新入管法でどうなる日本?

こんばんは。Manachanです。

マスコミでは大きく報道されていませんが、「出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案」(入管法)が、5月29日、衆院を通過しましたね。

これ、一言でいえば、「専門職業能力を持つ外国人(高度人材)の、日本での就労・移住をやりやすくする」法律です。主な改正点としては、

・「高度専門職第1号」という在留資格を創設する。

・上記当該在留資格で3年間、日本で活動した場合、「高度専門職第2号」が与えられる。その場合、活動期間が無期限になり、かつ、一定条件のもと、両親や家事手伝いを呼び寄せることができる。

3年間、高度専門職として日本で活動すれば、在留期間無期限になる・・・これ、事実上の「移民」政策じゃないか?という人がいますが、そこからは、かなり程遠い内容だと私は思います。

何よりまず、「永住者」と「高度専門職第2号」の権利内容は大きく違います。日本の永住権をとれば、どんな職業に就いても、極端な話、無職になっても、ずっと永住者でいられるわけですが、「高度専門職第2号」の場合、専門職業にずっと就いていないと、その資格を剥奪されてしまいます。

ただ、高度人材であれば、来日から永住権申請までに、通常10年かかるところを、5年(厳密にいえば4年6ヶ月)で良いわけですから、高度なスキルを持っている外国人は、そうでない外国人より日本永住しやすいのは確かですね。

高度人材認定には、ポイント制が適用されます。つまり、学歴、職歴、年齢、年収、日本語能力などを評価し、その合計点で判定されます。法務庁のリーフレットが分かりやすいです。

なお、今回の法律改正は、もともと、民主党政権時代から、路線が決まっていましたので、特にサプライズはありません。そういえば、昨年の今頃、こんなエッセイを書いてましたね。

知識移民に舵を切る日本(2012/5/7)

ただ、安倍政権になって、「高度人材が最短3年間で、無期限の在留資格が得られる」ようにしたり、「親や家事手伝いの呼び寄せ基準も緩和した」ことで、民主党時代よりは、政府の本気度が伝わってきますね。

遅きに失した感はありますが、グローバル高度人材の獲得合戦に、日本がようやく参戦した、とは言えるのではないでしょうか?

しかし、この方策によって、どこまで海外の優秀な人材を呼び込めるかは、まだ未知数です。日本の場合、「英語圏でない」というのが、不利ですね。

インドでも中国でも、国を代表する、トップの人材は、英語圏に行ってしまいますので・・・

あと、出身国を問わず、専門職エリートの人々は、子供の教育環境を大変気にする人種ですが、日本の場合、英語教育のオプションが少なくて、かつ高価・・・というのもつらいですね。

中国人、韓国人はまだしも、子供を日本のシステムで教育する人が多いですが、インド人だと、ほぼ英語教育しか頭にないですもんねえ。

そう考えると、イスカンダル地域に英国の名門スクールを誘致したマレーシアって、やっぱり賢いと思います。「英米圏の3分の1の学費で、世界トップクラスの英語教育受けられる」みたいに、価値も明確だし・・・

優秀な人材の争奪戦は、法律の整備だけでなく、居住環境とか、教育インフラ(特に英語)も問われるから、この領域で日本が勝つために、やるべきことはとても多いと思います。

ま~、方向性としては、良いのではないでしょうか?

外国の優秀な人材が、日本の地で、日本のエリートと競争することで、お互い、切磋琢磨するようになればいいと思います。

どの国に生まれようと、エリートなら、外国人との競争を、恐れちゃいけない。日本人のエリートが、日本というホームグラウンドで、日本語を使うビジネスで、外国人に負けちゃあ、恥ずかしいでしょ。だから、彼らよりもっと努力するんだ!みたいな、そんなマインドセットが生まれると良いなと思います。

この私だって、オーストラリアとか中国とか、アウェイのグラウンドに乗りこんで、慣れない外国語使う職場で、長年、頑張ってきたんですもの。頑張ったから、彼らから尊敬も勝ち得てきたし、良い影響も与えたと思うし、微力ながら、オーストラリアや中国のレベルアップにも少しは寄与したと思う。

やる気のある優秀な外国人が、どんどん、日本の労働市場に入って、日本人ビジネスマンと、良い意味でどんどん競争すれば、日本の競争力強化にも役立つと思います。

最後に・・・この法律改正で、一番潤いそうな業界は、たぶん、不動産だと思います。

高度人材として日本に来て、3年5年で事実上の「永住」が見えてくるとなれば、皆、日本の不動産買いたがりますものね。

私、外国人向けの不動産業者として独立したタイミング、絶妙だったと思います。我が人生、なぜか、強運に恵まれてますね♪

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コメント

  1. aka gaku 420 より:

    1. いつも
    いつも勉強さしてもらってます

    ありがとうございます
    http://ameblo.jp/gaku0825/

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