アベノミクス、円安バブルに思う・・・

おはようございます。Manachanです。

金沢家族旅行&講演の疲れも癒えて、元気にブログライフ再開です。

所謂アベノミクス」・・・自民党の政権復帰、安倍総理誕生が確定的になった昨年11月頃から、猛烈に、次の二つの現象が起こりました。

円安 (直近3か月で、主要先進国・新興国通貨に対して、約2割の円安)
株高 (直近3か月で、2~3割の上昇)

「アベノミクス」という名がついてはいますが、安倍総理自身は、別に経済政策に明るい人でもないので、背後に、「仕掛け人」がいるのは間違いないでしょう。そして今のところ、おおむね「仕掛け人」の思惑通りになっていると思います。

その狙いを、推測するに、


ステージ1「円安と株高(=外資流入)で、まず、企業のバランスシートを改善する」
ステージ2「今後もアベノミクス効果が続くと日本人に思わせて、オカネが投資や消費に回るように誘導する」
ステージ3「最終的には、日本のサラリーマンの給料も上げて、自律的・持続的な経済成長を実現する」
ステージ4「目下、危機的水準に近いといわれる財政赤字の問題も、増税&経済成長の二本立てで、解決に向かわせる」

典型的な、サプライサイド(供給側重視)の政策というか、「リフレ派」(通貨再膨張)政策というか・・・

今のところは、「欧州」と「米国」の、巨大なダブル財政危機が一応は平穏化して、これまで日本円に緊急退避していたマネーが、欧州・米国に戻りつつある時期・・・という外的要因も幸いして、ステージ1の「円安」と「株高」は、難なくクリアしつつありますが、

今後、ステージ2以降に移行できるか?(シャレじゃないよ・・・)に関していうと、私はかなり懐疑的です。

まず、ステージ2・・・外資が流入して、日銀券をたくさん刷って、とりあえずオカネが増える。新興国なら、平均年齢も若くて消費意欲も旺盛なので、それがすぐ経済成長に結びつきますが、いまの日本は、高齢化した成熟老大国。国内で去年以前を大きく上回る需要爆発が起こるのは考えにくい。正確にいうと、不可能ではないけど、火がつくのに長い時間がかかる。老いた男がバイアグラ飲むみたいに・・・

あと言うと、円安になれば、ガソリン代や食料などの生活必需品の価格が上がり、相変わらず給料上がらない庶民の生活を直撃して、需要を冷やす可能性も考えられます。今の日本は、昔と違って貿易赤字国なので、円安→輸出産業振興よりも、円安→資源輸入というかたちで、国富の流出になる面が大きいでしょうね。

じゃ、外需はどうか?というと・・・頼みの中国が失速気味、中国以外のBRICSも勢いなし、欧米は相変わらず不景気、東南アジアや中近東は伸びてるけど、中国の代わりには、すぐならない・・・という感じで、いまいち微妙。少なくとも、「平成景気」とよばれた2002~08年の状況と比べると、かなり悪い状態。

ステージ3となると、さらに難しい。「いざなみ、いざなぎ超え」と呼ばれた平成景気でも、日本国内労働者の賃金は上昇しなかった。ま、少し考えれば、何だかんだで初任給で20万かかる大卒日本人を雇う位なら、3万円でほぼ同じスペックのベトナム人を雇えたり、数か国語ができる東南アジアのエリートを7~8万円で雇えるわけですから、日本人の給料を、20万円から25万円に上げる、経済的合理性はないですね?

今のところ、一番確実なのは、ステージ4で書いた「増税」だけですね。これは100%、間違いなく起こるでしょうが、これはもちろん、経済成長の阻害要因になる。増税する前のタイミングで、円安と株高、好景気幻想で目くらましできればいいのですが・・・どうなるか?

Manachanブログ - 世界で不動産を買おう!

私は、ステージ2の達成前に、アベノミクスは、株高・円安の逆転換、というかたちで、終焉を迎えると予想しますが、ま、それより前に、

ミニバブル的な現象は、起こるでしょうね。

その対象は、不動産市場でいえば、まず

「東京都心の土地建物」

から始まり、

トレンドが持続すれば、「名古屋、大阪、福岡、札幌など中核都市の都心部にも波及する」・・・と思います。要は2005~07年頃の、一時的な地価上昇、ミニバブル現象が再現する可能性が高いと。

日本の実体経済が良くならないのに、オカネだけ増えれば、銀行だって貸し先見つけなきゃなりません。有力な個人不動産投資家にすれば、一棟融資づけのチャンス到来かも・・・フルローン、オーバーローン何でもあり時代になるのかな?

ま、バブルである以上、いずれは弾けて、誰かがババを引く。その後、長く冷たい不況の時代が来るのでしょう。

すでに成熟した先進国である、日本や欧州、やや若さと勢いのある米国でさえ、経済成長戦略は難しい。成功事例は、ほとんど思いつかないけど、失敗事例なら、腐るほど思いつく。

日本だって、バブル期以降、1993年の積極財政出動から、1996年の橋本ビッグバン、2001年の小泉構造改革、今のアベノミクス・・・主に経済刺激を目指した政策のオンパレードだが、成功したと評価できる事例は思いつかない。

欧州も、まあ似たようなものかと。リーマン前の、スペイン、アイルランドの住宅バブルとか、すごかったけど、弾けた後の縮小ぶりもすごい。アメリカのサブプライム・バブルも然り。

需要が伸びないところに、オカネのマジックでバブルをつくって需要を起こそうという発想自体に、無理があるのではないか?

むしろ、自国はゼロ成長でも幸せに暮らせる社会構造にして、成長を求めるなら新興国に投資するか、思い切って移住する・・・みたいな方が、自然な流れだと思います。

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