葛飾区vs足立区

千葉県東葛地域(柏市)出身の私が、馴染みのある関東の他県・他地域を、勝手に語るシリーズ、「他県批評シリーズ」が、なかなか好評を博しています。(これ書くと、アメブロランキングが上がるんだよねえ♪)

第1弾:埼玉の個性(2012/3/9)

第2弾:神奈川の不思議(2012/3/29)

に続く、第3弾で標的になるのは、

東京都葛飾区&足立区

当シリーズも、いよいよ「花の東京23区」に進出ですね。


私の生まれ育った、千葉県東葛地域と、東京の間には、大河「江戸川」が流れています。

「首都圏であっても、東京ではない」微妙な立ち位置のエリアに生まれ、「江戸川の向こう」、光り輝く大都会、日本の首都・東京を、仰ぎ見ながら育ってきました。

とはいえ、東京は広い。私が羨望の眼差しを向ける「東京都心」と、我が「東葛」の間には、「東京でありながら、ユルくて、牧歌的な、昭和の香りが残る、癒し系のエリア」が存在します。それが、

葛飾区と足立区

なんですね。


葛飾区と足立区・・・この2区が面白いのは、

「実際は、よく似たエリアなのに、イメージは雲泥の差」

ということ。

葛飾区といえば、「フーテンの寅さん」(柴又)、「こち亀の両さん」(亀有)という、郷土の誇る「二大ヒーロー」を生みだした土地。

フーテン、破天荒、そして下町の人情・・・極めてキャラの立った、全国的知名度のある、ギネスブックにも載った二人の「人物」(?)の功績により、葛飾区には、「古き良き下町」みたいな、何となく良好なイメージがある。

葛飾の生んだ、スーパーヒーロー

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逆に足立区は、ご当地スーパーヒーローを持たなかったためか、葛飾区に比べて、イメージの面で損しています。未だに、20年以上前に綾瀬で起こった殺人事件のことを取り沙汰されたり、文芸春秋に「下層社会」と名指しで書かれたりと、ダークなイメージがつきまとう。

しかし、現実をみれば、足立区と葛飾区の差が、一体どこにあるのでしょう?

社会経済指標・・・たとえば平均所得、進学率、犯罪発生率、物価、どれをみても、両区の間に、大した差は見てとれません。足立区にヤンキーが多いといっても、葛飾区にだって、ほぼ同じ密度でヤンキーはいます。

地域発展度や、都心への交通アクセスをみれば、ハッキリ言って、足立区の方が上でしょう。

1)「足立区のマンハッタン」と呼ばれ、大発展した北千住・・・これに相当する都市は、葛飾区にはない。

2)足立区人口のボリュームゾーンである東武伊勢崎沿線は、日比谷線と半蔵門線に直通し、いずれも、都心のオフィス街・繁華街と直結。対する葛飾区は、多くの人口が京成沿線に住んでいるが、こちらは上野止まりか、都営浅草線直通で、こちらは都心をちょっと外した微妙なルート。

3)足立区は、葛飾区より面積が広く、これまで「陸の孤島」の多さで知られていたが、近年、「つくばエクスプレス」、「日暮里舎人ライナー」の開通で、「陸の孤島」が大分解消された。一方で、葛飾区には交通の便を改善する、見るべき新線計画はない。

交通アクセスの良さを反映してか、足立区は葛飾区よりも、平均家賃は多少、高くなっています。
交通面では、今の葛飾区は残念ながら、23区で一番不便と言わざるを得ません。

面白いことに、戦前の葛飾区は、東京のなかでも、鉄道先進地域でした。京成電鉄が区内をX字にくまなく走り、「西の世田谷、東の葛飾」と言われたほど、都内を代表する新興住宅地でした。

当時の葛飾が、先進的過ぎたので、戦後になって、開発が進まなかったのかもしれません。
逆に、開発が遅れた足立区が、21世紀になって、つくばエクスプレスと日暮里舎人ライナーという、先進交通手段を一気に手にしたのです。


ですが、この事実こそ、葛飾の地で、「二人のスーパーヒーロー」が生まれた理由かもしれません。

私は、「京成電鉄」こそ、寅さんと両さんを生みだす土壌をつくったと考えています。

昭和の時代から、ずっと時間が止まったような、葛飾区内の都市交通。
21世紀になっても、未だに、昭和の香りを色濃く残す、葛飾の住宅地。
マンションの数は増え、木造住宅は減っても、「レトロな懐かしさ」に溢れています。

特に、寅さんが実家に帰ったり、ケンカして実家を飛び出す時に使う、「京成金町線」なんて、日中は未だに、15分に1本なんですよ。東京23区内とは思えない。まるで地方ローカル線!

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鉄道の高架化が進まず、未だに踏切が多く残り、密集した木造住宅街を縫って走る、
商店街も元気で、下町のおじさん、おばさん達の、威勢のよい声が響く。 

そんな葛飾の風景のなかでこそ、「寅さん」や「両さん」が生まれ、レトロな下町のイメージをつくったのだと思います。

同じ下町でも、高架化の進んだ足立区から、彼らは生まれ得なかったのだと思います。


時代遅れの鉄道、踏切、密集した住宅地、商店街、ガチャガチャ、タイ焼き屋、銭湯・・・今、都内ではめっきり少なくなりましたが、

これは、私にとって、東京の原風景といえるものであり、

海外で暮らしていると、時々、葛飾の昭和な風景が思い出されて、泣きたいほど、懐かしい気分になったりします。

寅さん、両さんは、時代遅れの葛飾が生んだ、キャラクター・ブランドなのでしょうね。

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コメント

  1. 新米大家よしゆき より:

    1. こんばんは!
    よしゆきです~!(^^
    いつも大変お世話になっております!

    よくぞっ!よ~く~ぞ~!
    言って頂きました!

    そうです。足立区はイメージ先行で大分損しております!
    特に我が北千住は、少し前まで
    「北千住って埼玉だっけ?千葉だっけ?」
    と、人々の心の中ではどのゾーンにも所属していない
    逆に言えば何処に属しるかなんて興味ガ無い。
    そんなロストワールドだったのです!

    しかし、住んでいる私が言うので間違い無いですが
    「世間一般の常識が通用しないエリアである事」
    それは間違い無いです。
    公園には綺麗な花壇はありません。
    全部盗まれるからです。
    自転車はおろか、自転車のカゴに入れた食料も平気で盗まれます。

    それら住人のモラルの欠如がイメージを落としていると言う事も
    決して無視は出来ない事だと思います。
    http://ameblo.jp/hanatyan12/

  2. manachan より:

    2. もと足立区民です
    私も、以前足立区に住んでいました。小菅拘置所から徒歩5分の2DKを借りて、中国人とルームシェアして、家賃折半にしてました。

    だから、この辺の事情は、よく分かります。

    >公園には綺麗な花壇はありません。
    全部盗まれるからです。
    自転車はおろか、自転車のカゴに入れた食料も平気で盗まれます。

    http://ameblo.jp/manachan2150/

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