚からすると、とにかく、利率がすごい。月利4%なら可愛いほうで、場合によっては「月利8~9%」もある(トイチなら貸すでよ…の世界)。

でもって、質草として、ポピュラーなのが「携帯電話」、「カラーテレビ」、「ノートブックPC」あたりだそうです。

モンゴル人は、たとえばパーティーやクラブに行くカネがない時、里帰りする電車賃がない場合、あるいは、彼女とエッチするためにラブホテル代が今すぐ欲しい場合、虎の子の携帯電話を取り出して、近くのロンバルドに直行。月利4%とかでおカネを借りるのです。

もっとも、携帯電話を質に出しても、借りられるお金はせいぜい、3万トゥグリク(1900円)くらいでしょう。「そんな少額ならATMでカネ引き出せばいいのに」と思うけど、モンゴルでは「預金残高ゼロ」の人が多いんだそうです。ウランバートル人は宵越しのカネを持たないの?

逆に、「すぐカネ貸してくれる」質屋を悪用するモンゴル人もいるようです。例えば安いテレビや、微妙に壊れた携帯電話を持ち込んでおカネ借りて、そのままドロンしちゃうとか…質屋ビジネスには、モノの見極めスキルが必要ですね。

もっと大きいおカネが必要な場合、質草として出すものは、「土地」、「建物」、「家畜」が多いそうです。田舎の親元で飼っている牛や羊を質に出して、マンション購入の頭金に充当するケースもあるとか…

日本だと、多くの人が「銀行のカードローン」や「無人君」を使うでしょうが、その種のサービスがまだ未発達のモンゴル。人々の旺盛な資金需要をファイナンスするために、質屋隆盛の時代はまだ続きそうです。

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中国の使えねぇネットの話

おはようございます。Manachanです。私、すでにモンゴル・ウランバートルに着いておりますが、今回のブログは、乗り継ぎで使った中国・北京首都国際空港のネタで書きますね。

中国といえば、政府がインターネットにいろんな規制をかける国家として知られています。

1)Facebook使用禁止
2)Google使用禁止(Google ChromeもGmailも不可)

が有名ですが、その他にも、

3)LINEも使えない
4)FC2ブログも見れない

Googleが開けない…

北京の空港では無料WiFi使えますが、せっかくネット繋がっても、俺らが普段使ってるFacebookとかGmail、LINEが使えないのはかなり不便。なぜだか知らないがFC2ブログ見れないので、「不動産三大ブログ」のうち、必殺さん狼さんのブログは中国で読めない、ライブドア使ってるクマさんのだけ読めるという…よう分からん状態。FC2は中国政府と問題起こしたのかな?

外国人からすれば、何のためのWiFi Freeか分からん

とはいえ、何でもダメ、ダメという世界でもなく、

1)私のブログをホストしているAmebloはOK
2)我々不動産業者が使ってるREINS(レインズ)も使用可
3)Skypeも使える
4)無料Faxソフト(e-faxやPamFax)も使用可能

ですので、たとえばレインズに成約済登録した物件情報を削除するのに、全日本不動産協会にSkype電話かけて、ソフト使ってFax送る…そんな作業は、北京国際空港のベンチに座りながらでもできます。

そんな仕事は普通にできるのに、GmailやFacebook、LINEのチェックみたいな、何気ないことができないのが、不思議っちゃ不思議だよね。

あと、当然ながら中国製のソフトウェアなら政府が奨励しています。

1)中国版のGoogleともいえる、百度、捜狐、網易(163.com)などは当然使用可
2)中国版のFacebookといえる、WechatやQQ、人人網などは当然使用可
3)中国版のTwitterといえる、微博などは当然使用可
4)中国版のYoutubeといえる、優酷などは当然使用可

北京でgoogle.comは表示されないから、検索するには中国のポータルサイトを使う、また中国の友人と連絡とるにはFacebookダメだから中国のWechatで友人登録しておくのが基本ですね。それぞれ機能は充実してるので、中国だけに閉じた世界で良ければそう不便は感じません。FacebookやLINE、Gmailで、中国外の友人と連絡とるのが不便なだけです。

Googleの代わりに中国製品を使えば万事OK!

ですが、ネット規制を破る方法は当然あるわけで…代表的なのは、

VPNソフトウェアを使う

VPNとは、平たくいうと中国のネット規制を回避して、海外のアプリやウェブサイトに直接アクセスするテクノロジーのことです。中国のポータルサイト163.comで検索すると夥しい数のVPNソフトウェアのサイトが表示されました。なかでも、GreenVPNというソフトが無料だし使い勝手よさそうだったので、早速、私のiPhoneに導入してみました。すると、

Facebookが使えるようになった!

結構簡単じゃん!こんな程度の労力でできるなら、中国のネットユーザーの相当数がFacebookを見ているはず。政府のFacebook規制って一体何なんだ…って感じもするなあ。さらに面白いことに、

国際線の機内でiPhoneを中国聯通(China Unicom)の3G網につなぐと、FacebookもLINEも、Gmailも全部使えるぞ!!

空港ターミナルと違って、国際線の機内はもう治外法権なんですかねえ…いつ行っても、ちうごくは不思議で不可解で、面白い国です(自分も2年間住んでました、ハイ・・・)。

最後に、北京空港内の時間貸しホテルで食べた「西紅柿鶏蛋麺」が、なかなかうまかった。お勘定は36元(約700円)。値段ちょっと高いけど空港内だし、コーヒー飲み放題だったから許す。

巨大都市北京をあとに・・・・次回はモンゴルからの更新です。

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予定のない旅

こんばんはManachanです。先ほど、オーストラリアへ里帰りした妻と子供たちを成田空港で見送って、いま柏の実家にいます。

明日は、私ひとりで朝6時前に出発、成田からチャイナエア便で北京経由、モンゴル・ウランバートルまで行きます。その後も仕事でいろんな国を回り、3週間後の8月5日にオーストラリアで家族と合流する予定です。

当分、家族と会えなくて寂しい気持ちが3割、でも残りの7割は、自分の好き勝手できて嬉しいというのが正直な気持ちですね(普段は父親業で結構忙しいので…)。3週間、束の間の「自由」を満喫します。

家族は機中の人。私は成田空港の駐車場を出て、たった一人のドライブ。柏までの道中は田舎道なので夜は真っ暗、街灯もまばら。ハイビーム走行しながらFMラジオをかけていると、50代の現役サラリーマンのインタビューをやってました。

「妻と一緒に、日本全国をツーリングするのが夢です。」
「途中、住みたい土地に来たら、そこで家を買う…みたいに、予定を決めずに旅したいです。」

それを聞いて、ハッと気づきました。

いまの自分の暮らし自体が、予定を決めない旅みたいなものですね…

一人会社の社長、気ままな渡世。この仕事でいくら稼いでも良いし、いつ辞めてもいい。休みたければ何日休んでもいい。

一応、東京に住み、事務所も構えているけど、自分自身、どこを拠点しているのかよく分からない位、ほぼ毎月出国してるし、行った先で仕事してるし、遊んでるし・・・ライフスタイルが旅そのもの、ノマドそのもの。

もっとも、2年半前まではサラリーマンだったので、前述の50代サラリーマンみたいに、「全国ツーリング」とか「予定を決めない旅」みたいなものに憧れたものです。あの頃は会社から数日の休みをとって、その範囲内で旅程を決めてました。最初から「終わりが見えてる旅」だから、「5日間のうち3日経ってしまった…」「あ~あ明後日には出社か…」と、憂鬱になったりしました。

そんな私が、会社をクビになって…我が人生に「時間の自由」というものが、にわかに転がり込んできました。でも、要は失業者。当時は「野垂れ死にする自由」と隣り合わせだと感じてました。

その後、一人会社を立ち上げて、仕事がなんとか軌道に乗って、食えるようになって、生活不安が後退して、今ようやく、「予定を決めない旅みたいな人生」が手に入ったと実感しています。

今さら、全国ツーリングとか、海外リゾート暮らしとか、羨ましいとは全然思いませんもんね。世の中の何が羨ましいのか、よく分かりませんが、とりあえず今の暮らしを満喫してます。

次回は北京かウランバートルからの更新になります。お楽しみに。

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アジア太平洋インバウンドセミナーの可能性

こんばんは、Manachanです。

私が代表をつとめるアジア太平洋大家の会(APHOC)では、2011年2月の創立以来、4年半にわたって、日本人投資家に海外不動産を紹介する、いわゆる「アウトバウンド」(日本人の海外買い)のセミナーを中心に開催してきました。

今年9月以降は、アウトバウンドと並行して、「インバウンド」(外国人の日本買い)のセミナーも精力的に企画していこうと考えています。

なぜ、アジア太平洋大家の会でインバウンドセミナーをやる意味があるのか?二つの理由があります。

インバウンド需要の高まり

数年前と違って今は、1米ドル=120円超の円安の時代。かつアジア近隣諸国の購買力上昇や訪日ビザ要件緩和を背景に、インバウンドの不動産需要が高まっています。またAirBnBなどを使った、新しいインバウンド賃貸経営モデルも出てきています。APHOC会員からも、日本国内で保有する物件を外国人に売りたい、貸したいというニーズの高まりも感じます。

そういう時代背景のなか、外国人が日本の不動産に投資して収益を上げたり、あるいは日本の不動産仲介業者や大家さんが、外国人との関係を活かして利益を上げる…そのために必要な情報提供やスキルアップ、マッチングの機会を提供していきたいと考えます。

日本に海外マネーを呼び込んで経済を活性化したい

会の代表として、私の個人的な思いを言うと、「アウトバウンドだけやってもつまらない」…なぜなら、「結局、日本人が汗水たらしてつくったおカネを外に出す活動」だけになっちゃうからです。

もちろん、いま、日本でロクな利子もつかずに眠っているおカネ(あるいは数年後、役所に相続税として召し上げられるおカネ)を、海外に出して高収益を目指すことはどんどんやるべきだし、それに必要な日本人のファイナンシャル・リテラシー向上の必要性は論を待ちません。当会は不動産の分野で、その営みを4年半、続けてきました。

ですが、「一旦、外に出したおカネ」を、「日本に還流させる」メカニズムがないと、結局、日本のマネー、産業、雇用はやせ細っていきます。この国のメシを食って大きくなった人間として、祖国の経済衰退は受け入れがたい。「おカネを日本に還流させる」ために、不動産の分野で力を尽くしたいという思いがあります。

日本以外で暮らしたことのない人は、海外とのフラットな比較や相対化が十分にできていないケースが多い。「これから日本の人口は減っていく、どんどん経済衰退して貧しくなっていく」みたいな俗説を信じて疑わない人も多い。

でも、海外で長年過ごした私にいわせれば、日本なんてまだ、ポテンシャルだらけ、伸びしろだらけですよ。昨年12月に書いた「日本経済は成長できる(前編後編)」に私の持論が出てきますが、女性や外国人の活用、インバウンド観光、不動産評価や融資…いろんな面で「実現されてない価値」が巨大な量、存在するのですから、将来を悲観することはない。海外でヒントを得て、日本でビジネスチャンスを見つけて大きく育てていけば、人口が減るとはいえ、この国はまだまだ十分、伸びられるはず。だからこそ、会の活動としてインバウンドをやりたい。

成長著しい日本のインバウンド観光
(定住人口は減っても、交流人口はいくらでも増やせるんです。)

では、これからどんなインバウンドセミナーを開催していくか、いろいろ考えていますが、

1)外国人が日本の不動産を買う上での融資や、法制税制などの知識系セミナー

これは、早い段階からどんどんやっていきたいです。例えばの話、

・日本国内で営業する外銀の融資担当者を講師に招き、外国人投資家向けの融資商品や審査、運用についてレクチャーする。

・私(Manachan)が外国人投資家の不動産購入・融資ニーズについてプレゼンする (これまで4年以上、インバウンドの不動産業者として外国人バイヤーと接してきたので、話すネタはいろいろあります。)

この方針でクオリティの高いセミナーが開催できれば、不動産業者、金融機関、物件オーナー…いろんな人に役に立つと思います。

・日本の物件を外国人に売っていきたい不動産業者に対する実践的な情報提供の場になる。

・日本国内物件のオーナーが、売りたい物件を外国人向けに販売・マーケティングしていく上での基礎知識やヒントになる。

・不動産業者がオーナーから直接ブツ上げして、外国人向けに売りだすことできる。

・外国人バイヤーを新たな融資先として開拓したい金融機関にとって、商品設計のヒントになる。

あとは、こんなセミナーも企画したいです。

2)日本人の大家が、外国人投資家向けに直接物件紹介するセミナー

イメージとしては、例えば、

「東京へ不動産視察に来た台湾人投資家グループに、関東圏の物件オーナーが、自分の物件内覧会も兼ねて販売するセミナー」とか、

「福岡県の大家グループが、不動産業者を伴って香港に行って、福岡の街や不動産投資の魅力を直接アピールしつつ、現地投資家に物件をプレゼンするセミナー」とか、

いろいろと仕掛けが必要で、時間はかかると思いますが、是非、取り組んでいきたいと思います。

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パオズになったおひなさま

こんばんは、Manachanです。明日から二日連続で開催するオーストラリア不動産セミナーの講演資料も無事完成し、一息ついたところでブログやります。

もうすぐ、小学校の夏休み。子供たちには宿題がどっさり出ます。なかでも「課題図書を読んで読書感想文」は定番中の定番。

うちの娘ソフィア(4年生)に課題図書読ませるのは、毎年、至難の業ですが、今年の課題図書の一つ「パオズになったおひなさま」(くもん出版)は、話舞台が中国の大連(ソフィアの生まれた街)ということで、興味を持つかもしれないと思い、早速買いました。

娘が大連生まれ、ということは当然、私や妻も住んでたわけです。2005~07年までこの街で過ごした私が、「パオズになったおひなさま」に出てくる、1940年代(日中戦争当時)の大連に関する描写を読んで、とても懐かしくなりました。

時代は違えど、大連の四季のめぐりは変わらない。「4月末、アカシヤ、リンゴ、アンズの花が一斉に咲き始める頃」、「11月、アカシヤの葉がすっかり落ちて木枯らしが吹く頃」…そうそう、そんな季節感でしたね。

でも、当時の大連が今と決定的に違うのは、「日本人の居住区」と「中国人の居住区」がはっきり分かれていたこと。おそらく、自分が日本人だということを強く意識しながら暮らす大連生活だったことでしょう(日本人街は、大連市・中山広場の近くにありました。近くにロシア人街もありました。いま、この一帯では旧い建物が壊され、高層マンションが建ち並ぶ新興住宅地になっています。)

その60年後、私が大連に移住。中山広場から10㎞近く離れた新開地「ソフトウェアパーク」(軟件園)に居を構えました。ここは少数の韓国人や日本人が暮らす他は全て中国人の世界。私も普段の生活で中国語以外を使うことはほぼなかったし、自分の国籍を意識することもありませんでした。ただ、私の中国語アクセントが大連人と明らかに違うので、地元民扱いはされず、「台湾人」か「福建省人」だと思われてました…

そんな中国どっぷり暮らしをしていた私、かつて「日本人の居住区」が大連に存在したこと自体、ピンとこないのですが…話を元に戻しましょう。

「パオズになったおひなさま」の主人公「よっちゃん」(大連生まれの日本人少女よしえちゃん)の両親は、日本人街にある食料品店「升屋」を経営していました。「升屋」は日本人街では珍しく、中国人店員を使っていました。よっちゃんの父君は大らかな性格で、「日本人と中国人が仲良くして、はじめて商売がうまくいく」という経営哲学の持ち主でした。店内では日本語と中国語が飛び交い、おかげでよっちゃん一家全員、中国語ができました。

よっちゃんの育った「升屋」

一方、よっちゃんの大親友が、同い年の中国人少女「リンちゃん」。この子は中国人居住区に住んでいました。幼い時に父を亡くし、母親が「パオズ」(包子=中国の肉まん)店を女手一つで切り盛りしていました。

リンちゃんの育った「パオズ屋」

当時、日本と中国は戦争状態でしたが大連の街は平和で、日本人街と中国人街の人々は、自由に行き来ができました。リンちゃんの母親は、日本人街の「升屋」に小麦を買いにいき、中国人街でパオズを作る毎日。子供たちも、お互いの家に遊びに行っていました。

当時の大連では日本人と中国人が同じ街に暮らし、お互いの風俗習慣を学びあっていました。西暦1月には日本の正月、2月には中国の旧正月、3月には日本のひなまつりがあります。旧正月にはよっちゃんが中国人街に出かけてお祭りを見に行き、ひなまつりにはリンちゃんが日本人街に出かける…まさに「コスモポリタン都市」でした。

はじめて雛人形をみて感激するリンちゃん

しかし、日本の敗色濃厚になった1944年頃から、状況が急変します。よっちゃんの父親は中国人と仲良くしすぎるのでスパイの容疑をかけられ、憲兵に連行されて暴行を受けます。リンちゃん一家も日本人と仲良いので周りの中国人から猜疑の目でみられます。治安も激しく悪化し、よっちゃんとリンちゃんは、これまで通り遊べなくなりました。

1944年末、もはや大連に居られなくなったよっちゃん一家は、店を畳んで日本へ帰国することに…寒風吹きすさぶ12月、帰国船に乗り込む彼らに、リンちゃんと母親が最後の別れを言いにくる。そこで、よっちゃんはとっておきの「ひな人形」をリンちゃんにプレゼント、リンちゃんは持ちきれない位の「パオズ」をよっちゃんに手渡す。

ひな人形がパオズに変わり、歳月は経つ。戦争に引き裂かれた仲良し少女二人はそれ以降、会うことはありませんでした。でも、よっちゃんは老年になっても、ひなまつりになると必ずパオズをつくり、幼き友リンちゃんを思い出すのでした…

…ストーリーはこんな感じです。小学4年生がこれを読んで、戦争や平和について考える、学校側はそれを期待しているようです。ソフィアはどんな感想文書くんだろねえ。

私が感想文書く立場だったら…テーマが重すぎてとても書けそうにありません。ただ、シンプルにこう思いました。

国籍民族、分け隔てなく接する商売人こそが、たぶん、世界平和に一番貢献するんじゃないかなあ…

そろそろ、私の会社でも留学生雇うか…

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瀬戸内の島を世界で売る!

こんばんは、Manachanです。

いきなり、白砂のプライベートビーチの写真!海の透明度が素晴らしいですね。遠い海外ではありません。山口県の岩国錦帯橋空港から、車で40分ほどの島ですよ~。

画面中央が、今回、売りに出ている笠佐島(かささじま)。画面左上の陸地が本州(山口県柳井市)、右上が周防大島(瀬戸内海で三番目に大きな島)です。私の会社で仲介するべく、いま、世界中でお客様を探しています。

英語のプレゼン資料もつくりました。まずは来週、モンゴル・ウランバートルに売りに行きます。

そして、中国語でエッセイを書き、Leeways社のポータルサイトで発表しました。

日本離島好買賣 (Leeways Onlines)

(日本語訳) 「日本の楽しい離島売買」

日本は大海に浮かぶ島国です。島の数、なんと6852。インドネシア、フィリピンに次ぐ、世界第三の島嶼数を誇ります。

国土交通省の定義によれば、日本領土における島は、主要5島(本州、北海道、九州、四国、沖縄)と、6847の離島に分類されます。離島のうち、約400島が有人島、その他6400余りが無人島です。離島のなかには、例えば兵庫県淡路島のように、高速道路が通り利便性が高く、相当の人口(13万人余)を擁する島もありますが、大部分の離島は交通不便で人口が減少しています。全員が島を離れて打ち捨てられた無人島も少なくありません。

日本において、離島が特に多い地域は九州近辺(長崎県、鹿児島県等)、瀬戸内海(広島県、愛媛県、山口県、香川県等)、北海道近辺、沖縄近辺、東京南方の伊豆諸島・小笠原諸島などです。

日本の離島のなかでも、国際的視野でみて大きな経済価値やポテンシャルを持つ島がいくつもあります。たとえば、私が先日訪れた瀬戸内海の島は、面積28万坪、人口わずか13名。本州からわずか2㎞の距離。本土と結ぶ定期船もあり交通は比較的便利。人が住んでいるのは島の北部だけで、南部は完全に無人の世界、そこは手つかずの自然、プライベートビーチの宝庫です。瀬戸内の穏やかな気候、澄んだ海水、多島海の美、まさにこの世の桃源郷、「東洋のエーゲ海」といえる場所です。

この島の大部分はリゾート開発会社により所有されており、経営者が引退するため、島内10万坪の土地を4.5億円(2250万人民元、1.12億台湾元)で売り出しています。有人島であるため、水道、電気、通信網などのインフラは整っています。ここをリゾートとして使いたい向きには、インフラ敷設コストが無人島よりずっと安く上がります。

日本においてはこのような、経済的価値の高い離島が少なくありません。日本国内の土地は、外国人でも購入・所有できます。国境近くの、国際紛争を起こしやすい島でもない限り、現時点では全て購入可能。外国人オーナーであっても日本国への納税義務を果たし、法令を順守していれば問題ありません。

さらに、タイ語クラスでもこのテーマで作文して、先生に添削してもらいました。タイ語はまだ初心者で中国語ほどの表現力はないので、ごく簡単な文にしました。

(日本語訳)「日本の島を買いたいですか?」

日本は太平洋に浮かぶ島国です。なんと6852もの島があり世界第三位。日本より島の数が多い国はインドネシアとフィリピンだけです。

日本の島は、主要5島(本州、北海道、九州、四国、沖縄)と、6847の離島からなります。離島のうち、有人島の数は約400、残りの6400島は無人島です。

外国人でも日本の島を購入することができます。私の会社では山口県にある、美しいプライベートビーチのある島の売買仲介をしています。ここではヴィラ、リゾートなどを開発したりできます。値段は4.5億円です。

この島が本当に売れるのかは、やってみないと分かりません。ま、珍しい試みだし面白いので、楽しみながら客探しを続けていきます。

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ギリシャvsドイツの金貸し

こんばんはManachanです。今回のブログは、いま旬な「ギリシャ」の話題でいきましょう。

昨日行われたギリシャの国民投票の結果、EU=ヨーロッパ連合側が求める財政緊縮策の受け入れに反対する国民が多数を占めました。

これが即、ギリシャのユーロ通貨離脱やデフォルトを意味するわけではありませんが、これまで数年にわたるEU(特にドイツ、フランス)やIMF主導によるギリシャ財政の再建策が、大きくつまずいたのは間違いないでしょう。

銀行から一日60ユーロ(約8000円)しか引き出せない「ガキの使い」みたいな暮らしを強いられ、若年層の失業率50%にあえぐギリシャ国民。今後、借金棒引きしてもらってユーロ圏に留まるのか、あるいは独自通貨ドラクマに戻るのか…先行きは全く見えない。また同国に対する最大の貸し手「ドイツ」にとっても大変な苦境でしょう。

ユーロ圏の優等生ドイツのエース「ドイツ銀行」のSP格付けが、「A」から一気に「BBB+」に下げられ、すわギリシャと共倒れか、という声も聞こえてきます。

この問題…借りたカネ返さないギリシャが悪い、という一面だけでは捉えられないでしょう。リーマンショック前後の2008年に、一人当たり名目GDPが3万USドルを超えていたギリシャ経済は、7年間ですっかり疲弊し、2万ドルを割り込んでしまいました。ちなみに同時期、ドイツの所得水準は落ちていません。

これ、アベノミクスで円安になって米ドル換算で数十%所得水準が落ちた…みたいな話ではありません。ギリシャ人が現在使っている通貨「ユーロ」でみても、7年前からみて約25%、経済規模と所得水準が落ち込んだのです。

次に、ギリシャとほぼ同レベルの経済国、中東欧(スロベニア、チェコ)、南欧(ポルトガル)と比較してみましょう。2008年時点ではギリシャがトップでしたが、今ではスロベニアとポルトガルに抜かれてしまいました。2015年、下手したらチェコより下になるかもしれません。

次に、日本人に身近なアジアの国と比較してみましょう。2010年までは「ギリシャ、韓国、台湾」の順でしたが、今では韓国、台湾に抜かれています。

常識的に考えて、こんなに国民経済が疲弊してしまっては、財政再建もクソもないでしょう。仕事ない、福祉ない、金持ちや海外で働ける人はとっくの昔にギリシャを出国…しかも、そんな状態が7年も続いているのです。

ギリシャではリーマン後の2009年に、無節操な政府の支出超過が発覚した後、IMFとEUの指導の下、政府支出を絞り込み、歳入を増やす施策を実施しています。おかげで財政は均衡しつつありますが、肝心の国民経済がやせ細ってしまい…これでは借金回収どころではないでしょう。

借金を確実に返してもらうためには、借り手をある程度、肥え太らせないと難しい。ドイツをはじめEU諸国は、ギリシャに巨額の資金を入れて「支援」はしても、同国の経済を改善することはできませんでした。

ふと私の胸に去来したのは…数年前、ドイツ企業の日本支社で、IT部長として働いていた頃のことです。

当時、勤め先のドイツ本社は、今でいうスカイマークみたいに会社更生法の適用を受け、ドイツ政府の公的資金を導入して再生を目指していました。

ドイツやデンマークから、銀行団(債権者)が来て、経営に盛んに介入する。数字を良くしろとプレッシャーをかける…世界各国に展開する支社でも、銀行員みたいな人物が本社から送り込まれてきて、トップの座に座る。

彼らトップは、目に見える経営数字を改善するため、各部署は知恵を絞れと号令をかける。爪に火を灯すようなコストカットの連続、そして人員削減…しかし悲しいかな、彼らは稲盛和夫さんみたいな名経営者ではありません。厳しい状況のなか、社員の士気を鼓舞して、次は良い時代が来るよと、夢を見させる能力は全くありません。

私はITという技術部門に居たので、事業部門に比べて気楽ではありましたが、それでも、ケチケチ、ドケチ、人が減る…どんよりと気が滅入る日々でした。あんな状態がいつまでも続く位なら、いっそのこと、社員をバッサリ3分の1くらいに減らして、ホンモノの経営者のもと、新体制でスタートを切りV字回復を目指した方がずっとマシだと思っていました。

いま、ギリシャで起こっていることも、構図としては、私のいたドイツ企業と似てるんだろうなと思います。

たぶん、目先の数字だけ追いかけて、ギリシャ国民に「夢」や「より良い明日」を与えられない、資質に欠けた指導者が物事を仕切ってきたんじゃないですかねえ…もしそうなら、チプラス政権が出てきた理由も分かるし、国民投票で反対多数という結果も納得できる。ユーロやめてドラクマで再出発した方が幸せなのではないかと思ったりする。

ギリシャの苦境…日本も他人事ではありません。今はとにかく、ギリシャ製品を買って、ささやかながら応援したいと思います。

ギリシャの清涼飲料

ギリシャめしのテイクアウト…
(見た目は、中近東料理にそっくりですよ~)

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俺らは学者のメシの種?ー発達障害者と犯罪

こんにちはManachanです。今日は日曜日、うちの奥さんは日本語テストの受験中。私は自宅で2人の子供の面倒をみています。天候がすぐれないので家でのんびり留守番ですね。

昨日、近所の書店に行ったら、案の定、「絶歌」が山積みになっていました。神戸連続児童殺傷事件の加害者「元少年A」作ということで激烈な賛否両論のある本ですが、ものすごい売れ行き…あんな風に山積みになると手にとって読みたくなりますね。

日本社会を震撼させた重大事件を起こした「酒鬼薔薇聖斗(さかきばらせいと)」こと元少年Aは、発達障害(AD-HD、注意欠陥・多動性障害)の診断を受けていたようです。そのため、発達障害と凶悪犯罪との関連が、巷の話題になることもあります。

私自身が発達障害者(アスペルガー)ですので、この種の議論に対しては心穏やかではありません(アスぺ君の生きる道‐前篇後篇)。

すでに、『アスペルガー症候群の難題』(井出草平)という著書も出ています。著者の考えは、このブログ記事に分かりやすく書かれています。要点は、

・アスペルガー症候群の犯罪発生率は明らかに高い。この事実をタブー視せず、社会一般に知らしめるべき。
・犯罪者予備軍になる前に、アスペルガーの早期発見・療育を推進すべき。

私、著者の主張する「アスペルガーの早期発見、療育」については賛同しますし、実践もしています。私自身のアスペルガーが判明したのは成人した後ですが、まだ小学生の娘に対しては診断を受けさせたうえで、ソーシャル・スキル・トレーニング等を施しています。

とはいえ、本音をいえば、「面白くねえなあ…」という気持ちもあります。

・俺ら、好きでアスぺルガーに生まれたわけじゃねえのに、こんな風に学者の興味本位やメシのネタになっちゃうのかよ。

・発達障害者でない「健常者」、「多数派」ならば、こんな風に犯罪者呼ばわりされることもないだろうに…マイノリティっていうのは、実に不条理だよな。

もちろん、学問・言論の自由は尊重されるべきです。ただ、学者や思想家が「正義」を主張する際に、社会の一部を占める特定の人々が「名指し」で、「いろいろ言われる」ことがあります。

その種の「正義」がどこまで社会的な妥当性を持つのか、私は懐疑的にならざるを得ません。

たとえば4年前、東日本大震災や原発事故が起こった後、私の生まれ故郷・千葉県柏市は「放射能汚染」の文脈で、いろんな学者から「名指し」で「いろいろ不愉快なことを言われ」ました。「小さい子供は柏周辺エリアから避難させるべき」と主張する学者も少なからずいました。

彼らの主張が、少なくとも社会的に支持されなかったことは、その後の柏市や流山市の人口V字回復の数字を見れば明らかです(「ホットスポット」で話題になった千葉県柏市が人口爆発のナゾ)。2011~12年当時、言いたい放題言ってた学者は、どんどん表舞台から消えていきましたが、「最後っ屁」のような後味の悪さは残りました(所詮、ヘタレ学者だった…ってことですな。)

学問的、科学的な正しさはともかく、「言われる側」、「ネタにされる側」の人間〈柏市出身者〉としていえば、次のような条件が満たされれば、学者側を支持したいと思います。

・その学者が、柏市民の立場に立ってくれるかどうか?
・柏の名誉や利益が傷つけられた時、柏のために働き、汗を流してくれるかどうか?

話を戻せば、先ほどの「アスぺ=犯罪者予備軍説」を唱える学者の場合、

・我々アスペルガー者の立場に立ち、我々の幸福、尊厳、名誉のために闘ってくれるかどうか?

もしYESなら応援するし、NOであるなら、当ブログで「アスペルガーをメシの種にする自分勝手なヘタレ学者」認定します (YESであると信じたい…独白)

社会のなかで活動する限り、学問・言論の自由には、それだけの責任が伴うものだと思います。

(7/5追記)アスペを含む発達障害と、凶悪犯罪とは、関連があるのかも知れないし、場合によっては統計的に有意な結果が出るのかもしれない。

だからといって、それをマスコミなど大量伝達手段を使って広めて良いのかというと、答えはYesとは限らない。もう一つの判断基準『社会的に妥当であるのか?』をクリアしなくてはならないから…

科学的に正しいことと、社会的に妥当であることとは全く違う。特に発達障害は、人種や性別と同じく、努力によって変えられないものだから、発達障害者を凶悪犯罪者の文脈で語ること自体、『人種差別や性差別』に類する批判を受けかねない。当然、どのマスコミも慎重になるでしょう。

もちろん、私たちの社会に、できるだけタブーは作りたくない。世の中、発達障害と凶悪犯罪との関連について研究する学者がいても良いし、彼らが研究成果を世に出すのもok。ただ、それやるなら差別者呼ばわりされるリスクを理解し、覚悟の上でやれよ、物議を醸したならば自分でケツまくって責任取れよと言いたい。

そこまでやりきらない、中途半端なヘタレ学者って、世の中、腐るほどいるよね。

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