柏の葉エコシティに世界が注目!

私の実家のある、千葉県柏市は、人口40万人を擁する中核市。

この都市は、JR柏駅を中心とする既存市街地と、つくばエクスプレス「柏の葉キャンパス」駅を中心に絶賛開発中の新市街地との、二大中心地を擁しています。

JR柏駅エリアは、1973年の駅前再開発で大ブレイクして、千葉県北西部の中心地として、今でも大きな集客力を持ちます。再開発以来、すでに40年を経過して成熟期に入り、量的拡大が止まり、最近は音楽やスポーツを中心とする、若者文化の発信地として質的充実を遂げています。

一方、柏の葉エリアの新市街地は、駅前にショッピングセンター「ららぽーと」と、高層マンション群があるものの、まだまだ広大な未利用地が広がる「これからの街」です。

現時点では、街の充実度は圧倒的に「柏駅>柏の葉」。「柏の葉」に職場があっても、生活便利な「柏駅エリア」に住むことを選ぶ人も多いですが、

柏の葉の将来的な発展期待値を見込んでか、地価水準は、ほぼ同等です。

開発がすすむ柏の葉地区

私は、柏駅エリアで生まれ育ちました。私の子供時代、「柏の葉」という地名は存在せず、あの一帯は「若柴」、「十余二」、「正蓮寺」などと呼ばれる、柏の北のはずれ、交通不便な辺境の地でした。

1979年、「柏通信所」(トムリンソン基地)が、米軍から日本に返還されたことを契機に、市民から公募した「柏の葉」という地名が誕生しました。

しかし、このエリアが本格的に開発されるのは、21世紀を待たねばなりませんでした。2000年前後に東大、千葉大などが相次いでキャンパスを設置し、2005年に東京都心直結のつくばエクスプレスの駅と、「ららぽーと」ができてから、柏の葉は長足の進歩を遂げました。

しかしながら、柏駅近くの町場で育った私は、これまでの経緯から、「柏の葉=田舎」のイメージが、どうしてもぬぐえません。この地域がいくら発展しても、地価も上がっても、柏駅とは到底比肩できないという、「地元民ならではの偏見」から、なかなか抜け出せませんでした。

しかし最近、ついにその考えを改めなければならないと、感じています。

まだまだ先の話でしょうが、将来、「柏の葉」が「柏駅」を凌駕するような発展を遂げることも、ありうる話だと思っています。

柏の葉は、単なる東京郊外新興都市ではなく、「日本で唯一のユニークな街づくり、産業づくり」が行われる舞台として、世界的に注目を集めているからです

国内最大級の環境型都市、14年春に中核完成、千葉・柏

「柏の葉キャンパスシティ」は、AMES(Area Management Energy System、地域のエネルギー需給を一元管理し、節電を促すシステム)を導入した、日本初の本格的な街づくり。千葉県、柏市、東京大学、千葉大学、そして三井不動産、日立製作所を中核とする、19企業が参画する官民共同の街づくり。日本が世界に誇る、最先端のエネルギー技術が駆使されているのは、言うまでもありません。

世界的にみれば、中国で開発中の「天津生態城」、アブダビの「マスダール・エコシティ」と同列で語られるような、世界をリードする環境都市、それが柏の葉なのです。

環境都市としての「柏の葉」を、いま世界で一番注目しているのは、地元の日本でも、英語圏でもなく、中国のようです。その証拠に、

日本語で「柏の葉」
英語で「Kashiwanoha」
中国語で「柏叶校园」、「柏之叶校园」(「柏の葉キャンパス」の意味)

で、Google検索してみると、エコシティ関連記事が、一番多く出てくるのは、中国語でした。さすが、「天津生態城」を建設中の、伸び盛りの国だけのことはありますね。

柏の葉キャンパスシティは、計画人口2万6千人。天津生態城の35万人、マスダールの6万人と比べれば小規模ですが、太陽光やゴミ発電によるエネルギー供給、地域に集積した大学との共同研究、ITを駆使した地域交通システムなど、世界のエコシティ、スマートシティと共通する特徴を持つほか、

柏の葉のユニークな点としては、エコシティ内での食料生産に重点が置かれていることです。千葉大学キャンパスにある植物工場や、ららぽーと柏の葉の「みらい畑」を中核に、太陽光による野菜栽培などの、実証実験が行われています。

柏エリアは、首都圏でありながら農業が盛んな地域で、「地元で採れたコシヒカリを小学校の給食で使う」のが当たり前ですので、その特徴を活かした街づくりが、柏の葉で行われているといえます。

私は、柏出身という「地の利」もあって、柏の葉エリア開発の内部情報は、比較的入ってくるのですが、

日本一の不動産企業である三井不動産が、社運をかけて、柏の葉に力を入れていること、経済特区との関連で、国の政策にも影響を与えようとしていることは、知っています。

そこに、柏の葉を舞台とする、グローバルな視野での新産業創出という視点が入っています。私も、地元出身者で、かつ中国語、英語ができ、グローバルビジネスの第一線で働く人間として、この動きに参画していきたいと思っています。

最後に、こぼれ話をひとつ。
「柏」も「柏の葉」も、実は食い物の名前です。

柏は関東方言エリアなので、地元の人間は余り気づいていませんが、西日本に行くと「かしわ」は鶏肉の意味ですよね。

西日本から、さらに西にいくと、今度は「柏の葉」が、食い物の意味になります。中国語で「柏葉」(通常は「牛柏葉」)といえば、「牛ハチノス」の意味になります。英語でTripe、イタリア料理でよく出てくる「トリッパ」(Trippa)のことです。美味しいですよね。

柏の近隣では、埼玉県吉川市が「なまず料理の街」として売り出して、成功を収めています。
この際、「柏の葉」も「牛ハチノス料理」を、地元グルメとして打ち出してはどうでしょう?

「柏の葉」を、世界で一番注目しているのは中国人。その彼らにとって、「牛ハチノス」の意味もある・・・すでに15億人に知られているというのは、マーケティング上、大きな強みですよ。

「柏の葉ハ
チノス」で売り出してみますか・・・

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コメント

  1. 知らなきゃ損!経済塾塾長 幸田浩一 より:

    1. はじめまして
    柏の葉エリア面白そうですね。
    楽しく読ませていただきました。
    http://ameblo.jp/adok3/

  2. manachan より:

    2. コメントありがとうございます
    はじめまして。

    おっしゃる通り、柏の葉、将来有望だと思います。

    少なくとも、Tx沿線エリアの中で、飛び抜けた存在になるのは、間違いないでしょうね。

    近隣の「流山おおたかの森」も、いいところですが、柏の葉は、もともと、科学警察研究所、東大キャンパスなど、国家中枢機能の一部を担っており、重点的に社会資本投資が行われるエリアなので・・・

    加えて、三井不動産が、マジ真剣に柏の葉を開発しようとしています。東京ベイエリア・豊洲を、見事に再生させた会社なので、その手腕が柏の葉でも、発揮されると期待します。
    http://ameblo.jp/manachan2150/

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