イクメンを超えて…

おはようございます。Manachanです。

巷にいう「イクメン」という言葉に、なんだか微妙な感じを覚えてしまう今日この頃。国際結婚、娘の不登校、自分と娘の発達障害など、いろんな要因が重なって、日々、「イクメン」のレベルを超えた家庭内の仕事をやらなければならない私。

それが好きだったら問題ないけど、いまいち好きになれないしなあ…

不登校パパ奮闘記(2015/1/8)…平日朝は、不登校の娘をあの手この手で学校に連れて行く

旦那はロボット(2014/12/8)…国際結婚ならではの手間と負担がかかるのです。

たかが家族されど家族(2015/2/20)…子供は可愛いけど、今の生活を心から楽しめていない私もいます。

そんな私からみて、なぜ「イクメン」が微妙だと感じるのか。それは、「フルタイムで働く夫の家事・育児の分担」ということ自体、夫と妻が家庭のために使っている時間と労力の総量に比べれば、些末な論点だと思うからです。

子供のいる家庭では、母親(妻)も父親(旦那)も、日々、並々ならぬコミットメントを果たし、一人何役もこなしているはずです。それを「見える化」したのが下図。都市部のサラリーマン家庭で妻が専業主婦、という想定で描きました。

この家庭では、夫が唯一の働き手です。今の日本で、正社員のステータスを維持するのは大変です。日々、日常業務をこなすだけでなく、自分の時間を使って資格取得、英会話などスキルアップをしなくてはならないし、仕事を円滑に進めるために、上司、同僚、得意先との「付き合い」も欠かせない。それを全部一定レベル以上にこなして、はじめて「お給料を家に持ち帰る」ことができます。

一方で、小さい子供のいる家庭では、妻は母親として、育児と家事という、困難なタスクを日々こなさねばなりません。子供はいつでもどこでも問題を起こす生き物、時には24時間休みない奮闘を強いられます。育児書やレシピを読んだりiPadで調べたり、といったスキルアップも欠かせないし、ママ友との付き合い、ネットワーキングも必要。

育児中なので、いくら外の仕事が忙しくても、夫が家事育児参加ゼロというわけにはいきません。そこで、「家事育児協力」というタスクが発生します。同時に、夫をコーチする妻の作業も発生します。

それが質量ともに充実すると「イクメン」と呼ばれるわけですが、それは妻や夫が、家庭を維持するために日々タスク全体に比べれば、大したウェイトを占めるわけではありません。イクメンは良いことだけど、それをもてはやすより、家庭生活の全体像をみることが大事だと思います

私がなぜ、上の図を思いついたのかというと、とある育児書で、下のような図をみたことがあるからです。

「旦那なんか、会社行ってお給料もらって来ればいいだけだからラクだわよね。私なんか家事と買い物と育児と旦那の世話と、一人何役もこなしているのよ!」と言わんばかりの絵…気持ちは分かりますけど、この見方は稼ぎ手の旦那に対して余りにもアンフェアではないでしょうか?

なぜなら、少なくとも妻が家事と買い物と育児をこなしているのと同じくらい、夫も組織社会のなかで一人何役を演じつつ、頭を使って複雑なタスクをこなしているからです。社員として、上司として部下としてチームメンバーとしての日常業務、加えてスキルアップにネットワーキング…それを全部やれてはじめて一人前なのですから、

いわゆる「旦那の仕事」は、少なくとも「家事」や「買い物」といった単一タスクアイテムのレベルではないはずだし、そんな程度で給料がもらえるほど会社は甘くありません。

また、逆の立場からいえば、下図のような見方をしている男性諸氏も、年配者を中心に、未だに少なくないのではないでしょうか?

「俺なんか会社で、神経すり減らして給料稼いでいるんだぞ。それに比べて、家でテレビみて子供と遊んでる女房はラクだよな」という感覚…これも、育児労働の過酷さを知らないがゆえの、偏った見方だと思います。

だいいち、旦那が会社で付き合うのは成人ばかりでしょう?でも子供は、「人間になりきっていない動物」だから四六時中目が離せない、しかも、そんな連中を「人間」として育てなければならないから「しつけ」も必要。でも、いくら注意しても言うこときかない、思い通りにならない、自分の睡眠さえ思うに任せない…会社しか知らない人には想像を絶するコミットメントが必要です。

旦那は外で働く、妻は家で育児家事、二人とも常に多忙…というライフスタイルでは、(我が家もそうですけど)お互いの無理解、行き違いによって、夫婦仲がぎくしゃくするリスクが常にあります。共稼ぎでもそういう問題は起こるわけで、子供が大きくなるまで家庭を維持するのって、本当に大変です。

お互いを理解するための一つの思考枠組として、「妻と夫、それぞれが果たしているタスクの全体像」を把握することは有益ではないでしょうか?

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コメント

  1. バナナママ より:

    1. 保育の現場から
    ご無沙汰してます:)

    育児に関する内容、興味深く拝見いたしました。
    今は、妻もフルタイム総合職が結構いますので(ただ国際結婚ではない)、イクメンにならざるを得ないんでしょうね。
    夫の収入が少ないから働く人も中にはいますが、うちの保育所を見てる限り、育休明けで職場に戻る方が90%、皆さん仕事も子育てもあきらめないタフな方々です。夫の方も、仕事も頑張ってる君が好き♡なんて言ってますので、羨ましい限りです。私の時代は、出産=退職でしたから・・・・おまけに、夫は昭和生まれの明治男(笑)
     子育て時期は、日々できる範囲のことをこなし、その時ベストだと思える選択するということを繰り返していくしかないのではないかな?
     月並みですが、子供はすぐに大きくなります。
    そして、もういやだと思うようなことが、とってもいい思い出になりますよ:)
     うちの次男は,多動児でした:)
    http://ameblo.jp/banan1989/

  2. manachan より:

    2. Re:保育の現場から
    バナナママさん

    >子育て時期は、日々できる範囲のことをこなし、その時ベストだと思える選択するということを繰り返していくしかないのではないかな?月並みですが、子供はすぐに大きくなります。

    ま、私はいま苦しくて制約多くても、日々、一生懸命やってますので、後になって振り返れば、頑張って良かったと思うのでしょうね。
    http://ameblo.jp/manachan2150/

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