「見た目外国人」比率

こんばんは、Manachanです。

来年1月、カナダとアメリカに、不動産視察に行くことになりました。私、アメリカへは主に出張で6~7回行ってますが、カナダへは初めての渡航。

このカナダという国、超大国アメリカと陸続きで、当然大きな影響を受けています。道路は右側通行だし、野球もアイスホッケーもバスケットボールもアメリカと同じリーグ…それでも、お国柄の違いは色々とあるようです。

地味に面白いのは、カナダとアメリカとで、「人口統計」の取り方と用語が違うこと。アメリカでは「人種」(race)という言葉を使い、たとえば「白人70%、黒人(アフリカ人)30%」みたいな言い方をしますが、

カナダでは、国民の多数を占める白人とは異なる有色人種を、「ビジブル・マイノリティ」(Visible Minority)と言うようです。Visibleは「見える」という意味で、Visible Minorityとは「一目みて白人ではないと分かる少数派人種」というニュアンスでしょう。

日本人を含むアジア系や、インド系、アラブ系、アフリカ系などは、カナダではすべて「ビジブル・マイノリティ」に分類されます。面白いのは、カナダの先住民(アメリカ・インディアン)は「ファースト・ネーション」(First nations)と呼ばれ、白人ではありませんが(日本人とよく似た顔しています…)、彼らは「ビジブル・マイノリティ」扱いされません。

近年、カナダの都市部では「ビジブル・マイノリティ」、特に中国系とインド系移民の増加が目立っています。

2006年に行われた国勢調査によれば、カナダ全体で「ビジブル・マイノリティ」比率は19.1%。バンクーバー市では51.8%、トロント市では49.1%、もはや白人が半分以下の世界。香港など中国系移民の多いバンクーバーは、「ホンクーバー」(Hong Couver)と揶揄されるほどで、白人からみて「ビジブル」ではあっても、もはや「マイノリティ」(少数派)とはいえませんね。

ところで、日本の首都「東京」の、「ビジブル・マイノリティ比率」は、どの位と思いますか?

日本の場合、国民の圧倒的多数を占める日本人がアジア系人種ですので、ビジブル・マイノリティは「日本に住む、非アジア系人種」ということになります。日本では人種別の統計取っていませんので、「外国人登録者」の「出身国」から判断する以外にありません。

前提)
東・東南アジア出身者:「見た目、日本人と区別がつきにくい外国人」(インビジブル・マイノリティ)
それ以外の地域出身者:「一目で外国人と分かる人々」(ビジブル・マイノリティ)

注)上記はもちろん正確な数字ではありません。アメリカなど移民国出身の中にも東アジア系は相当数混じっているはずだし、ブータン、ネパール、中央アジアなどの出身者のなかに日本人そっくりなルックスの人間もいるでしょう。ただ、それらを全部あわせても中国人、韓国人、フィリピン人などの数に比べてはるかに少なく、統計誤差の範囲内になると思います。

上記の想定で、東京都の外国人人口データを使って試算したところ、

東京23区の総人口のうち
・外国人比率 3.68%
・うち東・東南アジア出身者 2.95%
・それ以外の出身者 0.73%

東京におけるビジブル・マイノリティは約0.7%、という結果がでました。移民国カナダとは、状況がずいぶん違いますね。

しかも、過去20年間の統計データをとる限り、

・外国人比率は、確かに増えている(2.7%⇒3.7%)
・その増加分のほぼすべてが、東・東南アジア出身者によってもたらされた。
・「見た目外国人」(ビジブル・マイノリティ)は、ほとんど増加がみられない。


【東京23区の外国人比率推移(1994~2014年)】

さらに詳しく、調べてみました。「各区」別の統計。どの区も、東・東南アジア系外国人が確実に増えているのに対し、それ以外の外国人は横ばい傾向。

特に、欧米人富裕層が集中する「港区」で彼らの人口が長期低落、その間に東・東南アジア系が増えてきたのが印象的です。江東区や台東区など下町エリアでは東・東南アジア系もそれ以外も増え続けていますが、後者はおそらくインド人などの寄与が大きいのでしょう。

東京に住んでいると、「最近、外国人増えたなあ」と感じます。コンビニや居酒屋で働いている方々は外国人が多い。電車のなかでも、中国語なり英語なり、よく聞こえてきます。しかし、増えるのは主にアジア系で、それ以外の外国人はあまり増えてないことが分かりました。それは、だいたい私の生活実感とも合いますね。

この文章、面白かった、勉強になった・・と思った方は、応援のぽちを、よろしくね→

Facebook にシェア

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*