栃木弁が標準語になる日

こんばんは。Manachanです。

昨晩は家族全員連れて、柏の実家に泊まりました。実家の書棚には、こんな本がありました。

「U字工事のレッツゴー栃木」

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「栃木弁漫才」という、新たな境地を開いた、U字工事の二人。熱血お国自慢で、栃木県の知名度アップにも、大いに貢献しています。

この本、栃木県内の書店では、毎年、平積みのベストセラーだそうです。特に凄いのは、

全部、栃木弁で書いてある!

栃木は、東京から近い土地ですが、その言葉は、特にイントネーションが標準語と大きく異なります。栃木県の大部分で、「無アクセント」(棒読み調)の方言が話され、たとえばの話、「はし」(橋)も「はし」(箸)も同じだし、「はいしゃ」(歯医者)と「はいしゃ」(廃車)も同じ。アクセントが崩壊し、音の高低がないのが特徴です。

【要は、こんな感じの方言です】

最近、栃木県内をドライブして、東北自動車道の上河内サービスエリア(宇都宮市)で食事しましたが、そこで働く、若いお姉ちゃん、お兄ちゃんたち、誰もが見事な「無アクセント弁」を話していました。毎月、東京に遊びに行きそうな若い世代でさえも、祖先から引き継がれた方言は健在のようです。

宇都宮に標準語は存在しない!

そう言い切って、良いのかもしれませんね。

栃木からみて、東隣の茨城県や、北隣の福島県も、同じ無アクセント方言地帯・・・この三県の言葉は、よく似ています。

東京からみて、「訛っている」とされる言葉なので、田舎臭さや劣等感を想起させることもあるそうですが、見方を換えれば、無アクセントの言葉には、素晴らしい特徴があります。特に、

アクセントがないので、外国人には、学習しやすい。

日本語の他の方言を話す人にとっても、学習しやすい。

とにかく、簡単なんです。アクセント気にせず、棒読みしちゃえば良いのですから・・・プラス尻上がりアクセントをつければ、何となく、栃木弁(or茨城弁)っぽく聞こえてしまうのです。

逆に、標準語(東京方言)や関西弁のイントネーションは、外国人には習得が難しい。たとえば標準語でいうと、

たしは にほんじん です   
んこんへ ごしゅっぱつの おきゃくさ

みたいな、音の高低があるわけですが、そこには全く規則性がない。当の標準語話者でさえ、なぜそういうイントネーションになるのか、説明ができない。

外国人が日本語(標準語)を話すとき、たとえ語彙・文法が完璧であっても、「標準語らしくない」イントネーションゆえ、一発で「外国人がしゃべっている」とバレてしまう。

同じ日本人でも、栃木や茨城の人が、標準語イントネーションで話すのだって、決して簡単ではないわけですね。

逆に、栃木弁が標準語であったなら・・・アクセントを全く覚える必要はなく、その意味では外国人でも容易に、ネイティブっぽい発音ができてしまいそうです。

もし栃木弁が日本の標準語になれば・・・一番助かるのは、中国語、タイ語、ベトナム語、カンボジア語など、「声調」のある言語(Tonal Language)の話者でしょうね。

これらの言語では、発音だけでなく、イントネーション(音の高低)によって、言葉の意味が違ってきます。日本の標準語でいうところの、「はし」(橋)と「はし」(箸)の区別が、全ての語彙について存在する・・・ようなものです。

これ聞いて、「そんな難しい言葉、できるか!!」と、思われる方もいるかもしれませんが、音の高低が規則的なので、学習すれば、実は覚えやすかったりします。

逆に、中国人など、規則的な声調のある言葉で育った人が、日本の標準語や関西弁を聞くと、難しく感じるようです。

日本語にもアクセントは、確かにある、でも、規則性がまるでない。一体どうやって学習すればいいのか分からない・・・というわけです。

ま、アクセントが間違っていても、日本語としての意思疎通には、余り支障はないのですが、でも、声調のある言語で育ってしまった故、音の高低が気になって仕方がない。

これが、「日本語の声調問題」として、中国人の日本語学習者を悩ます要素の一つになっています。

U字工事は、「栃木弁を日本の標準語にするまで、この言葉をしゃべり続ける」と書いてましたが、

もし、それが実現したなら、日本語は外国人に学びやすい言語になるでしょうね。その代わり、NHKのアナウンサーが「つぶやきシロー」みたいな言葉で話すことになるけど・・・

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