2013年 8月 の投稿一覧

せたがや、たがやせ、川場村

おはようございます、Manachanです。

もう1年半も前の話になりますが、いま思い出しても、超、腹が立つ出来事がありました。

柏での移動教室中止 文京区 (2012/2/4、東京新聞)

<引用>東京都文京区は、区立小四、五年生が千葉県柏市にある区の校外学習施設「柏学園」で一~二泊する移動教室を、二〇一二年度は中止することを決めた。福島第一原発事故後、柏市で局地的に高い放射線量が測定されており、保護者から心配する声が寄せられていた(中略)国が除染の財政支援をする「汚染状況重点調査地域」に柏市が指定されたことを受けて、中止を決めたという。代わりに、東京近郊の他地域での日帰り野外体験や校舎内での宿泊体験を各校ごとに行う

少し背景説明します・・・私の地元、柏市には、東京都の中央区や、文京区の子供たちが使う教育施設が点在しています。

中央区立柏学園 (昭和15年創設)
文京区立柏学園 (昭和21年創設)

いずれも、戦中もしくは戦後間もない頃、柏が東京都民のための「疎開地」、「食糧基地」だった時代に、区民の子供たちを自然に触れさせようという趣旨ではじまった施設です。

それから時代は下り、柏は東京の近郊ベッドタウンとして発展し、「柏学園」周辺にも住宅が建て込みました。今の柏駅前は文京区のどの地域よりも都会で繁華、柏市の人口は中央区の5倍以上、文京区の2倍もいます(面積が全然違うけど・・・)。

「(東京の)都会の子供たちが、都会化した柏に来る意味あるのか?」と思ったりしますけど・・・林間学校ではなく、「移動教室」というかたちで、イモ掘りや自然観察などを、柏で年間行事として行っていました。

それが、2011年の震災後、福島原発事故の影響で、柏市近辺で比較的高い放射線量が観測され、保護者から懸念の声が高まったことを受け、同年11月2日に中央区が柏学園の利用を中止、翌年2月4日に文京区も柏移動教室の休止を決定しました。

柏の人間として、言わせていただければ、中央区、文京区の決定は、とても悲しかったです。同時に、

文京区、中央区の親たち、教育関係者は、なんて、思慮のない人たちなんだろう?

と、呆れ果てたことを、今でも思い出します。

だいいち、こんな「目くそ鼻くそ」な話、他にありますか?文京区や中央区から、柏まで、電車で30分台で着くような距離ですよ。福島第一原発から、200km以上、はるばる旅してきた放射性プルームが、柏にだけ落ちたんじゃない。江戸川を越えて、都内にだって、しっかり降り注いでいました。

確かに、柏の方が、都内より多少は、放射線量高かったのかもしれない。でも、せいぜい1泊2日の話でしょう?その期間、柏で過ごして、追加される被曝量が、どれほどのものですか?柏に住んで、この土地で呼吸している人間からみれば、柏での1泊2日を忌避する感覚が理解できません。ましてや、目と鼻の先、都内に住んでる人間から忌避されるなんて・・・

子供に、わずかな被曝量の増加も避けたいという親心は分からんでもないけど、そう考えて行動した結果、どれだけ多くの人々を悲しませ、無念な思いをさせるのか、いい歳した大人が分からんのかなあ?相手の立場に立って考えられないのかなあ?

まずもって、直接の関係者が悲しみますよね?柏で、畑にイモを植えて、子供たちの来訪を心待ちにしていた人たちが・・・

次に、マスメディアの影響。文京区や中央区といった地方自治体が、公式に「柏での移動教室中止」を決定したら、すぐ、東京新聞あたりに、デカデカと書かれてしまうのですよ。「柏の放射能やばい」みたいな文脈で・・・その結果、柏市40万住民が不愉快な思いをする。ネガティブイメージを全国的に植えつけられてしまう。

移動教室の休止は、これまで自分を支えてきた大切な人たちや地域との「関係を切る」ことを自ら宣言することですから、それは教育の本旨にも合うんだろうか?文京区民の一部が懸念する「被曝の増加」と、「訪問先の40万人を悲しませる」こととを天秤にかけた場合、教育者として、どちらを優先すべきだろうか?長年培った大事な関係を、平気で袖にするような子供を育てたいのだろうか?

「友情と子どもの安全は切り離して考えるべきだ」と主張する側の論拠は、科学的でもロジカルでもありませんでした。実際、文京区は、2011年7月、柏市での空間線量が平気で0.5μSrv/h近くいってた時期に、柏学園の線量を自ら測定し、「二泊三日滞在しても、年間被ばく量は国際基準の限度を下回る」として、移動教室を実施していたのです。この決定は、理屈で分かる。

それなのに、柏近辺の線量が下がって、0.3μSrv/hを下回るようになった翌年2月に、「(一部の)区民が騒ぐから」と、移動教室の休止を決めたのです。根拠は、柏市が「汚染状況重点調査地域」に指定されたからと・・・あんなもの、政治的力学で決まるものなのに(例.葛飾区なんて、柏と大差ない線量なのに、東京23区という理由で、指定から外れました)。

私は、こんな感情を体験しました。汚い言葉ですが、ご容赦を・・・

お前らまで、俺らを忌避するのかよ?
いい歳した大人が、エンガチョするのか?恥ずかしくねぇのか?
てめえらのガキだけ良ければ、人を傷つけてもいいと思ってるのかよ?
お前ら、まじで要らねえよ。金輪際、江戸川を越えてくるんじゃねえ!

これと似たような構図の問題が、いま、「世田谷区」と「群馬県川場村」のあいだで存在します。

群馬県北部、美しい風景に囲まれた山村・川場村は、1981年以来、30年以上にもわたって、「世田谷区民のふるさと」として、愛されてきました。

85万人の巨大都市である世田谷区と、人口3千8百人、過疎化がすすむ川場村の間には、全国のモデルになるような、「都市と山村の交流」の長い歴史、蓄積があり、移動教室や林間学校などの活動も、盛んに行われていました。

その川場村も、柏市と同様、「汚染状況重点調査地域」に指定され、関東の放射能ホットスポットの一つと呼ばれています(2011年当時よりは、線量かなり下がりましたけど・・・)

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しかし、世田谷区では、2011年、12年と、川場村での移動教室を実施し続けてきました。学校によっては半数近くの児童が不参加となり、区議会でも紛糾したようですが、移動教室の活動エリア周辺を除染したり、食事の放射性物質検査を徹底するなどして、なんとか命脈を保ってきました(リンク)。

さすがに、震災後2年半が経過し、川場移動教室への反対運動は、下火になってきたようですが、まだまだ、反対論がくすぶっているようです。「ベクレルフリー」みたいな運動が盛んな土地でもありますし。

たぶん、移動教室の休止になることはないと思うけど、もしそうなったら、川場村の人々が、私が味わったような、悲しくて不条理な思いをする・・・そのことだけは忘れずに、世田谷区の皆様には、人の心に配慮し、客観的なデータに基づいた、大人らしい、賢明な選択をしていただきたいと思います。

せたがや、たがやせ、川場村との友情を・・・

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日本に漢字が残った理由

こんばんは。Manachanです。

小学2年生になった娘は、今月23日、「漢字検定10級」にチャレンジすることになりました。

とはいえ、親が何もやらずに、子供に「勉強しろ!」と言っても説得力ないので、私が「2級」、妻が「6級」を、今年10月に受験します。結果的には、「家族ぐるみで漢検チャレンジ」になりました。

一応、勉強している父親の姿を娘に見せるため、毎日、「漢検2級問題集」を、2単元づつこなして、採点して、その結果を貼り出すことにしました。

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40代になって、漢検・・・最初の頃は、慣れなくて、違和感ありまくりでした。

社会人になってから、20年。ワープロ、PCでタイプする毎日。漢字書くなんて、手紙の宛名書き以外、まずやらないもんなあ。練習問題やっても、

「慰安旅行」の「慰」って、どう書くんだっけ?
「大胆」の「胆」をどう書くか、思い出せない!


答えを見て、「ああ、ようやく思い出した」・・・みたいな世界ですもんね。

ところで、漢字検定2級の参考書、前書きにはこんなことが書いてあります。

長い日本文化の発展過程において、漢字はその根幹となってきました。現代を生きる私たちの漢字・日本語を学ぶことは、次世代へ日本文化を受け継ぎ、発展させていくために欠くことができません。

これを読んで、ふと思うこと・・・

朝鮮半島、日本、ベトナム・・・中国文明の周縁部に位置し、漢字文化圏に属する国々で、なぜ、日本でのみ、今日でもたくさん漢字が使われているのだろう?

朝鮮(韓国)語、日本語、ベトナム語・・・いずれの言葉も、語彙の6割程度は、漢語由来だそうです。

このうち、ベトナムでは19世紀後半から、フランスの支配下になって、ローマ字表記になりました。現在、同国で漢字は全くといって良いほど、使われていません。

朝鮮半島でも、北朝鮮、韓国いずれの政権も、20世紀後半に漢字廃止政策をとった関係で、今では漢字の通用度は低い。ソウルを旅した方ならご存知でしょうが、当地の看板はひたすら「ハングル、ハングルの嵐」で、漢字表記は非常に少ない。

現時点で、中国語圏以外で漢字を多用する社会は、日本だけといえるでしょう。

なぜ、そうなったのか?・・・長い歴史のなかで、いろんな偶然が重なったのだと思いますが、一番の要因はたぶん、

東アジアのなかで、日本人だけが、「訓読み」を発明していた!

この一言に尽きるかと思います。

朝鮮語では、漢語は「音読み」しかありません。「訓読み」に相当するものは、漢字での表記ができず、ハングルでのみ表記可能となります。分かりやすい都市名でいうと、

「ピョンヤン」は「音読み」なので、「平壌」と、漢字表示可能ですが
「ソウル」には、相当する漢字表記がありません。

もし、日本語において、訓読みが発明されておらず、朝鮮半島と同じく、音読みのみ漢字表記していたら、今ごろ、どうなっていたか?・・・例えば、関東の都県名は、こうなっていたはずです。


東京都
かながわ県
さいたま県
ちば県
ぐん馬県
とちぎ県
いばら城県

北海道の地名に至っては、多くがアイヌ語起源ですから、漢字の音読みが、そもそも成立しない。もし訓読みがなかったら、

さっぽろ市
えべつ市
えにわ市

みたいに・・・オールひらがなorカタカナになっていたはずです。

日本語の凄いところは、音読みだけでなく、訓読みも発明されており、近代以前にすでに普及していたこと…その結果、和人の入植が進んだ北海道では、アイヌ語の地名が、漢字の「訓読み地名」に置き換えられました。

たとえば、旭川市の近郊に、「鷹栖」(たかす)、「近文」(ちかぶみ)という地名があります。いずれも、語源がアイヌ語の「チカプニ」(鳥のいる所)だそうですが、

「チカプニ」を意訳して、「鷹栖」という漢字地名をつくった。
「チカプニ」を音訳して、「近文」という漢字地名をつくった。

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そういう創作を、明治時代にすでにやっていた位、日本の先人たちは、漢字を高度に使いこなしていたわけですね。

私、朝鮮語は一生懸命勉強しましたし、ベトナム語も少しかじりましたが、それらの言語と比べると、日本語は音読みと訓読みがある分、漢字と一体化している度合が高い。

言い換えれば、中国語起源の漢字を、周辺民族のなかで、一番よく使いこなしたのが、日本人であり、その当然の帰結として、日本では漢字が今でも多く使われているのだと思います。繰り返しますが、

現代を生きる私たちの漢字・日本語を学ぶことは、次世代へ日本文化を受け継ぎ、発展させていくために欠くことができません。

日本文化の根幹に、日本語があり、その根幹に、漢字がある・・・先人から日本文化を受け継ぎ、子孫に伝えていく上でも、日本語と漢字の学習は不可欠なわけですね。

参考:漢字を捨てた朝鮮、残した日本(2009/2/3の日記)

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埼玉県民が代官山に勝つ理由

おはようございます。Manachanです。

オーストラリア滞在中の身ですが、ネット社会の恩恵を受け、日本の情報入手には事欠きません。昨日も、この文章を読みました。

代官山に埼玉県民が攻めてくる!ネットで激論「池袋で満足しろ」「差別するな!」

元ネタがSPA!、それをJ-CASTニュースが取り上げたという・・・ま、他愛のないネタではありますが、

今年3月16日、地下鉄副都心線と東横線の直通運転が始まったことにより、埼玉県から新宿、渋谷を超えて、東横沿線へ出やすくなったことが、この話の背景にあります。

とにかく、埼玉県から都内へのアクセスの良さは、首都圏でも群を抜きます。もともと、京浜東北線、埼京線、高崎線・東北線、東武伊勢崎線、東武東上線、西武池袋線によって、都内ターミナル駅に直通していたのに加え、

最近も、湘南新宿ライン、南北線直通の埼玉高速線、東北縦貫線などの開通が相次ぎ、東京アクセスは便利になるばかり。極めつけが、池袋、新宿、渋谷の「三都」を串刺しにして、東横線経由で横浜中華街まで直通する「副都心線」の東横線乗り入れ。

東横線住民にとっては、「なぜ、次の電車が和光市行きなの?」と、怪訝に思う回数が増えたでしょうが、埼玉県の東上線沿線住民にとっては、「やったぜ!これで新宿、渋谷、代官山、自由ヶ丘まで乗り換えなしで行ける」という、福音に他なりませんでした。

【埼玉県民にうれしい、副都心線&東横線相互運転開始】

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人口の割に、地元に繁華街や観光地の乏しい埼玉県民は、「首都圏を電車で移動する民」。

たとえば、相互乗り入れした埼京線・りんかい線と、地下鉄有楽町線は、週末、「ディズニーに行く埼玉県民の輸送手段」に様変わりし、新木場駅は、「埼玉県民御用達の乗換駅」になります。

そういう特性を持つ埼玉県民が、副都心線で東横沿線に直通できたら、どうなるか?「代官山、自由ヶ丘に押し寄せる」のは、必然。100%以上、自明のことです。

もちろん、代官山、自由ヶ丘で、セレブっぽい雰囲気を楽しんでいた地元民にしてみれば、埼玉県民の訪問を、歓迎しない向きもあるでしょう。それが、上のSPA!の記事で茶化されているわけですが、

「代官山のステータスを守りたい地元住民」 VS 「代官山に電車で遊びにいきたい埼玉県民」 の図式だとすれば、

間違いなく、埼玉県民が勝利する。
代官山民は、埼玉県民の来訪を受け入れざるを得ない(無条件降伏)

と、私は思います。なぜならそれが、「東京・首都圏の力学」だからです。

膨大な人口を持つ東京・首都圏では、地域間を大量交通手段で「つなげる」力学が支配しています。ですので、この都市では、

「誰にも来訪させない。閉じた空間で自分たちだけのステータスを守る」という試みは、ほとんど失敗します

日本には「城壁」文化もなければ、欧米や、東南アジアでよく見られる「ゲートコミュニティ」のコンセプトもありません。

いくら代官山のステータスを守りたくても、電車で外部からどんどん人が来てしまうのを、防ぐ術はありません。

ましてや、東横線は副都心線を通じて埼玉県へ直通、田園都市線は半蔵門線を通じて埼玉県へ直通、京浜東北線はモロ埼玉県直通・・・どの沿線を見ても、セレブ東京城南地域が埼玉から逃れる術はありません。

私は、こういう構造を持った東京は、世界に誇るべき都市だと思います。

世界中見渡しても、こんな、平等・民主な大都市はないでしょう?誰もが、安価な電車で、どこへでもアクセスできる。

しかも、首都圏内でアクセス不便な地域を、どんどん、花の都心や城南セレブ地域と繋いでしまおうという力学が、今でも働いている都市なのです。

諸外国では、富を独占するグループがいて、貧しい者や一般庶民から隔絶された空間で、セレブライフを楽しむ…という現象がよくありますが、東京ではそのような「自由」(?)は、認められません。

憲法14条「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」…鉄道アクセスの点で、それが見事に実現されているのが、東京・首都圏なのだと思います。

最初の話題に戻ると、「埼玉県民の代官山への大量来訪は必然」、「そのことで代官山の雰囲気が変わっても、(大東京の力学がそうなっているのだから)甘んじて受け入れ、埼玉民との共存をはかるべき」と思います。

そもそも、世界的視野でみれば、代官山住民と埼玉県民の間に、隔絶した生活水準の差があるとは思えない。「さいたま~のカッペは代官山に来るな!」と言ってみたところで、「お前らだって、もともとカッペだろう?ケチくさい東横セレブ幻想を拠り所にしているお前らこそダサいんだよ」と言い返されれば、そう有効な反論ができるとは思えない。

要は、フラット。圧倒的な富裕エリアもなければ、極端に貧乏で不便なエリアもない…私は、そんな東京が、好きです。

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最低時給1450円の国で・・・

おはようございます。Manachanです。
オーストラリア・ケアンズ(妻の実家)滞在、4日目の朝を迎えています。当地では、朝から晩まで子供たちと過ごし、ゆっくりしてます。

昨日、台所のタイルが壊れたので、業者を呼びました。そこで、少し世間話したのですが・・・業者のお兄さんは、ケアンズで生まれ育った白人で、東ヨーロッパ出身の移民の子孫。親戚訪問の関係で、これまで何度か、ヨーロッパに行ったそうですが、いつも、物価の安さに驚くとのこと。

東欧でなく、西欧の、パリみたいな大都市に行っても、オーストラリアより明らかに安く感じるそうです。

私だって、オーストラリア滞在を経てから、日本に帰ると、やっぱり物価安く感じます。今のオーストラリアは、北欧やスイス、一部の湾岸諸国と並んで、地球上で一番物価の高い地域かもしれません。

物価が高いということは、当然、収入水準も高いということ。2013年に改訂された、オーストラリアの法定最低賃金(時給)は、成人で16.37ドル。日本円で約1450円という高さ(リンク)。

一方、日本の場合は、都道府県によって違いがあり、一番高いのが東京都の850円、最低が島根県、高知県の652円。全国平均が749円です(リンク)。

時給ベースで、日本749円、オーストラリア1450円・・・現時点では、オーストラリアの最低賃金は、日本の約2倍、ということになります。

労働者に、これだけ賃金払わなきゃならないから、オーストラリアの物価が高いのは当然ですね。外食すれば、食べ物と飲み物で、最低でも一人30ドル(2600円)、スーパーで買う、600ミリ入りのミネラルウォーターが2~3ドル(175~260円)、自販機のコーラが3.5ドル(310円)。フードコートで食べる、プラスチック容器入りの丼セットが12.9ドル(1100円)Reject shopというディスカウントストアに行くと、ようやく、日本に近い値段になる…それが、今のオーストラリアの物価水準です。

とはいえ、オーストラリアには、上述の最低賃金以下で働いている人が、たくさんいます。特に目立つのが、都市部の飲食店。

中華料理店で働く、中国系の店員。日本料理店で働く、日本人のワーホリメーカー・・・その中で、最低賃金をちゃんと守って働いている人は、おそらく稀でしょう。

社員に、まともな給料払ってる店なら、一食20~30ドル以上かかる国にあって、安いアジアめしだ屋と、10ドルくらいで腹いっぱいになる。(家計にはやさしい…)。

日系、中華系、ベトナム系、韓国系・・・国籍を問わず、安い店の店員ほど、まともに英語しゃべれなかったりします。オーストラリアのビザ欲しい若者を働かせて、給料を現金で渡し(注。銀行振込や小切手だと、足がついてしまう)、安く済ませているのでしょう。

違法労働ワーホリメーカーの時給は、私が住んでいた2005年当時は、相場が8~9ドルと言われていました。今でも、最低賃金(16.37ドル)を大きく下回るのは間違いないでしょう。

もちろんこれ、オーストラリア的には、思い切り違法なので、時々、抜き打ちで取り締まりやってますが、なくなりません。

☆英語力や職務スキルが足りず、オーストラリアでは、まともな仕事に就けない。ビザ取るためなら、安くても喜んで働く…そんな、外国人の労働者が大勢いるなかで、

☆店主としても、物価が毎年上がるオーストラリアで、人件費を少しでも安くあげたい。

☆また、お店に食べにくる人としても、安くて美味しいアジア飯が食えればありがたい。

労働の提供側、経営側、消費者…三者の利害が一致する、経済合理性がある以上、違法労働はなくなりません。日本の「違法シェアハウス」と同じく、役所がピンポイントで取り締まっても、結局、いたちごっこでしょうね。永遠に…

シドニー在住の友人の誰もが、「シドニーにある飲食店で、最低賃金を守っているのは、たぶん半分以下」と言いますから、すでに経済に織り込み済なんでしょうね。

良くも悪くも、これがオーストラリアの「国のかたち」なのだと思います。

より良い生活を求めて、世界中からやってくる「移民」の、「格安労働」によって成り立つ部分が大きいですから…

何だかんだ言っても、そういう人の労働によって、国民の高い生活水準が保たれている面も大きいですから…

メキシコ人の労働者に支えられる米国の大農場、ポーランド人の家政婦に支えられる英国のミドルクラス家庭…それに相当するのが、オーストラリアのアジア飲食店なのでしょうね。

【シドニー在住時代に、よく通った、ベトナム食堂】

ここは一食9ドルくらいで食えて、店員の英語力ゼロ。間違いなく違法労働。でも安くて美味いからなあ・・・

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8/24ミャンマーセミナーの講師が新聞に!

おはようございます。Manachanです。

オーストラリア・ケアンズにある、妻の実家に来ました。今から2週間、ここでゆっくりします(当地は物価高いし、あまり出歩かないと思います・・・)。

2週間後、日本に帰ったら、最初のビッグイベントがこれ、

8/24 ミャンマー不動産セミナーIN東京

まだ、大して宣伝してないのに、すでに20名もの申込が入りまして、改めて、ミャンマーに対する関心の高さに気づかされます。

ま、実際に「今のミャンマー」に行けば、これだけ関心が集まるのも当然だと思います。国が開かれたばかり、近代化のプロセスが、まさに、これから始まる状態ですので・・・

そのセミナーに、講師としてお招きする「ミョウ・ミン・スエさん」が、最近の朝日新聞にトップで載ってましたね。

「8888」から25年 祖国ミャンマーを思う (2013/8/4 朝日新聞デジタル)

1988年、ミャンマーで民主化運動が、軍事独裁政権によって弾圧された時、難民として日本に逃れてきた人たちが、25年経ったいま、日本におけるミャンマー人コミュニティの多くを占めています。

講師ミョウさんは、そのリーダー格の人物。日本で苦学して、二つの大学を優秀な成績で卒業して、日本人の若い大学生の良き見本となっています。

そのミョウさんが、「祖国を変えるには、ビジネスの力が必要」、「今こそ、日本で培った経験と人脈を活かして、祖国復興に尽くしたい」ということで、今年五月に、奥様と、生まれたばかりの赤ちゃんとともに帰国。

そのタイミングで、私は彼と知り合えて、とてもラッキーでした。そして彼が、「アジア太平洋大家の会」を、日本の大事なパートナーとして考えてくれていることも。

【ヤンゴンで、不動産視察・調査をするミョウさん…今年5月撮影】

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そして今回、ミョウさんのご尽力のおかげで、「不動産セミナー」というかたちで、いくつかのヤンゴン不動産を皆様にご紹介できることになりました。

いまのミャンマー、いろいろな面で、まだまだ未成熟な経済社会です。物件の価格、利回りより、人がすべて…と言って良い。

そのミャンマーで、「ミョウさんがコミットする不動産」だからこそ、価値がある。皆様に紹介する意味があると、私は考えています。

ミャンマーセミナー、まだ参加可能ですので、興味のある方、どんどんお申込みくださいね。

※首都圏以外在住の方へ…ミョウさんが来日して直接登壇するセミナーは、東京でしか開催されません。交通費かけて、東京に来る価値あると思います。

ミャンマー不動産セミナー、参加申込フォーム

あと、不動産関連トピックをいくつか、


8/10 シンガポール通勤圏マレーシア特選物件紹介会@東京

マレーシア領ヌサジャヤ(シンガポールから1時間通勤圏内)で、かなりの優遇条件でコンドミニアムが紹介できるほか、お値打ちな戸建物件もご紹介できることになりました。

申し込みフォーム⇒こちら

7/31に行った、英国リバプール学生寮セミナー@東京に関連して、

リバプール以外にも、いくつかの学生寮案件を、ご紹介できます。現時点では、まだ英語の資料しかありませんが、5万5千ポンド(830万円)から投資できる案件も登場しました。すべてが、2-5年間、ネット7-9%の利回り保証つきです。。


Bolton: http://definitivepropertygroup.com/en/portfolio/bolton/
(prices from £55,000)

Bristol: http://definitivepropertygroup.com/en/portfolio/bristol/ (prices from £85,000)

Liverpool: http://definitivepropertygroup.com/en/portfolio/liverpool/ (prices from (£65,000)

Plymouth: http://definitivepropertygroup.com/en/portfolio/plymouth/ (prices from £55,000)

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フィリピン入居付けチャレンジ

こんばんは、Manachanです。今、オーストラリア北端の町、ダーウィンにいます。

つい数時間前まで、フィリピンにいました。マニラとセブで、計5日間、滞在しましたが、朝から晩まで、物件の視察、引き渡し、業者との打ち合わせ、契約など、やることが山積みで、遊ぶ暇などありませんでした。本当に「ビジネス出張」に来たんだなあ、という感じですね。

それでも、セブでは、ちゃんとビーチリゾートで遊びました・・・それ位は楽しまないとね。

今回、フィリピン出張の最大のテーマは、「フィリピン大家になること」・・・マニラで、物件の引き渡しを受けて、鍵を管理会社に預けて、入あ居付けへの道筋をつける、そして数か月後に、フィリピン・ペソで賃貸収入を得ることが目標です。

【8月2日、マニラでの物件引き渡し、内装の最終確認】

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私は、「大家魂」あふれる男。三度のメシより、住宅賃貸業が楽しいと感じる人間です。日本では、新築一棟をプロデュースしたり、中古物件を安く仕入れて高く売ったり、手づくりの販促資料を不動産屋に配りまくったり…そんな営みを通じて、キャッシュの回る満室経営に、情熱を燃やしています。

そうしたことを、日本だけでなく、海外でもやれるようにしたい。日本人の大家・投資家が、海外の不動産賃貸経営で利益を上げる道筋をつくりたい…その思いこそが、「アジア太平洋大家の会」を立ち上げた原動力です。

私の場合、日本以外で、賃貸収益が上がっているのが、現時点では英米圏先進国(オーストラリアとアメリカ)だけです。今後はフィリピンなど、東南アジア新興国でも、「賃貸経営の成功モデル」をつくりたい。

私の知る限り、新興国で賃貸収益を得る、一番簡単かつ確実な方法は、「ホテル」や「サービスアパートメント」に投資することです。

この方式だと、物件完成後、ホテルまたはサービスアパートメントとして、プロの手で運営され、そこで得られる賃料収入が、投資家に還元されますので、自分で賃貸づけをする必要もなければ、空室リスクもない、修繕などのコストもかからない…ほぼ「放ったらかし」でキャッシュフローが得られる、スグレモノの方式です。

ただ、悲しいかな、私が2年半前に「アジア太平洋大家の会」を立ち上げた当時は、ホテルやサービスアパートメントの案件がほとんど入ってきませんでした。当時、私や会員が買った海外物件の多くは、完成後、自分の手で通常賃貸に出さねばならない。手間のかかるものです。

現時点で、日本人投資家の圧倒的大多数は、海外の物件に入居づけするスキルがありません。また、海外物件を取り扱う日本人業者は、販売することはできても、入居づけや賃貸管理までワンストップでできる業者は、決して多くありません。

だからこそ、「アジア太平洋大家の会」が、大家・投資家目線に立って、フィリピンで賃貸づけの成功事例をつくりたいのです。

ところで、いま私たちが取り組んでいる、マニラ近郊の「ラプソディ」という物件の賃貸づけは、やや難易度が高いです。

場所が「マニラの都心部」ではなく「近郊」なので、日本人の駐在員は、まず住まない。マニラで長年、賃貸業をやっている日本人業者でさえ、このエリアの物件は取り扱えないという。

【ラプソディの外観、共用施設】

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したがって、地元のフィリピン人に貸すしかないわけです。そこで今回、この物件を建てた大手デベロッパーDMCIの賃貸部門に時間をつくってもらい、入居づけの作戦会議をしてきました。

賃貸チームの担当者に、私は、熱を込めてこう言いました。

「ラプソディは、海外に出てまだ日の浅い日本の投資家が、フィリピン人の入居者を見つけて家賃収入を得るモデルになります。私は早く成功事例をつくって、我々に続く日本人投資家をどんどん発掘したいのです。それには、あなたたちの助力が必要です。」

どれだけ、私の気持ちが伝わったのか分かりませんが、とにかく、早く入居つけて欲しいな。今後もマニラの担当者と、密に連絡をとって、進めていきます。

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苦難続く日本の市民放送局

おはようございます。Manachan@マニラです。

今日はフィリピン滞在最終日、夕方のジェットスター便で、南半球オーストラリアに向かいます。少し空き時間ができたので、ブログ更新しますね。

今から約3か月前、5月9日に、こんな日記を書きました。

リンク⇒風評加害メディアの教訓

この日記では、元NHKアナウンサーとして、お茶の間に知られた堀潤氏が昨年立ち上げた、市民発信型のWeb放送局「8BitNews」の話題を取り上げました。

「(マスメディアではない)市民の、市民による、市民のための新メディアをつくろう」という、高邁な理想を掲げて出発したのは良いが、蓋を開けてみれば、デマ、ヘイトスピーチの内容を含んだ動画の投稿に悩まされました。

なかでも問題視された動画が、今年3月31日に投稿された、経産省前の「命の対話集会」デモでのスピーチ。引用しますと、

福島を忘れないで下さい、でも、福島に来ないでください・・・福島のものを食べないで下さい。皆さんが福島に観光にいらっしゃると、子供が逃げられなくなります。皆さんが福島のものを食べると、福島の子供達が放射性物質を食べることになります。

8Bitnewsに投稿されたこの動画は、阿修羅掲示板や、Twitterなどで拡散されました。これが、福島に対するネット上のデマ、偏見、風評被害を助長させるものとして、動画削除申請が出されましたが、5月9日現在、削除はなされなかった。

私は一連の顛末を見て、土台の危うさを感じました。

このままの路線で突っ走る限り、8BitNewsは、今後3ヶ月もたずに閉鎖されるだろう

と予想しました。で、今どうなったかというと、

(3か月どころか、わずか22日後の)5月31日に、「サイトリニューアルします」というトップページに代わり、動画投稿ができなくなった。

それから2か月以上経っても、サイト再開の兆しはみられない。

【8BitNewsのトップページ(8月6日現在)】
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そのサイトリニューアルの費用は、クラウドファンディングを通じた「寄付」によって賄うと書いてあります。想定する使途は明確で、

1.取材活動
・撮影、編集機材費
・交通費
・取材手当費

2.WEB開発
・サーバー管理および運用費
・スマートフォン表示開発費
・アプリ開発費
・新規プラットフォーム開発費
・開発コミュニティ創設費

3.運営・事務活動
・事務局管理費
・スタジオ創設費
・教育
・各種イベント開催などの関連費用
・広報活動費用

とあります。どんなに安くあげても、数千万円規模はかかる内容とと思われますが、

現時点で集まった寄付は、110万円のみ!

しかも、7月3日以降、寄付実績が更新されていない!

【8BitNewsの寄付実績(8月6日時点のスクリーンショット)】

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いま堀潤氏は、サイトリニューアルに燃えて、効果的に動いているのでしょうか?はたから見て、そうは思えません。

むしろ彼は、デマ、ヘイトスピーチをめぐる騒動に疲弊し、半ば諦めてしまった可能性が強いと思います。

彼の知名度からして、真面目にやれば、クラウドファンディングで何千万円の寄付は募れると思いますし・・・・真面目にやっているなら、寄付実績はリアルタイムか、少なくとも2~3日に一回は更新するはずだからです。

【参考:クラウドファンディングの成功例】

わずか19日で、583万円を集めた、映画「神様はバリにいる」実行委員会のページ

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このサイトは、寄付があったら瞬時に更新されますし、「いくら寄付したら何がもらえる」という、負担と受益の関係が極めて明確。

8BitNewsも、寄付を募るにあたって、これくらい、ちゃんと考え抜いて、ちゃんとお金をかけてシステム作って真面目にやれば、堀潤氏の知名度からして、3か月も寄付を募ってわずか110万円…なんてことはありえない。

私は前回の日記では、「放射能風評被害にあった地域の出身者」として、批判的な論調で8BitNewsを取り上げましたが、

でも、8BitNewsのコンセプトや、堀潤氏に対して悪いイメージはないし、「市民のためのメディアをつくる」という理想はよく理解できます。世の中をよくするには、「青臭い書生論」が必要ですし、その意味で彼のような人材は、日本に必要だとも思います。

でも・・・残念ながら、やることが未熟なんだよね。イケてない。洗練されていない。プロっぽくない。超高度な経済・ハイテク社会である現代日本にそぐわない。

いま日本で、「市民なんとか…」を名乗る勢力のなかに、日本で一流の人材がいない。優秀な集まらない。

その状態が変わらない限り、「市民メディア」構想は、ことごとく画餅に終わるような気がしています。

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続・フィリピノ学くん

こんばんは、Manachan @フィリピン・セブ滞在中です。

さっき、夕飯を食いに、アヤラモールに行ったら、男性と女性から、一回ずつ、現地語で話しかけられ、その後は英語で、「フィリピン人対象のアンケート調査」への参加を求められました。

ま、ここはフィリピンだし、モールに来るアジア人の多くはフィリピン人だろうという想定ができるわけですが・・・それを差し引いても、

「あなたはフィリピン人ですか?」

「いいえ、違います」

(意外な顔をして)「・・・そうなんですか。では、失礼しました」

そんな会話が、今日も続いたので、はたから見て、私はフィリピン人に見えるらしいです。そういえば2年前も、同じような日記を書きました。

フィリピノ学くん (2011/11/26の日記)

その当時の写真がこれ、

で、今回の写真がこれ

こうやって見ると、フィリピン男に見える要素というのは、

・日焼けした肌

・ラフなTシャツ、短パン姿

・緊張感のない表情

この3点セットが鍵なのかな、と思います。「胡散臭い黒ぶち眼鏡」と「無造作に切った短髪」も、強力なアイテムかもしれません。

ところで私、フィリピンに行く一週間前は、沖縄にいました。

まじで、沖縄県民とフィリピン人の区別がつきません!!

沖縄で出会った人たち、特に男性は、顔かたち、ゆるーい感じ・・・フィリピン人にとても似ていました。

フィリピンに長く滞在した後、いきなり沖縄に行ったら、「この人たち、なんで日本語話してるんだろ?なぜタガログ語話さないんだろ?」と思ったりして・・・

英語を流暢に話す沖縄男性は、ガチで、フィリピン人に見えるし…ま、沖縄とフィリピンは距離とても近いからねえ。

結論:東南アジアは、気楽でいいや。一応、外国なんだけど、アウェイ感を全く感じずに、暮らせますもんね。

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マニラとセブの都市力格差

おはようございます。Manachanです。いま、フィリピンのセブ島に滞在しています。

昨晩は、マニラ事業所にいた、フィリピン人の元同僚とお食事していました。マニラ出身の彼は、セブで良い仕事が見つかったので、2か月前、家族全員連れて引っ越してきました。

首都マニラに比べると、セブはまだ田舎で、いろいろなものが揃っていない。ちょっとしたIT機器も、マニラから取り寄せなければならないし、貸会議室なども、マニラ(マカティ)には近代的設備が揃っているのに、セブにはほとんどない。

スキルある人材も、セブで現地調達は難しいので、結局、マニラから呼ばなければならない。元同僚の職場でも、マネジャークラス、チームリーダークラスのかなりの割合は、「マニラから取り寄せて」いるようです。

一方で、コールセンターなどで働く単純労働者はセブには豊富に存在し、マニラより2~3割安い労賃で雇用できるので、世界的に知られたIT企業、製造業などが、セブにコールセンターやBPO拠点を設けてきています。

この話を聞いて、私は日本の「東京」と「地方都市」の格差を思い出します。

英米圏に本拠を持つ多国籍企業が、日本でオフィス展開する時、まず東京に進出して、次のステップとして西日本マーケットに入っていきたい時は、「大阪」。場合によっては「神戸」「京都」「名古屋」「福岡」などに、オフィスを設けるわけです。

西日本の大都市でも、エンジニアや事務員クラスは豊富に存在しますが、英語ができて、実務ができて、英語圏の本社に直接レポートできるような人材は非常に少ないので、「東京」で調達することがよくあります。

私も、ITエンジニア・マネジャーとして、東京で転職活動していた時に、勤務地が西日本の求人をよく見ました。各社とも、東京へ人材漁りをしてきているわけですね。

一方で、ビジネスインフラ・・・という意味では、西日本の大都市には、IT機器、高速ネットワーク、貸会議室、ビジネスホテルの類は、東京と遜色ない位、揃っていますから、

「マニラとセブ」の格差は、現時点では、「東京と福岡」の格差よりも大きいといえそうです。

またセブ現地の人々にとって、マニラから来た人は、「自分たちより格上(頭がいい、金持ち)」みたいなイメージもあるそうです。

しかしながら、セブ現地で、「マニラとの格差」を問題視する声は、あまり聞きません。

現時点で、まだ格差が大きくても、「マニラに追いつけ、追い越せ・・・」という雰囲気があり、

実際に、セブのビジネスは伸びてますから(もちろん、マニラも伸びてますけど)、上昇機運にある限り、格差というものは、そう問題にならない。

問題になるとすれば、社会経済の発展が一段落、スローダウンして、一発逆転のチャンスが少なくなり、格差が固定されるように見える時になのかな、と思ったりします。

そういえば、日本において「東京一極集中」が問題になったのも、高度経済成長期よりは、むしろ安定成長に入った1980年頃でしたね。

今のフィリピンは、まだその段階に達しておらず、伸びしろは非常に大きいといえそうです。

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月5万円で海外生活は可能か?

おはようございます。Manachanです。

いま、マニラの格安ビジネスホテルに泊まっています。ここはフィリピン最大のビジネス街マカティ(Makati)の街はずれ、Creeksideというショボい商業施設(雑居ビル)内にあり、灰色の外壁は古くくすみ、夜行くとマッサージ嬢がウロウロ・・・お世辞にも高級とはいえない宿泊施設ですが、

・高速道路の出入り口がすぐそばで、空港へ行くのに渋滞に巻き込まれない。
・WiFiが無料で、しかも速い。
・ホテルの高いマニラでは珍しく、個室で一泊3000円台で済む
・超高級ショッピングセンターGreenbeltまで、徒歩10分以内で着ける。

といった、実用的理由で、ここに泊まっています。アジア太平洋大家の会の視察ツアーには、このホテル、もちろん使いませんけど(やっぱ無難な高級ホテルにします…)、俺一人ならいいかなと・・・

昨日、今日と、マニラの中堅不動産デベロッパーで、プラスチック工場なども経営し、社員数1300名の会社を一代でつくりあげた、中国系フィリピン人の豪傑女社長に時間をつくっていただき、ずっと商談していました。

日本では、まず会えないような、大社長にも気軽に会えるのは、新興国の良さですね。

その女社長は、全身、エネルギーの塊みたいな人物で、強烈な創業者オーラを放っていました。日本でいえば「大阪のおばちゃん」みたいなキャラ。とにかく決断が早くて、自分一人で、ビシバシと物事を決めてしまう(一緒に仕事しやすいですね♬)

彼女は、歯にせぬ人物で、私が3000円の安ホテルに泊まっていることを知ると、「あんた、今度はもっとマシなところに泊まんなさいよ!」みたいなことを言う。

まあ、確かにそうですね。街で最高のホテルに泊り続ければ、調度品とか、サービスに対する感性も磨かれるし、上流な方々とも知り合えるし…私も良い歳した大人なので、その価値は、何となくわかる。

でも現時点では、高級ホテルステイに、余り情熱を感じないんですよね。バックパッカー上がりゆえ、自分ひとりなら安宿で十分、しょんべん臭いボロ宿でも、それなりに快適に過ごせてしまう体質なので・・・

フィリピンは、日本に比べれば、物価がずっと安いですが、ライフスタイルによっては、日本以上にお金がかかることもあります。

駐在員仕様の高級コンドミニアムに住み、メイドと運転手を雇い、子供をインターナショナルスクールに行かせ、毎回、Greenbeltで食事したり、日本人の握る寿司食ったりしていれば、日本で普通に暮らすよりも、確実に出費がかさむでしょう。

フィリピンの平均的な労働者の賃金は、マニラの場合1万~1万5千ペソ(3万円くらい)といわれています。その人たちが、実際にマニラで家族養って暮らしているわけなので、彼らと同じような暮らしをすれば、月3万円とはいかなくても、5万円くらいで暮らすことは、理論的には可能。

でも、私の見聞した限り、マニラで月5万円で暮らすのは、平均的な日本人には、ほぼ無理です。

一般的な日本人の感覚で、「ゲッ」となるような衛生状態、住環境を避けたり、安いフィリピンめしを避けて、時々日本料理に走ってしまうと、月5万円では到底暮らせないでしょう。これはマニラだけでなく、東南アジアのどの大都市にも言えると思います。

フィリピンの一般労働者の賃金は、1万~1万5千ペソ台といわれますが、日本人の現地採用なら、給料の相場が月6万ペソ(13~14万円)に跳ね上がります。これも、「普通、日本人は月5万円で暮らせない」ことの証左でしょう。ま、マニラで月6万ペソ貰っても、狭めのマンションに住んだり、公共交通機関に乗って通勤したりと、決して優雅な生活ではありません。

でも私は、平均的な日本人の感覚ではないし、バックパッカーあがりなので、マニラやバンコク、ホーチミンなどで月5万の生活、意外にできてしまうかもしれない。

それには、小汚いエリアで、独房に毛のはえたような狭い個室(あるいはドミトリー)に住み、フィリピンの庶民が、日々食っている、28ペソのチキンライスなどを普段は食い、時々奮発して、韓国料理店で150ペソくらいのチゲを食って幸福感にひたる、WiFiフリーの喫茶店にPC持ち込んで長時間粘る…みたいな生活が前提になりますが、

「人と会わない」前提なら、なんとなく、月5万円の生活、できてしまうような気がする。
「そんなことやって、一体、何が楽しいの?」と言われてしまいそうだけど・・・別に、苦にもなりませんので。

【マニラの庶民的なショッピングセンター、ここで飲み食いすれば、月5万円で暮らせる】

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