無駄な抵抗-違法ダウンロード罰則化

今回は、普段の記事(不動産、海外投資、ビジネスキャリア等)とは違うことを書きますね。

海賊版ダウンロード罰則化検討 与野党に議員立法の動き

この法律、どうなんでしょう?なんだか微妙ねぇ・・・

私は著作権法に詳しいわけではないし、この分野で一家言持っているわけではない、単に一ネットユーザーとしての勝手な意見ですが、

このネット全盛の時代に、デジタルコンテンツを有料にするべく法律で縛るのは、歴史的見地でいえば、「無駄な抵抗」という感じがします

いずれ敗北するのが分かっていながら、あえて、時代に棹さして、業界延命あるいは官僚の勢力拡大のためにやっている気がします。

私はIT屋なので、「世の中、ダウンロードとプログレッシブ・ダウンロード、ストリーミングがあるけど、そのうち何を取り締まるの?」、「FTP転送はOKなの?」、「法律をどうやって運用するの?もしダウンロードのキャッシュで違法・適法を判断するなら、そのキャッシュを消し去るソフトが出たら、瓦解しちゃうんじゃない?」みたいなことを、考えてしまいますが、

そういう技術的な議論に走っちゃうと、大多数の人は、面白くないので、

「違法無料コンテンツを取り締まりたい著作権教会、レコード業界、官僚」vs「無料コンテンツを楽しみたいネットユーザー」という構図に、あえて単純化して、

「違法無料コンテンツの取り締まりが、技術的に可能」という前提で、語りましょう。

この法律が通ったとして、レコード業界は、果たしてどれだけ延命できるんでしょう?10年もたない気がしますが、なんとなく・・・

なぜなら、ネット社会において、本当に価値を持つのは、「デジタルコンテンツそのもの」ではなく、「コンテンツをつくる人そのもの」だからです

「デジタルコンテンツ」を、「もの」として見るのは、工業化時代の発想。しかし、

・今や、「もの」自体を、複製するコストは、ほぼ無料。
・人々が「もの」をつくるコストも、無料ツール使って、Youtubeやニコニコ動画に上げるのも、原則、無料。
・人々が「もの」にアクセスする、ブロードバンド・インターネットのコストも、日本は世界最安値レベル。スマホはパケット放題が基本。

そんな「もの」にどうやって値をつけるの?
どう頑張ったって、結局は、無料に収斂されちゃうんじゃないの?

ユーザーの立場からいっても、ネットを通じて、コンテンツがいくらでも無料で手に入るなかで、わざわざお金を払いますか?

法律上、著作権で縛る、取り締まることは、ある程度できても、無料に慣れたユーザーが、今さら大人しく2000円とか出してDVDを買うとは思えない。

欧米先進国は、著作権規制を、各国進めてるようだけど、結果、行きつくところは、「中国の勝利」でしょう。

比較的、著作権規制が緩い(もとい、規制が及ぶのに時間がかかる・・・)中国の「優酷」、「土豆網」みたいな無料動画共有サイトに、世界中の優良コンテンツが集まる。

そして中国人は、世界で一番、優良なコンテンツを、無料で楽しむことができる環境で育ち、創造力あふれるアーティストやクリエーター、デザイナーを大量に輩出して、世界を席巻する。

結局バカをみるのは、規制を進めた欧米や日本の一般ネットユーザー・・・みたいなことにならなきゃいいけど、取り締まる側は、そこまで考えて、制度設計してるのかな?

しかも、著作権自体、偽善的だと思うのは・・・「コンテンツ製作者の権利」を守るといいながら、全然そうなっていないこと。

たとえば、私が本書いて、1万部売れても、印税10%で、手取りはいくらになりますか?・・・100万円くらいにしかならない。1年に何冊も本出せない。これじゃ食えないよね?

製作者、表現者に正当に報いるというより、それにぶらさがる人を食わせるための仕組み、としか私には思えないんだけど・・・

結局、「本」とか、「DVD」というモノにして、利益をあげよう。たくさん売って、社員を食わせよう、という考え方自体が、破綻している。工業化時代はよかったけど、ネット時代の発想ではない。

じゃ、何が価値になるのか?・・・というと、「コンテンツをつくりだす人」そのものでしょう。

たとえば、私のブログ「Manachan’s World」を愛読している方は、数千人単位でいますが、それをつくり出すのは、私、「Manachan」という人間に他なりません。

世界に70億人いても、私じゃないと、このコンテンツはつくれません。
私自身に、価値があるのです。

ブログ「Manachan’s World」を、本にして、あるいはDVDに焼いて、大量に配っても、人々が、「聖書」や「コーラン」みたいに、それを有難がりますか?いまどき喜んで、お金を払いますか?・・・どうしても、そうは思えない。

むしろ、ブロガーとしての「Manachan」のファンになってくれる人々から、

「1人1万円ずつ集めるから、Manachanお願い、アフリカに行って、現地の不動産事情をレポートして」

というかたちで、浄財を集める。そのお金で、私が格安航空券でアフリカ行って、ローカルバス乗って安宿泊まって、サバイバルしながら、身体張って仕上げた渾身の「アフリカ不動産レポート」を、お金払ってくれた人には、惜しげなく、無料で公開する。

というビジネスモデルの方が、はるかに、成立しやすいと思うんだけどなあ。少なくとも、ネット社会的だよね?

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コメント

  1. sgy1 より:

    1. 無題
    随分前からこんな時代が来ることを予測して
    自力でコンテンツを売る方式に変えられた
    平沢進さんという方がいます。

    この方の音楽はコピー不可。
    彼にしか創れない彼の世界に
    喜んで世界中からお金を出すファンがいます。

    移り変わる時代に適応出来ないと淘汰される
    のは、コンテンツ業界だけじゃないですし、
    モノはどんどん売れなくなっていくだけですね。

    コピー出来ないものに価値がある。
    価値があるからお金を払う。

    たったこれだけのことなんですよね。
    http://ameblo.jp/sgy1/

  2. manachan より:

    2. すばらしい先見性ですね
    >平沢進さん・・・この方の音楽はコピー不可。
    彼にしか創れない彼の世界に
    喜んで世界中からお金を出すファンがいます。

    素晴らしいビジネスモデルだと思います。次の時代を、先取りしてますね。

    >コピー出来ないものに価値がある。
    価値があるからお金を払う。
    たったこれだけのことなんですよね。

    そう、本当に、単純なことなんですが・・

    その単純な理屈を、理解していない業界関係者、政治家がいかに多いことか・・・
    http://ameblo.jp/manachan2150/

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無駄な抵抗-違法ダウンロード罰則化

今回は、普段の記事(不動産、海外投資、ビジネスキャリア等)とは違うことを書きますね。

海賊版ダウンロード罰則化検討 与野党に議員立法の動き

この法律、どうなんでしょう?なんだか微妙ねぇ・・・

私は著作権法に詳しいわけではないし、この分野で一家言持っているわけではない、単に一ネットユーザーとしての勝手な意見ですが、

このネット全盛の時代に、デジタルコンテンツを有料にするべく法律で縛るのは、歴史的見地でいえば、「無駄な抵抗」という感じがします

いずれ敗北するのが分かっていながら、あえて、時代に棹さして、業界延命あるいは官僚の勢力拡大のためにやっている気がします。

私はIT屋なので、「世の中、ダウンロードとプログレッシブ・ダウンロード、ストリーミングがあるけど、そのうち何を取り締まるの?」、「FTP転送はOKなの?」、「法律をどうやって運用するの?もしダウンロードのキャッシュで違法・適法を判断するなら、そのキャッシュを消し去るソフトが出たら、瓦解しちゃうんじゃない?」みたいなことを、考えてしまいますが、

そういう技術的な議論に走っちゃうと、大多数の人は、面白くないので、

「違法無料コンテンツを取り締まりたい著作権教会、レコード業界、官僚」vs「無料コンテンツを楽しみたいネットユーザー」という構図に、あえて単純化して、

「違法無料コンテンツの取り締まりが、技術的に可能」という前提で、語りましょう。

この法律が通ったとして、レコード業界は、果たしてどれだけ延命できるんでしょう?10年もたない気がしますが、なんとなく・・・

なぜなら、ネット社会において、本当に価値を持つのは、「デジタルコンテンツそのもの」ではなく、「コンテンツをつくる人そのもの」だからです

「デジタルコンテンツ」を、「もの」として見るのは、工業化時代の発想。しかし、

・今や、「もの」自体を、複製するコストは、ほぼ無料。
・人々が「もの」をつくるコストも、無料ツール使って、Youtubeやニコニコ動画に上げるのも、原則、無料。
・人々が「もの」にアクセスする、ブロードバンド・インターネットのコストも、日本は世界最安値レベル。スマホはパケット放題が基本。

そんな「もの」にどうやって値をつけるの?
どう頑張ったって、結局は、無料に収斂されちゃうんじゃないの?

ユーザーの立場からいっても、ネットを通じて、コンテンツがいくらでも無料で手に入るなかで、わざわざお金を払いますか?

法律上、著作権で縛る、取り締まることは、ある程度できても、無料に慣れたユーザーが、今さら大人しく2000円とか出してDVDを買うとは思えない。

欧米先進国は、著作権規制を、各国進めてるようだけど、結果、行きつくところは、「中国の勝利」でしょう。

比較的、著作権規制が緩い(もとい、規制が及ぶのに時間がかかる・・・)中国の「優酷」、「土豆網」みたいな無料動画共有サイトに、世界中の優良コンテンツが集まる。

そして中国人は、世界で一番、優良なコンテンツを、無料で楽しむことができる環境で育ち、創造力あふれるアーティストやクリエーター、デザイナーを大量に輩出して、世界を席巻する。

結局バカをみるのは、規制を進めた欧米や日本の一般ネットユーザー・・・みたいなことにならなきゃいいけど、取り締まる側は、そこまで考えて、制度設計してるのかな?

しかも、著作権自体、偽善的だと思うのは・・・「コンテンツ製作者の権利」を守るといいながら、全然そうなっていないこと。

たとえば、私が本書いて、1万部売れても、印税10%で、手取りはいくらになりますか?・・・100万円くらいにしかならない。1年に何冊も本出せない。これじゃ食えないよね?

製作者、表現者に正当に報いるというより、それにぶらさがる人を食わせるための仕組み、としか私には思えないんだけど・・・

結局、「本」とか、「DVD」というモノにして、利益をあげよう。たくさん売って、社員を食わせよう、という考え方自体が、破綻している。工業化時代はよかったけど、ネット時代の発想ではない。

じゃ、何が価値になるのか?・・・というと、「コンテンツをつくりだす人」そのものでしょう。

たとえば、私のブログ「Manachan’s World」を愛読している方は、数千人単位でいますが、それをつくり出すのは、私、「Manachan」という人間に他なりません。

世界に70億人いても、私じゃないと、このコンテンツはつくれません。
私自身に、価値があるのです。

ブログ「Manachan’s World」を、本にして、あるいはDVDに焼いて、大量に配っても、人々が、「聖書」や「コーラン」みたいに、それを有難がりますか?いまどき喜んで、お金を払いますか?・・・どうしても、そうは思えない。

むしろ、ブロガーとしての「Manachan」のファンになってくれる人々から、

「1人1万円ずつ集めるから、Manachanお願い、アフリカに行って、現地の不動産事情をレポートして」

というかたちで、浄財を集める。そのお金で、私が格安航空券でアフリカ行って、ローカルバス乗って安宿泊まって、サバイバルしながら、身体張って仕上げた渾身の「アフリカ不動産レポート」を、お金払ってくれた人には、惜しげなく、無料で公開する。

というビジネスモデルの方が、はるかに、成立しやすいと思うんだけどなあ。少なくとも、ネット社会的だよね?

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