せたがや、たがやせ、川場村

おはようございます、Manachanです。

もう1年半も前の話になりますが、いま思い出しても、超、腹が立つ出来事がありました。

柏での移動教室中止 文京区 (2012/2/4、東京新聞)

<引用>東京都文京区は、区立小四、五年生が千葉県柏市にある区の校外学習施設「柏学園」で一~二泊する移動教室を、二〇一二年度は中止することを決めた。福島第一原発事故後、柏市で局地的に高い放射線量が測定されており、保護者から心配する声が寄せられていた(中略)国が除染の財政支援をする「汚染状況重点調査地域」に柏市が指定されたことを受けて、中止を決めたという。代わりに、東京近郊の他地域での日帰り野外体験や校舎内での宿泊体験を各校ごとに行う

少し背景説明します・・・私の地元、柏市には、東京都の中央区や、文京区の子供たちが使う教育施設が点在しています。

中央区立柏学園 (昭和15年創設)
文京区立柏学園 (昭和21年創設)

いずれも、戦中もしくは戦後間もない頃、柏が東京都民のための「疎開地」、「食糧基地」だった時代に、区民の子供たちを自然に触れさせようという趣旨ではじまった施設です。

それから時代は下り、柏は東京の近郊ベッドタウンとして発展し、「柏学園」周辺にも住宅が建て込みました。今の柏駅前は文京区のどの地域よりも都会で繁華、柏市の人口は中央区の5倍以上、文京区の2倍もいます(面積が全然違うけど・・・)。

「(東京の)都会の子供たちが、都会化した柏に来る意味あるのか?」と思ったりしますけど・・・林間学校ではなく、「移動教室」というかたちで、イモ掘りや自然観察などを、柏で年間行事として行っていました。

それが、2011年の震災後、福島原発事故の影響で、柏市近辺で比較的高い放射線量が観測され、保護者から懸念の声が高まったことを受け、同年11月2日に中央区が柏学園の利用を中止、翌年2月4日に文京区も柏移動教室の休止を決定しました。

柏の人間として、言わせていただければ、中央区、文京区の決定は、とても悲しかったです。同時に、

文京区、中央区の親たち、教育関係者は、なんて、思慮のない人たちなんだろう?

と、呆れ果てたことを、今でも思い出します。

だいいち、こんな「目くそ鼻くそ」な話、他にありますか?文京区や中央区から、柏まで、電車で30分台で着くような距離ですよ。福島第一原発から、200km以上、はるばる旅してきた放射性プルームが、柏にだけ落ちたんじゃない。江戸川を越えて、都内にだって、しっかり降り注いでいました。

確かに、柏の方が、都内より多少は、放射線量高かったのかもしれない。でも、せいぜい1泊2日の話でしょう?その期間、柏で過ごして、追加される被曝量が、どれほどのものですか?柏に住んで、この土地で呼吸している人間からみれば、柏での1泊2日を忌避する感覚が理解できません。ましてや、目と鼻の先、都内に住んでる人間から忌避されるなんて・・・

子供に、わずかな被曝量の増加も避けたいという親心は分からんでもないけど、そう考えて行動した結果、どれだけ多くの人々を悲しませ、無念な思いをさせるのか、いい歳した大人が分からんのかなあ?相手の立場に立って考えられないのかなあ?

まずもって、直接の関係者が悲しみますよね?柏で、畑にイモを植えて、子供たちの来訪を心待ちにしていた人たちが・・・

次に、マスメディアの影響。文京区や中央区といった地方自治体が、公式に「柏での移動教室中止」を決定したら、すぐ、東京新聞あたりに、デカデカと書かれてしまうのですよ。「柏の放射能やばい」みたいな文脈で・・・その結果、柏市40万住民が不愉快な思いをする。ネガティブイメージを全国的に植えつけられてしまう。

移動教室の休止は、これまで自分を支えてきた大切な人たちや地域との「関係を切る」ことを自ら宣言することですから、それは教育の本旨にも合うんだろうか?文京区民の一部が懸念する「被曝の増加」と、「訪問先の40万人を悲しませる」こととを天秤にかけた場合、教育者として、どちらを優先すべきだろうか?長年培った大事な関係を、平気で袖にするような子供を育てたいのだろうか?

「友情と子どもの安全は切り離して考えるべきだ」と主張する側の論拠は、科学的でもロジカルでもありませんでした。実際、文京区は、2011年7月、柏市での空間線量が平気で0.5μSrv/h近くいってた時期に、柏学園の線量を自ら測定し、「二泊三日滞在しても、年間被ばく量は国際基準の限度を下回る」として、移動教室を実施していたのです。この決定は、理屈で分かる。

それなのに、柏近辺の線量が下がって、0.3μSrv/hを下回るようになった翌年2月に、「(一部の)区民が騒ぐから」と、移動教室の休止を決めたのです。根拠は、柏市が「汚染状況重点調査地域」に指定されたからと・・・あんなもの、政治的力学で決まるものなのに(例.葛飾区なんて、柏と大差ない線量なのに、東京23区という理由で、指定から外れました)。

私は、こんな感情を体験しました。汚い言葉ですが、ご容赦を・・・

お前らまで、俺らを忌避するのかよ?
いい歳した大人が、エンガチョするのか?恥ずかしくねぇのか?
てめえらのガキだけ良ければ、人を傷つけてもいいと思ってるのかよ?
お前ら、まじで要らねえよ。金輪際、江戸川を越えてくるんじゃねえ!

これと似たような構図の問題が、いま、「世田谷区」と「群馬県川場村」のあいだで存在します。

群馬県北部、美しい風景に囲まれた山村・川場村は、1981年以来、30年以上にもわたって、「世田谷区民のふるさと」として、愛されてきました。

85万人の巨大都市である世田谷区と、人口3千8百人、過疎化がすすむ川場村の間には、全国のモデルになるような、「都市と山村の交流」の長い歴史、蓄積があり、移動教室や林間学校などの活動も、盛んに行われていました。

その川場村も、柏市と同様、「汚染状況重点調査地域」に指定され、関東の放射能ホットスポットの一つと呼ばれています(2011年当時よりは、線量かなり下がりましたけど・・・)

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しかし、世田谷区では、2011年、12年と、川場村での移動教室を実施し続けてきました。学校によっては半数近くの児童が不参加となり、区議会でも紛糾したようですが、移動教室の活動エリア周辺を除染したり、食事の放射性物質検査を徹底するなどして、なんとか命脈を保ってきました(リンク)。

さすがに、震災後2年半が経過し、川場移動教室への反対運動は、下火になってきたようですが、まだまだ、反対論がくすぶっているようです。「ベクレルフリー」みたいな運動が盛んな土地でもありますし。

たぶん、移動教室の休止になることはないと思うけど、もしそうなったら、川場村の人々が、私が味わったような、悲しくて不条理な思いをする・・・そのことだけは忘れずに、世田谷区の皆様には、人の心に配慮し、客観的なデータに基づいた、大人らしい、賢明な選択をしていただきたいと思います。

せたがや、たがやせ、川場村との友情を・・・

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コメント

  1. emiko777 より:

    1. 怒りが伝わってくるようです
    怒りがジンジン伝わってきましたよ。
    大体メディアに動かされるのが一般人ですね。
    新聞で言えば唯一読売と産経が、中立的な発言をしています。

    他は左翼的というか、何でも反対に回る態度です。

    それで今まで選挙も原発も先導されてきていますね。

    そろそろ市民も目覚めるとこが来たように思います。

    信じられないかもしれませんが、今のこの豪雨や異常気象は、天からの警告といわれています。
    http://ameblo.jp/yuri-no-hana-777/

  2. manachan より:

    2. Re:怒りが伝わってくるようです
    emiko777さん

    >怒りがジンジン伝わってきましたよ。

    私は本来、温厚な人間のはずなんですが・・震災以来、本当に腹の立つことが多くて。

    >他は左翼的というか、何でも反対に回る態度

    メディアもそうですが、左翼的な反原発運動には、つくづく幻滅しました。

    「原発を廃止するには、放射能は危険でなければならない」、「福島や関東の汚染は深刻で、子供の被ばくは忌避されなければならない。」

    ・・・あのテーゼは、最悪でしたね。これが、東日本の人々にストレスと不安を与え、対立させ、分断と憎しみをつくりだし、

    結局、原発を廃止するどころか、彼らは国民に愛想をつかされたのです。自業自得です。
    http://ameblo.jp/manachan2150/

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