千葉を憂う~埼玉に人口をとられる本当の理由~

おはようございます。Manachanです。今回は首都圏ローカルネタで…

千葉県と埼玉県は、宿命のライバル…これは、全国に知られる有名な話。プロ野球でも、「埼玉ライオンズVS千葉マリーンズ」の「ライバル県シリーズ」があって、大変盛り上がる。「東京、神奈川に続く、関東第三位の座」は、お互いに、譲れないのです。

野球やサッカーはいいとして、両県とも東京のベッドタウン。郊外住宅地として競争しているはずです。その最大のファクター「人口」に関していえば、千葉県は埼玉県に100万人以上も差をつけられています。

埼玉県 724万人   千葉県  619万人 

しかも、平成23年3月の東日本大震災以降、その差は開く一方です。

埼玉県  震災後、 720万 → 724万人 (約4万人増)
千葉県  震災後、 621万 → 619万人 (約2万人減)

なぜここまで差が開くのか?確かに埼玉県の方が千葉県より、東京への接地面積が広いし、都内に出る鉄道路線網も豊富だから人口が多くて当然、という面はある。また埼玉県の方が、千葉県よりも、東京のベッドタウンとしての歴史が長い。

しかし、「人口増加数」や「増加率」まで、差がつけられてしまっているのはなぜか?広大な面積を持つ千葉県の方が、新規の住宅開発適地も広いはずだし、地価水準も埼玉より多少は安いはず。東京のベッドタウンとしての発展余地を多く残し、本来、人口が増えてしかるべき千葉県が、逆に減らして、「首都圏一人負け」しているのはなぜか?

しかも、震災後は埼玉県に人口を取られているのです。

東日本大震災で、千葉県の湾岸部には「軟弱地盤液状化」、内陸部には「放射能ホットスポット」という負のイメージがついた面もある。震災後2年目までは、明らかに千葉県への流入が減り、「震災に強い」イメージのある埼玉県が受け皿になった面が、統計数字からも読み取れます。

さすがに現在では、震災の影響は薄れて、以前のトレンドに戻ってきましたが、それでも、千葉県の人口の勢いは埼玉県に劣っています。

詳しくみてみると、千葉県内で、震災後も相変わらず人口流入・増加が目立つのは、船橋市、流山市、柏市の3市。「千葉の三強」と呼ぶべきこれらの都市は、いずれも、「東京25~30㎞圏内」に位置し、かつ「つくばエクスプレス、東葉高速線」という都心直結の新鉄道を持ち、沿線住宅開発が進んでいます。

一方で、さらに東京に近い「15~20㎞圏内」に位置し、千葉県の人口を引っ張るべき「市川市」や「松戸市」、「浦安市」の元気のなさが目立つ。これらの都市の人口は減少~横ばい傾向です。

今度は埼玉県に目を転じてみると、千葉県の市川、松戸にほぼ相当する、「都心15~20㎞圏内」の「川口市」、「草加市」、「八潮市」などの人口は増加基調。船橋や柏に相当する「都心25~30㎞圏内」の「さいたま市浦和区、南区、緑区(旧浦和市)」や「越谷市」の人口動態も元気です。

さらに都心から離れて、30~40㎞圏以遠になると両県とも人口横ばい~減少傾向になります。したがって、

現時点で、千葉が埼玉に差をつけられる理由は、「都心15~20㎞圏の各都市」の人口の勢いの差…つまり、(埼玉県の)川口、草加、八潮の人口が伸びているのに、(千葉県の)市川、松戸、浦安の人口が伸びないことだといえそうです。

都心アクセスや地域属性に大差ないのに、なぜ人口の勢いに差がつくのか?…両県とも、都心近接の15~20㎞圏はほぼ開発し尽され、新鉄道の建設もなく、人口増加の余地が余り残っていないなかで、この差は何なのか?

不動産業者として、千葉、埼玉の宅地を日々見ている私の仮説は次の通りです。

・千葉県の土地開発規制が埼玉県より厳しく、土地の低度利用(戸建)に誘導しすぎている。

・すでに人口増加のほぼ止まった15~20㎞圏内でも、規制の緩い埼玉側は「戸建からアパート・マンションへの住み替え」により、人口が伸びる余地が多少ある。

・しかし、千葉県側では戸建誘導策のために、アパート・マンションへの住み替えが埼玉ほど進まない。

そこで、不動産データベースREINSを使って、ここ一か月、千葉県と埼玉県で売りに出された、面積50~250㎡の土地の用途規制と建蔽率を調べてみました。その差は、一目瞭然!

・千葉県は、2階建てまでしか建たない低層地域の比率が高い。

・建蔽率(土地面積に対する建物面積の比率)も、埼玉県の方が規制が明らかに緩い

⇒埼玉県の方が、はるかに集合住宅を建てやすい!

首都圏ベッドタウンとしては後発だった千葉県が、広大な土地を活かして良質な戸建住宅地を開発してきた経緯は、よく分かります。

しかし、首都圏でさえ人口停滞期に入った今、千葉県の人口規模を維持するためには、住宅政策に柔軟性が必要だと思います。たとえば、

東京直結の駅徒歩圏は、規制緩和して、アパート、マンションなどを建てやすくする

駅から離れたエリアでは、戸建住宅地としての発展を誘導する。

一つの例をあげると、千葉県に「南柏」という駅があります。ここは、千葉県の人口成長センターといえる「柏市」と「流山市」の境に位置し、駅前再開発で人気も上がっています。しかも
、メトロ千代田線で大手町、霞が関、表参道へ直通。東京ベッドタウン競争で埼玉に対抗する上で、強力な戦闘力を持つ地域の一つです。

しかし、南柏の駅徒歩2分の至便な場所が「低層住宅地域」になっていたり、駅8分の住宅地が「地区計画でアパートを建てられない」エリアに指定されていたりします。

はっきり言って、時代遅れ。本来、人口を集積すべき場所なのに…未だにこんなことやってるから、いつまでも埼玉に勝てないんだよ!

(千葉県民の誇り)ミッキーマウスのTシャツが、草葉の陰で泣いてるぜ…

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コメント

  1. 0924dec より:

    1. 戸田市に住んでました
    千葉県に戻って来ました、人口少ないほうが幸せです。
    http://ameblo.jp/0924dec/

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