おはようございます。Manachanです。
オーストラリア滞在中の身ですが、ネット社会の恩恵を受け、日本の情報入手には事欠きません。昨日も、この文章を読みました。
代官山に埼玉県民が攻めてくる!ネットで激論「池袋で満足しろ」「差別するな!」
元ネタがSPA!、それをJ-CASTニュースが取り上げたという・・・ま、他愛のないネタではありますが、
今年3月16日、地下鉄副都心線と東横線の直通運転が始まったことにより、埼玉県から新宿、渋谷を超えて、東横沿線へ出やすくなったことが、この話の背景にあります。
とにかく、埼玉県から都内へのアクセスの良さは、首都圏でも群を抜きます。もともと、京浜東北線、埼京線、高崎線・東北線、東武伊勢崎線、東武東上線、西武池袋線によって、都内ターミナル駅に直通していたのに加え、
最近も、湘南新宿ライン、南北線直通の埼玉高速線、東北縦貫線などの開通が相次ぎ、東京アクセスは便利になるばかり。極めつけが、池袋、新宿、渋谷の「三都」を串刺しにして、東横線経由で横浜中華街まで直通する「副都心線」の東横線乗り入れ。
東横線住民にとっては、「なぜ、次の電車が和光市行きなの?」と、怪訝に思う回数が増えたでしょうが、埼玉県の東上線沿線住民にとっては、「やったぜ!これで新宿、渋谷、代官山、自由ヶ丘まで乗り換えなしで行ける」という、福音に他なりませんでした。
【埼玉県民にうれしい、副都心線&東横線相互運転開始】
人口の割に、地元に繁華街や観光地の乏しい埼玉県民は、「首都圏を電車で移動する民」。
たとえば、相互乗り入れした埼京線・りんかい線と、地下鉄有楽町線は、週末、「ディズニーに行く埼玉県民の輸送手段」に様変わりし、新木場駅は、「埼玉県民御用達の乗換駅」になります。
そういう特性を持つ埼玉県民が、副都心線で東横沿線に直通できたら、どうなるか?「代官山、自由ヶ丘に押し寄せる」のは、必然。100%以上、自明のことです。
もちろん、代官山、自由ヶ丘で、セレブっぽい雰囲気を楽しんでいた地元民にしてみれば、埼玉県民の訪問を、歓迎しない向きもあるでしょう。それが、上のSPA!の記事で茶化されているわけですが、
「代官山のステータスを守りたい地元住民」 VS 「代官山に電車で遊びにいきたい埼玉県民」 の図式だとすれば、
間違いなく、埼玉県民が勝利する。
代官山民は、埼玉県民の来訪を受け入れざるを得ない(無条件降伏)
と、私は思います。なぜならそれが、「東京・首都圏の力学」だからです。
膨大な人口を持つ東京・首都圏では、地域間を大量交通手段で「つなげる」力学が支配しています。ですので、この都市では、
「誰にも来訪させない。閉じた空間で自分たちだけのステータスを守る」という試みは、ほとんど失敗します。
日本には「城壁」文化もなければ、欧米や、東南アジアでよく見られる「ゲートコミュニティ」のコンセプトもありません。
いくら代官山のステータスを守りたくても、電車で外部からどんどん人が来てしまうのを、防ぐ術はありません。
ましてや、東横線は副都心線を通じて埼玉県へ直通、田園都市線は半蔵門線を通じて埼玉県へ直通、京浜東北線はモロ埼玉県直通・・・どの沿線を見ても、セレブ東京城南地域が埼玉から逃れる術はありません。
私は、こういう構造を持った東京は、世界に誇るべき都市だと思います。
世界中見渡しても、こんな、平等・民主な大都市はないでしょう?誰もが、安価な電車で、どこへでもアクセスできる。
しかも、首都圏内でアクセス不便な地域を、どんどん、花の都心や城南セレブ地域と繋いでしまおうという力学が、今でも働いている都市なのです。
諸外国では、富を独占するグループがいて、貧しい者や一般庶民から隔絶された空間で、セレブライフを楽しむ…という現象がよくありますが、東京ではそのような「自由」(?)は、認められません。
憲法14条「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」…鉄道アクセスの点で、それが見事に実現されているのが、東京・首都圏なのだと思います。
最初の話題に戻ると、「埼玉県民の代官山への大量来訪は必然」、「そのことで代官山の雰囲気が変わっても、(大東京の力学がそうなっているのだから)甘んじて受け入れ、埼玉民との共存をはかるべき」と思います。
そもそも、世界的視野でみれば、代官山住民と埼玉県民の間に、隔絶した生活水準の差があるとは思えない。「さいたま~のカッペは代官山に来るな!」と言ってみたところで、「お前らだって、もともとカッペだろう?ケチくさい東横セレブ幻想を拠り所にしているお前らこそダサいんだよ」と言い返されれば、そう有効な反論ができるとは思えない。
要は、フラット。圧倒的な富裕エリアもなければ、極端に貧乏で不便なエリアもない…私は、そんな東京が、好きです。
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