欧米不動産、人種と属性の話-前編

今回は、身も蓋もない話を書きますね。

日本で家探しをする場合、「この地域はどの人種が多い・・・」みたいなことが、話題に上ることはほぼありませんが、

世界中から来た移民が暮らす、「人種のるつぼ」である欧米主要都市では、「人種」が明らかに、各地域の特徴や、イメージの良し悪しに影響している面があります。

多くの人が読むブログで、こんなこと書いていいのか、私自身も逡巡するのですが・・・

それぞれの社会における多数派が、好ましいと思う人種が多く住む地域の不動産価値は上がり、彼らが嫌悪する人種が多い地域の不動産価値は下がる

というのが、いくつかの欧米大都市に暮らした私の、偽らざる実感ですし、不動産投資する上で、不可欠な知識だとも思います。

私が、足かけ5年間暮らした、「シドニー」を例にして、説明しますね。


都心部・郊外部あわせて、人口430万人を超える、オーストラリア最大の都市・シドニー。

この都市における多数派住民は、もちろん「白人」ですが、

世界中から移民が流入するコスモポリタンな都市でもあるので、我々みたいな東アジア系も多いし、インド系も、中近東系も、アフリカ系も、中南米出身の混血系も、あらゆる人種が揃っています。

私が家買って暮らしていた、シドニー郊外の街では、向こう三軒両隣がレバノン人、中国人、白人(ニュージーランド&カナダ出身)、街に出ればインド人多数・・・みたいな世界で、

職場に行けば、上司がブラジル人、スリランカ人、南アフリカの白人、同僚の多くは中国人、韓国人、ベトナム人、もちろん地元生まれのオージー(白人)も多数。

小学校のクラスで、それぞれの親の出身国を書くだけで、世界地図ができてしまう・・・

私が海外不動産投資に、違和感なく入っていけるのも、こういう環境で暮らしたおかげですね。


そんな「人種のるつぼ」シドニー、当然ながら、皆が平等ではなく、「社会階層」なるものが、厳然としてあります。

西暦1788年、この地に、英国人が入植した際に、本国の「支配者」と「被支配者」(労働者や奴隷)という階層構造が、そのままこの地に移植されました。

支配者やその家族は、シドニー東部、眺望の良い海岸エリアに豪邸を構えて暮らし、労働者は西の内陸部に簡素な家を構えて暮らした・・・その名残りは、今でも残っています。

英国や米国の都市ほどの「格差」ではないかもしれませんが、よく観察すれば、シドニーの多数派・白人世界のなかで、階層構造がほぼできあがり、各エリアごとの棲み分けに直結していることが、分かります。

私の感覚では、ざっくり言って、4階層あるように見えます。

シドニー在住白人の階層構造

第一階層(Upper Class, 富裕層)・・・給与所得以外の、事業所得、財産所得収入が豊かな層。海岸沿いの豪邸に、自前のヨットやクルーザーを持っている人も多い。相続税ない国なので、富は子孫にもしっかり引き継がれる。

第二階層(Middle Class, 専門職・知識労働者層)・・・高学歴、高スキルで、安定した職に恵まれた層。普通、緑豊かな郊外に一戸建てを買って住む。最近は、都心近くのマンションでDINKS暮らしも多い。

第三階層(Working Class, ブルーカラー・肉体労働者層)・・・工場や工事現場など、現業系・肉体系の仕事に就いている層。薄給で、職は概して不安定だが、なんとか暮らしていける。比較的遠い、寂しい郊外に一戸建てを買って住む者多し。

第四階層(Under Class, 無業者、生活保護者層)・・・慢性的に失業していたり、ドラッグ常習者だったり、犯罪歴があって刑務所と自宅を往復したりと、自力で暮らしを立てていけない層。非常に遠い郊外の簡素な一戸建てか、「ハウジング」と呼ばれる公共住宅暮らしが多い。

で、ここからが本題ですが、

シドニーに、白人以外の人種が移住する際にも、上記の白人階層構造の、いずれかに位置づけられることになります。

それを決める要因の一つは、「本国が裕福であるかどうか?」

たとえば、日本人、台湾人、香港人、シンガポール人など、「本国が裕福なリッチ系アジア人」の場合、「第二階層」の白人と同等に位置づけられることが多い。

同じアジア人種でも、東南アジアの新興国出身だと、「第三階層」かそれ以下になることが多い。

また、英語が堪能であるか否かも、階層に直接影響します。

たとえば、フィリピン人、インド人などは、本国が裕福とは言えないですが、英語力が高く、専門職に就く人も多いので、「第三階層」から「第二階層」にステップアップする者、多数。

逆に、同じアジア新興国でも、英語が不得意な国から移住した場合、「第三階層以下」から、なかなか這いあがれません。

全体としてみると、非白人として、東アジア人の境遇は比較的良い方といえます。

中国がその典型ですが、本国が目覚ましく経済発展して、オーストラリアに持ちこめる財産もどんどん増えていますし、

また、東アジア人全体の傾向として、教育熱心で、子供を進学校、名門校に入れるケースも多く、「白人のシステム」を使った階層上昇も、比較的できているので、

白人の多い地域に、東アジア人が住むことで、その地域が嫌悪されたり、イメージダウンになることは、余り多くありません。

特に、地域に日本人が移り住む場合、それをイメージダウンととらえる白人は少ないでしょうね。(ジャパンブランドもあるし・・・あと日本人の場合、中国人や韓国人に比べて人数が圧倒的に少ないので、あまり嫌われない、という面もある)。

ただし、中近東、アフリカ、南太平洋諸島出身の移民の場合は、その限りではなく、

生活実態としても、よくて「第三階層」、下手したら「第四階層以下」が多く、

彼らが住むことで、その地域が敬遠される、不動産価格が下がる・・・というケースも、私は多くみてきました。

白人の最悪の境遇よりも、さらに悲惨な境遇におかれた移民の暮らしぶりも、垣間見てきました・・・。

私はもちろん、差別を助長したいわけではありません。

ですが、欧米大都市で暮らすうえで、その地域の「特性・属性」は、忘れてはいけないファクターであり、

それには、「人種」というファクターを避けては通れない・・・という事実を言っています。

最近、私は、米国ミシガン州で戸建を買いました。低価格帯とはいえ、失敗したくはないので、公開されたデータの分析、地域特性の考察、そしてシドニー暮らしで得た「人種と属性の感覚」を駆使して、それなりに良い買い物をしたと思います。

次回は、それについて、詳しくお話ししていきます。

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コメント

  1. 大家クリスタルK より:

    1. 大変勉強になります。

    日本の田舎に住んでいます。

    「人種」というものを普段ほとんど考えなくてすんでいることは、ある意味ではとても幸せなことなのかなと思いました。

    http://ameblo.jp/tonarinotea/

  2. manachan より:

    2. Re:大変勉強になります。
    >大家クリスタルKさん
    >「人種」というものを普段ほとんど考えなくてすんでいることは、ある意味ではとても幸せなことなのかなと思いました。

    ま、ある意味・・・気楽かもしれませんね。

    ただ、いろんな人種が入り混じる環境に慣れてしまえば、それはそれで、楽しいですよ。

    あと、私はグローバル企業でマネジャーをやっているので、多人種・多文化のオーストラリアで暮らした経験が、とても役に立っています。
    http://ameblo.jp/manachan2150/

  3. 大家クリスタルK より:

    3. Re:Re:大変勉強になります。
    >manachanさん

    連続で失礼いたします。

    ごめんなさい、僕の書き方だといろんな意味にとらえられるような気がしまして。

    自分の世間知らずさがおめでたいなぁと感じて書きました。

    manachanさんの洗練された雰囲気が、とってもカッコイイです。

    http://ameblo.jp/tonarinotea/

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欧米不動産、人種と属性の話-前編

今回は、身も蓋もない話を書きますね。

日本で家探しをする場合、「この地域はどの人種が多い・・・」みたいなことが、話題に上ることはほぼありませんが、

世界中から来た移民が暮らす、「人種のるつぼ」である欧米主要都市では、「人種」が明らかに、各地域の特徴や、イメージの良し悪しに影響している面があります。

多くの人が読むブログで、こんなこと書いていいのか、私自身も逡巡するのですが・・・

それぞれの社会における多数派が、好ましいと思う人種が多く住む地域の不動産価値は上がり、彼らが嫌悪する人種が多い地域の不動産価値は下がる

というのが、いくつかの欧米大都市に暮らした私の、偽らざる実感ですし、不動産投資する上で、不可欠な知識だとも思います。

私が、足かけ5年間暮らした、「シドニー」を例にして、説明しますね。


都心部・郊外部あわせて、人口430万人を超える、オーストラリア最大の都市・シドニー。

この都市における多数派住民は、もちろん「白人」ですが、

世界中から移民が流入するコスモポリタンな都市でもあるので、我々みたいな東アジア系も多いし、インド系も、中近東系も、アフリカ系も、中南米出身の混血系も、あらゆる人種が揃っています。

私が家買って暮らしていた、シドニー郊外の街では、向こう三軒両隣がレバノン人、中国人、白人(ニュージーランド&カナダ出身)、街に出ればインド人多数・・・みたいな世界で、

職場に行けば、上司がブラジル人、スリランカ人、南アフリカの白人、同僚の多くは中国人、韓国人、ベトナム人、もちろん地元生まれのオージー(白人)も多数。

小学校のクラスで、それぞれの親の出身国を書くだけで、世界地図ができてしまう・・・

私が海外不動産投資に、違和感なく入っていけるのも、こういう環境で暮らしたおかげですね。


そんな「人種のるつぼ」シドニー、当然ながら、皆が平等ではなく、「社会階層」なるものが、厳然としてあります。

西暦1788年、この地に、英国人が入植した際に、本国の「支配者」と「被支配者」(労働者や奴隷)という階層構造が、そのままこの地に移植されました。

支配者やその家族は、シドニー東部、眺望の良い海岸エリアに豪邸を構えて暮らし、労働者は西の内陸部に簡素な家を構えて暮らした・・・その名残りは、今でも残っています。

英国や米国の都市ほどの「格差」ではないかもしれませんが、よく観察すれば、シドニーの多数派・白人世界のなかで、階層構造がほぼできあがり、各エリアごとの棲み分けに直結していることが、分かります。

私の感覚では、ざっくり言って、4階層あるように見えます。

シドニー在住白人の階層構造

第一階層(Upper Class, 富裕層)・・・給与所得以外の、事業所得、財産所得収入が豊かな層。海岸沿いの豪邸に、自前のヨットやクルーザーを持っている人も多い。相続税ない国なので、富は子孫にもしっかり引き継がれる。

第二階層(Middle Class, 専門職・知識労働者層)・・・高学歴、高スキルで、安定した職に恵まれた層。普通、緑豊かな郊外に一戸建てを買って住む。最近は、都心近くのマンションでDINKS暮らしも多い。

第三階層(Working Class, ブルーカラー・肉体労働者層)・・・工場や工事現場など、現業系・肉体系の仕事に就いている層。薄給で、職は概して不安定だが、なんとか暮らしていける。比較的遠い、寂しい郊外に一戸建てを買って住む者多し。

第四階層(Under Class, 無業者、生活保護者層)・・・慢性的に失業していたり、ドラッグ常習者だったり、犯罪歴があって刑務所と自宅を往復したりと、自力で暮らしを立てていけない層。非常に遠い郊外の簡素な一戸建てか、「ハウジング」と呼ばれる公共住宅暮らしが多い。

で、ここからが本題ですが、

シドニーに、白人以外の人種が移住する際にも、上記の白人階層構造の、いずれかに位置づけられることになります。

それを決める要因の一つは、「本国が裕福であるかどうか?」

たとえば、日本人、台湾人、香港人、シンガポール人など、「本国が裕福なリッチ系アジア人」の場合、「第二階層」の白人と同等に位置づけられることが多い。

同じアジア人種でも、東南アジアの新興国出身だと、「第三階層」かそれ以下になることが多い。

また、英語が堪能であるか否かも、階層に直接影響します。

たとえば、フィリピン人、インド人などは、本国が裕福とは言えないですが、英語力が高く、専門職に就く人も多いので、「第三階層」から「第二階層」にステップアップする者、多数。

逆に、同じアジア新興国でも、英語が不得意な国から移住した場合、「第三階層以下」から、なかなか這いあがれません。

全体としてみると、非白人として、東アジア人の境遇は比較的良い方といえます。

中国がその典型ですが、本国が目覚ましく経済発展して、オーストラリアに持ちこめる財産もどんどん増えていますし、

また、東アジア人全体の傾向として、教育熱心で、子供を進学校、名門校に入れるケースも多く、「白人のシステム」を使った階層上昇も、比較的できているので、

白人の多い地域に、東アジア人が住むことで、その地域が嫌悪されたり、イメージダウンになることは、余り多くありません。

特に、地域に日本人が移り住む場合、それをイメージダウンととらえる白人は少ないでしょうね。(ジャパンブランドもあるし・・・あと日本人の場合、中国人や韓国人に比べて人数が圧倒的に少ないので、あまり嫌われない、という面もある)。

ただし、中近東、アフリカ、南太平洋諸島出身の移民の場合は、その限りではなく、

生活実態としても、よくて「第三階層」、下手したら「第四階層以下」が多く、

彼らが住むことで、その地域が敬遠される、不動産価格が下がる・・・というケースも、私は多くみてきました。

白人の最悪の境遇よりも、さらに悲惨な境遇におかれた移民の暮らしぶりも、垣間見てきました・・・。

私はもちろん、差別を助長したいわけではありません。

ですが、欧米大都市で暮らすうえで、その地域の「特性・属性」は、忘れてはいけないファクターであり、

それには、「人種」というファクターを避けては通れない・・・という事実を言っています。

最近、私は、米国ミシガン州で戸建を買いました。低価格帯とはいえ、失敗したくはないので、公開されたデータの分析、地域特性の考察、そしてシドニー暮らしで得た「人種と属性の感覚」を駆使して、それなりに良い買い物をしたと思います。

次回は、それについて、詳しくお話ししていきます。

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コメント

  1. 大家クリスタルK より:

    1. 大変勉強になります。

    日本の田舎に住んでいます。

    「人種」というものを普段ほとんど考えなくてすんでいることは、ある意味ではとても幸せなことなのかなと思いました。

    http://ameblo.jp/tonarinotea/

  2. manachan より:

    2. Re:大変勉強になります。
    >大家クリスタルKさん
    >「人種」というものを普段ほとんど考えなくてすんでいることは、ある意味ではとても幸せなことなのかなと思いました。

    ま、ある意味・・・気楽かもしれませんね。

    ただ、いろんな人種が入り混じる環境に慣れてしまえば、それはそれで、楽しいですよ。

    あと、私はグローバル企業でマネジャーをやっているので、多人種・多文化のオーストラリアで暮らした経験が、とても役に立っています。
    http://ameblo.jp/manachan2150/

  3. 大家クリスタルK より:

    3. Re:Re:大変勉強になります。
    >manachanさん

    連続で失礼いたします。

    ごめんなさい、僕の書き方だといろんな意味にとらえられるような気がしまして。

    自分の世間知らずさがおめでたいなぁと感じて書きました。

    manachanさんの洗練された雰囲気が、とってもカッコイイです。

    http://ameblo.jp/tonarinotea/

  4. manachan より:

    4. Re:Re:Re:大変勉強になります。
    >大家クリスタルKさん

    いえいえ・・・身に余るお言葉、ありがとうございます。
    http://ameblo.jp/manachan2150/

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